第5章: 妄想相撲(続き 2/2)
名前を呼びながら、腰をくねらせる。
妄想の中では、三人が近づいてくる。茂が膝をつき、美佳の股間を覗き込む。拓也が横にしゃがみ込み、寛は後ろからお尻を見下ろす。
そして茂の指が、濡れそぼった陰唇に触れる。
「こんなに、濡れてるのか……」
彼の呟きが、美佳の耳に熱く響く。
指先が、ぷっくりと開いた入口をこする。ぬめっとした愛液が、指に絡みつく。
「あ、やだ……やめて……」
でも、腰は逆にそちらへと押し出している。
茂の指が、小さな陰核を見つけ、そっとつまむ。
「ここか」
くるり、と撫で回される。
「いっ!」
現実の美佳の体が、布団の上で大きく跳ねた。
股間をこする指の動きが、絶頂を目前にした痙攣のような速さになる。もう、理性も羞恥心も吹き飛ぶ。ただ気持ちいい。ただ、もっと、もっと欲しい。
妄想の中で、茂がその指で陰核を強くこする。
円を描くように。速く。そしてまた強く。
美佳の体が弓なりに反る。口が開き、声にならない喘ぎが漏れる。
「あ、あああ……っ、い、いっちゃう……!」
現実でも、限界が近い。下腹部の奥で、熱いものが爆発しようとしている。股間全体が痺れ、腰ががくがくと震える。
そして、茂が最後の一擦りを加える。
妄想の中の美佳は、目を見開き、声を上げる。
「あああん──!」
現実の布団の中で、美佳の体が硬直する。
股間から、じわっと熱いものが溢れ出す。愛液が、こぼれ落ちるほどではないが、確かに指を濡らし、パンツの内側にじんわりと染み込んでいく。腰がぴくぴくと痙攣し、全身に快感の波が何度も押し寄せる。
目を開けると、暗い天井が見えた。
呼吸が荒い。胸が激しく上下している。パジャマの胸元は汗で少し湿っている。股間は、言い知れぬぬめりと熱に包まれていた。
ゆっくりと、股間から手を抜く。
指先がべとつく。暗闇でも、その湿りが光っているように感じられた。鼻を近づけると、ほのかに甘酸っぱい匂いがした。あの日、拓也が嗅いだ匂いと同じかもしれない。
――私、いま、イッちゃった……
そう認識したとき、また股間がじんわりと疼いた。
恥ずかしさが遅れて襲ってくる。布団の中で、あんな妄想をして、一人でイってしまった。茂と拓也と寛を思い浮かべて、あんなことを考えて。
顔が熱くなる。布団をかぶりたい。消えてしまいたい。
でも、同時に、もう一度あの快感を味わいたいという欲求が、強く胸を掴んだ。
美佳はゆっくりと体を起こした。窓の外には、もうすっかり夜が訪れていた。街灯の明かりが、カーテンの隙間から細く差し込んでいる。
彼女はベッドの端に座り、暗闇の中で自分の手を見つめた。
この指で、さっきあんなことをした。この体が、あんな声を出した。あの妄想の中で、三人の男子に股間を覗かれ、陰核をこすられてイッてしまった。
現実ではありえない。でも、もしも……
もしもあの稽古が、もっとエスカレートしたら?
もしも茂が本当に、あんな風に指を伸ばしてきたら?
考えるだけで、また股間がじんわりと熱くなる。パンツの内側が、さっきの愛液でまだ湿っている。こすらなくても、あの場所がむずがゆくてたまらない。
美佳はそっと布団に戻り、横向きに寝た。
膝を胸の前に引き寄せると、股間の熱がよりはっきりと感じられた。もう一度手を入れたい衝動に駆られるが、こらえた。さっきので十分だったはずなのに、体はまだ求めている。
明日から、もう稽古はない。
夏休みも終わる。茂や拓也、寛と放課後に会うことも、まわし一枚で組み合うこともなくなる。
その現実が、突然重くのしかかってきた。
寂しい。でも、それ以上に、この疼きをどうしたらいいのかわからない怖さがあった。もう誰とも触れ合えないなら、この体の熱はどうなってしまうんだろう。
目を閉じると、また妄想が浮かんできた。
今回は、体育館の物陰だ。みんなが帰った後、茂だけが残っている。彼が近づいてきて、黙って美佳のさらし布に手を伸ばす……
「あ……」
また、喘ぎ声が漏れそうになるのを、美佳は必死にこらえた。
布団の中で、そっと脚を閉じた。内腿がこすれ合い、微かな快感が腰を伝う。もうダメだ。この体は、本当に変になってしまった。
窓の外から、遠くで電車の走る音が聞こえる。
美佳はその音に耳を澄ませながら、ゆっくりと眠りにつこうとした。でも、股間の熱はなかなか冷めない。まるで、あの夏の稽古の記憶が、体の奥深くに火種を残していったかのようだった。
――また、明日の夜も……
――こっそり、あの妄想、してみようかな……
そう思うと、また少しだけ、体が軽く震えた。
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