山ガールの私が人気のない木陰で下痢を漏らした瞬間を撮影され、見知らぬ登山客二人にそのまま犯されてしまうまで
あらすじ
山の空気は、人を裸にする。木陰で便をまき散らした珠洲は、一人の山歩きの末に二つの影に囲まれる。シャッター音と笑い声。太ももを伝う汗と下痢便の匂いの中で、彼女は生まれて初めての体温に突き上げられる。それから毎週、山だけが秘密の逢瀬の場になっていく。恥辱はいつしか山の匂いとともに下腹を疼かせ、会社では笑いながら有給の予定を口にする。あの山道で待つ二人のもとへ、今日も脚が向いてしまう。
第1章 山草図鑑と木陰の下痢便

第1章: 山草図鑑と木陰の下痢便
有給を取ったのは、私ひとりだった。会社のデスクで「今週の金曜、山に行くねん」と呟いたとき、誰も顔を上げなかった。いや、正確には斜向かいの後輩が一瞬だけ目を向けて、すぐにパソコンの画面へ視線を戻した。私はそれ以上なにも言わず、引き出しの奥に仕舞っていた山草図鑑の丸い背表紙を指先でなぞった。湿気で少し反り返った背表紙は、触れるたびに山の土の匂いがするような気がした。
朝の中央本線は空いていた。窓際のボックス席に腰を下ろし、膝の上で図鑑を開くと、ザックの重みが腿の外側へずるりと滑った。車輪がレールを噛む音が一定のリズムを刻むたび、視界の端で新緑の山肌が流れていく。五月の光は白く、若葉の色を透かすように明るい。ああ、ええ天気やわ。そう口の中で転がしてみても、その言葉は誰にも届かない。隣に誰かが座っていて、同じ景色を見て、「ほんまやな」と返してくれたら、それでよかった。喉の奥のほうで小さく息を吐くと、私は背中をシートに押し付け、大きな尻を座席にぐっと擦りつけた。腿の裏がビニール張りのシートに吸い付き、汗ばんだ肌と人工的な冷たさが混ざり合う。だれも私のこの尻を見ていない。見られていないのに、私はわざとシートに食い込ませるように腰を捻った。山へ近づくほどに、きつく閉ざしたままの身体の奥が、じわりと熱を持つ気がしていた。
駅を降りると、空気が違っていた。背の高い杉の間を抜けてくる風が、鼻の奥をつんと刺す。苔と腐葉土と、あと何か甘いような苦いような、植物が蒸れる匂い。私はキャップのつばを直し、ストレッチパンツの太ももを軽く叩いた。布越しに肉が弾む。今日はいつものコースを外れて、少しだけ沢沿いを歩くつもりやった。図鑑で見た花が、この時期に咲いているはずやから。そう自分に言い聞かせて、私は登山口へ向かう舗装路を歩き出した。
山道に入ってしばらくは、心がほどけていった。木漏れ日が足元で揺れ、枯れ葉を踏むたびに乾いた音がくぐもって響く。土と草の匂いが汗ばんだ肌にまとわりついて、まるで山そのものに抱かれているような錯覚があった。誰もいない。それだけで、私はやっと息ができる気がした。
けれど、三十分も登った頃だろうか。下腹のあたりが、急にぐるりと捻れた。胃でもない、子宮でもない。もっと下の、腸がきゅうと握られるような鈍い痛みが波になって押し寄せる。私は歩みを止め、腹を手のひらで押さえた。朝、駅の売店で飲んだ冷たい牛乳を思い出す。あれが、あかんかったんやろか。
「あぁ、なんか、お腹痛なってきたなぁ」
声に出したのは、ほとんど独り言だった。山中の静けさに私の声は吸い込まれて、返すものは杉の梢を渡る風の音だけだった。また一歩踏み出すと、下腹の奥でぎちぎちと腸が軋む。冷や汗をかいた額を手の甲で拭い、息を整えながら、この先に登山道の脇へ外れた木陰があったはずや、と記憶を手繰る。
歩くたびに、肛門のあたりが熱く脈打った。太ももに汗が伝って、ストレッチパンツの生地が肌に張りつく。下着の縁が食い込み、内腿の肉を押し上げる感覚までを、痛みが増幅させる。駄目や、もうすぐ出る。私は小走りになった。膝が笑う。ヘルメットを忘れた自転車で坂を下るみたいに、身体の芯が前へ傾いていく。
木立の切れ間に、人気のない草地が開けていた。大きな栃の木が何本も茂り、その下は濃い陰になっている。下生えには山芍薬に似た白い花が点々と揺れ、陽を浴びた葉が風に透けていた。私は周囲をぐるりと見回した。誰も、いない。獣道の入口にペットボトルがひとつ落ちているだけ。汗がこめかみを伝う。もう、むりやわ。どっか、トイレできるとこ、ないやろか。
「あ、もう、ここでええわ。はよせな、もれそう」
草むらに片膝をつき、ザックを外した。下草に手を突いて身体を低くすると、柔らかな土と青臭い草汁の匂いがいっそう濃くなる。ストレッチパンツを太ももの半ばまで下げ、下着をずり落とす。露わになった尻が、急に冷たい空気に包まれて、ぶるりと粟立った。私はしゃがみ込み、両腕を膝に巻きつけた。
最初は、たまらなく恥ずかしかった。三十秒前まで普通に歩いていた女が、人気のない山の中で白い尻を出して、今から下痢をする。それだけで、目の奥がじんと熱くなった。
直後、腹の底が大きく跳ねた。
ぶりゅるるるるっ、ぷしゃああっと、粘り気のある猛烈な音がして、熱いものが一気に肛門から噴き出した。自分の意志とは無関係に、身体がいちばん原始的な営みを始めていた。びゅびゅっ、ぶりゅ、ぶりゅりゅ、と水と繊維質の混じった生々しい音が尻の下で響き、臭いが一瞬で立ちのぼる。鼻を刺す、酸っぱくてひどく甘い悪臭。それが自分の身体から出たものだとわかるほどに、耳の奥まで血が上っていく。太ももに汗が幾筋も流れ、草の葉が内腿に食い込んだ。
「あぁぁ、いい、でるぅ」
腹の中で渦を巻いていたものが、堰を切ったように出続ける。恥ずかしさで顔が燃えるのに、逃げ場を失った熱い塊が勢いよく抜けていくたび、背中がうすら寒いほど甘やかに弛緩していく。自分が今、無様で、汚くて、でもどこか取り返しのつかないほど剥き出しになった気がした。地面に跳ねた飛沫が太ももの裏に触れて、ひや、と小さく声にならない息が漏れる。
まだ完全に終わってはいない。尻の奥に、もう一波だけ残っているのがわかる。内腿を伝う汗と飛沫と、皮膚の上で乾いていく生温かなもの。その感覚を確認した瞬間、突然、スマホのシャッター音が背後で鳴った。
カシャ、ともう一度。
何の音か、理解するまでに数秒かかった。人間の気配をまったく感じていなかった。私の額から汗が噴き出し、心臓が胸の骨を裏側から殴った。
私は首だけを、ぎぎぎと音がしそうなほどゆっくりと後ろへ向けた。
そこには、登山スタイルの男がふたり、立っていた。ひとりは大柄で、胸板が厚く、短く刈った黒髪の下からこちらを見下ろしている。もうひとりは中肉中背で、癖のある茶髪から覗く目が異様に落ち着かなかった。男たちは、笑っていた。声を出して笑うのではなく、口元を歪め、目だけをらんらんと光らせて、私の剥き出しになった尻を眺めている。
私はまだすべてを出し終えていない。崖から落ちる寸前の指先みたいに、私の心だけが先に沈黙へ落ちていった。
草の上に膝を落としたまま、私は腿を閉じることすらできなかった。排泄の残滓が太ももを汚し、臭いが風に流れずにまとわりつく。木陰の陰が、男たちの顔を半分だけ隠している。
山の匂いと、汚物の臭いと、汗の匂い。ぜんぶが一緒になって、私の皮膚に貼りついていた。
その瞬間、しゃがみ込んだ私の下腹の奥で、別の疼きが、ほんのちいさく頭をもたげたのを、私は必死に無視しようとしていた。
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第2章 クソまみれの尻を犯される

第2章: クソまみれの尻を犯される
シャッター音が、まだ空気の震えとして耳の奥に残っている。私は首を後ろへ向けたまま、指一本動かせなかった。二度、三度と軽やかに響いたその電子音は、まるで私の身体の輪郭を切り取って、男たちの指先へ閉じ込めるための呪文のようだった。
「あーあ、こりゃええ画やわ。尻まる出しで、まだ出とる途中やろ、これ」
大柄な男が、手にしたスマートフォンの画面を自分のほうへ傾ける。低い声には笑いが滲んでいて、その目は私の顔と、私の背後でまだ湯気を立てている地面のあいだをゆっくりと往復した。泥に塗れた獲物を検品するような、ねっとりとした視線。
「お嬢さん、ひとりで山入って、こんなとこで天下の大開放とは。度胸あるっていうか、なんていうか」
「はは……すごいですよね。汗のかき方も、なんかこう、内腿がもう水みたいになってて」
小柄なほうの男が、半歩だけ近づいた。硬い草を踏む音が、私の背骨をじかに這い上がってくる。彼の手にも黒いスマートフォンが握られていて、レンズが私の剥き出しになった腿のあいだに向けられた。私は反射的に両手を地面から浮かしかけたけれど、まだ下腹の奥に残っている熱いものが、動くたびに出口を探して蠢いた。
「や、やめて……なに勝手に撮っとんの。消して、今すぐ消して……!」
喉の奥がひりついた。山の静けさの中で、自分の声だけが妙に甲高く跳ね返る。関西の訛りが、こんなときに限って言葉の端から溢れて、みっともなさをさらに塗り重ねる。ふたりの男は視線を交わしただけで、どちらも私の言葉に応えなかった。
「珠洲さんっていうんや。ザックの名札、見せてもろたで」
大柄な男がしゃがみ込み、私のザックから外したタグを指先で弄ぶ。汗ばんだ指先が、自分の名前を書いた布をこするのを、目の端で見る。心臓が、下品なほど大きな音を立てている。彼の指が離れたタグが、ぶらんと揺れた。
「タケシ、そっちから回り込め。せっかくの御開帳や、しっぽり撮らんと損やろ」
「はいはい、マサルさん。下のとこの光、調節しますね」
マサルと呼ばれた男が、その場に片膝をつく。タケシと呼ばれた男は、私の真横へ回り込んで、しゃがみ込んだままの私の腿を舐めるようにレンズを向けてきた。草の露が膝を濡らし、土の匂いがいっそう濃くなる。地面に残った生温かな汚物の臭いが、風のない木陰に溜まって、私の鼻の奥を内側から締めつける。
「ああぁ、お嬢さん、ええ顔してウンコしとったなぁ。まだ半端やろ、腹の下、まんまる膨れてるやん」
マサルの声は笑いながらも、温度がなかった。彼の太い指が、私の剥き出しになった尻の肉へ伸びてくる。逃げようとして、膝が草に擦れて痛んだ。それでも上体をひねった拍子に、肛門の周りへ張りついていたものが腿の裏へたらりと垂れて、生ぬるい感触が走った。
「やめ……触らんといて……っ、そんなとこ……」
「そんなとこって、どのとこや? ここか? それとも、このくっせえ穴の淵か?」
彼の指先が、まだ湿って緩んだ穴の縁へ、ぬるりと触れた。爪を立てるのではなく、指の腹で、拭うみたいに、なぞる。私の身体が、びくん、と大きく跳ねた。胃の底がせり上がってくるような屈辱で、喉の奥が詰まった。男の指が、私の排泄物を確かめるように何度も縁をなぞっては、ぬぐって見せつけてくる。
「くせぇなあ、なに食うたんや。山入る前になんか変なもん飲んだんとちゃう?」
「ち、ちゃう……あんたらには、関係ない……ことやろ……!」
涙が滲んで、視界が揺れた。奥歯を噛みしめても、膝が笑って止まらない。マサルは笑いを噛み殺すみたいに鼻を鳴らしてから、指を私の膝の内側へ滑らせた。太ももに溜まった汗と、下痢の跳ね返りとが混じったぬめりを指先で掬い取る音が、ぼちゃりと鳴った。
「あんた、クソまみれのくせに、汗べったべたやん。こんな人気ない山の中で、ええ度胸してる女はおもろいわ」
