第2章: # 居酒屋での露わなサイン
# 第2章: 居酒屋での露わなサイン
駅前の喧騒から少し入った路地に、りなが案内した居酒屋はあった。
赤い提灯がゆらゆらと揺れ、夕暮れの冷たい空気を、柔らかな光で包み込んでいる。
僕は少し緊張しながら、彼女の後について中へ入った。
木の温もりが感じられるカウンター席が並び、奥には座敷がある。
客はまだまばらで、背後のスピーカーからは、静かな演歌が漏れ聞こえていた。
「ここ、落ち着くんだよね。高校の時から時々来てた」
りなはさっとキャップを脱ぎ、茶色のロングヘアーを揺らしながら、座敷の一角へと向かう。
その動きに連れられるように、僕も彼女の向かい側に座った。
膝と膝が、触れそうな距離だ。
「何がいい? ビールでいい?」
「あ、うん……それで」
彼女は迷いなく店員を呼び、生ビールを二つ注文した。
その仕草は慣れていて、高校時代の奥ゆかしかった彼女とは、まるで別人のようだった。
ジョッキが運ばれてくると、りなはさっさとそれを手に取る。
「じゃあ、久しぶりの再会ってことで……かんぱい!」
「かんぱい」
グラスを軽く合わせる音が、静かな店内に響く。
りなはそのままグイッと傾け、喉を鳴らしながら一気に半分ほど飲み干した。
首筋がすっと伸びて、鎖骨のくぼみが深くなる。
僕も続けようと口をつけたが、その瞬間、目に入った光景に息を止めた。
前屈みになったりなの胸元が、大きくゆるんでいた。
薄いベージュのキャミソールの布地が、重力に引かれて垂れ下がり、その下に――はっきりとした形が浮かび上がっている。
ふっくらとした膨らみの先端に、小さく尖った突起が、布越しにくっきりと輪郭を刻んでいた。
……ノーブラ。
その言葉が頭の中で炸裂し、鼓動が一気に早くなる。
喉がカラカラに渇いて、飲み込んだビールの泡が、熱くなった顔の内側を流れ下っていく感覚。
「あ……っ」
思わず漏れた息の音に、りなが視線を上げた。
彼女の瞳が、僕の動揺を捉えている。
「みつる……なんでそんなに見つめてるの?」
からかうような、柔らかい調子の声。
そして、わざとらしく胸元に手を当て、軽く扇ぐ仕草を見せた。
「あら、もしかして……見えちゃってる?」
布地がさらさらと揺れて、その下の柔らかさが波打つ。
乳首の先端が、薄い素材の上から、くっきりと浮き彫りになっている。
薄いピンクがかった、ふくよかな乳輪の中央で、小さく突き出ていた。
僕は目をそらそうとしたが、できなかった。
高校時代には想像もつかなかった、女の色気に満ちた肉体が、目の前に存在していた。
「だって……りな、それ……ノーブラなんでしょ?」
声が震えているのを自覚した。
恥ずかしさと、どこかむくむくと湧き上がる興奮が混ざり合い、股間に熱が集中していく。
りなはくすっと笑った。
そして、わざとさらに前屈みになり、胸の谷間を強調するような角度で、僕を見下ろした。
「うん。だってキャミだとブラのラインが透けちゃうし、面倒くさいんだよね。それに……涼しいし」
涼しい、と言いながら、彼女の頬には微かに赤みが差している。
酔いのせいなのか、それとも――。
「みつる、そんなに気になる?」
「そ、それは……」
「気になるなら……もっと近くで見てもいいよ?」
彼女はそう言うと、ゆっくりと体を起こし、今度は隣の席にすっと移動してきた。
肩と肩が触れ合う距離。
甘い香水の匂いと、ほのかに汗ばんだ肌の香りが混ざり、鼻腔をくすぐる。
「ほら」
りなの唇が、僕の耳元に寄る。
吐息が、耳の縁を湿らせた。
「高校の時のみつるって、本当におとなしかったよね。女子と話すのも緊張してたじゃん。今でもそうなの?」
「そ、それは……」
「さっき聞いたけどホントに彼女いないの? 大学生だし、そろそろいるんじゃない?」
彼女の体温が、薄いキャミソールの布地を通して伝わってくる。
僕の腕に、彼女の上腕の柔らかさが、じんわりと触れている。
「い、いないよ。いままで……」
「へえ……ほんとに? 今までずっと彼女いないの?」
りなの声が、低く、甘く絡みつくようになる。
「……うん。男友達とばっかりつるんでたから高校の時は。……それで、大学でも出会いがなくて……」
言い訳がましい言葉が、よどみながら零れる。
りなは少し考え込むような顔をしたが、すぐにまた意味ありげな笑みを浮かべる。
「じゃあ……もしかして、童貞なの?」
――直球すぎる。
頭の中が真っ白になった。
顔から火が出そうな熱さ。二十歳にしてまだ経験がない――それは紛れもない事実だった。
でも、それを目の前の女の子に、あからさまに聞かれることになるなんて。
「……うん」
うつむきながら、小さく頷くしかなかった。
声にならない恥辱が、胸の奥を掻きむしる。
「ふーん……」
りなはその返事を聞き、意味深な沈黙を置いた。
そして、ゆっくりとグラスに口をつけ、残りのビールを飲み干す。
グラスを置く音が、コツンと乾いた響きを立てる。
「可愛いね、みつる」
彼女の指が、突然、僕の膝の上にそっと置かれた。
ジーンズの布地越しに、その温もりがじんわりと染み込んでくる。
「そんなに緊張しなくてもいいのに。私だって……今は彼氏いないし」
「……え?」
「だからさ」
りなの顔が、さらに近づいた。
唇の端が、ほのかに上がっている。
「もっとリラックスして、飲もうよ。たまには……先輩風味な私が、教えてあげてもいいんだから」
彼女のもう一方の手が、胸元に戻った。
そして、ほんの少し――本当にわずかだけ、キャミソールの襟元を引っ張り、中を覗かせるような仕草を見せた。
一瞬だけ、布地の隙間から、柔らかな白い肌の膨らみの先端が見えた。
薄紅色の乳首が、空気に触れて、少し硬くなっているようだった。
「ほら、見たいんでしょ?」
「りな……やめてよ、そんなこと……」
「なんで? みつるの目、ぜんぜん離さないじゃん。股間も……ぽっこりしてるし」
――わっ。
思わず膝を閉じた。
確かに、ズボンの上からでも分かるほど、僕は興奮していた。布地が張りつき、形が浮き出ている。
「恥ずかしがらなくていいんだよ。男の子なら、当然だし」
彼女の手が、僕の太ももの上を、そっと撫で上がっていく。
指先が内腿のあたりに近づき、熱が一点に集中していく。
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