強気で俺をいじめてくる同級生の彩乃が、軟式テニス部室で初めて見せた涙と本音、そして処女膜を突き破った瞬間に溢れた歪んだ愛情
あらすじ
放課後の軟式テニス部の練習中、俺・陽斗はいつものように彩乃に呼び止められる。手にした半分に切られたボールの内側、あの乳首状の突起を指でなぞりながら「これ何に見える?」と挑発してくる。俺はムッとして「おっぱいだろ」と言い返し、そのまま彼女の胸を制服越しに揉んでやった。彩乃は顔を赤らめつつも「ヘタクソ」と強がって去る。妙にスッキリした気分で部室に戻った俺は、スマホでエロ動画でも探そうかと考え始める。しかし片付けを終えた直後、他の女子部員づてに「女子部室に来て」と彩乃から呼び出しを受ける。嫌な予感を覚えつつ扉を開けると、薄暗い部室の中央で腕を組んだ彩乃が「さっきのお返し、してあげる」と不敵に微笑んでいた。いつものからかいの空気とは明らかに違う肌を刺すような緊張感に、俺の心臓が跳ねる。
第1章 ボールの突起とおっぱいと仕返し宣言

放課後のテニスコートには、軟式ボールの独特な弾む音が小気味よく響いていた。ぽんっ、ぽんっ、という軽やかな反響が、汗ばんだ首筋を撫でる六月の生ぬるい風と混ざり合い、どこか遠い祭囃子のようにも聞こえる。俺・陽斗は壁打ち練習を終えて、汗で額に張りついた前髪をかきあげた。指の腹に触れる濡れた髪の感触が、妙に生々しい。紺のショートパンツから覗くすねを、夕暮れの空気がしっとりと舐めていく。
「ゆうと、ちょっとこっち来なさいよ」
コートの端から聞こえた声に振り返ると、彩乃が腕組みをして立っていた。肩甲骨あたりまで伸びた黒髪を無造作に束ねたポニーテールが、傾きかけた夕日を浴びて、まるで絹糸を編んだ光の束みたいにつやつやと波打っている。白いポロシャツの胸元は、同年代の女子よりだいぶん膨らんでいて、彼女が呼吸をするたびに布地がゆるやかな丘のように盛り上がり、また沈んだ。腕組みをしたせいで、その柔らかそうな膨らみがさらに持ち上げられ、布の合わせ目がかすかに引きつっている。額にはうっすらと汗が浮かび、テニスコートの土の匂いとは別の、しかし確かに彼女の肌から発せられている清潔な石鹸の香りが、夕風に溶けてこちらまで届いてきた。
「何だよ、まだ自主練してたのか」
「あんたに面白いもん見せてあげようと思ってね」
彩乃の手の中には、半分に切られた軟式テニスボールがあった。内部のゴム質がむき出しになった断面から、中央の突起がぷっくりと突き出ている。本来なら汗と土埃にまみれて無造作に転がっているはずの半玉が、彼女の白い指先に挟まれているだけで、なんだかひどく淫靡な見世物のように感じられた。彼女は人差し指でその突起をゆっくりとなぞりながら、口元を歪める。指の腹がゴムの隆起をなぞるたび、湿った空気がきしむような、そんな幻聴さえ聞こえてくるようだった。
「これ、何に見える?」
茶色がかった大きな瞳が、俺の反応を楽しむように細められる。普段からこういうからかい方は日常茶飯事だったけど、今日は妙に挑発的だった。なぞる指の動きがあまりにもねっとりとしていて、突起の先を爪の先でくりくりと押しつぶす仕草が、何か別のものを連想させるくらいに粘ついていたからだ。
「おっぱい……だろ」
「へえ、わかってるじゃない。エロい頭してんのね」
彩乃は声を潜めて笑うと、半玉を俺の手に押しつけてきた。湿ったゴムの感触が手のひらに吸いつくみたいで、突起の部分だけがやけに硬く、それでいてしっとりと熱い。半玉ごしに彼女の指先が一瞬触れて、その冷たさと湿度に、心臓のあたりがじわっと痺れた。
ムッとした俺は、ほとんど反射だった。半玉を握ったままの右手じゃなく、空いている左手を伸ばして、彩乃の胸をポロシャツの上から鷲づかみにした。
「あっ……ちょ、っと!」
予想以上の柔らかさだった。テニスで鍛えた引き締まった体の他の部分とはまるで違う、幽霊に触れたみたいな蠱惑的な弾力が手のひら全体を包み込む。指を少し動かすだけで、中の脂肪がぐにゅりと形を変える感触が生々しく伝わってきた。胸の下のほうからそっと持ち上げると、脂肪の重みがずしりと手のひらに転がって、その質量と温かさに、言葉にならない放心が背筋を走る。彼女の身体は汗ばんでいて、ポロシャツ越しの肌は小火をともされたように熱かった。
彩乃の頬がさっと赤くなる。それでも彼女は、俺の手を振り払いはしなかった。代わりに、悔しそうな上目遣いで睨みつけてくる。
「へ、ヘタクソ……そういうのはもっと優しく揉むもんなのよ」
「うるせえ、お前がからかうからだろ」
手を離すと、彩乃は二歩ほど後ろに下がった。自分の胸を両腕でかばう仕草を見せながらも、口元にはまだ笑みが残っている。心臓の弁が速くなるたび、手のひらにあのやわらかな感触がまだこびりついているみたいに指先が疼いた。彼女は一瞬、怒ったふりを続けようとして、けれどその茶色い瞳の奥が泣き出しそうな細さで揺らぐ。まるで触れられたことそのものを、記憶のなかでもう一度味わっているような、あるいは俺の手の温度を、もっと長くそこに置きたかったのだとようやく気づいてしまったような、そんな惜しみが浮かんでは消えた。口元は笑っているのに、目だけが熱を帯びて、夕陽の光をはらんだまま静かに伏せられる。その表情は、悔しさと嬉しさが手をつないで、彼女の中の何かを決壊させかけているように見えた。
「まあいいわ。今日のことは覚えておきなさいよね」
それだけ言い残すと、彩乃はくるりと背を向けて女子部室の方へ歩いていく。プリーツスカートの裾がふわりと揺れ、ほっそりした太ももがちらりと覗いた。彼女の歩くリズムに合わせて、ポニーテールの毛先が腰のあたりを叩いている。俺はしばらく、その背中を見送っていた。手のひらにはまだ、彼女の胸の感触と温もりが染みついている。指先がじんわりと熱を帯びていて、鼓動がうるさくて、頭の芯がぼうっとする。俺と何か言いたげに一度立ち止まりかけた彼女は、だらんと下げていた片手を握り、その指でスカートの端をふと摘まんだ。それから、大きく振り向くふりをして、肩越しにちらりとだけ俺を見つめ、唇をわずかに開いて何か言葉を探していた。けれど、音にはしない。ただ、秘めた火を灯した大きな瞳が、残像みたいに一瞬だけ俺を穿つと、彩乃はまた前を向いて早足で去っていった。腕で隠した胸の膨らみを、自分ごと抱え込むように小さくして。