タケシの指が、私の顔のすぐ横で何度も画面をタップした。至近距離から、私の汗ばんだ下腹部や、泥に汚れた膝、腹の下で細かく痙攣する腿の付け根を撮っている。時折「今の震え、いいですよ」「ああ、ここ光が透けてる」と独り言みたいに言っては、また画面を操作する。
「タケシ、そのへんでええやろ。こいつ、まだ腹ン中に残しとんのや。せっかくやから、全部出させたろうや」
「いいですね。僕もその瞬間、正面から回します」
私は彼らが何を言っているのか、すぐには理解できなかった。いいや、理解したくなかった。尻の奥で、残っていたものがまだ熱い。ぎちり、と下腹が張って、肛門の周りが意思とは別に開こうとする。男ふたりの前で、それ以上なにかを出すなんて、絶対にできへん。そう叫びたかったのに、腹の肉は正直に、ぐるぐると音を立てて蠢いた。
「あっ、や……いや、出やん、もう出やん……あかん、ほんまにあかん……!」
「大丈夫やって。いま、ええ感じに弛んどるから、ここに力入れんと、ほら、みんな出るわ」
マサルの手が、私の臍の下あたりをゆっくりと押した。ぐ、と鈍い圧迫が腹の奥へ沈み込み、肛門が勝手に開こうとして、私の内ももが、ふるふると震えた。出したくない。出したくないのに、身体が押し戻す力を失っていく。恥ずかしさのあまり、目の前がチカチカした。
「お、ええやん。ちょびっと出てきたで。やっぱ腹ン中に溜まっとるんや」
マサルが、私の尻の肉を掴んで、横に開く。私の顔から血の気が引いて、汗ばかりが止まらなかった。腿の内側が、自分の体温と男の指の熱で、ぬかるみのように熱い。
「ちょ、やめて……ほんまに、見んといて……頼むから、消して……ッ」
「消してほしかったら、ええ子にしとけ。な、今からもっと気持ちええことしたる」
彼の指が、汚物に汚れた穴の縁を通り過ぎて、もっと前へ滑った。湿った陰毛の奥、汗で膨れたそこを、迷いなく割る。排泄で緩んだ身体の真下の、普段は閉じているのに、今は心臓の音に合わせてひくついている場所を、指の背で、くにくにと押し開かれた。
「あっ……!」
「あは。なに濡らしてんだよ、お前、人の前でクソひって、アソコだけびちゃびちゃや。どっちが本命なんやろうなぁ」
マサルの指先が、その窄まりを上下にこねる。尿とは違う粘りが、くちゅ、と小さく鳴った。私の頭が一瞬、ぐらりと揺れた。あり得るはずがない、と思う。こんな辱めを受けているのに、身体の芯だけが汗でもなく、地面から沁みる熱でもないものに湿っているのが、自分でも嫌なほど、はっきりとわかってしまう。
「いや、ほんまに……っ、やめて、言うとおりにするから……写真、消して……」
「泣き落としに来た? ええけど、その前に全部出してもらうで。それと、こいつの具合も、ちょっと確かめんとな」
彼の指が、ぬちゅ、と浅く入り込む。関節の太い指が、私の中の柔い肉を探るように曲がる。背筋を走るのは痛みではない。違う。不快なのに、内壁が自分の意志と無関係に、男の指へ絡みつこうとする。その反応が怖くて、私は首を振った。
「いやや、いや……あかん、やめて……っ」
「そうやって首振ってても、身体はちゃんと迎え入れとるで。わかるやろ、奥のほう、もっと搔いてほしいって、ぐにぐにしてるやん」
タケシが背後から私の汗ばんだ首筋へ、息を吹きかける。次の瞬間、私のTシャツの襟元に手が入って、汗で湿った布越しに胸の膨らみを揉まれた。蒸れた肌と湿った布が乳首へ張りついて、ふわ、と生ぬるい空気が胸元へ流れる。
「やっ、そこも、やめて……っ! 人が来るかもしれへんのに……!」
「来ないですよ、こんな時間に、こんな獣道。珠洲さん、自分の出した匂いで獣でも寄ってきそうなくらいで」
「それ、ちゅうか、珠洲のこの女の匂いが獣を呼ぶんや。こっちのほう、もう汗とションベンとクソと、ぐちゃぐちゃやろ。山の空気変わっとるわ、見せてや」
マサルはそう言うと、私の両膝を無理やり左右へ割って、長い指をもう一度、汚れた場所へ戻した。肛門の縁をくぽ、と押し、まだ完全に閉じきっていないその環を中指で探る。排泄で緩みかけた肉が、彼の指を受け入れて、濡れた音を返した。
私はもう、声を我慢できなくなっていた。言葉にならない叫びが喉から溢れそうになり、それを噛み殺すたび、腹の奥がぎゅうと痙攣した。恥ずかしさと、便意と、もうひとつ、身体のいちばん恥ずかしい部分がきゅんと疼く感覚が混ざって、呼吸がばらばらになる。
「う……あ……、あかん、腹、押さんとって……ほんまに、もう……なんか、出てまう……っ」
「ええやん、我慢せんで。こっちで全部、見たって言うてんねやから」
マサルの低い笑いが、私の背骨をぞろりと撫でた。彼の親指が私の恥骨の上をくりくりと押し、中指がまだ後ろの孔の中で腹側を掻く。前と後ろを同時に甘く責められて、私の膝が、がくん、と落ちかけた。
「おい、タケシ、シャツ、捲って乳房出してやれ。乳首も舐めろ、そうやれば力抜けやすい」
「了解です。うわ、汗で下着透けてますよ、乳輪の色まで浮いてる。えっちですね」
タケシが私の後ろから腕を回し、Tシャツの裾を一気に胸の上まで押し上げた。山の外気が汗ばんだ鳩尾や臍を撫でて、そのあと湿った下着越しに、男の大きな舌が押しつけられる。布越しに、じゅわりと熱い唾液が沁みた。私の乳首を、転がすように、吸うように、彼の舌が這う。
「んぁっ……! や、やめ……」
「やめへん。こっちもやめへん。これで逃げる力、全部お逃げや」
マサルの指が、後ろの孔から、ぬぽ、と抜けた。いや、抜けたのではなく、もっと太いものに置き換わる予告だった。彼が腰の位置を変え、荒い息が私の首の後ろに落ちる。固く熱いものが私の肛門へ押し当てられ、先端の異様な膨らみが、排泄で緩んだ場所をぐ、と押し開こうとする。
「い……や、それ、無理や……入らん……そんなん、入らん……っ!」
「入るって。さっきまでブリブリ出してた穴や、ええ感じに柔らかい。今なら亀頭ごと、食えるぜ」
彼の動きは、悪意というより、私の身体がどこまで開くのかを確かめるみたいに、ゆっくりだった。雁首の張り出しが、狭い環に食い込み、ちく、と鋭い痺れが走る。肉の薄い場所を、内側から引き裂かれるような痛みに近い感覚が、背中を駆け抜けた。
ぐぷ、と音がして、わずかに肉がめくれた。
「ひっ……ぁあああっ!」
私は悲鳴を上げ、腰を跳ねさせた。目の前が白く飛んで、草を掴んだ指に砂が食い込む。太い亀頭が、排泄で緩みはじめた菊門をこじりながら、めり、と入り口を割っていく。骨盤の奥まで、男の楔を押し込まれたような圧迫感で、息が止まった。
「あー、きっついなあ。前も後ろも、お前の穴はどっちもよう締めるやんか。ほら、力や、抜けてもええねんで」
「むり、むりむり……ほんまに、いや……っ……」
タケシが、私の乳首を下着の上から噛み、片手で私の腰を抱えた。長い舌が、汗ばんだ胸元からお腹のくぼみまで滑り、私の汚れた会陰へと下りていく。排泄物の残滓が残るはずの場所に、遠慮なく舌先を這わせた。
「れちゃっ……クソの味と、汗と……あと、ちょっと甘いの、混ざってます。唾液で洗ったら、すごく、生々しい匂いになりましたよ」
彼の、ちゅちゅ、と吸う音が、私の耳のすぐ下で響く。汚物のこびりついた穴の周りを、何度も何度も舐めて、柔くなった肉を舌先で押し拡げる。男の舌は、私の身体の沼のような場所を、味わい尽くそうとするみたいに動いた。臭いと汗と舌の生ぬるさ。ぜんぶが股の奥を溶かして、逃げようとするほど、膝が草に擦れて、鳥のさえずりが頭の芯で歪んだ。
「やだ……汚い、汚いから、やめて……!」
「汚いからええんやろ? ほら、後ろはもう、先っぽ咥えてるで。このまま全部入れたら、珠洲、どないなるか、教えたろか」
マサルが、私の髪を掴んで、うつ伏せに近い姿勢へ押し付ける。腰を下から突き上げるようにして、体重をかけた。亀頭が、ぬくぬくと汗に濡れた肉を押し分けて、ずぶり、と深く進む。世界が熱い。私の肛門は、彼の先端を越えて、太い幹へかかろうとしていた。
「や、ああ────ッ!」
ぐちゃ、と粘っこい水音。それから腹の奥が、内臓ごと持ち上がるみたいに熱い塊で満たされた。私の身体が、一瞬、完全に鳥になった。足の爪先まで痙攣して、頭のてっぺんから、みっともない声が抜けていく。
その声を、タケシが無言で録っている。彼のスマホは、私の顔と、私の腹の小さな痙攣と、マサルが後ろから貫く状況を、たぶんすべて、等しく切り取っていた。それでも、こわい、と思う気持ちと一緒に、他人の熱い体温が腹の内側で脈打つのを、私は、生まれて初めての感覚として、はっきりと感じていた。
山の涼しい空気を、自分の肺へ吸い込んでいるはずなのに、身体の真ん中だけが、土砂降りの後の地面みたいに、どろどろに熱く濡れている。
「やっ……うごか、んとって……腹の奥、変になる……ああっ」
「動かんはずないやろ。俺のマラでかいから、珠洲、後ろだけでとろとろになっとる。わかるか、内側から、ぐるんぐるん掻き回されて、腹、びりびりしとるんとちゃう?」
彼が、私の、排泄物と汗で汚れた尻を両手で掴み、腰を回しはじめた。ぐるんぐるんと、入口の少し奥を大きな部分で掻き回す。そのたび、私の身体は、意思を失ったみたいにびくんびくん跳ねた。恐怖で縮こまっていたはずの肉が、男の熱を甘く咥えこんで、きゅうきゅうと痺れていく。
「あ、ああっ、や……それ、きもち、悪い……あかん、力入らへ、ん……っ」
「正直やんか。ええぞぉ、素直に喘げ。お前がそんな声出すとこ、ちゃんと仕込んでやるからな」
マサルの腰の動きが、浅い回転から、ゆっくり深い突き上げに変わった。ごち、と腹の奥を叩かれるように思えるのは、たぶん、自分の内臓が彼を受け入れている証拠だった。便意と快感は似ている、と本で読んだことがある。今なら、その感覚はもっと生々しく、膣の奥より深い場所へ、甘いのだか痛いのだか知れない痺れを運んでいた。
タケシが股のあいだに顔を埋めて、勃ち上がった小さな肉芽を、ぬれぬれになった舌で暴いた。私の足腰が跳ね、声にならない声が、木立の奥へ吸い込まれていく。この木陰は、さっきまで私だけの避難所だった。今は、私の身体を開かせるための檻みたいに、枝のひとつひとつが熱を持っている。
「ひ、んぅっ、や、そこら、なん……ああっ、あたくし、もう……」
「あたくし、やて。関西の女は、追い込まれると色っぽいなあ。なあ珠洲、俺とタケシ、どっちがええ? ちゃんと聞かせてや」
マサルの唇が耳にくっついた。生ぬるい吐息が鼓膜を湿らせて、私の頭の芯がじーんと痺れた。答えなんて、あるはずがない。
「ち、ちゃう……あんたら、勝手なこと、してるだけや……っ」
「ふうん、その勝手なことで、お前のケツの穴とアソコ、どっちもじゅくじゅくや。なあ、タケシ、そこ、指入れて、珠洲のナカ、確かめてやれ」
タケシが私の前へ手を伸ばした。指が二本、愛液でぬるついた入り口を割って、ぬちゅ、と中へ滑り込む。前を掻き混ぜられ、後ろを突き上げられて、私は草の上に爪を食い込ませた。目の奥で、花火が散るみたいに光が散っている。
「あ、あかん、あかん、あかん……っ、そんなん、同時に、やめて……おかしなる、から……っ!」
「おかしなりかけが、ええんやろ。ほら、前も後ろも、同じリズムで揺らしたる。お前の中、もうぐちゃぐちゃやぞ。なんなら、そのまま全部出してまえ」
