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盗撮で教職を追われた男が新天地で教え子の母と再婚し、連れ子の無垢な裸体と秘密の自慰を浴場カメラで舐めるように鑑賞しながら家族の仮面を守り続ける倒錯の日々

禁断/近親ぼかし系 / 覗き・いたずら 全5章 約61分で読了(30,004字) 新着 2026年9月13日

あらすじ

再婚したばかりの小学校教師・章紀は、機械音痴な妻を巧みに操り自宅の脱衣所へ小型カメラを仕込む。狙いは義理の娘・夢愛の無垢な裸体。しかし彼女は幼い頃に祖父から刻まれた加齢臭の記憶に身体を疼かせ、深夜のアナニーで義父の盗撮映像に応えるように腰を揺らし始める。家族の平穏を信じる母・綾香は、教え子の小さな男の子への倒錯した想いを胸に夫の隠し事に気づかない。視線と艶めきが食い合う食卓で、沈黙の共犯と虐待の連鎖がゆっくりと極まっていく。

第1章 北国の新任教師が童顔の同僚女教師と再婚し、義理の娘の幼い肢体に初めて劣情を滾らせるまで

第1章のシーン

第1章: 北国の新任教師が童顔の同僚女教師と再婚し、義理の娘の幼い肢体に初めて劣情を滾らせるまで

四月の北国は、まだどこか肌を刺すような冷たさを残していた。夕方になると、窓の外を流れる風は湿り気を含み、校庭の隅に積もった残雪をゆっくりと溶かしていく。俺は職員室の窓際に立ち、校門を出て行く児童たちの小さな背中を目で追っていた。新任の小学校という場所に、ようやく身体が馴染み始めた頃合いだった。

「木村先生、帰りの会、お疲れさまでした」

声をかけてきたのは、隣の席の安達綾香だった。小柄な身体を紺のスーツで包み、足元は低めのパンプス。ショートカットの黒髪が、歩くたびにふわっと揺れる。童顔で、大きな茶色い瞳が妙にこちらを見透かすようで、初めて会ったときから目が離せなかった。

「安達先生も、お疲れさまです」

俺は穏やかに笑いかけた。彼女は、うん、と頷くと、自分の机の上に積まれた連絡帳を手早くまとめ始める。その横顔を見ながら、俺は胸の奥で熱いものが静かに息を吹き返すのを感じていた。

あれから一ヶ月も経っていない。前任校での盗撮が発覚し、諭旨免職という形で教壇を追われ、妻にも離婚された俺を、この北国の小さな町が受け入れてくれた。いや、正確には、この町の教育委員会が俺の過去を知らずに採用してくれたのだ。俺は慎重に、穏やかに、表向きは真面目で優しい中年教師を演じ続けた。そうしなければ、またすべてを失うことになる。

「ねえ、木村先生。今度の金曜日、空いていますか」

綾香が振り返り、上目遣いに尋ねてきた。あどけない顔立ちのくせに、スーツの胸元は豊かに張っていて、その落差がたまらない。俺は喉を鳴らしそうになるのを堪え、微笑んだ。

「ええ、特に予定はありませんが」

「よかった。あのね、私、今度の金曜日に、夢愛って娘の懇談会があるんです。そのあと、少しお茶でもどうかしら。あなたに聞いてもらいたいことがあって」

綾香の声は明るく、しかしどこか甘えるような響きを含んでいた。俺は彼女の丸い頬がほんのり赤らむのを認め、その色が夕日に透けているのを目でなぞった。

「喜んで。安達先生がよろしければ、どこへでも」

「安達先生じゃなくて、綾香で呼んでください。同僚ですもの。ね?」

「では、綾香さんと」

俺が答えると、彼女は嬉しそうに笑った。その笑顔の奥に、女としての欲が揺れているのを、俺は見逃さない。童顔の女ほど、夜に化けるものだ。俺の直感は、この女が巨根に弱いだろうと告げていた。事実、綾香はその後、俺の下半身を知るや否や、あっけなく股を開いた。

再婚は、早かった。綾香はバツイチで、十歳になったばかりの娘がいると言った。その子が、現・木村夢愛だった。俺は初めて夢愛と会ったとき、心臓の奥で何かが弾けるような感覚を覚えた。十歳になったばかりの義理の娘は、活発なショートボブの黒髪、大きな茶色い瞳、浅黒く日焼けした肌。Tシャツと短パンから伸びる細い手足。笑うと八重歯が覗く、あどけない顔立ち。それでいて、胸の辺りはほんのり膨らみ始め、腰のくびれは同年代の少女よりも明らかに早熟だった。