これ、やべえかも――そんな考えが、汗と土の匂いに混ざって立ちのぼる。
部室に戻って用具を片づけながら、俺はさっきの彩乃の顔を思い出していた。顔を赤らめて睨んできたあの表情、悔しそうなのにどこか嬉しそうにも見えた瞳、そして去りぎわの振り返り。いつものからかいとは、なんか違ったんだよな。半玉に残った彼女の指の感覚が、ふとした瞬間にまぶたの裏へ蘇って、そのたびに心臓のあたりが掻き毟られるように熱くなる。スマホを取り出してエロ動画でも探そうかと思ったけど、あの胸の感触があまりにも生々しくて、映像で慰めるのがひどく虚ろなことに思えてならなかった。結局、俺は道具袋にラケットをしまいながら、なんとなく落ち着かない気分で時計をちらりと見る。
「陽斗くん」
名前を呼ばれて振り返ると、同学年の女子部員がドアから顔をのぞかせていた。確か、彩乃と仲のいい美咲とかいうやつだ。首筋をくすぐるような甘ったるい制汗シートの匂いが、彼女の存在とともに部室へ流れ込む。肩までの短い髪を耳にかけて、何か面白がるように口の端を持ち上げた、いかにも秘密の遣いといった顔をしている。
「彩乃が女子部室に来てほしいって。急ぎだって」
「……は? 何の用だよ」
「さあね。でも行かないと、たぶんもっと面倒なことになると思うな」
俺はため息をついて立ち上がった。正直、呼び出されるようなことをした覚えはある。さっき胸を揉んだことだ。あの柔らかい弾力と、彼女の瞳の奥にあった熱が、ふたたび手のひらに甦ってくる。あれがやっぱりまずかったのか。やり返されるのか。でも彩乃のことだから、本気で怒るというよりは何か別のことを考えてそうな気もする。
廊下を歩きながら、心臓がじわじわと早鐘を打ち始めるのがわかった。女子部室は男子部室から校舎を挟んだ反対側にあって、普段は近づくことすらない場所だ。放課後の静まり返った廊下には、自分の靴音だけがすり鉢の底を叩く音みたいに妙に大きく響く。壁に貼られた部活ポスターの角が、換気のために開いた窓から吹き込む風でぺらぺらと揺れ、そのたびに褪せた紙の日焼けした匂いが鼻先をかすめた。
女子部室の扉の前で立ち止まり、俺は小さく息を吸い込んだ。ドアの向こうからは物音ひとつ聞こえない。ドアノブの真鍮が、廊下の淡い蛍光灯を反射して鈍く光っている。なんだか嫌な予感がするけど、ここで逃げたら一生からかわれるだろうな。意を決して、俺はノックもせずに扉を押し開けた。
薄暗い部室の中には、ほこりっぽい畳の匂いが澱んでいる。錆びついた鉄の匂いと、古い汗と、少女の肌から落ちた石鹸の残り香が、梅雨の湿気と結びついて舌の付け根に甘くまとわりついた。窓にはグレーのカーテンが引かれていて、外の夕日がうっすらと輪郭だけを浮かび上がらせている。中央のスペースに積まれた青い運動マットの上で、彩乃が腕組みをして立っていた。まだ練習着のままのポロシャツとプリーツスカート姿で、ポニーテールをほどいた黒髪が肩から背中へ流れている。首筋がいつもより白く見えるのは、薄闇のせいか、それとも彼女自身が放つ体温のせいか。
彼女はゆっくりと顔を上げると、こちらを見すえて口元をほころばせる。
「よく来たわね、ゆうと。さっきのお返し、してあげる」
その声は、いつものからかい口調よりも低くて、どこかねっとりとしていた。耳の奥へ注ぎ込まれた蜜のように、熱い甘ったるさが鼓膜をふさぐ。肌を刺すような緊張感が、ひやりと首筋を撫でていく。俺はごくりと唾を飲み込んだ。何かを言おうとしたけど、舌が上顎に張りついたみたいに動かない。彩乃の大きな瞳が、暗がりの中でぎらりと光っているように見えた。
結い上げていた髪をほどいた黒髪が、薄明かりを吸って、まるで夜の水草みたいに彼女の背中へまつわりついている。片足をわずかに前に出した途端、プリーツスカートの裾が揺れて、その奥の生っ白い腿のつけ根まで想像の入り込む隙を生む。湿った畳の澱んだ匂いの底から、さっきコートで感じた石鹸の香りが、鼻の奥でちらちらと火を点けた。
俺の心臓が、またひとつ大きく跳ねた。
第2章 処女の乳首とエッチなジュース

第2章: 処女の乳首とエッチなジュース
女子部室のドアを閉めた瞬間、背中に冷たい板の感触が押しつけられるより先に、彩乃の体がぐっと迫ってきていた。練習着のポロシャツ越しに、胸のふくらみが俺の胸板に押しつぶされるように密着して、布地ごしでもわかるやわらかな弾力がじんわりと熱を伝えてくる。汗ばんだ肌から立ちのぼる石鹸の香りが、鼻の奥に甘くしみ込んだ。
「声、出したらダメだからね」
耳元に唇を寄せて、彩乃がささやく。吐息が耳の穴をくすぐり、背筋にぞわっとした震えが走った。
「声を出したら、襲われたって叫ぶから。わかってんでしょ、ゆうと」
彼女の大きな瞳が、薄暗がりの中でぎらりと光る。いつものからかいとはまるで違う、獲物を追いつめる猫みたいな鋭さがあった。俺の心臓が早鐘を打ち始め、喉の奥がからからに乾いていく。
「な、何するつもりだよ……」
「さっきのお返し。あんた、私の胸、揉んだでしょ」
彩乃はそう言うと、さらに体を押しつけてきた。胸だけじゃない。腰までもがぴったりとくっついて、へそのあたりに彼女の体温がじかに伝わってくる。太ももが俺の脚に触れて、スカートの布地がさらさらと擦れる音がした。
「揉み方、練習させてあげる。ヘタクソだったからね、さっきの」
彼女の右手が、俺の左手首をつかむ。細いくせに握力はテニスで鍛えられていて、有無を言わせぬ強さだ。そのままぐいっと引き寄せられて、手のひらが彼女の左胸に押しつけられた。
ポロシャツの下の膨らみが、手のひら全体に吸いつくようにフィットする。さっきコートで触ったときよりも、もっとゆっくりと、かたちを確かめるみたいに指を動かすと、中の脂肪がぐにゅりと形を変えて、指の腹にやわらかな弾力が返ってきた。野球ボールよりはだいぶん大きくて、でもテニスボールほど硬くはない、なんとも言えない絶妙なやわらかさだ。