マサルが、私の腹の下へ手を回し、ぐ、と圧をかけた。排泄が完全に終わっていない私の身体は、その圧迫で、また熱いものを吐き出しそうになる。前と後ろの入口を同時に犯されて、泣きじゃくりながら、動物的な声しか出ない。足の裏が草を蹴って、土が爪の間へ入った。
「あっ、うっ……ひぁ……や、出る、また出る……あぁ、やだ……っ」
「出せや。ほら、このくそまみれの女が、どこを濡らして、どこから垂れ流したか、ぜんぶタケシが撮ってくれてるで。逃がさへんよ」
彼が私の後ろから、何度も浅い抽送を繰り返した。胎の奥へ、どくどくと熱い生き物を送り込むために。だんだん、痛みの先にやってくる、意識の底を浚われそうな波が、じゅくじゅくと足元を崩していく。自分で自分を引き裂くような声が、木々へ何度もぶつかっては木霊した。
「イく……っ、ああ、くる、なんか、くる……ッ」
「ええで、来い。お前の身体、どこが一番ええか、よお教えたるわ」
マサルの手が、私の尻たぶをわしづかみにし、窄まった前を、ぬぱぬぱと蹂躙する。そのたび、私の膝が滑り、下腹が痙攣した。タケシが私の恥核を唇で扱き、私の内腿に溜まったものを、何のためらいもなくすすった。
数秒あと、私は、自分の身体が、自分のものではないみたいに、大きく跳ねた。
地面から腰が浮いて、背中がひときわ強く反る。頭の中の花火が、木陰いっぱいに散った。
「んいぃ……ッ! あ、や、や、なにこれ……あっ、も、もう、イってる、おかしい、あかん……ッ!」
どくどくと、腹の奥へ熱いものが流れ込む感覚を、私の身体は、最初に恐怖として覚えた。けれど、その次に来た波は、もっと深い場所から押し寄せて、恥ずかしさの殻をぜんぶ溶かした。両脚が痙攣して、草の上で、浅い息ばかりが何度も溢れる。男の体温が、私の、皮を剥かれた心の表面を、なおも熱く脈打っていた。
「……これ、ぜんぶ動画に撮ってるから。珠洲さん、もう逃げられないですよ」
タケシの声が、少し離れた場所でした。でも、その音は、もはや私の知っている現実の音には聞こえなかった。私の身体は、木陰の土と男の汗の匂いを吸い込み、下腹の奥で、疼きともつかぬ火を、まだくすぶらせていた。
木の葉が、風もないのに、一枚、私の背中に落ちた。生ぬるくて、羽のように軽い。それは、山のなかで初めて味わう他人の体温に、私の何かが、ぽつりと音を立てて、裂けていった証拠みたいだった。
第3章 山小屋での調教と開かれる身体

第3章: 山小屋での調教と開かれる身体
沢の音が、耳の奥でいつまでも鳴っていた。あの木陰から山道へ戻るまでの記憶は、草の汁と泥と、腿の内側にこびりついた生温かなものの感触だけが断片的に残っている。男の一人が私のザックを肩に掛け、もう一人が私の二の腕を掴んで、まるで下山者のふりをしながら歩いた。山の空気はあれほど清冽だったのに、私の鼻は自分の身体から立ちのぼる饐えた匂いだけを、いつまでも嗅いでいた。
連れて行かれたのは、沢沿いの獣道を三十分ほど下った先の小さな山小屋だった。外壁は杉の板が黒ずみ、屋根には枯れ葉が厚く積もっている。人気のない谷間の窪地に建っていて、扉を開けると、ひやりとした空気と、古い木と黴と、それから微かな獣の匂いが混ざった空気が肌を刺した。
「ここ、昔の作業小屋らしいんやけど、今はほとんど人来ない。知っとるやつもおらんやろ」
マサルが笑いながら、乱暴に床の枯れ葉を足で払った。板張りの床には薄い埃が積もっていて、壁には古い縄と錆びた鋸が掛けてある。小さな窓が一つ、木々の隙間から射す午後の光を白く通していた。
「珠洲さん、こっち、座ってください。床、冷たいんで、とりあえずこれ敷きますね」
タケシがザックから銀色のシートを取り出して広げた。彼の口調は相変わらず丁寧なのに、私の身体の汚れた部分へ向ける視線だけが、温度を持ちすぎていた。私は立ったまま、震える太ももを擦り合わせた。ストレッチパンツは土と乾いたものでごわついている。肌着の端から、汗と下痢の残りが乾いて、皮膚が薄い膜を張ったみたいに突っ張っている感覚。それが男たちの前で剥き出しになっているようで、目の奥が熱を持った。
「写真……撮ったやつ、消してくれるって、約束してくれたら、私、黙ってから……帰らせてほしい……」
「なに言うてんの。この前、山の中で何があったか、もっかい見せたろか。お前が垂れ流したとこも、それから、知らん男のマラ突っ込まれて、あんな色っぽい声出したことも、ぜんぶ可愛く写ってるで」
マサルはポケットからスマホを取り出して、画面をこちらへ向けた。指先が素早く動くと、小さな画面いっぱいに、木陰の草の上で尻を丸出しにした私の姿が映った。音までは聞こえない。けれど、画面の奥の自分が、排泄物に汚れた腿を開き、男の腰に揺さぶられているのが見えた。私は咄嗟に手を伸ばして奪おうとした。けれどマサルはひらりと腕を上げて、逆にその手首を掴む。
「あかんあかん。これ、お前の保証書みたいなもんやからな。素直にしとったら、誰にも見せへん。せやけど、約束やぶったら、まあ、どないなるかは、よう考えて」
彼が私の耳に唇を寄せる。低い声で、吐息を吹き込むように、ゆっくりと言った。
「今日からお前は、週末ごとにここへ来るんや。来いへんかったら、この山のぜんぶの花に、お前の姿、見せたろか」
私の手首を離して、彼は一歩下がった。タケシがその隙に私の背中からザックを抜き取る。中を探る音がして、あ、やめて、と思う前に、彼は私の山草図鑑を取り出した。丸い背表紙が、山小屋に差し込む薄明かりを受けて、古い漉し皮のように鈍く輝いている。
「こんな本持って山歩いて、何がしたいんや」
マサルが図鑑を受け取り、丸い背表紙を指でなぞった。親指の腹で、なぞる。ページの継ぎ目を、上から下まで、ゆっくりと。その所作が、この前、汚れた私の穴の淵を拭ったときと同じ指つきに見えて、太ももの内側がぶるりと震えた。
「花が、好きで……なにが悪いの……」
「悪うないよ。かわいいなあ、山ガールさんや。なあ、タケシ、この人、花の写真も撮るらしいで。スマホの中、見せてもろたけど、よう撮れてたわ。これ、あとで送ったろか」
マサルの言葉の意味を、うまく咀嚼できなかった。図鑑を奪おうと踏み出した瞬間、床に敷かれたシートの上で足が滑り、私は片膝をついた。銀色のシートが、ぐしゃ、と音を立てる。タケシが私の背中を追いかけるようにして、両腕を床へ押し付けた。細い身体のどこにこんな力があるのかと思うほど、彼の指は強くて、首筋に絡んだ汗と頭皮の匂いが、すぐそこで蠢いていた。
「手に重たい汗かいて、皮膚も少し冷えてますよ。脈、早いですよね。緊張してんのに、首のとここうやって赤い」
タケシが、私のうなじに、ちろ、と舌を這わせた。ぬるりとした先端が、ぷつぷつと立った産毛を撫でて、ぞわり、と腰の奥に震えが戻る。私は身をよじって逃げようとするのに、彼の左手が私の腹の下へ滑り込み、ストレッチパンツの上から恥骨のあたりを、ゆっくり丸く揉んだ。
「やめて……やめてって、言うてるやろ……っ」
「そう言いながら、ここ、熱うなってきてる。山の匂い、すると、腹の奥、じゅわってするんやろ?」
知らないうちに、私の浅い呼吸が小屋の空気といっしょに、苔と朽木と男の汗と、それから木陰の土の匂いを肺へ運んでいた。気のせいかもしれない。それなのに、山の匂いを嗅ぐたびに、あの日、腹の底から溢れて止まらなかった熱が、どぶの小さな泡みたいに下腹で割れるのがわかる。
「脱がせましょうか、マサルさん。今日は僕、ちゃんと舐めたい。この前は土と、あれで味がわからない部分もあったんで、洗うところから、いや、洗わないところの匂いも嗅いでおきたいんですけど」
「ええよ、順番にいこうや。珠洲、四つん這いになれ」
「いやや、四つん這いなんて……そんなん、犬みたいやし……」
「犬でええやん。山の女なんか、みんな獣みたいなもんやろ。この前、人前で、ぶりぶりブチ撒けた女は、どこの進歩や」
マサルが、私の腰を抱えて持ち上げた。シートの上が、私の汗で曇る。膝をついた姿勢のまま、彼は私のストレッチパンツを腿の半ばまで下げ、ぐしょりと重くなった下着の上から、肛門の位置を、指の背で強く押した。
「ひぅっ……や……押さへんて……」
「押さへんかったら、どこがええか分からんやろ。ここの縁、まだ俺の形を覚えてるんとちゃうか」
彼の指が、下着を横へずらした。露わになったそこは、木陰でつけられた汚れをタケシに舐め取られたあとで、ひどく敏感に空気へ晒されている。山小屋の冷たい空気を、内側に吸い込んだみたいに、窄まりがひく、と痙攣した。
ぬぶりっ。
指先が、いきなりではなく、入り口に触れた先だけ、ぬめるように沈んだ。ぬぶり、ともう一度。身体が私の恐れと反対に男を誘っているようで、耳まで赤くなる。彼の太い指が、中で、くの字に折れ、腹の側を、ごり、と撫でた。
「ほら、ここ前より柔い。垂れ流して発情してた女の穴は、こうやってよう咥えるんやなあ」
「ち、ちゃう……柔いとか、やめて……ん、あ……っ」
「声、甘なってるで。それ、自分でわかってる?」
マサルが笑う。腰の位置を変え、片手で私の顎を捉えて、首を反らせた。開いた窓から、日暮れの気配を含んだ風が入ってくる。沢の音が近い。水が石を打つ音ひとつひとつが、鼓膜を通して、尻の奥をくすぐった。
「タケシ、前舐めたれ。珠洲は、恥ずかしい場所を口でされると、中がきゅうきゅう締まるんや。前見たとき、よう分かったわ」
「任せてください。珠洲さん、汗でしっとりしたとこ、すごく綺麗なんですよ。ぷっくりしてて、こっちは少し、草の匂いがします。今日の珠洲さんは、山の匂いといっしょですね」
タケシが私の腰の下に頭を滑り込ませたかと思うと、彼の舌が、下着の横から陰唇の膨らみを、ぬちゃ、と大胆に舐め上げた。
「ん、あ、や……っ」
ぬちゃ、くちゅ、ぬちゅ。
「すごい音、下からしますよ。珠洲さん、まだ何もされてないのに、こんなにびしょびしょで……動画、回していいですか。汗の粒と、ここが光ってるの、撮りたいんです」
「撮らんといて……そんな、きたないとこ……」
「汚いって、自分で言える処なのに、嬉しそうな匂いがしてますって。汗と、少しのおしっこの匂いと、それから、花の蜜みたいな、甘い匂い。全部ぜんぶ、舐めると、山の中の、誰も通らない道に生えてる実の匂いがする。僕、この匂い、動画で残したい」
タケシの言葉は、恥ずかしいのに、詩みたいだった。彼が私の陰唇を左右に割って、付け根から、ぬろ、と舌を這わせる。先端の敏感な小さな蕾を、舌の裏でくにくにと押し上げては、吸い付いて、ちゅ、ちゅ、と剛い音を返す。頭の芯が痺れて、膝が滑る。四つん這いの私の汗が、シートの上にぽた、と落ちた。
「あ、あかん、そこ、強く……ひぁ、あ、舌、やらんように……っ」
「やらんように、は、できんやろ。元々こういう身体しとったんや。ほら、俺の指、もう三本目も入りそうやで」
マサルが、私の尻の肉を両手で割り開き、濡れた後孔を、下から見計らうように何度か指で軽く打った。肛門の縁に、冷たい空気と熱い指先が交互に触れる。そのたび、下腹の奥がきゅ、と甘く切なく締まる。
「りょ、指……いや、増やさんで……っ」
「大丈夫やって、よう解したるわ。あ、いま筋、ぴくぴく言うてる。タケシの口でイかされかけて、一人で強なってる女や。可愛いやろ、こういう反応」