「章紀パパ、よろしく」

夢愛が無表情にそう告げたとき、俺の陰茎は、スラックスの下で熱く脈打っていた。俺は笑い、こう返したものだった。

「私のことは、お義父さんと呼んでもいいんだよ、夢愛ちゃん」

その声は、自分でもわかるほど低く湿っていた。夢愛はちらりと俺を見て、すぐに目を逸らした。新しい父親に懐かない、冷めた眼差し。それでいて、どこか怯えているような、あるいは、何かを探るような目つきだった。

今夜、俺は新居の脱衣所に立っていた。入居してからまだ一週間も経っていない賃貸アパート。建てつけの洗濯機の横、くすんだ鏡。俺は夢愛の折り畳まれた洗濯物に手を伸ばした。女物の小さなTシャツ、短パン、淡い水色のパンツ。

耳を澄ます。居間からは、綾香がテレビを見て笑う声が微かに漏れていた。風呂上がりの湿気が、鏡の表面を白く曇らせていた。俺は洗濯物の山から夢愛のパンツを抜き取ると、鼻先に押し付けた。洗剤の匂いの奥に、微かに残る少女の肌の脂、紙のような、柑橘のような、仄かな湯上がりの匂いがした。

「……いい匂いだろう」

俺は独りごち、唇を舐めた。脱衣所の鏡が、ぼんやりと俺の顔を映している。片手に少女の下着を持ち、鼻を埋める中年男の姿。その瞳だけが、異様に冴えていた。俺は胸ポケットから小型カメラを取り出した。まだ使ってはいない。これから仕込むべき場所を、下見しているところだ。

カメラの電源を入れる。緑色のLEDが、湿った空気のなかでぽつりと灯った。俺はそれを鏡に近づける。死角。光の反射。配線を隠す場所。脱衣所は、狙い目だ。夢愛は、ほぼ毎日、ここで裸になる。

「よし……ここだな」

低く呟き、俺は充電式カメラをカバンの奥に仕舞った。そして、折り畳まれた夢愛のパンツをもう一度、深く吸い込んだ。少女特有の香りが、鼻腔の裏で粘るように広がる。

そのとき、がちゃりと浴室のドアが開いた。

俺はとっさにパンツを洗濯物の山に戻し、何事もないように振り向いた。湯気の中に、バスタオルを巻いた夢愛が立っていた。

「あれ。お義父さん、何してるの」

夢愛の黒髪はしっとりと濡れ、頬は湯上がりで桜色に染まっていた。タオルの隙間から、浅黒い胸元と細い鎖骨が覗いている。雫が一筋、首から胸へと伝い、タオルの中へ吸い込まれていく。

俺は喉が渇いたのを感じた。

「脱衣所の換気扇の調子が悪いようだから、見てたんだ。暗いところで悪かったね」

「ふぅん」

夢愛は俺をしばらく見つめ、それから傍らに置かれた自分の洗濯物に目をやった。一瞬、眉が動いた気がした。

「ゆあ、もう寝るから。お義父さん、早く出て」

「ああ、すまなかった。おやすみ」

俺は極力、優しい声で言って脱衣所を出た。心臓が、喉の裏を叩いていた。夢愛は何かを察したかもしれない。しかし、その瞳には嫌悪よりも、むしろ、そこはかとない好奇心が揺らめいていた。俺は廊下を歩きながら、頭のなかで十歳の義娘の裸体を結像させた。濡れた黒髪、あどけない肢体、閉じた腿の奥。スラックスの中で、陰茎がずんと重くなる。

居間へ戻ると、綾香が座卓の前で、小学生の小さな体操着を畳んでいた。見覚えのない、水色の体操服。夢愛のものより一回り小さく、男児用のものだった。

「おや、その体操着は?」

俺が何気なく訊くと、綾香は「あら、洗濯しちゃったの、今日、たまたまだから」と慌てて答えた。その指先が、体操着の股布を畳むあたりで一瞬止まり、白い指が小さく震える。太腿を、きゅっと揃え直す。俺は彼女の膝の上の、たわわな胸。スウェット地の薄い部屋着に浮き立つ、硬そうな乳首。彼女が誰の体操着を畳みながら、どこを見ているのか、どうして声が甘く上擦っているのか、手に取るようにわかった。