「んっ……」
彩乃の唇から、かすかな吐息が漏れる。彼女はすぐに口を引き結んだけど、頬がうっすらと桜色に染まり始めていた。ポニーテールをほどいた黒髪が肩から背中に流れて、動くたびにしゃらしゃらと小さな音を立てている。
「乳首、当ててみなさいよ。わかるでしょ、ここだって」
彩乃は俺の手首をさらに押しつけながら、自分の胸の中心を指先でとんとんと示した。ポロシャツの布地の下に、ぷっくりとした小さな突起が浮き出ているのが、肉眼でもわかる。俺がおそるおそる人差し指でその突起をなぞると、彼女の肩がぴくんと跳ねた。
「あ……っ」
スカートの布がかすかに擦れる音がして、彩乃の太ももがきゅっと締まるのが見えた。膝が内側に向かってくっついて、スカートのプリーツがふわりと揺れる。彼女は悔しそうに唇を噛みしめながらも、俺の手を離そうとはしなかった。
「へ、ヘタクソ。もっと優しく、指の腹で円を描くように……」
自分で言いかけて、彩乃はますます顔を赤らめる。強気な口調とは裏腹に、声が少し震えていた。俺は言われるままに、人差し指と中指の腹で、布地ごしに乳首をゆっくりとなぞる。円を描くように、ときどき軽くつまむように。そのたびに、彼女の呼吸がほんの少しだけ乱れて、胸のふくらみが上下に揺れた。
「もう、わかったわね……これが正しい揉み方」
そう言うと、彩乃は突然、俺の手を振り払って一歩後ろに下がった。そして自分のポロシャツの裾を両手でつかむと、一気にまくり上げる。
「これでちゃんと、見ながら練習しなさいよ」
露わになった彼女の胸は、思っていたよりずっと白かった。夏の日差しを浴びていない肌は透き通るように白くて、鎖骨から胸元にかけてのラインがなめらかで、うっすらと青い血管が浮いているのが見えるくらいだ。そしてその白い丘の頂点には、小さな桜色の乳輪と乳首がぷっくりと膨らみ始めていた。乳輪は五百円玉より少し大きいくらいで、中心の乳首はまだ固くなりきっていなくて、半ばやわらかさを残したまま、つんと上を向いている。
俺は言葉を失って、ただじっとその光景に見入ってしまった。暗い部室の中で、カーテンの隙間から差し込む夕日が彼女の肌をうっすらと照らして、白い胸がほのかに黄金色に染まっている。汗のにおいと石鹸の香りが混ざり合って、甘ったるい空気が部室中に満ちていた。
「吸いたいんでしょ、わかってるんだから」
彩乃はそう言うと、両手で自分の胸を持ち上げるようにして、乳首を俺の顔に近づけてきた。
「吸いなよ。赤ちゃんみたいに、ちゅーって」
彼女の声が、さっきよりもずっとやわらかくて、どこか甘えるような響きを帯びている。俺は吸い寄せられるように顔を近づけて、その小さな桜色の突起に唇を触れさせた。ちゅっ、と小さな音が立って、唇の先に乳首の弾力が伝わってくる。舌先でそっとなぞると、それまで半ばやわらかかった突起が、みるみるうちに固く膨らんでいった。
「んっ……そう、上手……赤ちゃんみたいで、かわいいわよ」
彩乃の手が俺の後頭部に回されて、髪の毛を優しく撫でてくる。まるで本当に赤ん坊をあやす母親みたいな仕草だった。俺は夢中で乳首に吸い付きながら、舌全体で乳輪を舐めまわし、ときどき軽く歯を立てて甘噛みする。そのたびに彼女の喉から「はぁん……」という吐息が漏れて、指が俺の髪をぎゅっと握りしめた。
胸の肌は絹のように滑らかで、舐めるとほんのりと塩味がする。汗の成分なのか、それとも彼女自身の味なのか、微かに甘くて、鼻の奥に抜けるような香りがした。俺はもう夢中で、左右の乳首を代わる代わる吸いしゃぶり、ときどき顔を離しては、濡れてつやつやと光る乳首をじっと見つめた。唾液に濡れた乳輪が夕日を反射して、いやらしいほど艶めかしく輝いている。
「もういいわ、次」
不意に彩乃は俺の頭を押しのけると、今度はスカートのホックに手をかけた。あっという間にプリーツスカートが床に落ちて、続けて白いショーツも脱ぎ去られる。露わになった彼女の下半身は、細い腰と、テニスで引き締まった太もものコントラストが眩しかった。そして太ももの付け根の中心には、つややかな黒い茂みが三角形を形作っていて、その下の割れ目がほのかに濡れて光っているのが見えた。
「これが、女の、一番エッチなところ」
彩乃は部室のマットに腰を下ろすと、膝を割って、両手で自分の割れ目をくぱぁと広げてみせる。薄暗がりの中で、濡れた粘膜がぬらぬらと輝き、処女の聖域と呼ばれるその場所は、思っていたよりずっと小さくて、でも確かに熱を帯びてひくついていた。
「エッチなジュース、出てるでしょ。これ、飲みなよ」
彼女の声は震えていたけど、それでも命令口調を崩さない。羞恥と興奮が入り混じった大きな瞳が、俺の反応をじっと見つめている。俺はほとんど無意識に、彼女の前に膝をついていた。マットのほこりっぽい匂いと、彼女の肌から立ちのぼる甘い香りが混ざり合って、頭がくらくらする。
顔を近づけると、今まで嗅いだことのない、むっとした匂いが鼻をついた。汗と、何かもっと濃厚で、甘ったるくて、ほんの少し生臭いような、でもなぜかもっと嗅ぎたくなるような複雑な匂い。鼻先が茂みに触れるか触れないかの距離まで近づくと、熱気がほわっと伝わってきて、粘膜のひだの奥から透明な蜜がとろりと溢れ出ているのが肉眼でもはっきりと見えた。
「飲んで……ぜんぶ」
彩乃の指が、俺の後頭部をぐっと押さえつける。俺は恐る恐る舌を伸ばして、その濡れた割れ目にそっと触れた。舌先に伝わったのは、ぬるりとした粘液の感触と、ほんのりとした塩気、そして言葉にできない複雑な味だった。鉄分を含んだような、でも確かに甘くて、舌の上でじんわりと広がる初めての味。
「んっ……そう、上手……」
彩乃の太ももがぴくんと痙攣して、膝ががくがくと震え始める。俺は舌全体を使って割れ目を上下に舐めまわし、ときどき先端の小さな突起に吸い付いた。くちゅっ、くちゅっと水音が立つたびに、彼女の口から「はぁ……んっ……」という熱い吐息が漏れて、部室中に淫靡な音と声がこだまする。
