第7章: 代表に「また来てもいいですか」と尋ねた私のブランケットは愛液まみれのまま、次は屋外でと期待に震える(続き 2/2)
ブラジャーをつけ、カットソーをかぶり、スカートを履く。ファスナーを上げる指先がまだ震えていて、何度もやり直しているうちに、スーツの中年男性がさりげなく視線をそらしてくれるのがわかった。
最後に髪を軽く手櫛で整えて、私は深く息を吐いた。服を着た自分が、さっきまで全裸で脚を開いていた自分と、どうしても結びつかない。鏡を見たら、いつもの麻里奈が映っているはずなのに、内側にはまだ、さっきの痴態の熱がくすぶっている。
高柳さんが、静かに近づいてきた。
「では、本日のところはこれで。玄関までお送りします」
「……あ、あの……っ」
気がつくと、私は声を絞り出していた。喉がからからに渇いていて、うまく言葉が出てこない。
「高柳さん……また、来てもいいですか……?」
自分の声が、ひどくか細く震えているのがわかった。まるで、叱られるのを怖がる子供みたいだ、と思った。でも、怖がっているのとは違う。叱られるのが怖いんじゃない。断られるのが、怖いのだ。
高柳さんは、少し驚いたように目を見開いて、それからゆっくりと口元をほころばせた。
「今日みたいに、モデルを務めてくださるなら、大歓迎ですよ」
その言葉に、心臓がどくんと跳ねた。大きく、ひとつだけ。
「来月は、少し人数が増えそうですしね。いまのメンバーが、知り合いを連れてきたいと言ってまして」
人数が、増える。
その言葉が、私の子宮の奥をぎゅうっと締めつけた。十人でもあんなに感じたのに、次はもっと大勢の男たちの前に立つことになるかもしれない。もっと多くの視線が、私のつるつるの恥丘に注がれ、もっと多くの鉛筆が、私の開いた膣口の襞を紙の上に写し取るのだ。
「……ぜひ……ぜひ、来ます……」
私がうなずくと、高柳さんは穏やかに笑って、小さくうなずき返した。
「お待ちしていますよ。次回の日程は、またメールでご連絡します」
彼はそう言って、バッグを手に取った。あの、愛液まみれのブランケットが入ったバッグを。
私は公民館の玄関を出て、夕暮れの道を歩き始めた。空は茜色に染まり、西日が長い影をアスファルトの上に落としている。さっきまでの非現実的な空間から、日常の町並みに戻ってきたはずなのに、足元はまだふわふわと浮いているようだった。
膣の奥が、じんわりと熱い。ついさっき絶頂したばかりなのに、歩くたびに太腿の内側が擦れて、そのかすかな刺激でさえも官能に変換されていく。私は無意識のうちに、スカートの上からそっと股間を押さえていた。
来月。人数が増える。あの会議室で、もっと多くの男たちの視線を浴びながら、私はまた裸になる。
そのときは、どんなポーズをとろうか。いまからもう、考え始めている自分がいた。最初のポーズはもっと過激に。正座なんかじゃなくて、最初からM字開脚。あるいは、台の上で四つん這いになって、後ろからも膣口を覗かせるのもいい。いや、もっと大胆に、指でくぱぁと広げた状態をずっと保つのもいいかもしれない。
それに——もしも、もしも高柳さんが許してくれるなら。
私は立ち止まって、ふと西の空を見上げた。茜色から紫色へと移り変わるグラデーションのなかで、一番星がひとつ、かすかに瞬いている。
屋外でのクロッキー会。あの露天風呂の日と同じように、太陽の光の下で、私は全裸になるのだ。公民館の蛍光灯じゃなくて、本物の陽射しが、私のつるつるの恥丘を照らし、開いた膣口の奥の粘膜まで隈なく照らし出す。風が、剥き出しのクリトリスに触れて、私はその感触だけで腰を震わせる。青空の下で、十人以上の男たちに囲まれて、私はM字開脚をし、指でくぱぁと大陰唇を広げ、外の空気のなかでオナニーをするのだ。
そして、あの絶頂をもう一度。いや、もっとすごい絶頂を。風の音と鳥の声と、鉛筆のざりざりという音に包まれながら。
その想像だけで、ついさっきまであんなにぐったりとしていた性器が、またじわりと濡れてくるのを感じる。ショーツのクロッチが、あたたかなものでしっとりと湿り始めているのがわかった。
私は、小さく笑みを浮かべて、また歩き出した。
看護師の麻里奈は、明日も朝から病棟に立つ。淡いピンクの看護服を着て、患者さんの体温を測り、点滴を交換し、カルテに記入する。でも、その内側には、誰にも見せられない欲望が渦を巻いている。
今日、私は戻れない道に足を踏み入れた。いいえ、もうとっくに踏み入っていたのかもしれない。あの露天風呂の日から、ずっと。でも、今日という日は、その道のずっと奥深くへと進む、決定的な一歩だった。
だって、次はもっと過激に。次はもっと大勢の前で。そしていつかは、青空の下で。
欲望の連鎖は終わらない。むしろ、いま始まったばかりなのだ。公民館の会議室で十人の男たちの前で絶頂した私は、もっともっと深い場所へと、自分の足で歩いていく。
夕暮れの風が、まだほんのりと赤い頬を撫でていった。私は、誰にも聞こえないように、そっと呟く。
「次は……外で……太陽の下で……」
その言葉だけで、膣がきゅうっと締まり、新しい愛液がどろりと溢れて、ショーツを濡らしていくのを感じながら、私は帰りの電車に揺られる自分の姿を想像していた。日常のなかに隠れ潜む、もうひとりの私。その二重の生が、いまはただ、たまらなく愛おしかった。
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