太田斗夜。綾香の担任する三年生。女の子のような可憐な少年。あの子の体操着だ。綾香は、あの小さな男児の包茎ペニスを想像して、膝の奥を濡らしている。その証拠に、彼女の鼻は軽く膨らみ、吐息にはかすかな飢えが混じっていた。俺はそれ以上、追及しなかった。この女も、俺と同じ側の人間だ。

俺は風呂に入る前、綾香の肩に手を置いた。彼女はびくりと身体を震わせ、俺を見上げた。

「ねえ、章紀さん」

「どうした」

「あのさ、私、ちょっと自分が恥ずかしくなるの。ほら、斗夜くんの体操着、畳んでたら、心臓が、どきどきしてきて……どうしてかしら」

綾香の声は艶を含み、瞳は潤んでいた。俺は彼女の髪ごと頭を掴むと、仰向けに座卓のほうへ押し曲げた。ネグリジェの襟元から、白い乳房が煮え立つように覗く。

「子どもを心配する気持ちだろう。何も恥ずかしくないよ」

俺は彼女の耳元で囁き、指をもう一方の胸の膨らみに這わせた。綾香は小さく息を呑み、腰を揺らした。豊満な肉が、指の隙間で力強く張りつめる。

「章紀さん……あの、……あの子のお母様には……」

「今は、私の話をしなさい。君の体が、どうしてほしいかだけを」

俺の巨根は、すでにスラックスを食い破りそうになっていた。綾香は目を潤ませ、ねえ、などと焦れったい声を漏らす。童顔の女教師が、同僚の男の手で乳首を摘まれ、太腿を震わせる。その光景を、俺は冷静にカメラへ焼き付ける目で眺めていた。今夜は、まだこの女で発散すればいい。脱衣所の夢愛を、頭の裏で可愛がりながら。

翌朝、目を覚ました夢愛は、自分の洗濯物が乱れているのを見て、小さく鼻を鳴らした。昨日の夜、お義父さんが脱衣所にいたことを思い出し、足のつけ根のあたりが淡く疼くのがわかった。祖父の家を思い出すと、いつもそうだった。加齢臭――あの、古い煙草と饐えた皮膚の匂い。鼻の奥にその匂いを探して、少女は無意識に、パジャマの股をきゅっと締めた。

「……おじいちゃん」

誰にも聞こえない声で呟いて、夢愛は寝巻きの匂いを嗅いだ。そこにはもう、祖父の匂いはどこにもない。代わりに、新しい家の洗剤の匂いが、昨日の義父の指の湿りと混ざっている気がした。

夕食時、俺は温かな食卓を囲みながら、スープを口に運ぶ綾香の白い喉を見たあと、対面に座る夢愛の太腿を盗み見た。健康的に日焼けした肌、無防備に揃えられた膝。短い裾からのぞく腿の裏。夢愛は時折、顔を上げて、俺のことを憎しげに見た。だが、目が合うと、すぐに逸らさず、じっと見つめ返した。

「お義父さん、なんか、ゆあのこと、じろじろ見てる」

「そんなことないよ。おかずが口に合うかと思って」

「へえ。ゆあ、この玉子焼き、甘いの好き」

夢愛はそう言って、箸先で玉子焼きを小さく崩し、舌で味わうように口へ運んだ。その舌が、熱い皿の上の黄色を舐める様子を、俺はスープを飲むふりをして網膜にこびりつかせた。卓上の空気が、湿り気を帯びる。綾香は、そんな夫と娘の間で、暢気に笑っている。斗夜くんの話でもしていた。

「あのね、斗夜くんね、今日、図書室で私に本を読んでくれたの。あの子、声が小さくて、でも、すごく真剣で……本をめくる指が、白くて」

「よかったな。太田くんは、君のことを慕っているんだろう」

俺は笑った。綾香は、えへへ、と照れたように頬を赤らめる。夢愛は、そんな母の顔を横目で見て、それから俺を見た。その目がはっきりと、嫌悪の色を灯していた。けれど、同時に、何かを欲しがる渇きのようなものも、ちらりと覗いた。

