第2章: 完璧な従兄弟・健流の侵入
第2章: 完璧な従兄弟・健流の侵入
夏休みが始まって三日目の午後、チャイムが鳴った。
ママが走って玄関へ向かう足音が聞こえて、ぼくはソファからゆっくりと立ち上がった。
――来ちゃったんだ、あいつ。
胸のあたりが、重たい石を詰め込まれたように沈んだ。
ドアが開いて、明るい声が響く。
「こんにちは! お邪魔します」
「いらっしゃい、健流くん! まあ、大きくなったねえ」
ママの嬉しそうな声が、耳に刺さるように痛かった。
リビングに入ってきた健流は、真っ直ぐな黒髪がきれいに整っていて、白いポロシャツに紺色の半ズボンという、どこか清潔感のある格好をしていた。
ぼくのくせ毛の茶髪と、すでに皺の寄ったTシャツとは、対照的だった。
「久遠、久しぶり」
健流はにっこり笑って、ぼくに手を差し出した。
「……うん、久しぶり」
ぼくは仕方なくその手を握り返した。
手のひらが、意外に大きくてしっかりしていた。
「荷物は二階の客室に置いておいで。久遠の隣の部屋になるから、何かあったらすぐ呼び合えるね」
ママがにこにこと健流に話しかけながら、肩にかかった栗色の髪をそっと撫でる。
その仕草が、いつもぼくにだけ向けていた優しさと同じだった。
――なんで、あんなに嬉しそうなの。
ぼくは唇を噛みしめた。
夕食の準備でママがキッチンに立つと、健流はさっそく手伝いを申し出た。
「おばさん、野菜切りましょうか? 家でよく手伝ってるんです」
「まあ、ありがとう! 健流くん、えらいね」
ママが包丁を渡すと、健流は人参を均等な厚さに切っていく。
その手つきは、ぼくがやるよりずっと慣れていて、速かった。
「くうちゃんも見習いなさいな」
ママがふとぼくの方を見て、そう言った。
――え? ぼくだって手伝うよ。
でも、口に出せなかった。
ぼくがゲーム機を取り出して「やる?」と声をかけると、健流は軽くうなずいた。
対戦格闘ゲームだったが、三戦して三戦ともぼくが負けた。
「健流くん、強いね」
ぼくが悔しそうにつぶやくと、彼は照れくさそうに首をかしげた。
「いや、運が良かっただけですよ」
でも、その目は確信に満ちていた。
次の日、ママが買ってきた夏休みのドリルをやっていると、健流はもう半分以上終わらせていた。
「勉強も得意なの?」
ぼくが聞くと、彼は淡々と答えた。
「そんなことないですよ。ただ、計画的にやるようにしてるだけです」
ママがおやつのプリンを運んできた時、ぼくの進み具合を見て、ため息をついた。
「くうちゃん、もっと集中しなきゃダメよ。健流くんを見習って」
その一言が、胸にトゲのように刺さった。
――ママ、ぼくのこと、ダメな子だって思ってるの?
夜ご飯の後、ママがふと口を開いた。
「そうだ、健流くん。せっかくだから、今日から一緒にお風呂入らない?」
ぼくは箸を置いた。
「えっ? だめだよ!」
声が思ったより大きく出てしまった。
ママはきょとんとした顔でぼくを見た。
「どうして? 男の子同士、別にいいでしょ。それに、お風呂掃除も一度で済むし」
「でも……でもさ」
理由がうまく言えなかった。
ただ、ママと二人きりで入る時間が、削られるのが嫌だった。
健流は遠慮がちに下を向いた。
「ぼく、別に大丈夫ですよ。久遠が嫌がってるなら……」
「久遠、そういうこと言っちゃダメよ。健流くんはお客様なんだから、仲良くしなきゃ」
ママの声には、いつもより強い口調が混じっていた。
ぼくはぐっと唇を噛み、うつむいた。
「……わかったよ」
脱衣所は、普段より狭く感じた。
ママがまず自分の服を脱ぎ始める。タンクトップを頭の上から脱ぐと、くびれたウエストと、ふくらみのある胸が現れた。
ぼくはいつものことなのに、今日はなぜか健流の視線が気になって仕方がなかった。
「健流くん、そろそろ服脱ごうか」
ママが健流の前に立つと、彼は少し頬を赤らめた。
「はい……」
ママは健流のポロシャツのボタンを一つずつ外していく。
その指先が、彼の胸に触れるたびに、ぼくの胃がきりきりと痛んだ。
ズボンも脱がせ、最後に白いブリーフが残った。
「じゃあ、これもね」
ママが優しく声をかけ、ブリーフのゴムを親指にかける。
ゆっくりと下ろしていく――
そこにあったのは、ぼくが想像していたものとは、まったく違う形をしていた。
まだ勃起していないのに、ぼくのより明らかに長く、太い。
先端の亀頭は、包皮に覆われておらず、大人のようにむき出しで、濃いピンク色をしていた。
長さは、ぼくの勃起した時よりも、ずっと長そうだった。
ママの手が、一瞬止まった。
「まあ……」
彼女の息が、わずかに乱れた。
「健流くん……立派なのね」
その声には、驚きと、何か別の感情――興味のようなものが混じっているように聞こえた。
健流はうつむいたまま、小さな声で言った。
「おばさん……きれいだなって、思って……」
彼の視線は、ママの裸体をゆっくりと舐めるように見つめていた。
乳房の先端、へそのくぼみ、そして恥骨のあたりまで。
ぼくは、自分の手が震えているのに気づいた。
――見るな。
――ママは、ぼくのものなんだから。
でも、声が出なかった。
脱衣所の空気が、重く、熱く、淀んでいくのを感じた。
コメント