中学時代いじめていた後輩男の子の冷徹な罠でアイドルから玉の輿を獲得した女性は媚薬と巨根の快楽に理性を溶かされ婚約破棄へ転落
あらすじ
綾瀬莉子は高層マンションの最上階から東京の夜景を見下ろし、上場企業の御曹司・和田祐介との婚約と芸能界引退という完璧な未来に酔いしれる。祐介の優しい言葉に、自分は過去を全て清算したと確信する莉子。しかし、彼女のスマートフォンには、差出人不明の古い校舎の写真が添付されたメッセージが届く。「綺麗になったな、莉子」という文言に、中学生時代の記憶――冷たい床、尿の匂い、松藤賢也への嘲笑がフラッシュバックし、完璧な夜に小さな亀裂が走る。
第5章: 身体の芯から滲む媚薬の熱
第5章: 身体の芯から滲む媚薬の熱
莉子の内側で、何かがじわりとほどけ始めていた。
グラスを受け取った指先から、かすかな痺れが手首を伝い、肘の内側をくすぐりながら肩へと昇ってゆく。それは熱を帯びた細い蔓のように、彼女の血管をそっと這いまわり、心臓に絡みついては解けるような不思議な感覚だった。会場の喧騒が、まるで潮が引くようにだんだんと遠のき、かわりに自分自身の鼓動だけが異様に大きな音で耳の奥に響きはじめる。どくん、どくん、と血が押し出されるたび、胸の奥底からあたたかな波が全身にひろがって、指の先までがじんじんと疼くような心地だった。
莉子はそっと目を伏せ、自分のからだの異変に戸惑いながら、それでいてその戸惑いさえもがひどく遠いものに感じられた。視界の端が虹色に滲み、シャンデリアの光は細かな金粉をまき散らしたようにきらめいている。誰かの笑い声が、くぐもった水中の音のようにぼんやりと耳に届き、その音のひとつひとつが背筋をぞわりと撫で上げるような快さを伴っていた。なんだろう、これ……そう思うまもなく、次の感情の波が押し寄せて、思考そのものをあたたかな泡で包み込んでしまう。
「……なん、だろ……なんか、熱く……」
彼女は無意識に自分の頬に手をあてた。白い手のひらに触れた肌は、まるで火照った陶器のように熱を帯びている。体温が異様に上がっているのを、彼女はぼんやりとした頭のどこかで理解した。けれどその熱さえもが不快ではなく、むしろ内側から柔らかく炙られているような甘やかな感覚に、莉子の唇からは自然と小さな吐息がこぼれ落ちた。ふう、と揺れた息が、自分のものでありながらひどく遠く、別の誰かの声のようにも聞こえる。
そのとき、彼女は気づいた。下腹部の奥のほうで、なにかがきゅうっと疼いている。子宮のあたりとでも言うべき場所から、じんわりとした痙攣にも似た波が押し寄せ、それは下着の中へと熱いしずくを滲ませるような感覚を伴っていた。腿のつけ根が、しっとりと湿っている。ショーツの布地が秘裂にぴたりと貼りつき、わずかな動きさえもが擦れる刺激となって彼女を苛んだ。こんなの、おかしい……莉子はかすかに眉をひそめたが、その思考さえもすぐに多幸感の奔流にかき消されてしまう。だって、なんだかすごく、きもちいいのだ。
彼女はそっと太腿をすりあわせた。つややかな黒髪が肩から滑り落ち、白いうなじがほのかに汗ばんで光る。シルクのカクテルドレスが肌にまとわりつき、その感触さえもが今はひどく官能的に思えて、莉子は思わず自分の二の腕をさすった。指の腹がすべるたびに、ちりちりとした小さな快楽が背筋を駆けのぼってゆく。こんなこと、今まで感じたことがない。自分のからだが、まるで全身が性感帯になったみたいだ。
「どうされました?」
不意に、すぐ隣から声が降ってきた。
どきりとして振り向くと、松藤賢也がすぐそばに立っている。いつのまに近づいたのか、彼の冷たい黒目が、ほんの数十センチの距離から莉子の顔を見下ろしていた。細めた目の奥に、捕食者が獲物を値踏みするような沈着な光がちらついている。彼は優雅な仕草で空になった莉子のグラスを受け取ると、そっとサイドテーブルに置いた。
「顔が、ずいぶん赤いようですけれど。大丈夫ですか」