夜が更けて、俺は自室の机で、小型カメラのLEDを灯した。まだ仕込む前だが、光の強さを確かめたかった。緑の点が、暗い部屋に、呼吸するように瞬く。俺は立ち上がると、カーテンを開けた。向かいの建物の、どの窓にも明かりはない。異性の飢えを隠すには、静かすぎる町だった。

明日、このカメラを手に、俺は家の中で最も湿った場所を探す。トイレ、そして脱衣所。鏡の死角に、あの緑の光を仕込む。台所から、綾香が洗い物をする水音が、微かに響いていた。

第2章 機械音痴の妻を騙して自宅の脱衣所と女子トイレにカメラを仕込んだ男が、義理の娘の無垢な裸体を初めて映像裡に捉える夜

第2章のシーン

第2章: 機械音痴の妻を騙して自宅の脱衣所と女子トイレにカメラを仕込んだ男が、義理の娘の無垢な裸体を初めて映像裡に捉える夜

数日後の夕暮れ、俺はリビングの卓を挟んで綾香と向き合っていた。窓の外では、街路樹の葉が五月の湿った風に揺れていた。テレビが点いているが、音は絞ってあり、画面の中の天気予報が明日は雨だと告げていた。

「綾香、少し話があるんだが、今いいかい」

俺はわざと穏やかに切り出した。綾香は手にしていた教員用手帳を閉じ、顔を上げた。

「ええ、なあに」

彼女の声は明るく、無防備だった。童顔のせいか、傾げた首の角度がいっそう幼く見える。俺は心の内で、この女がこれから騙されるとも知らずに微笑んでいるのを、ゆっくりと味わった。

「実はね、君に相談したいことがあるんだ」

俺は身を乗り出した。綾香の大きな茶色い瞳が、俺の目を見つめる。

「近所で、不審者が庭先を覗いていたらしいんだ。昨日、向かいの奥さんが警察に通報したそうだよ。我が家も気をつけたほうがいいと思ってね」

綾香の眉が、さっと曇った。小さな手が、胸元で組まれる。

「まあ、そんなことがあったの。この辺、静かで安全だと思ってたのに、油断できないわね」

「ああ、だから防犯用に小型のカメラを買ってきた。玄関と、水回りに仕込んでおけば、空き巣の抑止になる。君も夢愛ちゃんも守ってやれる。もちろん、夜だけの録画にするから、生活に支障はないよ」

俺は微笑んだ。

「悪いけど、機械のことは俺に任せてくれないか。配線をしているところを見られると、設置場所が知れてしまうから、夜中に一人で動くことになるが、構わないかい」

綾香は首を振った。

「章紀さん、お気遣いありがとう。私、この手のこと、てんで駄目だし、声をかけられると寝ぼけて騒いじゃうから、どうか一人でゆっくりやってちょうだい」

「わかった。二人に泥棒が入ろうものなら困るから、できるだけ早いうちに済ませておく。今夜は、少し遅くまで起きているかもしれないが、気にしないで寝てくれ」

「うん。お疲れさま」

綾香が小さく笑った。

夕食を終え、夢愛が自室に引っ込み、綾香が風呂から上がって隣室の布団に潜ったのを確認してから、俺は道具箱を片手に立ち上がった。はっきり言えば、駆け引きも芝居も、すべてはこの瞬間のための段取りだった。俺の心臓が、獲物を前にした獣のように、静かで熱い律動を刻んでいる。

深夜、家の中は冷たい静寂に沈んでいた。洗剤と、かすかな微温湯の匂いが、廊下にまで流れてきていた。俺は靴下を履いたまま、脱衣所の明かりをつけた。薄い白の蛍光灯が、肌を青白く浮かばせる。

まず脱衣所から手を付けた。棚の上、洗剤の詰まったボトルの影。固定式の小型カメラを、透明な両面テープで固定していく。指先が、埃を払った木の枠に沈むたび、心臓が喉の裏まで持ち上がった。壁の向こうでは、夢愛が眠っている。僅かな衣擦れの音を聞きつけるたび、鼻先から指先までの感覚が鋭くなっていく。俺はレンズの角度を微調整し、洗濯機の脇から立ち上がる。

「……これでいい」

声に出して確かめ、次に隣のトイレへ向かう。ドアを閉めると、密室の湿度が鼻を刺した。タンクと壁の間、ぱっと見では絶対に気づかれないだろう。俺は便座の影に屈み込み、樹脂の冷たい手触りを指でなぞりながら、標準レンズのカメラを仕込んだ。水洗の音が、妙に大きく耳へ刺さる。俺は胸元で、録画中を示す小さな緑の光を抑え込んだ。

