第1章: 理想の夫婦、穏やかな寝床
第1章: 理想の夫婦、穏やかな寝床
午後六時半、神谷亮介はいつもの花屋の前で足を止めた。
店頭には色とりどりの花が並び、夕暮れの柔らかな光を浴びている。彼は少し考えて、淡いピンクのカーネーションを一輪選んだ。遥が先週「きれいだね」とつぶやいた花だ。
「毎度ありがとうございます」
店主の老婆が笑顔で包みながら言う。亮介はうなずき、財布から小銭を出す。
――今日も無事に帰ってこられた。遥が待っている。
そう思うだけで、一日の疲れが少し和らぐような気がした。
彼が住むマンションは都心から少し離れた閑静な住宅街にあった。最寄り駅から十分ほどの道のりを、花を手にゆっくり歩く。途中でスーパーに寄り、遥が好きなプリンを一つ買い足した。
ドアを開けると、柔らかな照明と温かい匂いが漂ってきた。
「おかえりなさい、りょうさん」
リビングから駆け寄ってくる遥の姿。彼女は淡い水色のエプロンをかけ、髪を後ろでひとつにまとめている。ほんのりと頬が赤く、夕食の準備をしていたのだろう。
「ただいま。今日はこれ」
亮介はカーネーションを差し出す。
遥の目がぱっと輝いた。彼女は両手で花を受け取り、そっと顔を近づけて香りを確かめる。
「きれい……ありがとう。すぐに生けるね」
「プリンも買ってきたよ」
「えっ、本当? 嬉しい。今日はりょうさんの好きなハンバーグを作ったの。ちょっと待っててね」
遥は花とプリンを持ってキッチンへ消えた。亮介はソファに腰を下ろし、ネクタイを緩める。リビングは常に整っていて、小さな観葉植物が窓辺に置かれている。遥が丹精込めて世話をしているのだ。
彼は目を閉じ、妻が台所で動く音を聴いた。野菜を切るリズミカルな音、フライパンで何かが焼ける音。どれもこれも、この家の平和を象徴する音に思えた。
「できたよ。手を洗ってきて」
遥の声に目を開けると、彼女がテーブルに料理を運んでいる。ハンバーグにはデミグラスソースがかかり、付け合わせの野菜も彩りよく盛り付けられている。
亮介は洗面所で手を洗い、食卓につく。
「いただきます」
二人が声を揃える。ハンバーグを一口、口に運ぶ。肉の旨みとソースのコクが広がる。
「美味しいよ。遥のハンバーグは最高だ」
「そう? 良かった。今日はお肉をしっかり揉み込んだの」
遥は嬉しそうに微笑んだ。彼女は亮介の食べる様子をちらりと見てから、自分の分に箸を伸ばす。
会話はごく自然に流れる。亮介の仕事の話、遥が今日見たテレビ番組の話、週末にどこへ出かけようかという話。どれも些細なことだが、二人にとっては大切な日常の一片だった。
食後、亮介が皿洗いをしている間、遥は買ってきたカーネーションを小さな花瓶に生ける。水の入った花瓶をリビングのテーブルに置き、少し離れて眺める。
「良い場所かな」
「うん、完璧だよ」
亮介はふきんをかけながらうなずく。
やがて時間はゆっくりと流れ、夜が更けていく。二人はソファで並んでテレビを見たり、明日の天気予報を確認したりした。
十時を回った頃、亮介が伸びをした。
「そろそろ寝ようか」
「ええ」
遥はうなずき、テレビのリモコンを切る。
寝室は広くはないが、二人にとっては十分な広さだ。ベッドはダブルサイズで、シーツは遥が先週替えたばかりの清潔なものだ。
亮介がパジャマに着替えていると、遥も隣で衣替えをする。彼女の背中がちらりと見える。華奢で、でも女性らしい曲線がある。
――大切にしなければ。
亮介は自然にそう思った。
ベッドに入ると、遥がそっと寄ってくる。彼女の体温が伝わり、ほのかなシャンプーの香りが漂う。
「今日も一日、お疲れ様」
遥が囁くように言う。
「遥こそ、家のことを全部やってくれてありがとう」
亮介は彼女の髪をそっと撫でる。すると遥が顔を上げ、彼の目をじっと見つめた。
そっと唇が重なる。最初は優しく、それから少しずつ深くなる。
亮介の手が遥の背中をなでる。パジャマの上からでも、彼女の体温と柔らかさが伝わってくる。遥は小さく息を漏らし、亮介の肩に手を回す。
長いキスの後、亮介はゆっくりと遥のパジャマのボタンを外していく。一つ、また一つ。肌が少しずつ露出する。
「……恥ずかしい」
遥が目を伏せるが、抵抗はしない。
「大丈夫。ゆっくりでいいから」
亮介は彼女の頬にキスしながら囁く。すべてのボタンが外れると、遥の胸が現れた。白く柔らかく、先端はほんのりピンクがかっている。
彼はそっと片方の乳房を包み、親指で乳首をこする。遥が小さく震える。
「あっ……」
「気持ちいい?」
「うん……優しい」
亮介はもう一方の胸にも唇を寄せ、そっと吸い付く。遥の息遣いが少し荒くなるのを感じる。
彼の手はゆっくりと下へと移動し、パジャマのパンツのウエストに指をかける。遥は一瞬、体を硬くするが、すぐに力を抜く。
「……りょうさん」
「怖くないよ。大丈夫」
亮介は彼女の耳元でそう言い、パンツをゆっくりと下ろす。遥の下腹部、そして恥丘が現れる。陰毛はきちんと整えられ、その下には小さな裂け目がある。
彼の指がそっと触れる。すでにほんのり湿っている。
「遥、濡れてるよ」
「……うん。だって、りょうさんに触られて……」
遥の声はかすれている。亮介は優しく微笑み、人差し指で陰唇をそっと開く。中は温かく、柔らかい。
そっと指を滑り込ませる。遥の膣内は狭く、しかし湿り気があって受け入れてくれる。
「んっ……!」
遥が小さく声を上げる。亮介はゆっくりと指を動かし、彼女の内側を探る。敏感な点を見つけると、そっとそこを刺激する。
「あ、そこ……気持ち、いい……」
遥の腰が少し浮く。彼女の顔にはうっとりとした表情が浮かんでいる。亮介はもう一本の指を加え、ゆっくりと広げながら動かす。
やがて遥の呼吸がさらに乱れ、腰の動きが小さくけいれんし始める。
「りょうさん、私……もう、だめ……」
「大丈夫。そのまま感じていいよ」
亮介は彼女の耳元でそう囁き、指の動きを少し速める。
遥の体が大きく震え、膣内がぐっと締まる。彼女は亮介の腕をつかみ、声を押し殺すようにして絶頂に達する。
何度か小さな波が過ぎ去った後、遥はぐったりとベッドに横たわる。胸が上下に動き、額に汗が光っている。

コメント