舐めれば舐めるほど、新しい蜜がどんどん溢れてきて、俺の顎や鼻の頭までべとべとに濡れていった。彩乃の指が俺の髪をぎゅうっと握りしめて、腰がかすかに浮き上がる。スカートを脱ぎ捨てた生々しい下半身が、俺の舌の動きに合わせてくねくねと揺れていた。彼女のエッチなジュースはとろりと甘く、舌の上でとろけるようで、飲み干すたびに喉の奥に熱い塊が落ちていくような感覚があった。
第3章 バージン同士の結合と中出しの覚悟

夕暮れが窓という窓を燃え立つような橙色に染め上げる頃、軟式テニス部室の空気は、汗と土埃と、そして互いの浅い呼吸が溶け合って、息苦しいほどに濃く熱を帯びていた。床に敷かれた薄いビニールのマットの上で、俺は彩乃の太ももの付け根に顔を埋め、舌先で彼女の割れ目をゆっくりとなぞっていた。舌が触れるたび、彼女の身体は面白いほど素直に跳ねる。太ももの内側の皮膚がひくひくと痙攣し、膝ががくがくと笑い、彼女の両足は何度も俺の肩を締めつけては、力なく開いていく。
「ゆうと、舌……もうちょっと、上の方」
声が震えている。息を吐くたび、下腹がふるふると揺れて、へそのあたりに浮かんだ汗が、窓から差し込む夕日に砕けた硝子のようにきらりと光った。彼女の黒い茂みに鼻先が沈むたび、熟れた果実を潰したような甘酸っぱい匂いが立ちのぼり、舌に感じるぬめりは、熱を孕んだ蜂蜜のようにねっとりと絡みつく。
「こうか。それとも、ここがいいのか」
俺が舌先で陰唇の上の小さな突起を押し上げると、彩乃は弓のように背中をしならせて、喉の奥から搾り出すような悲鳴を漏らした。
「あっ、だめ……そこ、強くしたら……」
言い終わらないうちに、彼女の手のひらが俺の髪を掴み、指が後頭部に絡みつく。引き剥がそうとしているのか、それとももっと深く押しつけようとしているのか、力の入り方が揺れていて、どちらともつかない。強気な口調の裏で、太ももの内側の筋肉が波打つように収縮し、汗の粒が幾筋も流れ落ちて、マットのビニール地に深い染みを作っていた。
「ゆうと……指、入れてみなさいよ」
命令形なのに、声はかすかに上ずっている。彩乃は片肘をついて、潤んだ茶色の瞳で俺を見下ろした。前髪が汗で張りつき、頬は火照り、唇は唾液でてらてらと濡れている。彼女の顔を見ているだけで、俺の下腹部は重く痛むほどに熱を持っていた。
言われるままに、右手の中指をそっと割れ目にあてがう。くちゃり、という音が指先から聞こえた。蜜が指を包み、第一関節が彼女の熱の中へ沈み込んでいく。膣口の粘膜は生き物のようにうごめいて、俺の指を根元まで引きずり込もうとしている。その奧へ進むと、指の腹が何か硬いものに触れた。押し返すような弾力。薄い壁のような抵抗。
「あっ……待って、ちょっと動かさないで」
彩乃が息を呑み、爪を俺の肩に食い込ませる。彼女の膣内はぬるりと熱く、俺の指をぎゅうぎゅうと締めつけたまま、小刻みに痙攣していた。指を引き抜くことも、進めることもできず、俺はただ彼女の中の熱と鼓動を感じていた。
「これ……お前、もしかして」
「そうよ。私も初めてだし、あんたも童貞でしょ」
彩乃は唇を噛みしめながら、いつもの上から目線で言い放つ。その言葉の端々が震えていて、彼女自身の鼓動が、あまりにも速いことを隠しきれていない。
「お互いさまってことよ。だから、怖がる必要なんてないんだからね」
怖がる必要なんてない、と繰り返したその声が、部室の空気に溶けるより先に、俺の中で何かがぷつりと切れた。生意気で、負けず嫌いで、いつも俺をからかってばかりのこいつが、今、自分と同じように何も知らない身体を曝け出して、しかも怖いのを必死に隠している。その事実が、言葉にできない熱となって胸の奥に広がっていく。
「わかったよ。もう、逃げねえ」
そう答えた瞬間、彩乃が突然俺の胸を両手で押した。バランスを崩した俺は、汗で湿ったマットの上に仰向けに倒れ込み、背中にビニールの冷たい感触がまとわりつく。天井の木目が夕日で橙色に染まっている。その光の粒が、ぼやけて見えるのは、心臓がうるさいほどに鳴っているせいだ。
「じゃあ、今度は私が上。あんたの童貞、私が貰ってあげる」
彩乃は俺の腰をまたぐようにして跨がると、汗で透けた白いポロシャツの裾をぐいっと引き上げた。豊かな胸が、窮屈な布から解き放たれるように揺れて、暗い部室の中でぼんやりと白く浮かんだ。桜色の乳首は、さっき俺が吸った唾液でてらてらと光っていて、その輪郭が夕暮れの光に縁取られて、おぼろげに輝いている。
彼女の指先が、俺の紺のショートパンツのゴムにひっかかる。迷いのないように見えて、細い指がほんの少し震えていた。下着ごと引き下ろされると、中で窮屈に押し込められていたペニスが空気に触れて、ひくんと震える。勃起したそれは、自分でも呆れるほど熱く硬く、先端から透明な液体が滲み出して、夕日を反射してぬらぬらと光っていた。
「これが……男の……」
彩乃の動きが止まる。大きな瞳が、火傷しそうなほどの熱で、俺の股間をじっと見つめていた。それから、ゆっくりとまばたきをする。薄く開いた唇から吐息が漏れて、眉がわずかにひそめられた。
「どうした。見るのは初めてか」
「うるさいわね。見せられてるんだから、黙ってなさいよ」
憎まれ口を叩きながら、彩乃は自分のショーツをずらすと、露わになった割れ目を指で左右に開いた。彼女の小さな陰唇は、熟した果肉を思わせる赤色で、内側の粘膜は蜜であふれて、細い光を宿している。その熱気が、俺の亀頭に触れるか触れないかの距離まで近づいてきた。
「ゆっくり、入れるからね。動いたら承知しないんだから」
彼女は左手で自分の陰唇を開いたまま、右手で俺のペニスの根元を握った。細い指が、脈打つ血管の一本一本を確かめるように這い、根元をきゅっと絞める。そして、ぬるついた膣口を亀頭の先端にゆっくりと押しあてた。
触れた瞬間、背筋に電撃に似た震えが走った。これまで感じたことのない、柔らかくて熱くて、とろりと溶けそうな感触が亀頭を包み込み、誘われるように、押し入れるように、彼女の中が僅かに口を開く。くちゅっ、と粘着質な水音がして、先端が沈み込んだ。