ぐぷ、と肛門の入口が、男の指を浅く食った。彼は指を抜き差ししながら、中でゆっくりと腹の側を擦る。便意にも似た、けれど便意よりずっと深くて甘い圧迫が、腹から背中へ掛けて、じん、と広がる。私の呼吸はもう、ただの喘ぎの破片ばかりだった。
「あ、う、あ、ああ……あ、ん、腹……腹、熱い……そこ、擦ったら、変……」
「変なんか。せやったら、もっと変にしたるわ」
ずちゅ、と指の束が引き出されて、またぬぶ、と潜る。ずりゅ、ずりゅ、と音が変わる。私の中の浅い場所を撫で回されるたび、自分でも気づかないうちに、腰が円を描いて、男の指を迎えようと揺れていた。前を舐めるタケシの舌は、ぬちゃぬちゃと音を立てて、私の奥から滲むものを吸い上げ、うなじを伝う汗まで舐め上げる気配がした。
「あ、あかん……自分で、腰、動かしてる……や、ちが、これは……っ」
「まだ抵抗してるんや。けどな珠洲、お前の身体はもう、毎週ここへ来て、男に前も後ろも犯されるのを待ってんのとちゃうか。俺らがいない平日も、山の匂いを思い出して、太ももがぬるんでまうんやろ」
「そんな、はぁ、ん、おもってない……あぅ、あっ……」
マサルの言葉を否定しようとして、口から溢れたのは、舞い散るような自分の声だった。形のある言葉にならない。彼が私の内臓の手前あたりを、指の関節で、くい、と押した。肚の奥で、水面がひっくり返るみたいに、ぬるい感覚が広がる。
「なあ珠洲、今日はこっから浣腸みたいなもんして、中から、俺の思い通りに開くんや。タケシ、水とペットボトルと、よう味の落ちた木の実の殻、拾うてきたやろ。あれで、珠洲の腹の中、綺麗にしてまおうや」
「浣腸……なんて……あかん、そんなん……無理に決まってる……」
「無理やあらへん。この前、俺のマラ入ってイった女や。なんでも呑み込む口、後ろにもう一個持ってる。な?」
マサルが、私の肩を掴んで、ゆっくりと床へ戻した。銀色のシートの冷たさが、火照った頬と腹に当たる。ぷちゅ、と指が遠ざかる。肛門の入り口が、彼の指の形を逃すまいとするみたいに、数秒遅れて収縮した。
「いや、浣腸は、ほんまに……無理やって……うち、そんなの、できるわけない……」
「動揺して、うち、言うてる。ええよ、うちでもアタシでも。可愛がったるから」
タケシが私の太ももを押し開き、陰唇に残った粘液を、まるでゼリーを掬うようにして、ぬるぬると撮影しながら舐めた。彼の舌が、だらり、と垂れた液体を、苛めるようにぴちり、と肉の薄い部分へ叩く。私の足先が、びく、と跳ねた。
「早よ、用意せえ。それとも、浣腸より先に、俺のを飲みたい? 顔に近いとこ、見てみるか」
マサルが、私の髪を掴んで、視線を彼の股間へ導いた。膨らんだ布の隆起が、酷く近い。雨に濡れた土と、濃い雄の匂い。山の男の、汗と性の匂いが、私の内側の、抵抗とゆう膜を一枚ずつ剥がしてくる。
「い、や……っ、もう、ゆるしてぇな……かえらせて……次から、真面目に、まともに、来るからぁ……」
「次から山に来るときは、最初から最後まで俺らの女になれ。それが約束や。せやから今のうちに、その口と、前と、後ろと、よう覚えさしたる」
彼の大きな亀頭が、布越しに私の唇へ押し当てられた。こつり、と歯の裏に響く硬さ。山の下草に似た、苦くて塩辛い匂いが、鼻の奥をこじ開ける。唇を開かせられて、ぬるりとしたそれが、口の中へ、先端だけ、ずりゅ、と入ってきた。
「んぐ、む……っ」
「舌、使うたらええんやで。喉で、はよ覚えて」
マサルが腰を浅く前後させる。口いっぱいに、自分ではない熱と味が広がって、まともに呼吸もできない。目の端を熱いものが伝って、濡れた頬が、山小屋の冷たい空気に撫でられる。それなのに、四つん這いの私の腰は、後ろですぐに撮影しているタケシの舌を、時折、無意識に追うように、じり、と震えていた。じりっ、じりっ。自分が今、何を欲しがっているのか、私の身体は、私の心より先に知っていた。
「うーっ、ううう……もっと、前、舐めてぇ……っ」
声が、唇の切れ端から溢れた。口のなかで男のものを含みながら、私は、恥辱のなかで、はっきりと強請っていた。もっと、私の恥ずかしい場所を、舌でいっぱいにしてほしい。山の雨水と、木々の苦い樹液と、自分の零しているものが混ざり合って、小屋の底に溜まっていくような匂い。ぜんぶ、私のせいやのに。
「おねだり、できたやん、珠洲。ほらタケシ、こいつのこの声、録れてるか。膝が跳ねてる顔と、後ろのぐちょぐちょ、全部同じシーンで残せや」
「はい、バッチリです。ああ、珠洲さん、目を閉じないでください。恥ずかしそうに眉をひそめた瞬間が、すごく、いいんです。後ろの、陰毛の先に溜まってる雫、僕がいま、舐めて、ちゅ、ちゅ、ってしたら、お尻の穴まで、ひくひくするの。どうしてそんなに煽るんですか、僕を」
タケシが、ぬちゃ、ちゅぷ、と何度も音を立て、会陰から後孔へ向かって舌を滑らせる。私の身体は、全身が感覚の糸で釣り上げられた人形みたいに、舌の道筋に合わせて、びくびくと跳ねた。もっと前も、と言いたいのに声が、口内の熱で、ぐじゅ、と潰れて、あう、としか出てこない。
ずちゅ、ずちゅ、ずちゅ、と、マサルが腰をゆすって、私の唇の端から唾液が溢れるままにしておく。男の先端は、喉の入り口の、薄い皮膚を叩いて、痛くて、それなのに、奥の奥が、逆に空気を求めてひくついた。
「そろそろ、こっちも解れてきたわ。珠洲、目ぇ開けて、俺を見て。お前が後ろで気持ちようしてもらえるよう、今から、ええことしたる。それは浣腸やなくて、もっと悪い。せやけど、よう我慢できる身体に、仕上がってきてるで、お前」
マサルが、ぬぷ、と口から抜いて、私の両手を背中に回させた。手首を、山小屋の柱か何かに、ぐるりと巻かれた柔い布で縛られる。外では、日が傾いて、木々の影が長く窓へ伸びてきていた。沢音に混じって、どこかで鳥が、一声、鋭く鳴く。その声が、私の腹の底に、変な疼きを落としていった。
「や……しばったら、痛い……っ」
「痛い、は、これからやで。けど、お前の身体、痛いんが、じきに甘いにかわるんよ。なあ、そろそろ浣腸、入れよか。それとも、こっちを先にくわえたまんまで、上から撮られたい?」
「ど、どっちも、いやや……っ」
「ほな、どっちもやな。珠洲のいやや、は、四回聞いたら、しておくれ、やで」
マサルの笑みが、薄暗い小屋の中で、白い牙みたいに光った。彼はザックから、水の入った瓶らしきものを取り出し、細い管を、あろうことか、応急用の何かに繋いで、私の方へ向けて構えた。栓を、拭うでもなく、指で弾く。
「今から、ええ匂いのするもん、入れて、奥の掃除しような。お前がこの前、山の中で垂れ流したもんと同じもんが、今日は俺の手から、お前の身体へ入れ替わるだけや。それぐらい平気やろ」
「いやっ、無理、ほんまに……あかん、お願い、どうか、あんたら、それ、やめて……」
「さっきまで自分から腰振って、前、もっと舐めてぇ言うた女が、よう言うわ。腹、冷えるで。よう考えたら、ここ、夜なったら、もっと人気ない。誰も助けに来るような山やない。自分で来るて、選んだ道やろ」
彼の手が私の片尻を持ち上げ、その先の、まだ湿っている窄まりを狙って、管を近づけた。管の先は、血が通う熱とは違う、山の清冽な冷気を帯びていて、触れただけで、私の全身は甲高い悲鳴を上げそうになる。
「ひっ……つ、冷たい……」
「水やからな。すぐ温なるわ、お前の腹の中の熱で」
少しの間、なぜか山の匂いが、どこか遠くから風で運ばれてきたように私を満たした。苔と、樹液と、汗と、そして私自身の膨れ上がった恥辱の匂い。じょろ、と小さく、水音に似た音がして、私の肛門へ、山の水が、細く侵入を始めた。体内の、便意と快楽の境のあたりを、ぬるい水が這っていく。
「あ、や、なにか、入ってくる……っ、冷たい……や、や……ああ……ッ」
「声、よう出てきた。そのまま腹に溜め。もっと言うて、もっと足、開け。タケシ、撮るで。お前も舐めたいとこ、あるやろ」
「あります。僕、珠洲さんの、水を入れて重くなったお腹の下を、下から舐めるの、いつかしてみたかったんです。すごく綺麗ですよ、腹の、汗で濡れた線。ここ、舌でなぞるだけで、中に入れた水の音が聞こえそうです」
タケシが、私の膨れた下腹を、へその下から恥骨の上まで、ねろ、と舌でなぞる。ぬちゃ、と粘液と汗の味。彼の唇が、薄い肉を吸い上げるたび、腹の中で水が揺れて、臓腑が、生白いひかりの中で泳いでいるみたいだった。
「あう、や、腹、ゆらすの、だめ……っ、水、どんどん入ってくる……あ、や、トイレ、や、出たいのに……っ」
「出たいときに、出させへんのが浣腸やろ。もうちょっと我慢せんと、ええ声出えへんで。なあ、タケシ、こいつの後ろ、もう一ちょ見たいか。俺の指が、水入った穴のなかで、口みたいになってる。挿れて確かめたろか」
マサルが管を引き抜き、代わりに、冷たい何かが、後ろから、ずる、と入ってくる。硬い木の実の殻か、丸めた応急の栓のようなもの。私の肛門は、それを異物だと拒みきれず、ずる、ずる、と奥まで飲み込んで、ぶる、と臀肉が震えた。
「あぁっ……なに、それ……っ、あ、おなか、くるしい……っ」
「栓やがな。水、出さへんように。次に俺が指突っ込んだら、ぜんぶ、びしゃ、やで」
マサルが、私の尻を、軽く、ぱしり、と打った。だらしなく突き出した私の腰が、声よりも先に、その音に反応して、ふり、と揺れる。もう感覚は、痛いのと気持ちいいのと、便意と膀胱の張りが、髪の毛一本の差もなく地続きになった。自分がいま、こんなことをされて、どこに心があるのか、そっちの方が怖かった。
「はぁ、はぁ……あかん、ほんまに、おかしなる……こ、こんなとこで、水入れられて、撮られて……のに、あ、あ、なんで……変やのに、ええのと混ざってく……っ」
「せやから言うたやろ。お前は、山に来て、恥ずかしいことされるまんねん。それで、こんなに汗かいて、目とろーんとさせて、男を、はよ欲しそうな女の身体になっとる」
マサルの指が、私の縛られた手首を、ちゅ、と吸う。手の甲を、ゆっくり舐められながら、背骨に沿って、彼の胸が押し当てられた。男の心音が、直接、私の肌へ伝わってくる。熱くて、速くて、私みたいに湿っている。彼の硬い性器が、水で重くなった私の尻たぶの割れ目へ、ずち、とあてがわれた。
「あ、だめ……っ、いま、お腹……水で、いっぱいやのに……っ」
「いっぱいやから、ええんや。外から俺の形で押したら、水が中で波うって、お前の子宮まで、振動するやろ。そうやって、女は、奥を覚えるんやで」
ずぶり。
ずちゅ、ずりゅ。ぬちゃ、ぐちゅ。
「あ゛ぁ……ッ、あ、は、あ……ッ! なにこれ、音……水、鳴ってる、お腹の中で……ッ」
彼の抽送は、ゆっくりで、けれど深い。一回ごとに、中の栓と水が、私の腹の奥へ向かって押し上げられ、背骨の裏を内側から舐める。膣のほうまで、びんびんと響く。私の膝が、がくがく震えて、銀色のシートが、濡れた音を立てた。
「あう、感じる。気持ちいい……ッ、あ、ちが、こんなん……やらしい……ッ」
「素直にええやん。よう撮れてるわ、タケシ。今の、もっかい動き、寄りでいけ。あと、お前、前も挿れてええで。水を堪えてる女の、下の口は、きゅうきゅう泣くで。撮り応えあるわ」
「ありがとうございます。珠洲さん、後ろからマサルさんに、ぐちゅぐちゅされてるお顔も、前から僕が入る感覚で崩れてくのも、全部頂きますね。失礼します、今から、いっぱい気持ちよくします」