「このカメラが、お前の……夢愛ちゃんの全てを、私に教えてくれる」

低い呟きが、水を張った便器の向こうでかすかに反響した。

一仕事を終えた頃、廊下にぱたぱたと軽い足音が散った。俺は息を呑み、とっさに物置の影へ身を縮める。洗面所のドアが開き、眠たげな夢愛が顔を出した。薄い水色の寝間着が、太腿の半ばまでしかなく、下着の線が淡く浮き出ている。彼女は俺に気づかず、目を擦りながらトイレへ消えていった。ドアが閉まる音を聞き、俺は壁に背中を預けた。手の震えが止まらない。見つかりはしなかった。だが、あの無防備な寝間着姿を思うと、仕込んだレンズの小さな穴が、これから数時間後にこの少女の排泄と着替えの瞬間を捉えるかと思うと、喉の奥が渇くほどだった。

翌晩。俺は自室のカーテンを閉め、机の上のノートパソコンを開いた。イヤホンを耳に挿すと、まず一昨日の自分の仕込みの映像が文字通り、時間を逆再生しては刻んでいく。生活音と、何でもない廊下の隅。やがて、脱衣所の明かりがついた。心臓が早鐘を打つ。

入ってきたのは夢愛だった。タオルを胸から下に一枚巻いただけで、髪から雫が垂れていた。白い湯気の中、彼女の肌は小麦色を通り越して、ほの赤く上気していた。俺は思わず画面に顔を近づけた。脱衣所の鏡越しに、肩から背中へかけて流れる水の筋が見えた。黒い髪が張り付いた項、小さな肩甲骨の浮き沈み。彼女はドライヤーのコードを引き、下着を身につける前に一瞬、鏡を覗き込んだ。レンズの画角では、小さく膨らみかけた胸の尖りと、へそから下へ降りるうっすらとした線が視認できた。乳輪はまだ淡い茶色。肌理の細かい肌の奥が、湯上がりに蒸され、艶を帯びて光っている。その肌理、あのぬるりと張り付く湯気。指先で触れたら、溶けてしまいそうだ。

夢愛がタオルの中で身じろぎした。胸元の結び目を解き、バスタオルを膝のあたりで留め直す瞬間、あどけない肩から腹、へその上を布から剥いた。彼女は俯き加減で何か考えている。カメラの音など拾わない。ただ静かに、自分の身体を見つめていた。俺は唾を飲んだ。クローゼットの奥から下着を取り出すため、彼女が屈んだ。その体勢で、割れ目の上の薄い陰毛の影が、白いパンツを履く前の一瞬、モニターに焼き付いた。閉じた花弁のような淡い桜色の筋が、湿った陰部の輪郭をぼかしていた。俺はスウェットの上から、自分の熱く膨れ上がったそれを押さえつけた。心臓は喉のすぐ裏で破れそうだった。

映像はさらに進み、夢愛は裸のままもう一度鏡に近づいた。滴が背中を伝い、細い腰のくぼみを流れていく。彼女は自分の横顔と裸身を、何か確かめるように見つめた。視線が、ほんの一瞬だけ、カメラの据えてある棚のあたりに注がれた気がした。だが、それは気のせいかもしれない。彼女は小さく首を傾げ、薄いタンクトップを頭から被った。布が乳房の膨らみに触れる。胸の先が、服の上からわずかに尖る。画面の中の少女は、いとも無邪気に、そのまま部屋着の短パンを履いた。

イヤホンからは、衣擦れの音と、結露が垂れる静かな音が流れていた。俺は右手で自分を握りしめた。脈打つそれが、下着の中で濡れた重みを増していた。画面を巻き戻し、何度も、屈んだ瞬間だけを再生し直した。今度は速度を落として、あの幼い陰部の影を追った。湯上がりの肌の艶、黒い髪の先から滴ること、太腿の内側に張った水の膜。二度、三度と繰り返すうちに、記憶の中の映像と現実の触覚が入り混じり、手の平が自分ではないもののように熱を伝えてきた。

