第1章: 無表情なモデルと、蠢き始める欲望(続き 2/2)
白い光が、彼女の裸体を瞬間的に照らし出し、また闇に戻す。
フラッシュの熱が、肌に一瞬触れる。
「ちくっ……!」
「すげえ……これ、マジで……」
部員たちの声が、興奮に震える。
一人が、股間を無意識に押さえている。
ズボンの上からでも、その膨らみが明らかだ。
別の部員は、唇を噛みしめ、額に汗を浮かべている。
凛は、それらの視線を感じていた。
肌にまとわりつく、熱く湿ったような視線。
しかし彼女には、それが何を意味するのか、理解できない。
なぜ、そんなに熱心に見つめるのだろう。
彼女はただ、指示に従っているだけなのに。
「次は……床に手をついて、四つん這いになってください。お尻を、少し高く上げて……」
三谷の指示に、凛はゆっくりと腰を落とす。
両手を床につく。
冷たいリノリウムの感触が、掌に伝わる。
そして背中を反らせ、臀部を後方に突き出すようにした。
そのポーズによって、少女の秘められた部分が、より明確に露わになる。
陰唇の柔らかな襞が、重力によってほんのりと開きかける。
薄桃色の粘膜が、微かに湿り気を帯び、夕陽の光を反射している。
「くっ……すげえ……」
「マジで……あんなにきれいなのに、平気でこんなポーズ取るなんて……」
部員たちの声が、さらに興奮に震える。
全員が、カメラを構える手を震わせている。
一人は、我慢できずに、ズボンのチャックを少し下ろしそうな手つきで、股間を押さえた。
吐息が、ホワッと白く曇る。
凛は、それらの変化を目にしても、無表情のままだ。
ただ、指示に従っているだけ。
「もっと……もっと開いてもらっていいですか? 股を……」
別の部員が声をかけた。
その声は、明らかに欲望に潤い、震えている。
凛は頷く。
四つん這いのまま、膝をさらに広げた。
その動作によって、完全に陰部が開放される。
薄桃色の粘膜が、ぷっくりと膨らみ、中心の割れ目から、ほんのりと湿った光沢を覗かせる。
シャッター音が、もはや嵐のようだった。
フラッシュの光が、絶え間なく彼女の裸体を焼き付ける。
部員たちの息遣いが、荒く、熱く、部室の空気を淀ませる。
埃と興奮の汗の匂いが、混ざり合う。
凛はそのままの姿勢を保ちながら、考える。
彼らはたくさん写真を撮っている。
きっと満足しているのだろう。
であれば、これで役割は終わる。
しかし三谷は、まだ撮影をやめない。
彼の目はファインダーから離れず、喉が渇いたように何度も唾を飲み込んでいる。
カメラを構える腕に、力が入りすぎて、震えが止まらない。
「……白瀬さん。今日は、これで終わりにしましょう」
ようやく彼がそう言った時には、部室の中は完全に欲望の熱気に満ちていた。
男子たちの顔は皆、興奮で赤らみ、目は血走っている。
股間の膨らみが、ズボンの上から明らかな者もいた。
凛はゆっくりと立ち上がる。
床に脱いだ服を、拾い始めた。
無防備に開かれた股間が、立ち上がる動作で、ゆらりと揺れる。
それを見て、誰かが抑えきれずに、呻き声をもらす。
彼女は何も問わなかった。
なぜこんなことをするのか、と。
なぜ彼らはあんなに興奮していたのか、と。
ただ、帰宅して悠真にメールを送らなければならないと思い出した。
今日も写真のモデルをした、と。
悠真はきっと、にっこり笑って「頑張ったね」と返信してくれるだろう。
凛はそう思いながら、制服に着替えていった。
肌にまとわりついた男たちの視線の残滓は、彼女には単なる「温度の変化」としてしか認識されない。
ただ、裸だった肌が、再び布地に包まれる感触が、少しだけくすぐったく感じられた。
部室のドアを閉めるとき、ちらりと中を見返した。
部員たちは、まだ興奮冷めやらぬ様子だ。
カメラの液晶画面を、貪るように覗き込んでいる。
彼らの目は、画面に映る彼女の裸体に釘付けだった。
一人が、画面を指でなぞるように触っている。
凛は首をかしげた。
あの写真は、そんなに面白いものなのだろうか。
彼女はその疑問を胸に留めず、すぐに忘れた。
そして廊下を歩きながら、明日も同じようにモデルをすれば良いと考えた。
難しくない行為だから。
夕暮れの校舎を抜ける風が、彼女のスカートの裾をそっと揺らした。
凛はその感触を、ただの物理現象として感じ取り、駅に向かって歩き続けた。
***
部室の中。
三谷が、小さく呟く。
「……これ、やべえことになるな」
声は、震えていた。
興奮と、後ろめたさが、混ざり合う。
彼の隣で、一人の部員がニヤリと笑った。
「部長、次はもっとスケベなポーズ、やらせてみようぜ。あの子、絶対何でも言うこと聞くし」
その部員は、まだ股間を押さえたままだ。
ズボンの上から、明らかな膨らみが消えていない。
三谷は、カメラをぎゅっと握りしめた。
液晶画面には、凛が四つん這いで臀部を高く上げた写真が鮮明に映っている。
陰部の詳細まで、くっきりと写っていた。
薄桃色の粘膜の皺、微かな湿り気の光沢まで。
彼は、唾を飲み込んだ。
喉が、カラカラに渇いている。
「……うん。次は、もっと……人間味のある、生々しい作品を作ろう」
三谷の声には、もうためらいはなかった。
ただ、欲望が、ゆっくりと蠢き始める音だけが、部室の空気を震わせていた。
他の部員たちも、それぞれのカメラを覗き込み、興奮を噛みしめている。
一人は、こっそりとスマホを取り出し、カメラの液晶画面を写真に収めようとしていた。
「これ……永久保存版だぜ……」
その呟きに、周りがくすくすと笑う。
笑い声の中に、欲望が滾っていた。
凛はそれらを知らずに、今日も変わらない日常の中を歩いていた。
彼女の心には、まだ何の亀裂も入っていない。
ただ、感覚過敏な肌が、制服の布地の摩擦を、いつもより強く感じているだけだった。
腿の内側が、ほんのりと熱い。
なぜだろう、と考えもせず、彼女は駅の階段を下りていく。
コメント