タケシが私の正面へ回り込み、汗で張り付いた私の前髪を、指で丁寧に避けた。彼の瞳は、薄暗い山小屋でもわかるほどに輝いていて、薄い唇が、ちゅ、と私の眉間へ触れた。礼儀正しく、無防備な笑み。その直後、彼の腰が、私の濡れそぼった割れ目に、ぬぶり、と沈み込んできた。
「あ……ッ、や、前も、あかん……あ、あっ、いっぺんに……ッ」
「あかん、って、言うてるのに、奥でさっきから、俺たちを招いてんで。自分で腰、突き出してるの、よう見えてるで」
前からは、タケシの形が、内側の襞を、やわく掻き分けて進む。後ろからは、マサルが、重たい楔を、水音ごと奥へ、ずりゅ、ずりゅ、と満たしていく。二人の呼吸と、私の泣き声と、沢の匂い。ぜんぶが同じ場所で、ぬるりと混ざっていった。
「い、イキそう……ッ」
「ええよ、イケ。ちょっと、溜まった水も、いっしょに漏れるかもしれん。せやけど、うちの山小屋やし、心配ないで」
マサルの声が、熱い雨みたいに、うなじへ降ってくる。前の男が、私の乳首を布ごと口に含んで、ちゅ、と音を立て、舌で転がした瞬間、背筋に、ずーん、と重い波が走った。
「や、や……なに、これ、あ、おかしい、ほんまに、出る、また、出る……っ、あ、あああッ!」
ずちゅ、ぬぶ、ぬぶり、ぬぶり、ずちゅ。
「んい、あぅ……い、いく、イく、イキます、あ、あっ、イクぅ……ぅぅ……ッ!」
私の脚が、大きく跳ねた。前と後ろから同時に、ふたつの命を食いしばり、腹の中の水が、臓器の奥まで痺れる。ズーン、ともう一度、子宮の底で雷が落ちる。体の内で、栓の奥の水と、男たちから注がれる熱と、私自身の溢れる粘液が、境目を失って、どろどろに溶けた。
「あは、後ろ締まった。イった顔、さいこうやなあ。タケシ、押さえといたれ。いま、疾走感でぐたっとなっとるから」
「もう、ほんと、無理……むりです……足、力はらへん……お腹、ぐじゅぐじゅ鳴ってるのに……ああ、水……あとで、出させてぇな……」
「出させたる。けど、出させ方も、撮らせてもらうで。なあ、この前の晩、山から帰って、風呂で自分で触ったやろ。お前の指と、俺らの形の違い、覚えてるやつが、どないなるか、これから毎週楽しみやわ」
男の指が、シートに倒れた私の背中を、上から下まで、水と汗をなぞるように滑った。冷たい夜風が、窓の隙間から吹き込んで、濡れた尻の肉を震わせた。山の奥で、梟が、細く二声鳴く。その音が、山の暗い底から、私を、まだ、ここへ呼ぶ。
私は、男たちの腕の中で、自分の腹に入れられた水の冷たさと、ふたり分の精液が、内腿をじっとり温めるのを感じていた。臭いと、恥辱と、自分でも認めたくない熱。今夜、これをぜんぶ流し終えても、来週の支度を、私は、きっと止められない。
木々の向こうに、最初の星が滲んで、山全体が、私の濡れた肌へ、するりとまとわりついてくる。人気のない谷の底で、私の下腹は、まだ、ずっと、じんじんと痺れていた。
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第4章 自宅シャワーでの自慰と写真流出の危機

第4章: 自宅シャワーでの自慰と写真流出の危機
アパートの扉を閉めた瞬間、身体の芯に溜まっていたものが、どろりと形を変えて背骨を伝い落ちた。山を下りて、電車に揺られて、コンビニに寄って、家まで歩いて。そうやって少しずつ現実の膜を張り直してきたはずなのに、玄関の鍵を回す指は震えていたし、バッグを床に置いたとき、自分の脇から立ちのぼった匂いに、膝の裏がじんと汗ばんだ。
山の匂いが、まだ皮膚に住んでいる。苔と、腐葉土と、沢の水と、それからあの山小屋の黴びた板の匂い。何度、身体を洗っても落ちないものが、肌の下の浅い場所に、薄い泥みたいにへばりついている気がした。シャワーを浴びなければ、と思う。浴びて、今日のことを全部、お湯といっしょに排水口へ流してしまわなければ。そう思いながら、服を脱ぐ手はひどくゆっくりだった。
会社で着ていたブラウスを脱ぎ、キャミソールの肩紐を落とす。下着を下ろすと、湿った陰毛のあたりから、むわ、と逃げていく湯気のようなものが鼻先をかすめた。汗と、もっと別の、自分でも言葉にできない匂い。私は顔を背けて、洗面所の鏡を見ないまま浴室へ入った。蛇口をひねり、湯の温度が肌に届くまでの数秒のあいだ、壁に手をついて、目を閉じた。
最初は、ただのシャワーだった。熱いだけの湯が、首筋から胸元へ、腹から脚へ、雨のように絶え間なく降った。石けんの泡を立てた両手で、二の腕を上下にこする。汗と埃と、山の花粉と、それから自分自身の恥ずかしい匂いが、白い泡と一緒に流れていく。ああ、これでいい。全部、洗い流すんや。声に出さずに、そう念じた。
胸を洗おうとしたときだった。手のひらが乳房の下のふくらみを掬い上げるように滑ると、乳首の先端が、指の付け根にひっかかるみたいに、ぴん、と反応した。ぞわり、と腹の下に痺れが散る。それが石けんの滑りのせいなのか、別の何かなのか、私には分からなかった。分からないまま、両手で胸を包み、親指の腹で乳輪のまわりを、つい、となぞってしまう。あの日、タケシが下着越しに乳首を吸いながら、ねろ、と舌を這わせてきた。その動きの残像が、浴室の熱い空気のなかに溶けて、私の指先を操っている。
「……あかん、そんなん、思い出したらあかん……」
濡れた唇から、くぐもった声が漏れた。それなのに、親指はもう一度、膨らみ始めた乳首の上を往復する。ぬるぬると滑る指先の下で、小さな粒が硬く尖っていく感覚を、腹の奥に響かせながら、私は目を開けた。白い湯気が、視界の端でゆっくりと渦を巻いていた。
腰を洗うとき、手のひらが大きな尻の肉を伝って、その割れ目の上のあたりをなぞった。今日、ここをマサルに、ぱしり、と叩かれた。水を入れられて膨れた腹を抱えて、四つん這いのまま、謝るみたいに腰を揺らした。私の肛門は、彼の指と、水と、あの硬い栓の感触だけでなく、もっと深い場所に、ずしりと残った熱を、ここに来てもまだ覚えている。
あかん。あかん、もう、何を考えてるん。綺麗に洗わな、今日の分、全部流さな。思えば思うほど、手のひらは勝手に脚のあいだへ吸い寄せられた。太ももの内側は、湯を浴びただけでは流れない何かで、ぬるついていた。石けんの泡をたっぷりとまとわせた指が、陰毛の生えぎわをくちゅ、と鳴らして、もっと下へ滑っていく。
「ん……っ……」
閉じていたはずの割れ目は、指の腹が触れる前から、とうに濡れていた。ぬちゅり、と下唇が開いて、中の柔らかい肉が指を招くようにはりつく。私の身体は、洗う、という行為の振りをして、自分を慰める手つきを、とうに始めていた。入り口の周りを指の背で上下にこする。湯と泡と滲み出た粘液が混ざり、ぐちゅぐちゅ、と浴室いっぱいに下品な音を立て始めた。
頭のどこかでは、まだ抵抗していた。会社の仕切りに、普段の私の輪郭を守っていた、あの生真面目な部分が、血を吐くみたいに叫んでいる。
「こんなん、おかしいやん……私、なにしてるんやろ……あの男らに、触られてたとこ、洗いながら……こんな……」
それでも、指先は止まるどころか、もっと自分が気持ちよくなる場所を覚えていた。小さな肉芽を、くる、と円を描くように押しつぶす。脚の力が抜けて、私は壁に手を突いた。もう片方の手で、尻たぶを大きく開くようにしながら、石けんの泡にまみれた指を、ぬちゅ、と浅く沈めた。ああ、あかん。これ以上は、私の指では届かない。と、思うのに。
男たちの指は、もっと太く、もっと勝手で、私の弱い場所をいちばん深い角度から掻き上げた。水を入れられた腹の内側を、男の亀頭がずりゅ、と擦るたびに、便意とも快感ともつかない波が、背骨を這い上がった。思い出したら、もういけない。分かっているのに、中指を第二関節まで沈め、浅い場所の壁を、ごり、と内側から擦った。
「ひぁ……ッ、あ、なに、これ……っ」
声に出した途端、耳の奥で、山小屋の木々がざわざわと鳴ったような気がした。沢の音が、この浴室のなかまで追いかけてくる。湯気の奥に見えるはずのない、薄暗い板壁。銀色のシートの冷たさ。男の舌が、会陰から肛門へ向かって、ぬちゃ、と這う感触。ぜんぶが、泡のように浮かんでは、私の内ももをべたべたに濡らしていく。
「あ、ぁ……あかん、も、止まらん……こんな、自分で……っ」
腹の下で、指が肉を掻く水音が、どんどん鮮明になる。ぬちゃ、ぬちゅ、ぐぽ、ぐぽ。湯の音と混じりながら、まるで他人の指に犯されているみたいな音が、私の手のなかから溢れていた。膝が笑う。太ももに、自分の愛液が伝っていくのも、後ろの窄まりまでなぞるのも、彼らにされたときと同じ場所。手順まで、身体が覚えてしまっていた。
息が浅くなって、額の汗か、湯か、分からない雫が目尻に溜まる。胸の先は固く勃ちあがり、白い泡の切れ目から桜色の乳首が、つん、と空気を探していた。私の腰が、無意識にまるを描く。もう、自分で慰めているというより、記憶の中の二人の男に、正面から揺さぶられているような心地だった。
「は……んん、……ぁ、いや、あか……いきたい……ッ」
言葉が、形をなくした泡になって崩れていく。もはや自分で自分を止める理由を、ひとつも思い出せない。指を増やして、入り口の内側を、こじあけるように往復させる。痛いくらいの圧迫が、かえって快い。あの、大きな雁首が、排泄で緩んだ肛門を無理やりに割ってくる、あの一瞬と似た恐怖と、それなのに腰が抜けそうになる甘さ。今、この場に男はいない。私の指では、届かない。あの日のように、腹の底から突き上げられる、あの深さまで。
「……あぁん……もっと、奥……届かへん……っ」
流しながら、尾てい骨のあたりまで指を滑らせて濡らし、改めて尻たぶを開いた。後ろの孔へ、ぬる、と中指の先を押しつけてみる。湯と泡が滑りになって、入り口が、きゅ、と指の腹に吸いついた。そうか、ここも。ここも、もう、何かが入ってくるのが当たり前みたいに、ひくひくしている。
「や……あかんって……ここ、きったな、い……のに……」
呟きながら、競りあがるようにして、指を第二関節の手前まで、ずぶり、と沈めた。私の熱い胎内が、自分の指を食いしめるように震えた。あの水を入れられた日、身体の奥で水が波打った感覚と、肛門のすぐ内側を男に、ぐるん、とかき回された記憶が、同時に灯る。人さし指を前の奥へ、中指を後ろへ。たどたどしく二本の指を呑みながら、腰を前後に揺らした。
「ひ、あ……あ、これ、俺らの役……だめ、ひとりで……こんな……ッ」
断片が舌の先まで来て、浴室の湯気に溶けた。ぐちゅ、ぐちゅ、という音だけが、私の耳に、ずっと付きまとう。太ももから滴るものが、湯に混じって排水口へ吸い込まれていく。自分が今、どんな顔をしているのか、と、ふと思った。あの山小屋の中で、男に髪を掴まれて、画面を向けられたときの自分。目はうるんで、口が開いて、頬から顎へ汗を光らせている。きっと今も同じ顔、してる。
「ぁ……もう、むり……へんになる……ッ」
電車の座席に大きな尻を押し付けていた女、山で独り、花の写真を撮っていた女。会社では誰にも声をかけられず、それでも平気な顔をして働いている女。そのどの私でもない場所で、今、舌を出した獣みたいに腰を振っている。それがあまりに恥ずかしくて、けれど、恥ずかしいと思うたびに、足の裏から頭のてっぺんまで、ぬるい稲光が走った。