彩乃の表情が、一瞬だけ苦しげに歪む。唇の間から白い歯が覗き、眉根がきゅっと寄せられた。太ももの内側が細かく震えて、腰の骨が浮き上がる。それでも彼女はゆっくりと腰を下ろしていく。
「んぅっ……」
締めつけが、想像を絶していた。亀頭を過ぎ、カリの部分を、彼女の膣口がきつくくわえこんでくる。生温かい壁が何層にも折り重なって、ぐちゅり、ぬちゅりと音を立てながら、ペニスを呑み込んでいく。その圧力に、頭の中が霞み、脊髄が溶けるような快感が腰の奧に溜まっていく。
ぐ、ぐぐ……と、彩乃が歯を食いしばる音が聞こえる。彼女は両手を俺の腹の上につくと、指先で汗ばんだ皮膚を掴み、息を吐くたびに細かく首を振った。膣口が亀頭をくわえたまま、ほんの僅か開いては閉じて、まるで彼女の心臓がそのまま下腹部に移って鼓動しているかのようだった。夕日が彼女の前髪を透かして、俯いた表情に影を落としている。
「あ……、痛、い、けど……平気」
そう言った声は、掠れて途切れがちで、言葉が空気に崩れるたび、彼女の下腹がひくんと跳ねた。膣の入り口がきつく窄まり、亀頭をやわやわと揉みしだくように締めつけながら、その奧からは熱い粘液がじわりと流れ出して、二人の結合部を濡らしていく。
さらに腰を沈めていくと、突然、亀頭の先に固い抵抗があった。処女膜。その固さと弾力は、彼女の胎内に通じる扉がまだ鍵をかけられたままだということを、はっきりと俺に伝えてきた。
彩乃は目を伏せ、痛みを押し殺すように奥歯を噛みしめた。唇が白くなり、額にうっすらと浮かんだ汗が、幾筋にもなって、小麦色に焼けた胸元へ流れ落ちていく。彼女の爪は、俺の腹の上で内側にくい込み、引き裂くような鋭さで小刻みに震えていた。
「ど……して、こんなに、痛いのよ……」
蚊の鳴くような声だった。強気な言い回しはもう皮一枚だけの形で、震える息がそれを破りそうに揺らしている。彼女の中は、亀頭の先を押し返すほどにひときわ固く閉じていて、そこだけまるで、彼女の緊張と怖さが凝り固まった結晶のようだった。
「……彩乃」
俺が名を呼ぶと、彼女は何かを振り切るように首を振った。ポニーテールが汗に濡れた首筋に張りつき、その一房が夕日に照らされて、やけに艶めかしく光る。彼女は一度深く息を吸い込み、そして、震える吐息と一緒に言葉を落とした。
「痛くても、泣かないわよ……バカ」
その声は、まるで蚊の鳴くように小さく、強がりはもう脆くて、崩れそうな壁を指先で支えているようだった。
次の瞬間、彩乃は自らの体重を一気に沈めた。ぶちゅっ、という鈍い音とともに、何かが破れる感触が亀頭の先から伝わる。膜が裂け、彼女の熱い肉壁が、暴力的なほどに絡みついてきた。彼女の喉から、絞り出すような小さな悲鳴が漏れる。
「ひっ……ぅう……っ」
彩乃の睫毛に、涙の粒がにじみ、夕日を受けて宝石のように光った。一筋、また一筋と溢れて、頬を伝い、俺の胸の上に落ちる。その温かい涙が、汗でひんやりした肌に触れた瞬間、俺の胸の奧で何かが弾けたように脈打った。
――泣かせた。泣いてるくせに、それでも腰を止めねえのか、こいつは。
破れた膜の奧から、まったく新しい肉が亀頭を包み込んでいく。それまでの入り口とは比べものにならないほど深く、熱く、複雑な襞が指の感触とはまるで違う圧力で亀頭を搾り、この先に彼女の一番深い場所が隠れていると教えてくる。彩乃は息を浅く、痛みに耐えながらも、震える腰をわずかに揺らした。とろりと混じり合った液体が、破瓜の血とともに糸を引き、二人の肌を生暖かく濡らしていく。
――違う、と俺は思った。これは痛みの涙だけじゃない。一年以上も素直になれなかったこいつが、言葉にできなかった分まで、この熱と痛みに変えて、俺にぶつけてきている。そう思うと、この膣内のきつさも、熱さも、彼女そのもののように感じられて、胸の奧から叫びだしたくなるような衝動が喉をせり上がった。
「彩乃……お前、可愛いよ」
「な、何言ってんのよ、今さら……あんたバカぁ?」
涙声で言い返しながら、彩乃はゆっくりと腰を動かし始めた。初めは恐る恐る、身体になじませるように、上下に揺れる。結合部からは、彼女の蜜と俺の先走り、それに薄く混じる赤色が泡立って、ぐちゅぐちゅと淫猥な音を立てる。彼女が動くたびに、白い胸が揺れ、夕日をまとった汗が飛び散る。
「中、出してよ……ゆうと」
潤んだ瞳で俺を見下ろしながら、彩乃が震える声で命じた。
「生で入れさせる時点で、覚悟はできてるんだから」
その言葉が、最後の箍を外した。腰の奥から、溶けた鉛のような熱が這い上がってくる。もう抑えられない。雫のように滴り落ちる彼女の涙も、汗も、泣きそうな声も、全部を抱きしめたいと思う気持ちと一緒に、その熱は太ももを駆け上がってくる。
俺は彩乃の腰を両手で掴み、下から突き上げるようにして、彼女の一番深い場所へと精を叩きつけた。
「う、ああっ……!」
どくん、どくんと脈打つごとに、ペニスから熱い精液が迸り、彼女の中に注がれていく。彩乃の膣内がそれに応えるように収縮し、根元まで搾り取られるような強烈な締めつけが続く。彼女もまた、甘く切ない声を漏らして全身を震わせ、俺の胸の上に崩れ落ちてきた。
汗と涙と精液と愛液、そしてかすかな血の匂いが、密閉された部室の中で混ざり合う。心臓が早鐘を打ち、耳の奧で血が流れる音が止まない。彩乃の体温が、胸と腹を通して伝わってくる。彼女の心臓も、同じように激しく脈打っていて、その振動が自分の身体と重なって、どこまでが自分の鼓動なのかわからなくなる。
「はぁ……はぁ……ゆうと、動かないでよ。今はこのままで……」
彩乃がささやくように言って、俺の首筋に顔を埋める。その声には、もういつもの強気な響きはなかった。夕日がさらに深い赤色になって、窓枠の影が長く伸びていく。どこかで野球部のユニフォームを着たやつらの声が、遠く聞こえている。秋の虫の声も、混じっている。世界は変わらず動いているのに、この部室だけが、熱と匂いと沈黙の繭に包まれて、時が止まってしまったかのようだった。