その夜、夢愛は眠りにつく前、布団の中で何度も寝返りを打った。母に言えない不安が、喉の下を掻き回すようだった。目を閉じると、昼間、脱衣所の棚の奥で一瞬、緑色の小さな光が見えた気がした。気のせいだと笑い飛ばせない。新しい父親が、家族を値踏みするように眺める。あの視線が、鼻の辺りを這う。夢愛は寝間着の襟をぎゅっと握りしめた。静かな暗闇を鼻で探るように、深く息を吸い込む。この家のどこにもない匂い。饐えた煙草、古い皮膚、汗と毛布の埃が混じった、祖父の加齢臭。その残像が、突然、肛門の奥を熱く満たした気がした。夢愛は唇を噛んで、小さく身を丸めた。股のあいだ、つけ根の少し後ろが、じん、と疼く。それを、太腿を閉じる力でごまかした。眠れぬまま、少女は思い出の匂いに耳を澄ませていた。

翌日、学校では全校朝会があった。俺は職員室の廊下から、教室へ向かう綾香を見かけた。彼女は窓辺の机で、小さな体操着を畳んでいた。水色の布地、男児用。間違いない、太田斗夜のものだ。綾香は周囲を気にするように一瞬だけ首を巡らせ、それから布を股の部分から折り畳んだ。その指が、狭い股布に触れたまま止まる。俺の女は、太腿をもじもじとすり合わせていた。スーツの膝が、机の脚に押しつけられ、爪先が内へ曲がる。彼女ははっと息を呑み、何事もなかったように立ち上がった。黒板へ向かい、チョークを取る指先が、わずかに震えている。

「……安達先生、送り迎えご苦労さま。太田くんの体操着かい」

俺が声をかけると、綾香はひどく慌てた顔で振り返った。

「あ、木村先生! これは、その、斗夜くんが体育で使ったのを、間違えて持って帰っちゃって……私ったら、畳んで持ってきたの」

「それは良かった。太田くんも安心するだろうね」

俺は優しく言った。綾香の耳の先が赤い。笑みの裏で、飢えが濡れそぼる音が聞こえるようだった。

夜、俺はまた自室に戻った。この日もカメラは回っていた。脱衣所の映像に、夢愛の着替え。うつ伏せに置かれた脱ぎたてのシャツ。短パン。洗濯物の山。俺はモニターの画面に食い入った。画面の中の彼女は、脱衣所の鏡に映った裸身を、まるで誰かに見せるみたいに一瞬、両手を頭の上に伸ばして背伸びをした。まだ発育しきらない乳房の膨らみが持ち上がる。脇から覗く薄い産毛の影。肋の浮いた脇腹に、すっと流れる水滴。

「いい子だ……夢愛ちゃん。もっと私に見せてごらん」

俺は人知れず呟き、画面に顔を近づけた。スウェットの腰紐を解くと、下着の上からでもわかるほど、俺自身はとっくに硬くそそり立っていた。録画を二度、三度と再生するたび、手首の動きが早くなる。湯上がりの彼女の肌、緑の光、あどけない陰毛の影。

「……はは、滑稽だな。私はまた、やっている」

嘲笑ともつかぬ声が、静かな部屋に沈む。窓の外では北国の風が、庭の植木の葉をざわつかせていた。手の中の熱は、吐精寸前で止まっていた。俺は、この昂りを一晩かけて味わうことに決めた。

第3章 脱衣所のカメラが映した義娘の後ろ孔を弄る秘密の自慰——レンズ越しに交差する視線と加齢臭の記憶

第3章のシーン

第3章: 脱衣所のカメラが映した義娘の後ろ孔を弄る秘密の自慰——レンズ越しに交差する視線と加齢臭の記憶

午前二時を回った頃、俺は自室のモニター前から立ち上がれずにいた。ノートパソコンの画面には、脱衣所で着替える夢愛の姿が静止画のように映し出されたまま、再生ボタンに触れることすら忘れていた。ヘッドホンからは、かすかな冷蔵庫の唸りと、自分の呼吸ばかりがやけに大きく流れ込んでくる。

スウェットの上から握りしめた陰茎は、もう痛いほど硬く張り詰めていて、先走りが布地に滲んで湿った重みを作っていた。射精寸前まで高めては手を緩め、また画面を見つめてはゆっくりと擦る。そんな浅ましい反復を、俺はもう何時間も続けていた。

と、そのときだった。

画面の向こうに、ふいに小さな気配が走った。いや、まだ映像は再生していないはずだ。録画リストの一番上、脱衣所のカメラのデータ。あの映像を再生しようとして、俺は手を止めた。いや、待て。再生はしていない。これは、リアルタイムの映像だ。