絶頂が来た。それは、痛いほどの静けさと一緒に、私の腹の底で弾けた。壁に押しつけた手のひらが、じゅ、と音を立てる。もう片方の指を二本とも呑んだ身体が、吊り上げられた魚のように、びくん、びくん、と跳ねた。
「んん……ッ、あ、や、イってる……また、一人で……あぁ……ッ」
声にならない声が、喉の奥で何度も跳ねる。乳首だけが、快感の残骸で、ひりひりと燃えていた。白い湯が、火照った背中を流れ落ちて、私はへたり込むようにしゃがみ込んだ。排水口のまわりに、白い泡と、とろけた自分の体液の混ざったものが、とぐろを巻いて消えていく。
鏡に映る自分を見たのは、バスタオルを巻いて、洗面所へ出たときだった。曇った鏡の端を手のひらで拭うと、湯気の向こうから、首筋から胸の上部まで真っ赤に染まった女がこちらを見ている。目が、据わりそうなくらい熱を持っているのに、唇だけは青白く強張っていた。それが、男たちの目に映っていた私の、一番みっともない瞬間の顔だと気づいて、ううん、と唸るようなため息が出た。
「……これ、私やもんなぁ」
それは、三週間前の土曜日に山で、肌蹴た服のまま男に跨がれている自分の、続きの顔だった。もうだめだとか、戻れないとか、そういう言葉よりも先に、身体が、すとん、と重い泥の底へ足を着けた。私はタオルを頭から被り、自分の顔から、鏡から、その日のことを隠すみたいに、しばらく動けなかった。
数日後の夜のことだった。会社の資料をまとめ終えて、化粧水を顔に叩いていると、ベッドに放り投げていたスマートフォンが、ぴこん、と静かな音を立てた。誰やろ、こんな時間に。胸のあたりがざわついて、画面を手に取る。
それは、あのタケシから届いたメッセージだった。指先が、心臓ごと持っていかれそうになった。通知欄には一文だけ。
「珠洲さん、やばいです。今日のうちに電話くれませんか」
声が一人で、私の頭の中で反響した。やばい。何が、どう。撮ってた動画を誰かに見られた? 会社に送った? まさか、山の写真を。この前、あの小屋で言われた言葉が、棘のように胸へ刺さる。あの動画は、いつでもお前のすることをぜんぶ、誰にでも見せられる、と。私は呼吸を整えて、通話ボタンを押した。指の先が、自分の汗で滑った。
「もしもし、どういうこと。何があったん」
相当な剣幕だった。電話の向こうで、タケシは「わ、珠洲さん、すみません、その、落ち着いて聞いてください」と、湿った声で言った。早口の彼にしては、言葉がうわずって、何度も飲み込んでいる。
「あの、先週の山から帰った日に、僕、動画の整理してて、保存先のフォルダをね、そのまま、クラウドの共有設定にしちゃってて」
「共有って、何、どこに、誰に見られる状態になったん」
「誰に、じゃないんです。アップロード先のアカウントが、山関係の公開用のほうに繋がってたみたいで、そのまま投稿しかかったんですよ。画面に、公開しました、出る寸前までいって。慌ててキャンセルしたんで、たぶん、本当に、誰にも見られてないと思うんですけど、もしかしたら一瞬、プレビューだけでも」
滝のような汗が、うなじの毛穴から吹き出た。下腹だけが冷たくなる。タオル一枚の身体で、独りでベッドにいるのに、あの山の土と、汚物と、汗の匂いが鼻の奥に蘇って、視界が黄色く明滅した。
「ふざけんなよ……勝手に載せるな!」
画面越しの私の声が、低いのに、自分の耳の下で、びわ、と響いた。
「私の写真、どれやったん。全部? 顔、映ってたん?」
「珠洲さん、だから、投稿はしてません。寸前で、取り消して、ログを確認したんです。でも、少しでも、そういう恐怖って、あったほうが良いかなって、共有しといた方がいいかなって、いや、その、ごめんなさい、でも……」
「なに、言うてんの、あんた、そんなん、ほんまは投稿したんと違うの。もう、私、無理やって。あんたらのせいで、会社も、何もかも、終わってまう……」
涙が、反射のように溢れた。怒りで。怖さで。途中から、どの感情か分からなくなった。タケシの言っていることが、言葉通りなのか、何かを隠しているのかも分からない。私の生活が、アパートの一室が、この星のどこにもなくなってしまうような気がして、膝を抱えたまま、そのままの姿勢で、何度も、それ以上、勝手なことしたら承知せえへん、と怒鳴った。
そのあと、マサルに代わると、彼は、いつもの朗々とした声で、しかし威すでもなく、ゆっくりと言った。
「珠洲、そんなに騒いだんか。タケシが半泣きやで」
「当たり前やろ。あいつが、写真を投稿しかけたんやで。私の人生、どうなっても知らんって言うんか。今週末も、山も、何もかも、もう行かへんからな」
一瞬の沈黙があった。電話の奥で、沢の水が流れているような、低い雑音だけが聞こえる。
「お前、もう身体は山の匂いで疼くんやろ」
ぞわ、と、脊髄のいちばん深い場所を、ぬらりと撫でられるような声だった。雨に濡れた夜の土の匂いを嗅いだときの、あの疼き。下腹の奥で、ちいさなともしびが、つっと灯る。私は、何かを言わなければならなかった。怒鳴ればよかった。黙って電話を切ればよかった。それなのに、口だけが、まるで心とは別の生き物のように固まった。
彼は続けた。
「山へ来るなとは言わん。けど、お前の身体、ん、分かってるやろ。な、無理に来いとは言わへんからな。タケシも、今度こういうことしようもんなら、俺がぶん殴っとくわ。ごめんな、珠洲」
電話が切れたあとも、声を聞いた耳が痛いほど熱を持っていた。マサルが、ごめん、と口にした。そうだ。怒りのなかに、星粒みたいな驚きが混じっていた。山の男が、私に謝る。場所も、誰も、約束も、すべてがおかしい。それでも、「ごめんな」と言われた耳の奥で、下腹が勝手に脈を打つのを、私は布団の上に身体を投げ出して、やり過ごすしかなかった。
さらに数日が経ったある夕方、オフィスで残務を片付けていると、携帯が短く震えた。今度はメッセージではなく、画像が一枚だけ送られてきていた。差出人はタケシ。私は椅子の背にもたれて、送られてきたサムネイルを開く。指が、冷たい。
画面いっぱいに咲いていたのは、私を辱める映像のどこでもない、ただの花だった。白に近い、薄紫の花弁。山芍薬に似て、もっと小さく、半日陰の草むらに俯くように咲く、あの花。あの日、彼らに会う前、確かに私が、登山道の脇で撮った花。眩しい緑の背景に、ピントの合った花弁だけが、淡く、けれど強く光っていた。
添えられていた言葉は、「この前、珠洲さんが撮ってたやつです。送りそびれてました」と、それだけだった。
私は、スマホを持ったまま、長時間、じっとしていた。とくん、とくん、と心臓が打つたび、指先の冷たさが少しずつ遠のいていく。タケシは、私の花を送ってきた。恥ずかしい姿の画像でも、深夜の映像でもなく、山の中で私が愛したもの。彼の指が、私の裸でもなく、存在を切り取るための証拠でもなく、私の目線を覚えていてくれた。怒りと嘲りで固めた心の表面に、する、と水が流れる。それが沁みて、どうしようもなく、目頭が熱くなるのが分かった。
「珠洲さん、お疲れさまですー。あれ、それ、山の写真ですか?」
翌日の昼、給湯室で冷たいお茶を注いでいると、隣の部署の若い同僚が、私のスマホの待ち受けを覗き込むように言った。あの花の画像を、私は待ち受けに設定していた。自分でも、どうして、と聞かれたら答えられない。でも、夜中に何度も見返しているうちに、そうしていた。
「あ、うん。最近さ、山で花の写真、撮ってて。これ、山芍薬に似てるんやけど、ちっこいやつで……」
私の口が、笑っていた。会社で、誰かに、自分から山の話をするなんて、いつぶりだろう。同僚はへえ、可愛いですね、今度一緒に見せてくださいよ、と言って、手を振りながら去っていった。
その背中を見送りながら、私は、あの山の匂いを思い出していた。苔のしたから湧く水の、冷たい気配。倒木に生えた茸の、土くさい芳香。雨の前の黒い木々が、山全体で深く息をする音。それらを思うたびに、下腹の奥の、あのともしびが、ちいさく膨らむ。花の写真の清潔な明るさの裏で、私の身体はもう、次の週末の支度を始めたがっていた。
まだ、行くとは決めていない。決めていないのに、家に帰れば、ザックが玄関の隅で、壁に凭れるようにして立っている。今朝、洗面所で、私は何を手に取ったやろか。日焼け止めと、虫除けスプレーを、ほとんど無意識にポーチへ入れていたような気がする。
スマホの画面に、あの花。花弁の白さ。その向こうの、薄暗い山の奥。私は唇の端だけを、ふ、と持ち上げるようにして息を吐いた。週末の予定は、まだ白紙のはずやのに、心のどこかで、山の男たちの待つ木陰だけが、くっきりと色を帯び始めていた。
第5章 有給の山通いと秘密の花

第5章 有給の山通いと秘密の花
金曜日の夕方、定時を過ぎたオフィスの空気が蛍光灯の白さとともに薄く濁りはじめていた。私はデスクの引き出しから小さな山用のポーチを取り出し中身を確かめる。日焼け止めのチューブの横に折り畳み式の歯ブラシと汗を拭くための冷感シートが並んでいる。もうとっくに支度は終わっていた。私の指は今朝からずっとこの時間が来るのを待ちかねたように無意識に携帯のカレンダーを開いたり閉じたりしていた。
「珠洲さん、明日、有給なんですよね。いいなあ、また山ですか?」
隣の席の若い社員が帰り支度をしながら私の手元を覗き込むように言った。彼女は半袖のブラウスの袖を肘までまくり、その手首に光る汗の薄い膜がオフィスの乾いた空気の中でひときわ生々しく見えた。
「うん、まあ、天気もええし。花の続き、撮りに行こうかなって」
「へえ、素敵ですね。今度こそ写真、見せてくださいよ」
私は、ええよ、と短く返して口元だけで笑った。心のどこかで自分が二重の生活をしていることにうっすらと酔っている自分がいる。誰にも知られない土曜日の私。月曜から金曜までタイトスカートの裾を直しながらコピー機の前を行き来する女が明日の朝には汗と土の匂いにまみれて山の奥であの男たちに身体を開いている。その落差を思うと太ももの内側がじわりと湿るような気がした。
帰りの電車で私は窓に映る自分の横顔を眺めた。化粧は崩れていない。口紅も薄い桃色のままだ。けれどその奥にもう一人の私が透けて見えるような気がした。目尻の下に薄い隈。頬の内側に火照りの名残。電車が高架を走り遠くのビル群が夕焼けに染まっていくのを私はぼんやりと見つめていた。
アパートに帰ると部屋の空気が締め切っていたせいでむっとしていた。窓を開けると夕方の生ぬるい風がカーテンの裾をふわりと持ち上げた。ほんの微かにどこかの庭の土の匂いが混じっている。紫陽花の葉が隣のベランダの向こうで重たげに揺れていた。
ザックは玄関に立てかけたままだった。私は脱衣所でシャワーを浴びるために服を脱ぎかけ、ふと、その手を止めた。明日、朝早く起きるなら今ここで汗を流して化粧だけ落として眠ればいい。そう頭では分かっている。なのに身体は電子レンジで温めただけの夕食を口にする気にもならず冷蔵庫から麦茶のパックを取り出してコップに注ぐことだけを繰り返していた。