その声はひどく低く、甘く、耳の裏をくすぐるような響きを持っていた。心配しているふうを装いながら、その実、彼は莉子の変化をじっくりと観察しているのだと、本能のどこかが警鐘を鳴らす。けれどその警鐘さえも、MDMAの生み出す多幸感の前ではあまりにか細く、莉子はただ首を振ることしかできなかった。
「……だいじょうぶ…です。ただ…からだが、熱くって……」
彼女の声は、すでにいつもの冷静なトーンを失っていた。かすれて、舌がもつれて、まるで別の人間が喋っているようだ。莉子は息苦しさを覚えて、思わず胸元に手をやった。ドレスの襟ぐりから覗く鎖骨のくぼみに、うっすらと汗が光っている。指先でそこをなぞると、ひりつくような快感が鎖骨から首筋へと這い上がり、彼女は小さく息をのんだ。
「んっ……」
その声は、明らかに甘い吐息を含んでいた。自分でも驚くほど色っぽい響きに、莉子は羞恥で耳まで赤くなる。けれどそれも一瞬で、すぐにまた頭の芯がとろけるような多幸感がすべてを覆い隠してしまう。彼女は無意識に、賢也のスーツの袖にすがるように指をかけた。布地越しに伝わる彼の体温が、ひどく心地よくて、もっと触れていたいと思ってしまう。
賢也はそんな莉子の手を、優しく包み込むように握った。彼の手は冷たく、それでいて不思議な安心感を彼女に与えた。
「効いてきたようですね。美肌だけじゃなくて、気分が明るくなる成分も入ってますから。体の芯からぽかぽかして、すべてが楽しくなる……そうお伝えしましたよね」
彼はそう言って、口元にだけかすかな笑みを浮かべた。目は笑っていない。その冷徹な双眸は、莉子の瞳孔が開ききっていることや、頬の紅潮、そして何より太腿のあいだから漂い始めた女の匂いを、冷静に観察していた。濃厚で、甘酸っぱくて、発情した牝の匂いそのものだった。ああ、こいつはいま、感じている。無意識のうちに、他人の男に触れられたいと疼いているのだ。賢也は心の奥底で嗤いながら、あくまで優雅に彼女をエスコートした。
「さあ、人混みはかえって体にさわります。もっと静かな場所で、ゆっくり休みましょう。あなたのような方には、特別な……VIPルームを用意してありますから」
耳元で囁かれたその言葉に、莉子の肩がびくりと震えた。吐息が耳朶をかすめ、その刺激だけで子宮のあたりがきゅんと収縮するのを感じる。こんなふうに感じるなんて、おかしい。祐介さんがいるのに。婚約者がいるのに、他の男の声で、身体がこんなに疼くなんて。
登場人物
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綾瀬莉子 あやせ りこ女性 ・ 27
外見: 腰まで伸びた艶やかな黒髪、大きな茶色の瞳、透き通るような白い肌、華奢で小柄な肢体。服装: 上品なワンピースやブランドスーツ、清楚な印象を与えるアイドル服。表向きは可憐で清純、内面は計算高く過去に弱者を虐めていた二面性を持つ。
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松藤賢也 まつふじ けんや男性 ・ 27
外見: 短く整えた黒髪、冷たい光を宿す細い黒目、色白の肌に引き締まった痩身、中学時代は美少年と称された顔立ち。服装: ダークスーツやシックなカジュアル、隙のないビジネススタイル。内向的で傷つきやすかった過去を秘め、今は冷徹な知性と復讐心を内に燃やす。
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和田祐介 わだ ゆうすけ男性 ・ 29
外見: 短い茶色の髪、柔和な茶色の瞳、均整のとれた健康的な体格、爽やかな印象。服装: 高級ビジネススーツ、清潔感あるカジュアル。温厚で誠実、莉子の裏の顔を知らずに一途に愛する。
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間宮麻美 まみや あさみ女性 ・ 27
外見: 茶色のショートボブ、挑戦的な吊り目、小柄だが肉感的な肢体、妊娠中で腹部が膨らんでいる。服装: カジュアルなマタニティウェアや派手な夜のドレス。中学時代は不良グループのリーダー格で、現在は表向き平凡な主婦だが欲望に弱い。