第3章: # 酔いが呼ぶ大胆な接触(続き 2/2)
すべてが、私の欲望を煽る。
「……りな」
やっと、彼が私の名前を呼んだ。
その声は、すでに理性の縄目が外れかけた、蕩けたような響きを帯びていた。
「それって……本当?」
「本当だよ」
即答する。
そして、彼の股間を、包み込んだ手でゆっくり揉みしだく。
「だから……行こうよ」
目を真っすぐに上げて、彼の瞳を見つめる。
「このままだと……私、我慢できなくなりそう。みつるのこと……もっと、触りたくなっちゃう」
彼の股間が、私の手のひらの下で、さらに大きく、硬く反応した。
私は、それを確かめるように、ほんの少し、じわりと圧を加えてみせた。
「……うん」
彼の声が、渋い吐息と共に零れた。
「いいの?」
私の目が、期待と勝ち誇りで輝いた。
「うん……いいよ」
彼は、もう完全に降伏していた。
「やった!」
小さく歓声を上げると、私はテーブルに置いた財布をさっと取り、立ち上がった。
彼の手を、逃げられないほど強く引っ張る。
「じゃあ、行こっか」
笑顔は、妖艶で、どこか残酷さすら帯びているかもしれない。
みつるは私に手を引かれ、居酒屋を出た。
夜風が肌に触れると、一瞬、現実に引き戻されるような気がした。
でも――彼の手のひらの汗、そして、未だ私の言葉と感触で熱く硬い彼の身体を思い出すと、再び甘い陶酔が押し寄せた。
「ちょっと歩くよ? 近くにあるから」
彼を見て笑う。
街灯の光が、私の横顔を浮かび上がらせる。
彼は、私の首筋から鎖骨へと流れるラインを、貪るように見つめていた。
「……うん」
彼は、もう言葉を失っていた。
歩きながら、私は思った。
――もう、引き返せない。
この先に待つものは、背徳と快楽の交わる、一夜だけの蜜の部屋。
彼の体温が、私の手のひらを通じて、その未来を確かなものにしていく。
「ねえ、みつる」
振り向きながら、私は問いかけた。
「緊張してる?」
「……ばれてる?」
彼は、弱々しく苦笑した。
「だって、手、汗ばんでるもん。それに……」
歩みを一瞬止め、彼の耳元に唇を寄せた。
「……さっき触ったところ、すごく熱くて、硬かったよ」
吐き捨てるような甘い囁き。
彼は、息を詰まらせた。
その反応が、たまらなく愛おしかった。
「でも、いいんだよ。私も……すごく、濡れてきちゃってるから」
最後の一言を、限りなく淫らな息づかいでつぶやく。
彼の顔が、一気に赤く染まった。
「あ、着いた」
歩みを止めた。
目の前に、控えめなネオンが灯るビルが立ち上がっていた。
みつるは、深く、覚悟を決めるような息を吸った。
私は彼の手を握りしめたまま、迷いなくエントランスへと足を踏み入れた。
背中に、彼の灼熱の視線を感じながら。
自動ドアが開き、冷房のきいた空気が、火照った肌を包む。
外の世界との境界が、静かに閉ざされる音。
エレベーターへと向かう廊下。
足音だけが、不自然に響く。
ドアが開き、私は彼を中へと導いた。
そして、閉まりゆく扉を見上げながら、確信した。
――今夜、私はこの男を、欲望の果てまで連れて行く。
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