台所の明かりの下でスマホの画面にあの花の写真を開く。待ち受けの薄紫の花弁が仄白く滲んでいる。あの花は私の日常とそうでない世界をつなぐ小さな秘密の穴のようだった。見ていると下腹の奥のちょうど子宮の裏側のあたりが、とくん、と軽く鳴った。昨夜はまともに眠れていない。明け方近くまで布団の中で男たちのことを考えていた。マサルの低く笑う声。タケシの濡れた舌の感触。思い出すたび私は寝返りを打って太ももをすり合わせた。もう自分を責める声は小さく消え入りそうだった。
朝が来るのが怖かったのではなくあまりにも楽しみで私は自分の身体を抱いてうずくまっていたのだ。
土曜日の朝は思いのほか早く目が覚めた。カーテンを開けるとまだ白い朝霧が向かいのアパートの屋根を隠していた。空は青というより水に溶いた藍のような色をしている。梅雨のくせに今日も雨は降らない。それどころか空気の底にむっとするほどの湿りが溜まっていた。
私は迷わず箪笥の奥からくたくたになった化繊のTシャツと濃い色のストレッチパンツを取り出した。ブラは息苦しくないようホックの位置を指で確かめてから淡い色の薄手のものを選ぶ。下着もべたついて線が浮かない吸湿性のある生地のものにした。出かける瞬間を想像して身体の芯が先走るように汗ばんでいた。
駅までの道を歩くとアスファルトから立ちのぼる湿気がふくらはぎや首筋へまとわりついた。自転車を漕ぐ親子連れとすれ違い犬を散歩させる老人の後ろ姿を見送る。みんなそれぞれの土曜日を生きている。その中を私は大きなザックを背負った山ガールの姿で特急列車の改札へ吸い込まれていく。
車内でまた「山草図鑑」を開いた。といってもページを読みたいわけではない。指先で丸い背表紙を何度も撫でる。あの山の土と倒木に積もった落ち葉の匂いが紙の繊維の奥から滲み出してくるような気がした。山の匂いを身体が求めて疼いていた。
「まもなく、山あいの駅です。お出口は左側です」
車掌の声が眠たげな車内に流れた。私は図鑑を鞄に仕舞い網棚のザックを下ろす。山が近い。窓の外に深い杉の森が青黒い壁のようになって迫ってくる。その稜線に沿って白い雲がどろりと絡んでいる。あれが私の秘密の場所。誰にも言えない週末の私の形。
登山口から山道を歩きはじめた。湿り気のある朝の空気が肌をちりちりと焼くほど清冽だった。汗ばんだ首筋を日陰の風がときおり撫でていく。股関節から下にぷつぷつと汗の粒が浮き腰を冷やす。その感覚だけで私はもう身体の奥からあの甘い緊張が滲み出してくるのを感じた。すると頭の芯がすっと薄くなる。ああ、山に来た、と思った。匂いがする。木々と土と水と樹液。そして少し濃い私の身体の匂い。
三十分ほど歩いた。
木漏れ日が道の真ん中に落ちて白い小さな花が群れ咲いている場所がある。その先にあのふたりはたぶん待っている。今日どんな顔をして迎えるのか私には分からなかった。フィクションの物語なら悲劇めいた決意が要るのかもしれない。けれど私の足は止まらない。心臓がうるさくて耳の奥でじゅわじゅわと水の音がしていた。昨日、会社で笑顔を作った女。今、山道で男たちに腰を寄せようとしている女。どちらも私。
木陰の脇にふたつの影が立つのが見えた。
一人はあの大柄なマサルだった。黒い速乾シャツの胸元を汗がくっきりと濡らしている。もう一人やや後ろに立つ男タケシは今日もスマホを手のひらに乗せ画面に私の姿を映していた。レンズの向こうに私がいる。その冷たい視線に太ももの内側がちりちりと痺れた。
口が開いた。勝手に。声が山の空気に吸い込まれる。
「あんたら、ほんまに最低やわ」
そう言って私は立ち止まった。真ん中で靴先を、ふ、と内側に向ける。そのまま腰を彼らの見ている前で少しだけ揺らした。恥ずかしさで胸の奥は、ぽう、と熱い。なのに笑えてしまう。もう抵抗する気なんてどこにもなかった。
「聞いたか、タケシ。珠洲さん、ようやっと自分から腰振ったで」
マサルがゆっくりと私に向かって歩いてくる。山の土を踏むぶあついトレッキングシューズの音。その足音の圧が私の下腹へじわりと響く。
「ほら、こっち来い」
彼の手が私の二の腕を、ぐ、と掴んだ。汗ばんだ肌に荒い指の腹が吸いついてくる。頭の奥がくらりと沸いた。抵抗のあとのこのひれ伏す感覚。嫌悪のあとのこの安堵。それが私をあの日からずっと山へ連れ戻している。
タケシが後ろから、ぱしゃり、とシャッターを切った。その音は以前のような暴力ではなく私の身体の火照りをきれいに輪郭どって閉じ込めるための優しい合図のように聞こえた。私はもうこの音を自分から欲しがっている。
「今日は、どこまで歩く? あの小屋か、それとも、ここの続きか」
マサルの声が耳たぶのうらでくぐもって揺れた。彼の胸の匂いがした。汗と泥と朝の霧とほんの少し石けん。その匂いを嗅いだだけで私の下腹のぜんぶが熱い蜜を溢れさせそうに、きゅん、と絞まった。私は彼の腕に自分の手を這わせた。指先が硬い上腕の盛り上がりを確かめるように上から下へ、つ、と滑る。その先にあるベルトの金具の冷たさ。私はそこで指を止めてすこしだけ彼の腰骨を親指で押した。
「……どうせなら、小屋にして。人ん家のベランダの前で、なんか、もう、できひん」
私の声は自分で思っていたよりずっと甘く濡れていた。恥ずかしいのにその恥ずかしさが身体の奥の熱い水をまたじゅわりと溢れさせる。
「ええで。いったれ、タケシ」
マサルが私の腰へ手を回す。その大きな手のひらがストレッチパンツ越しの尻の肉をわしりと掴んだ。いい、と思った瞬間、指が割れ目の上を深く沈み込むように押してくる。布越しのそのくっきりした圧に私は声を漏らすまいとして奥歯を噛みしめた。
「でも、行く前に、ちょっと、ここで、ええか? お前の準備、しといたほうが、あとが楽やろ」
「や、まだ、誰か来るやん、こんなとこで……」
「朝の七時やぞ。こんな獣道、来るか。昨日の、あれ、むしろ、会社帰りに、お前、自分で、しとったんとちゃうか」
彼の太い指が私の腰の後ろからするりとパンツの上へ入り込んだ。汗で湿った肌の上を指の腹がゆっくりと尻の割れ目へなぞりながら下りていく。私はたまらず木の幹へくたりと寄りかかった。
「う、あ……や、すぐ、小屋、行こ……撮られんの、やだ……」
「うそつけ。さっきから、シャッター音で、乳首、たっとるやん。撮られるん、待っとったくせに」
タケシが私の顔の横へ回り込んでスマホを首元に近づけた。レンズの黒い小窓が私を見ている。その奥で私の汗ばんだ鼻先と開きかけた唇がちいさく映った。見られている。その感覚が昂ぶりの芯を、じん、と射抜いた。
「珠洲さん、朝から、えっちな顔してます。眼が、ちょっと、とろんって、なってる。すごく、綺麗ですよ。そうやって、脱ぐ前から、顔だけで、もう、男を選んでる女の顔です」
タケシの指先が私のあごをそっと上へ向けた。彼のたれぎみの瞳がぐっと近づいてくる。朝の光を浴びて薄茶の虹彩がまるで飴のようにとろりと光った。
「……撮るなら、せめて、もっとましなとこで撮って。頼むからさ」
「まともな場所なんて、この山の中に、あるわけないやろ。お前が、さいしょに、ここで、ぶりぶり撒いてくれたんが、全部の始まりやで」
そう言われて私の臀部の奥のあの窄まりが意思と関係なしに、ひく、と動いた。あの木陰の屈辱が今ではこんなにも甘い記憶に変わっている。腹の底であの日の熱い下痢便が音を立てて溢れた感覚。それが今の私をここまで連れてきた。
ぬちゅ、と指先が後ろの入り口へ浅く沈む。朝の山の空気で冷えた指先は私の内側へするりと滑り込み中で、くい、と腹側を擦った。
「ひぁ……っ、そんな、急に……指……あ、入れたまま、動かんといてぇ……」
「動かんで、よう入っとるか確かめてんのや。昨日ん夜、自分で、どれぐらい慣らしたんや。指、二本、すんなり入るで、お前、もう、ほんまに。な?」
マサルの低い声が耳の中をぞろぞろと這った。彼の指が内側でゆっくりと回る。排泄を我慢しているときのような鈍い、でもその先に甘い圧迫がある感覚。私は腰を今にも折りたたみそうになりながら肩で息をしていた。
「も、いい……わかったから……小屋、行こ……てか、行かせて……」
「はいはい。もっと、ええとこで、たっぷりしてやるわ。ほら、歩け、珠洲」
指が、ぬぽ、と抜かれる。抜かれる瞬間、後孔が音を立てて締まって自分の体液が腿の内側を、つ、と伝うのが分かった。下着のなかがもうぐずぐずだった。
小屋までの道のりは夢の中を歩いているようだった。草いきれと汗の匂いと苔のむせるような青い香り。一歩踏みしめるたびに内臓の奥のいちばん深い場所からとろりとした熱が溢れてくる。マサルが後ろからときどき私の尻を、ぱしり、と軽く叩いた。そのたび私は膝をふるふると笑わせた。もう泣きそうなのに口元がゆるんでしまう。
やがてあの黒ずんだ板壁の山小屋が見えてきた。沢の音が朝の谷をさらさらと流れている。木々の影が草の上にまだらになって落ちていた。
扉を開けるとひんやりとした黴と木の匂いが私の火照った身体を、つい、と冷やした。タケシがかすかに高い明るい声で言った。
「珠洲さん、今日は、床に直じゃなくて、窓の下に、マット敷きました。光が入って、お肌、すごく白く撮れますよ」
彼の指が私のザックを下ろしTシャツの裾へ掛かる。汗で張りついた化繊の布がゆっくりと私の背中から剥がされていく。山の外気が脇の下や乳房の下の蒸れた場所をひやりと撫でた。
「……あ、見えた。その、キャミ。汗で、乳首の位置、くっきり透けとる。ええ眺めやなあ、マサルさん」
「朝から、よう焼けとるやろ。山道歩いて、男二人待っとるって思うただけで、身体の芯から、ぐちゅぐちゅや。お前、もう、会社の女やないで。週末の、山の女や」
私は何も言い返せなかった。いや言い返す言葉が正しくないのは分かっていた。実際私はこの瞬間のために一週間を生きている。会社のトイレで化粧を直しながらこの山小屋の木の匂いを思い出した。上司に企画書を褒められながら男たちに後ろからぎちぎちに貫かれる夜を想像した。そういう私はとっくに彼の言う通りの山の女だった。
キャミソールの肩紐が、する、と落ちる。薄い胸当てごと乳房がこぼれ出て空気に包まれる。汗ばんだ双丘が白い朝の光を浴びてうるうると光っていた。その中心で小さな乳首がすでに赤く堅くこんもりと膨らんでいる。
「や、タケシ、紗幕の下から、よう見えとる。今日の珠洲さん、乳輪の色、すごく、ええ。朝の光って、肌の下の血の色まで、透かすんやなあ」
タケシが私の胸元へスマホを寄せる。彼の指先がそろりとまだ布の残った乳房の下の膨らみを下から支えるように持ち上げる。私の吐息が、ふ、と熱く漏れた。
「あ……の……ん……」
「ん? なんや、ええ声や。ほら、全部、脱いでもうたら、山の空気、もっと直に感じられるで。脱ぎたいんやろ」
マサルが私の腰の両側へ手を入れ残ったストレッチパンツを一気に下げようとする。私は一瞬足をすくめた。けれど次の瞬間、自分から片足ずつ膝をくの字に曲げて生地から抜いた。薄手の下着が太もものあいだでもうぐっしょりと重くなっていた。
「言うたれや、撮影の、なんやったっけ。お前、あの、その、下着の色」
「覚えてくれてないんでしょ。だって、もう何回も脱いでるのに、毎回、下着の、いやらしい染みを、指でなぞって、からかって。そのあと、私、全部、忘れなあかんのに」
言葉にしながら私は下着の縁を自分で、くい、と下げた。露わになった陰毛の生えぎわに汗ともっと重たい粘液が糸を引いて、ぽたり、と落ちた。
「わ、今の、垂れた。すごい。朝から、とろとろやん。そんな、ぐちょぐちょの、おまんこ、撮るわ。なあ、足、開け。カメラ、ここで待ったるから」