薄暗い画角の端で、夢愛の部屋のドアが音もなく開く。カメラの死角から、裸足の足音が近づいてくる。寝間着姿の少女が、一度だけためらうように廊下を振り返り、それから洗面所のドアを開けた。場面が、がらりと切り替わる。俺の仕込んだレンズは、今この瞬間の出来事を写しているのだ。

夢愛は洗面台の前に立ち、水を一杯だけ口に含んで吐き出した。鏡を一瞥もせず、足音を殺して廊下を戻る。しかし部屋のドアを閉める前に、彼女はすん、と鼻を鳴らした。あの、探るような仕草。俺は思わず前のめりになった。

彼女は自分の部屋へ戻ると、明かりを点けないまま、寝台の前でしばらく突っ立っていた。暗がりでもモニター越しでは輪郭がはっきりわかる。白いキャミソールに、短い水色のハーフパンツ。それが、腰のところでくしゃりと乱れている。肩の紐が片方だけ落ちかけ、淡い日焼けの境界線が胸元にうっすらと浮かんでいた。

やがて夢愛は枕の下から何かを取り出した。小型のバスタオル。薄い布地。俺は目を凝らした。あれは、あの日、脱衣所で彼女が裸を隠していたタオルかもしれない。夢愛はそれを口元へ運び、鼻先を埋めるようにして、深く息を吸い込んだ。

暗い室内。カメラの集音マイクが、ひゅ、と鳴る息を拾う。夢愛の小さな肩が上下した。彼女はタオルに顔を埋めたまま、畳の上に膝をつき、後ろ手に布団を探った。そして、そのまま横向きに倒れ込むと、身体を折り曲げるようにして布団の上へ横たわった。

空気が、湿っていくのがわかった。

夢愛はタオルから顔を上げると、髪を耳の後ろへかき上げ、ぽつりと呟いた。

「……この匂い、だめなのに。おじいちゃんのじゃないのに。あのさ、ゆあ、夜になると、勝手に思い出しちゃうんだ」

その声は、モニター越しに骨の奥へ染み込んでくるようだった。俺は息を殺した。これは、俺が見てはいけないものを超えて、見るために用意されたものへ変わりつつあった。

夢愛は寝返りを打って仰向けになり、短いハーフパンツの腰ゴムに指をかけた。一瞬、迷うように指先が行きつ戻りつする。それから彼女はゆっくりと、白い肌と日焼けの境い目を露わにするように、パンツごと短パンを腿の下まで引き下ろした。

モニターの中の少女は、年齢よりもずっと色っぽい太腿のつけ根を晒し、両足を軽く開いた。キャミソールの裾がまくれ、うっすらと膨らんだ乳房の下のあたりで止まっている。薄い桜色の陰部が、暗がりの中でもはっきりと、ひくついているのが見えた。

「……はぁ……、今日も、また、ゆあの体、変」

たどたどしい指先が、閉じた割れ目の上をなぞる。慈しむみたいに、確かめるみたいに。夢愛は唇を噛み締めて、肩をすくめるように身を捩った。俺は思わず陰茎を握り直した。耳の奥で、心臓の音がゆっくりと大きくなる。

その指が、割れ目から腿の内側へ、つう、と這う。そして、更に下へ、窄まりの奥へ──夢愛は両膝を胸のほうへ抱え込むみたいに折り曲げ、尻を少し浮かせた。クリトリスの辺りを一度だけ摘むみたいに押してから、中指と薬指をそろえて、後ろの窄まりに当てがった。

「……おじいちゃん」

陶然とした、けれど潜めた声。彼女の鼻がもう一度すん、と鳴った。存在しない匂いを、喉の奥で追いかける仕草だった。祖父のあの饐えた、酸っぱくて重たい、乾いた毛布と煙草と古い皮膚とが混ざりあった加齢臭。俺にはわかる。この子は今、自分の中の記憶に鼻先を埋めている。

ぐちゅ、と濡れた音。空気を孕んだ穴が、指の先を吸い込む。夢愛は眉を寄せ、短く叫ぶように息を呑んだ。

「ひ、ぁ……、すごい、今日、はいる……」

人差し指が根本まで沈んでいくのが、くっきりと見て取れた。肛門の窄まりは思ったよりも柔らかく解けていて、指を根元まで飲み込むと、むずかるように何度か収縮した。少女は指を引き抜くでもなく、奥へ、さらに奥へと沈める。くちゅっと湿度の高い音が、コンデンサマイクを通して耳を舐めるようだった。

