第2章: ぬるま湯と共犯、巨根に囚われた掌(続き 3/3)
淳子の膣が、ぎゅうう、と疼いた。子宮が下がるような、奥底から絞りあげられるような感覚。それは今まで感じたことのない、背徳と興奮の入り混じった疼きだった。
淳子の指が、無意識に陽斗の肉茎を握りしめる。指の腹が、亀頭のくびれをそっとなぞると、陽斗が小さく息を呑むのが聞こえた。その声に、淳子の腰の奥がじんわりと熱を帯びる。ああ、いけない。私は、十一歳の男の子のペニスを握って、興奮している。
「……もう、いい」
陽斗が淳子の手を離した。淳子は弾かれたように手を引っ込め、スポンジを床に落とした。ぱしゃん、という水音がやけに大きく響き、悠が浴槽の中から「なになにー?」と首を伸ばす。
陽斗は何事もなかったかのように、洗面器の湯を自分の股間にざぶりとかけた。泡が流れ落ち、そこにはもう勃起の名残もなく、だらりと垂れた肉塊があるだけだった。しかし淳子の掌には、さっきの熱と感触がこびりついて離れない。
陽斗は浴槽に浸かりながら、隣の悠に聞こえないよう、ひそめた声で囁いた。
「俺ね、近所の女の人らとよく、こういうことしてるんだ。おばさんよりずっと年上の人もいるよ。みんな、俺のおちんちん、好きになってくれんだ」
淳子は返す言葉もなく、床にへたりこんだ。湯気が目にしみる。
陽斗は、もう一度、今度ははっきりと淳子だけに向けて、口の端を吊り上げて笑った。
「おばさんも、きっと好きになるよ。僕のこと」
耳の奥で、心臓の破裂音が聞こえた気がした。
淳子はうつむいたまま、両膝をがくがくと震わせることしかできなかった。浴室の壁に反響する悠の水しぶきと、陽斗の低い笑い声が、ぐるぐると渦を巻いて淳子の鼓膜を犯しつづけている。
夫が出張から帰るまで、まだ二日ある。けれど淳子の予感は、もうすでに取り返しのつかない場所へ足を踏み入れてしまったことを、ひたすらに告げていた。太腿のあいだから、自分の愛液とは違う、どろりとした熱いものが滲み出てきそうで、淳子は膝をぎゅっと閉じた。
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