マサルが私の太ももを後ろから、ぐい、と押し広げた。陰部の湿った割れ目が朝日にじゅわりと光る。自分でも分かるほど淫靡な場所になっていた。割れ目の奥の小さな肉襞がすっかり充血してとろけそうに柔らかい。入り口のまわりは汗と蜜でこわれた熟れた果実のようになっていた。
「……撮らんとって、そんなとこ、きたなら……あ、ちが、きちゃない、なんて……」
「きたならなんか、お前が感じやすい場所や。見とって、腹の、ここ、もうぷっくり腫れとる。中へ指、入れたら、どんな顔、するやろな」
ぬちゃり、とマサルの指が二本、濡れた割れ目の中へ、する、と沈み込んだ。長い硬い指が私の熱い肉のなかをゆっくり鋭く掻き回す。ぬちゃ、ぐちゅ、ちゅぷ、と嫌なほど鮮明な水音が山小屋に反響した。
「あぁ……っ、や、指、太い……し……あ、あたり、くる、やら……んとって、おなかの奥、きゅって、なるから……っ」
「ええから、もっと声出せ。タケシ、そこ、下から、よく撮れとるか」
タケシが私の前で腰を落としてスマホを陰部へ近づける。その淡い猫のような瞳が私の蜜の溢れるもっとも恥ずかしい場所を穴が開くほど見つめていた。
「珠洲さん、クリトリス、さっきより、もっとぷっくりしてます。マサルさんの指、中で、これ、動くたびに、外の肉まで、ひくひく揺れて……あの、僕、もう、匂いだけで、舌が、変になりそうです。舐めたい。撮るより先に、中、舐めさせてください」
「ええで。お前の舌で、よう濡らしたってや。こいつ、それで、後ろも、とろとろに開きよるから」
タケシは私の腰を両手で抱えるようにして顔を陰部へ埋めた。鼻先で私のぬかるみを、ふ、と押しのける。それから熱い舌が濡れそぼる肉襞のいちばん下から、ちろ、と舐め上げた。
「ぁ……ッ、ああ……や、舌……あんたの、舌、いやに、柔らか……っ」
「ん……れろ、ちゅ、ちゅぷ、すごい、味がする。汗と、昨日の、あれと……いや、朝の、珠洲さんの、これは……ちょっと、酸っぱくて、甘い。僕、もう、絶対、これを撮りながら、いっぱい舐めますね」
「や……撮りながら、とか……あ、あっ、も、そこ、吸うたら……あかん、舌が、なか、入ってくる……ッ」
彼の舌が陰唇を押しのけて中へするりと潜り込む。内壁を舌の裏でゆるゆると撫で、次に表でざらざらと擦り、また奥へ入れられるだけ深く入れようとする。彼の口の生あたたかくぬちゃぬちゃとした音が私の耳を内側から濡らした。マットに膝を落としながら私の腰は勝手に彼の顔を押しつけようとした。
マサルがそのよがった口を後ろから彼自身のもので塞いだ。いきなりではなかった。ねちっこく唇の割れ目をぬるぬるにした先端で、ぴちゃ、ぴちゃ、と叩くようにして私が口を開くのを待った。自分から舌を伸ばして舐めた。塩辛い汗と雄の匂い。はしたないと思ったがそれより身体の奥が空っぽにならぬよう何かで満たされたくてたまらなかった。
「ん、っ……んぅ、れろ……ちゅぷ……ぁ、ああ……っ」
口に含んだそれは信じられないほど熱くて硬かった。私の舌が先端のぬれた口を大げさに舐めるとマサルは低く笑うようにうめいた。
「上手ぅなったなあ、珠洲。そうや、舌の裏、もっと使え。ああ、この前より、ずっと、ええ女の顔しとる」
「ん、うぅ……あ、へ……ほんと……も、口、ふさが……っ」
「嫌か? そのわりには、ええ感じに、しゃぶっとるで。な、タケシ、この女の、後ろ、そう、肛門、そろそろ、とろけて、開いてきとるやろ。指、入れたれ」
タケシの舌が会陰から後ろの窄まりへ、ずり、と下りてその縁を、ちゅう、と音を立てて吸った。人さし指がぬるりと尻の割れ目を下りて私の後ろの窄まりを、ぐ、と押してきた。つぷ、と指先が内側へほんの少し潜り込む。
「ひぅ……ッ! あ、後ろ……っ、指……っ」
「ほら、解れてきた。マサルさん、珠洲さんの、ここ、指、二本目、すっと入った。今日、すごい準備してきてるんや。歩いてる時から、お知りのほう、ほこほこしてたもんね。分かったわ、僕、撮影のスタートや」
「待っとれよ、こっちも撮影入る。口で咥えた顔から、尻を解す顔、一連の流れ、よう撮っとけ」
二人に前と後ろから同時に私の身体の恥ずかしい場所を撮られながら舐められながら開かれていく。私はもう自分の声が悲鳴なのかよがり声なのかわからなくなっていた。ただ足の指が何度も丸まって太ももの内側がびちゃびちゃと音を立て自分の汁が膝まで伝って行くのだけが切実だった。
「……も、や、おかしなる……二人いっぺんに、そんな、好き勝手……あっ、あ、ちが、やめ、へん……やめて、って、思えへん……それが、こわい……っ」
「思えんでええ。お前の身体の、ほんまの声や。もっと、素直に、尻、こっちへ突き出し」
マサルが後ろから、ごり、と彼の大きく張った先端を私の窄まりへ当てがった。あの、ぐ、と世界が変わる一歩手前のいやな愉悦の予感。彼はその雁首の膨らみをゆっくりと穴の表面でぐりぐりと転がした。
「さっきまで、指で、とろとろに解して、俺が今から、これで、お前の腹のいちばん奥、えぐったる。言うてみ、何が入ってくるんやったか」
「や……むり……そんな、でかいん、後ろから……あぁん! あ、指抜けて、も、亀頭が……先、入ってくる……ッ」
「そうや。よく咥え。ここの奥の、便意と似た、けど、もっと甘いところを、俺の先で、こうやって、押し上げたる」
ぐちゅ、と彼の大きな亀頭が私の後ろの窄まりをぬるりと割っていく。熱い杭が私の内臓を下からこじあける。雁首がいちばんきついところを通過するとき私はマットの端を噛み締めて細い悲鳴を肛門の奥から、ぐ、と絞り出した。
「あ゛ぁ……ッ、あ、ぐ……は……ぅ、入った、奥、ずぼって……ッ」
「ぜんぶ入ったで。な、これ、お前の、いつものところやで。感じるやろ。中の肉が、ぎゅうぎゅう、俺のこと、咥えて放さへん」
「……あぅ……しゃべ、らんとって……それ、動かすたび、腹の上のほう、びりびり、する……あ、や、く、る、しい……あぅん」
「よう、ええ声。ほら、タケシ、今の、お前のカメラで、じっくり撮れ。もう一本、前から、せんでもええから、その、陰唇と、クリトリス、舌で、ばらばらになるまで、苛めたれ」
マサルの後ろからの抽送がゆっくりと、しかし深く、はじまった。ぶちゅ、ぬちゃ、じゅぷ、と濡れ切った音が彼が突くたび私の腰のいちばん奥でくぐもって弾けた。タケシの舌が前から私の肉芽を花びらを味わうように優しく、なのに執拗に、舐めまわす。下腹部がとろけそうに熱い水でいっぱいになっていく。
「あ……っ、あぁ、ぬ……ぁ、ふたり……ふたりとも……あかん、頭、しびれて、腰、浮く……っ!」
「ええから、もっと腰、浮かせて。珠洲の、この、むき出しの、牝の場所。よう見せたれ」
マサルが私の肩を抱えて座った姿勢のまま後ろから、ずん、ずん、と突き上げた。ついに私の身体はその深い楔に前後から揺さぶられ声の喉の奥のいちばん高い場所が裂けた。
「ああぁ……ッ、し……しぬ、そんな、いっしょに、したら、もう、しぬ、あ、あああぁ……ッ!」
私は叫びながら自分の腹の底で大きな濁った水が鎌首をもたげるのを感じた。それは排泄でも排尿でもなく女のいちばん内側の子宮ごとどろどろに溶けたあまい洪水だった。足の裏がつる。膝が笑う。腹筋が痙攣する。下腹のいちばん奥で彼の先端が、こり、とそこを押し上げた瞬間、私は全身をしなった弓みたいに仰け反らせた。
「ん、い、ぅ……ッ! あ、や、くる……くる……きてる……おく、おく……あ、や、あああぁぁ……」
ぶしゃあ、と股のあいだから澄んでたっぷりとした淫水が音を立てて漏れた。それが自分の身体から出たことも男たちの腹にかかったことももう恥ずかしいと思う余裕などない。身体が生まれる前からここでこうして男に開かれるために作られていたみたいだった。
マサルが一際深く突き入れてどくどくと私の胎内へ熱いものを注ぐ。その鼓動が腹の奥で響く。タケシも私の顔の横で荒い息を吐きながら私の痴態を最期まで撮り続けていた。ふたりの匂いと重さに私はマットの上に溶けて沈んでいく。
「……は……ぁ……すごい、今の、珠洲、後ろ、締めて、前、噴いた……あは、よう撮れたわ。あとで、ゆっくり、見せたる」
マサルの声は満足そうでどこか優しかった。私の背中を汗まみれの大きな手のひらがゆっくりと撫でてくる。くすぐったくてくすぐったくて私は泣きたくなった。嬉しかった。たったそれだけのことで身体中の力が抜けていくようだった。
「……なあ、珠洲。次は、お前から、私の、ここに突いて、って、言うて、腰、下ろせるようにな。そしたら、もっと、ええとこ、見せたるでな」
私は彼の胸に顔をうずめたまま小さく、うん、とうなずいた。
その日の午後、山を下りる前に沢のほとりの木漏れ日の中小さな白い花が風に揺れているのを私は見つけた。喉の奥に、ふ、と熱いものがこみあげてくる。私はカメラを取り出し花の前にしゃがみ込んだ。ズームを回し構図を探る。ピントが合う。花びらの薄い血管のような筋が朝の光にすけて見えた。シャッターを静かに押した。
その瞬間、後ろでまたたしかな音が鳴った。タケシが私の背中を撮ったのだ。
「珠洲さんは、そうやって、花を撮ってる後ろ姿が、いちばん、好きです」
振り向いた私の目の前で彼は少しだけ照れたように言った。それからマサルが離れた木陰から私に向かって手を挙げた。風が木々を、ざわ、と鳴らした。私は立ち上がってふたりのところへ歩いていく。もう立ち止まらない。行くと決めたら足は勝手に山の匂いのいちばん深いほうへ向かっていく。レンズの向こうに揺れる花。その花が今日も静かに私の秘密を見ていた。
登場人物
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珠洲 すず女性 ・ 28
外見: 黒髪の低めのポニーテール、暗い茶色の瞳、肌はやや汗ばみやすい色白。ヒップと太ももに肉が乗った下膨れ体型で、胸はCカップほど。身長158cm。服装: 山歩き用の化繊Tシャツにストレッチパンツ、小さなザック、キャップ。会社では地味な色のブラウスと膝丈スカート。真面目だが孤独と寂しさを抱え、山の景色を誰かと共有したいと思っている。羞恥と快楽の間で揺れ、自分の反応に嫌悪しながらも身体が男を求める。
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マサル まさる男性 ・ 34
外見: 短く刈り込んだ黒髪に無造作な無精髭、細く鋭い黒目、筋肉質で胸板の厚い大柄な体格。身長181cm。服装: 山用の速乾シャツにカーゴパンツ、トレッキングシューズ。支配的で冷笑的、自分のペースに巻き込むのが上手い。珠洲の羞恥を煽りながら、その反応を楽しむ。巨根で、亀頭が大きく膨らんでいる。
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タケシ たけし男性 ・ 31
外見: やや伸ばした癖のある茶髪、垂れ目がちの薄茶の瞳、中肉中背で肩幅が狭い。身長170cm。服装: オタク趣味の山用アウトドアウェアだが機能的で小綺麗。優柔不断でマサルに同調しつつも、珠洲の身体を舐めることに強い執着がある。スマホでの撮影に熱心で、性器や排泄物、汗や性液まで至近距離で動画に収める。