「陽斗、ごめん」
彩乃が、鼻声で小さく言った。
「私、ほんとはもっと……ちゃんと、優しくしてほしかったのに」
その言葉が、夕闇に溶けて消えるまで、俺はなんと答えればいいのかわからなかった。腹の上には、彼女の体温がまだ溶け残っていて、俺の心臓の音だけが、やけに速く鼓動を刻んでいる。
第4章 部員たちの祝福と恋人になるためのフェラチオ

第4章
どくん、どくん、と、心臓の音が二つ、皮膚を隔てただけの場所で重なり合っていた。汗ばんだ首筋を彼女の細い吐息がくすぐる。彩乃の全身の重みが胸の上にのしかかっていて、その熱さえもが今はただ、現実の輪郭をなぞるように生々しい。体育マットのほこりっぽい匂いと、汗と、そして紛れもない性の匂い。それらが狭い部室の淀んだ空気に溶けて、呼吸のたびに肺の奥まで満ちていく。まだ中に出したばかりの自分自身が、彼女の熱く狭い内部で、脈の名残を刻むようにびくり、びくり、と痙攣していた。
その重なり合う心臓の音を聞きながら、俺の胸の奥で、何かがじわりとほどけていくのを感じていた。怖かった。ずっと彩乃のことを、どう扱っていいのかわからなかった。からかわれるたびに腹が立って、言い返して、それでもどこかで彼女の笑った顔を目で追っている自分がいた。その感情が今、すべて彼女の涙の理由と重なって、ようやく輪郭を持ったような気がする。彩乃は俺の上で、時折ひくっ、と小さくしゃくり上げるように呼吸を乱している。汗で額に張りついた黒髪の向こうに見える目元は赤く腫れていて、涙の筋が幾筋も頬を伝った跡が、月明かりにぬらぬらと光っていた。
「もう、だめかも……わたし」
彩乃の声が、ぽつりと降ってきた。あの強気で上から目線の命令口調が嘘みたいな、か細くて涙に濡れた声だった。俺の胸に顔を伏せたままの彼女の言葉には、懺悔にも似た何かが滲んでいるように思えた。ずっと素直になれなかったことへの謝罪と、それでもようやくここまで来られたという震えるような安堵が混ざり合っているのだろうと、なんとなく伝わってくる。彼女の吐息が、鎖骨の窪みをくすぐって消えていく。その微かな温もりが、俺の知らない彩乃の一年間を語っているようにも感じられた。どれだけの夜を、今日のために費やしたのだろう。どれだけの朝、鏡の前であのきつい言葉を練習したのだろう。考えた途端、胸の奥がきゅうっと締めつけられた。俺は何か言おうとしたが、言葉が喉の奥に張りついて出てこない。ただ、彼女の背中に回した腕に、ほんの少しだけ力を込めることしかできなかった。
彩乃の背中はまだ細かく震えていて、汗で湿ったポロシャツ越しに、その震えが手のひらへ伝わってくる。それでも彼女は、俺の上から逃げようとはしなかった。まるで、この重なりこそが答えだとでも言うかのように、全身を預けたまま、小さく小さく呼吸を繰り返している。俺の右手が無意識に彼女の背骨のくぼみをなぞった。背中に浮き上がった汗の粒が、指先をぬるりと滑らせる。彼女が、ん、と鼻にかかった声を漏らした。その声はもう、俺を突き放すための鋭さも、からかいの棘も失っていて、ただ与えられる温もりに戸惑う、幼い少女の声だった。胸が熱い。この熱が、怖さなのか、喜びなのか、それともそれ以外の名前のつかない感情なのか、自分でもわからない。ただ、はっきりしていたのは、このまま時間が止まってしまえばいい、と初めて心の底から願ってしまうほど、今この瞬間が愛おしかった。
その沈黙を、破るものがあった。
「おめでとー!」
突如として、部室の四方八方から、黄色い甲高い声の大合唱が沸き起こったのである。一瞬前まで物音ひとつしなかった暗がりが、急に息を吹き返したかのようだった。
「う、うわっ!?」
心臓が喉の奥で跳ね上がった。俺が飛び上がるようにして顔を上げると、薄暗い部室の隅、積み上げられたマットの物陰やロッカーの隙間から、ぞろぞろと女子部員たちが姿を現すところだった。まるでずっと息を潜めて、この瞬間を待ち受けていたかのような登場の仕方だった。少し前から、もしかすると物音がしていたのかもしれない。誰かの押し殺した笑い声や、待ちきれずに落としたドタンという足音が、夢中で気づかなかっただけなのかも。制服姿のやつもいれば、まだ練習着のままのやつもいる。確か、俺をここに呼びに来た美咲も、その中に混じっている。丸めたユニフォームを抱えて口を押さえている者、目をまん丸に見開いてこちらの生々しい様子を隣の娘と肩を寄せ合って窺っている者。そのどの顔にも、好奇心と興奮と、わずかな嫉妬が、月明かりの下でてらてらと浮かび上がっていた。
「な、な、なんでお前らが……!」
「彩乃、やったじゃん! ついに告ったってわけ?」
「陽斗くんも、隅に置けないねぇ。まさか本当に最後までしちゃうなんて!」
「こいつのこと、これからよろしくね!」
口々にそう叫ばれ、俺は状況がまるで飲み込めなかった。頭の中は真っ白で、ただ心臓だけがうるさいくらいに脈打っている。耳の奥で、じいん、と蝉の鳴くような音が止まらない。何より、まだ俺の上に彩乃が乗ったままだというのに、こいつらはおかまいなしにはやし立てている。彩乃は彩乃で、俺の胸に顔を埋めたまま、微動だにしない。ただ、彼女の耳と首筋が、茹でた蛸みたいに真っ赤に染まっているのが、この薄暗がりでもはっきりと見えた。その赤は、先ほどまで彼女の全身を火照らせていた情熱の色とは別の、もっと生々しく、剥き出しの羞恥そのものだった。頬ではなく耳と首筋から上がっていく赤が、彼女の性格をよく表しているように思えて、場違いにも、少しだけ可愛いと思ってしまう。
「ちょ、ちょっと待てよ! なんなんだ、この状況は!」
パニックになる俺の前に、部員の中で一番背の高い三年生のキャプテンが進み出てきた。彼女は腰に手を当てると、「よかったわね、彩乃」と優しく声をかけてから、俺の方に向き直ってニヤリと笑う。白い歯が唇の端から覗いて、暗い部室の中で、獲物を追い詰めた猫のように鋭く光って見えた。
「陽斗、混乱してるみたいだから教えてあげる。こいつね、ずっと陽斗のこと好きだったんだよ」
