第4章: 最初のポーズで座り、次にM字にしゃがみ込み、左右に開いた膣口の中まで鉛筆の先と視線に貫かれる(続き 2/2)
そこまで開いたところで、私は一瞬息を止めた。いま、自分の脚がどのくらい開いているのか確かめるのが怖かった。でも、目の前のイーゼルの向こうで、息を呑む音がいくつも聞こえた。鉛筆の動きが止まる。紙が落ちるかすかな音さえした。
私は、おそるおそる視線を下ろした。
自分の股間が、丸見えだった。つるつるに剃り上げた恥丘は、桃色がかったふっくらとした膨らみを正面に向けて突き出している。その下で、左右に開いた大陰唇のあいだから、中の小陰唇が覗いていた。小陰唇のひだは、薄いピンクと濃い紅色が入り混じった複雑な襞を描いて、まるで異国の花びらみたいにひらめいている。その奥には、膣口がとろりとした入り口を開きかけていて、粘膜の濡れた赤みが、蛍光灯の光を受けててらてらと輝いている。
自分で見ていて、頭がくらくらした。これが、いまの私。十人の男たちの目の前で、自分の膣の奥まで晒している。しかも、膣口はひくひくと窄んでは緩み、窄んでは緩みを繰り返していて、そのたびに透明に近い愛液がじわりと滲み出て、太腿の内側を伝ってブランケットに染みを作っている。
恥ずかしい。どうしようもなく恥ずかしい。顔から火が出そうで、耳の先まで熱くて、頭のなかで羞恥が渦を巻いている。それなのに、子宮の奥からは新たな粘液が滝のように溢れてきて、膣口がひくひくと収縮を繰り返すたびに、ぐちゅ、と微かな水音が鳴ってしまう。
ああ、音がしてる。私のおまんこ、こんな静かな部屋で、くちゅくちゅって音を立ててる。
その音を聞きつけたのか、さっきまで止まっていた鉛筆の音が、また動き始めた。今度はさっきよりずっと速い。ざりざりざりざりざり!誰かが必死に線を重ねている。別の誰かが、紙をめくる大きな音を立てた。正面の大学生風の若者は、目を大きく見開いて、私の股間から目が離せないようすで、鉛筆を握った手が小刻みに震えている。
視界の端で、スーツの中年男性が、無意識のうちに自分の股間のあたりを気にしているのが見えた。作業着の年配男性は、額にうっすらと汗を浮かべて、食い入るように私の膣口を見つめている。
すべての視線が、私のあそこに集中している。膣口に、小陰唇に、クリトリスの包皮に、尿道口の小さなくぼみに。それらすべてが、十人ぶんの視神経を通じて、脳裏に焼きつけられている。
その確信が、私をさらに追い詰める。もう、太腿の内側はぐっしょりと濡れて、ブランケットの染みは直径が十センチ以上に広がっていた。その染みが、じわじわと広がっていくのが自分でも見える。愛液は太腿を伝って、膝の裏にまで達し、しゃがみ込んだかかとの下でブランケットを湿らせている。甘ったるい、女の匂いがもう部屋の隅々にまで充満しているはずなのに、誰も窓を開けようとはしなかった。
それどころか、高柳さんは静かな声でこんなことを言った。
「皆さん、陰部の構造も丁寧に描いてください。特に襞の重なりや、粘膜の質感の違いを意識されるとよいでしょう」
陰部の構造。襞の重なり。粘膜の質感。その言葉のひとつひとつが、私の膣壁をきゅうっと締めつける。高柳さんは、私のあそこを「陰部の構造」と言った。まるで、私の一番恥ずかしい場所が、ただのデッサン対象であるかのように。でも、それがかえって、私の羞恥を倍増させる。だって、デッサン対象として真面目に見られているのに、私はこんなに感じて、ぐちゅぐちゅに濡らしているのだから。
膣口が、ひくつくたびに、まるで別の生き物みたいに勝手に開閉している。その動きに合わせて、小陰唇のひだも一緒にひらめき、奥の粘膜がチラチラと見え隠れする。自分でコントロールできない。見られているという事実が、私の身体を完全に支配してしまっている。
鉛筆の音が、ピークに達していた。ざりざりざり、ざざざざざ。紙を擦る音の大合唱が、私の耳の奥で反響する。誰かの吐息が荒くなっている。椅子がきしむ音。これらのすべてが、私のクリトリスに直結しているみたいに感じられて、包皮の下でそれがぷっくりと膨らみ、じんじんと疼いているのを自覚する。
我慢できない。指で触りたい。クリトリスを剥いて、ここにいるみんなの前で転がしたい。
でも、まだ。まだ、時間があるはず。私はかろうじて理性の糸を手放さず、震える膝を支えながら、M字開脚の姿勢を保ち続けた。膣口からは次から次へと新しい愛液が溢れ、ブランケットの染みはもう大きな水たまりのようになっている。太腿の内側を伝うそれが、くすぐったくて、それでいてたまらなくもどかしい。
ああ、なんてことをしているんだろう、わたし。公衆の面前で、おまんこをぐっちょり濡らして、ひくつかせて、それで「もっと見て」って無言でねだっているみたいじゃない。
そのとき、高柳さんがストップウォッチをちらりと見る気配がした。
「お疲れさまです。最後のポーズに移りましょう」
その声が、遠くのほうから聞こえてくるようだった。最後のポーズ。次はもっと開いて、指で広げて、クリトリスを見せつける。そう思った瞬間、私のなかで何かが音を立てて壊れた。もう、自制する気持ちの箍が、ぷつんと切れてしまったのだ。
最後のポーズ。わたし、どこまで見せられるんだろう。どこまで、自分を晒せるんだろう。
その期待に、膣の奥がぎゅうっと疼いて、新しい蜜がどろりと溢れ出るのを、私ははっきりと自覚していた。
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