彼女の言葉が、ストンと、胸の真ん中に落ちてきた。
「……え?」
「だから、あんなにしつこくからかってたの。素直になれないから、ああやってあんたの気を引くしかなかったのよね。今回の計画だって、全部こいつの『最後の賭け』みたいなものだったんだから」
キャプテンの言葉を聞きながら、俺は呆然と彩乃のつむじを見つめていた。汗で湿った髪の根元から、ほこりと甘いシャンプーの混ざったような、彼女自身の匂いが立ちのぼっている。ずっと、好きだった? この、俺をいつも見下して、バカにして、エロいからかいで赤っ恥をかかせてきたツンデレ女が? 信じられない気持ちと、でも、そう言われれば思い当たる節がいくつもあるような、そんな不思議な感覚が、ゆっくりと胸の中に広がっていった。理科室で二人きりになったとき、やけに距離が近かったこと。教室で俺の机にプリントを配るときだけ、無言で置き方が丁寧だったこと。全部が、ただの偶然だと思っていた。いや、気づくのが怖くて、わざと目を逸らしていたのかもしれない。自分に自信のない俺にとって、彩乃のからかいは「嫌われている」という形でなら安心できる、そういう逃げ道でもあった。胸の奥が、じくじくと痛んだ。
すると、今まで死んだように動かなかった彩乃が、ガバッと顔を上げた。その顔は涙と汗と、そして羞恥でぐちゃぐちゃになっている。大きな瞳にはいっぱいに涙をためて、眉はキッと吊り上がっていた。唇は、力を込めすぎたせいか、白く乾いた部分と赤く充血した部分がまだらになっていて、それでも彼女の言葉は、びりびりと空気を震わせるだけの強さを持っていた。
「うっさいわね! あんたたち、いつまでそこにいんのよ! 用が済んだら、とっとと出てってくれる!?」
それは、さっきまで俺に向けていたか細い声とはまったく違う、いつもの彼女の金切り声に近い怒鳴り声だった。隠れていた部員たちは、その剣幕にもまったくひるまず、「はいはい、お邪魔虫は退散するよ」「明日、詳しく聞かせてね!」などと口々に冷やかしながら、ぞろぞろと部室の出口へと向かっていく。靴音と、くすくすという笑い声が、部室の薄暗い空気を揺らしながら遠ざかっていく。
最後にキャプテンが、俺たちの方を振り返って、いたずらっぽくウインクをした。
「陽斗、彩乃のこと、泣かせたら承知しないからね」
バタン、という乱暴な音を立ててドアが閉められ、部室に再び静寂が訪れる。ようやく静かになった部室の中で、彩乃は深い深いため息をひとつついて、また俺の胸の上にぐったりと突っ伏した。さっきまであれだけ騒がしかったのが嘘みたいに、彼女の荒い呼吸の音だけが聞こえる。高くなった天井。黴臭い体育マット。遠くのグラウンドから、誰かが走り込む足音と、ずっと、ずっと遅れて、靴音と、校舎の外で鳴く夜の虫の声が、閉じた窓を透かして微かに浸みこんでくる。外の世界はもうすっかり夜の色に包まれていて、この部室だけが時間から切り離されてしまったようだった。
「彩乃……お前、今の話……」
「聞こえてたんでしょ、バカ」
俺の胸に顔を埋めたまま、くぐもった声が返ってくる。
「今日から私の……か、か、彼氏なんだからね!」
その言葉は、宣言というにはあまりにも震えていて、ところどころ吃っていて、しかも最後の方はもう消え入りそうな声だった。だけど、その不器用なまでの精一杯の強がりが、俺の胸をかきむしるように締めつける。体中の力が抜けて、代わりに彼女の温もりだけがやけにリアルに感じられた。
「……わかったよ」
俺が短く答えると、彩乃はしばらく黙り込んだ後、ゆっくりと上体を起こした。まだ涙の跡が残る目元は赤いけど、その大きな瞳はもう決意に満ちているように見えた。彼女は俺の上に座ったまま、まだ硬さの名残をとどめて腹の上に横たわっている俺の分身をじっと見つめる。どろりとした互いの体液で汚れたそれを、値踏みするかのように。その視線には、先ほどの泣き顔からは信じられないほどの熱が宿っていて、暗い部室の中で目だけが、獣のようにぎらぎらと光っている。
「……最後に、確認させて」
「何をだよ」
「あんたが本当に、私の彼氏になるのかどうか」
そう言うが早いか、彩乃は俺の腹の上からスルリと降りると、体育マットの上に膝をついた。そして、汗で額に張りついた黒髪を片手でそっと耳にかけながら、俺の股間に顔を近づける。月明かりを受けた彼女の濡れた黒髪が、神秘的といってもいいほどの艶めきを帯びて、男にとっての媚薬そのもののように俺の視界を奪った。胸元で濡れてへたり、肌に透ける白いポロシャツの奥に、形のいい乳房が存在を主張している。彼女が動くたび、その柔らかなふくらみが布の上からでもわかるほどに揺れた。
「ちょ、お前……!」
「一回だけだからね。最後に、これで、ぜんぶ搾りとってあげる」
彼女はそう宣言すると、もうためらいもなく、俺の分身の先端に唇を触れさせた。ぬるりとした生温かい感触が、まだ敏感な亀頭を包み込む。ちゅっ、という小さなリップ音が、静かな部室に妙に大きく響いた。唇と唇、ではなく、唇と俺自身の一番敏感な場所との粘膜の触れ合い。その微かな音を耳にした瞬間、背筋がひやりと震えて、指先が無意識にマットを掴んだ。
「んっ……」
彩乃の小さな口内は、さっきまでとはまるで違う熱さと湿り気で俺のものを迎え入れた。初めてだと言うのに、彼女の舌は、まるでこれが最後の別れだとでも言うかのように、必死で、それでいてどこか悲しそうだった。尿道の窪みを舌先でぐりぐりと押し潰し、裏筋をなぞり上げ、亀頭のくびれを唇でぎゅうっと締めつける。じゅぽっ、ぬちゅっ、ちゅぱっ、と、下品で扇情的な水音が部室にこだまして、それが自分の体から発せられているかと思うと、頭がどうにかなりそうだった。彼女の温かい吐息が太腿にかかるたびに、背筋を電流のような快感が走り抜ける。尿道の窪みを舌先でぐりぐりと押し潰すたび、腰の奥に溜まった熱が、ぞくぞくと背筋を駆け上がって、目の裏で細かい火花が散る。
「どう……? これで、私のこと、嫌でも忘れられなくしてあげる……」
唾液と精液とでぬらぬらに光る俺の分身を根元から舐め上げながら、彩乃が上目遣いに尋ねてくる。俺を見上げるとき、長い睫毛が頬に影を落とし、その下で茶色がかった瞳が、怯えと期待の混ざった色を湛えていた。その顔は、もうさっきまでの尊大な女王様でも、いじめっ子のツンデレでもなかった。ただ、恋に落ちた一人の、可愛い女の子だった。不安で、だけど精一杯の勇気を振り絞って、俺を自分のものにしようとする、一人の女だった。
彩乃は俺の分身から唇を少し離すと、ぬらぬらと糸を引く唾液の筋を手の甲で乱暴に拭った。ごく、と小さく喉を鳴らして飲み込む。口の中に残った苦い味と、自分のとは違う生臭い海の匂い。それが、さっきまで自分の中にあって、自分を貫いていたものなのだと思うと、胸の奥がまた、ずくんと甘く疼いた。誰かに見られていた恥ずかしさで張り裂けそうだったのに、こうして口に含んで確かめていると、勝手に体の奥がきゅうと縮み上がる。部員たちに暴露されたこの一年間の秘密。馬鹿みたいに隠してきた恋心。全部、もう、繕う必要なんてない。いや、今はまだ、恥ずかしさの残骸を隠したくて、陽斗の方をまっすぐ見られない。だから、暴かれた言葉の代わりに、この舌で、唇で、繋がりを確かめようとしていた。あんたの味が確かにここにある。私のものになった証。だったら、とことん、私のものにしてみせる。彩乃は唇をもう一度、先端へ寄せた。そこから溢れた先走りを、ちゅるっと音を立てて啜る。舌の上に残る胎動。心臓の音。私を抱いた人の、一番生々しい証。
「彩乃、もういい……」
俺の声は驚くほどかすれていた。込み上げてくる情動を抑えきれず、俺は彼女の腕を掴んで引き寄せると、その濡れた唇に自分の唇を押しつけていた。さっきまで自分のものを咥えていた口の中は、少し生臭くて、でもほんのりと甘くて、彼女自身の味がした。粘膜と粘膜が触れ合うその感触は、何よりも雄弁に、彼女の存在を俺の五感に刻みつける。互いの唾液が混ざり合う、深くて長いキスだった。彼女の舌が、俺の舌の裏側をくすぐるように動いた。吐息が鼻から抜ける。口づけの合間に、彼女の手が、俺の胸を確かめるように触れて、それから首の後ろへ回された。
ようやく唇を離すと、彩乃はぽかんとした顔で俺を見つめていた。涙で濡れた瞳が、暗がりの中で宝石みたいにきらめいている。そのきらめきは、これ以上なく脆く、それでいて、あらゆる言葉より強く、俺の胸を射抜いた。
「俺は、お前の彼氏になるよ。だから、もうそんな顔するな」
俺がそう言うと、彼女の表情が、泣き笑いみたいにぐしゃりと歪んだ。
「……遅いんだよ、バカ」
彼女は悪態をつきながら、今まで見せたことのない、一番柔らかい笑顔を俺に向けた。泣き腫らした瞼、汗で乱れた前髪、乾いた唇の端。その全部が、一つの奇跡みたいに、暗い部室の空気の中できらめいて見えた。どこにでもある部室の、薄暗い月明かりの下で、俺は確かに今、彼女を美しいと感じている。胸の奥に棲みついた何かが、すとんと音を立てて、やっとあるべき場所に落ち着いたような気持ちだった。
廊下の向こうから、「彩乃ー、陽斗くんー、いつまでしてんのー? 下校時間過ぎちゃうよー!」という、さっきの部員たちの焦れたような声が飛んでくる。俺は慌てて身を起こすと、乱れきった服を手早く整え始めた。彩乃も、濡れた下半身を拭うのもそこそこに、スカートを履き、ポロシャツのボタンを留め直している。互いの荒い呼吸が、まだ熱を受け渡しするように、狭い部室の空気の中で混じり合った。
「急ごう、彩乃」
「わかってるわよ」
互いに背を向け合いながら身支度を整え、最後に俺が部室のドアノブに手をかけたとき、後ろから彩乃が俺のシャツの裾を、くいっと引っ張った。
「なんだよ」
振り返ると、彼女はまだ少しだけ赤い顔で、でもまっすぐに俺の目を見据えていた。その手は、制服のスカートの端を名残惜しそうに摘んでいて、口元は、何を言うべきか探しあぐねているように、小さく開いては閉じた。
「外に出たら、ちゃんと手、繋ぐんだからね」
なんのためらいもなくそう言い放つ彼女に、今度は俺が笑顔を見せる番だった。
「おう、お望みのままに」
そう言って俺が手を差し出すと、彼女は「ふん」と鼻を鳴らしてから、おそるおそるといった風に、その手を握り返してきた。
手のひらから伝わってくる彼女の体温は、さっき体の芯で感じた熱さよりもずっと穏やかで、でも確かに、俺たちがこれから始める新しい関係を約束してくれているように思えた。彼女の指は、思っていたよりも細くて、握る力は驚くほど強い。まるで、これから続く時間を、この手でしっかりと掴んで離すまいとしているかのようだった。にぎやかな仲間たちの待つ廊下へ、俺たちは一歩を踏み出す。からかいと恋心が交錯する、青春の続きを予感させながら。
登場人物
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陽斗 はると男性 ・ 14
外見: 短く無造作な黒髪、黒い瞳、やや細身の運動部員らしい引き締まった体格。服装: 学校指定の軟式テニス部の練習着、白い半袖シャツに紺のショートパンツ。普段は少し人見知りだが、彩乃のからかいには反射的に言い返す負けず嫌い。性知識は乏しいが、異性への興味は人並み以上に強い。
-
彩乃 あやの女性 ・ 14
外見: 肩甲骨あたりまで伸びた黒髪をポニーテールに結び、前髪は眉上で切り揃えられている。茶色がかった大きな瞳。胸は同年代の平均より大きいが、乳首と乳輪は小さく淡い桜色。引き締まった細腰と、テニスで鍛えられた適度に筋肉のついた太もも。華奢なのに出るとこは出ている、アンバランスな色気を放つ体型。服装: 男子と同じく学校指定の練習着。白いポロシャツに動きやすいプリーツのミニスカート。常に清潔な石鹸の香りがする。普段は陽斗をからかい倒すツンデレ。根は面倒見がよく、実は一年以上前から陽斗に片思いしているが、気持ちを伝える代わりにキツい言葉で反応を楽しんでいた。性行為は知識として知るのみ。行為中は痛みに耐えながらも尊大に振る舞い、素直になれない自分の感情をコントロールしようと必死。