「……ふ、ぅ、ん、おじいちゃんの指、もっと、骨ばってたのに。夢愛の、自分のが、なんか、はやく届いちゃう」

彼女の言葉は途切れ途切れで、しかしその断片一つ一つが、俺の腰の裏を熱く灼いた。指が、内壁を掻き回すように曲がる。のち、ゆっくりと引き抜かれ、また差し込まれる。そのたびに、窄まりの縁がわずかにめくれ上がり、薄く濡れた粘膜が外気に触れてほの白く光った。

画面に映る少女はもう、昼間の、あの素っ気ない義娘ではなかった。目元は潤み、開いた唇からは言葉にならない吐息が絶えず漏れていた。俺はカメラのレンズ越しに、彼女の後ろ孔が淫らに蠢き、ぐじゅぐじゅと歌うのを見ていた。自分の手の中で、陰茎がびくり、と跳ねる。

そのとき、夢愛が顔を上げた。

「……見てるんでしょ、章紀パパ」

背筋が凍るかと思った。

彼女のまなざしは、まっすぐこちらを──いや、正確には、この部屋のカメラではない。自室の天井にでも隠したつもりか、壁の隅に向けられていた。けれどその目は、レンズの奥にいる俺を、間違いなく見抜いていた。

「ゆあ、わかってるよ。お義父さんが、あちこちにカメラつけてるの。お風呂場にも、トイレにも。ゆあが何してるか、夜になると、こっそり見てるんでしょ」

最初は憎悪に歪んだ。眉がつり上がり、唇がへらりと曲がる。だが、数秒の後、その歪みはゆっくりと、別の熱に溶かされていった。夢愛は指を挿れたままの体勢で、もう一度、自分の鼻を鳴らした。

「……でも、お義父さんが見てると、おじいちゃんの匂いが、まえより、はっきりする気がする。誰かに見られてると、鼻の奥が、ああ、あの臭いだって、思い出しちゃう」

彼女は、窄まりを広げるみたいにして指を二本に増やした。ぐぷ、と、ひと際はっきりした水音。夢愛は顎を上げ、喉を反らせた。

「……あん、……みて、章紀パパ……ゆあの、おしりの穴……指、二本も入ってるとこ。おじいちゃんにされたとおなじ。指で、奥を、ほじられると、鼻のなかに、おじいちゃんの、くさい息が、かえってくるの」

少女は自分の乳房を、空いた手でキャミソールの上から掴むようにして揉みしだいた。胸の膨らみは、まだ小さい。だが、その幼い肉を摘み、引き上げる仕草には、大人の女と変わらない飢えがあった。

俺はもう、自分を止められなかった。ヘッドホンから流れ込む彼女の淫靡な声と、ぐちゅぐちゅという粘ついた水音。画面のなかで腰を振る義娘。その光景に、手の中の肉が否応なく脈打つ。あの暗い部屋で、見られていることを知りながら自分の後ろ孔を弄る夢愛。彼女が欲しているのは、祖父の匂いを蘇らせるための、俺の視線。そう思った瞬間、得体の知れない熱が背骨を突き抜けた。

「……ゆあ、いく。見てて。章紀パパのカメラ、ゆあの、顔だけじゃなくて、したのほうも、ちゃんと映して。おじいちゃんの代わりに、章紀パパの目が、ゆあのこと、ぜんぶ嗅いでるみたいに、みつめて」

それは、明らかに俺への挑発だった。同時に、俺を祖父の代用品に仕立て上げようとする、ねじけた懇願でもあった。夢愛は腰をくねらせ、指を激しく出し入れし始めた。肛門から溢れた愛液が腿のつけ根を滴る。少女の肢体が、のけぞり、痙攣し、やがてひときわ甲高い声を上げた。

「……あ、ぁ、あっ、い……、……おじいちゃんの、匂い、する……! くさい、けど、奥が、じゅんじゅん、とけて、……ぅ、いく、いく、章紀パパの目で、ゆあ、いっちゃ、ぅう」

夢愛は指を後ろ孔に埋めたまま、ぶるぶると全身を震わせた。尻が浮き、布団に汗の染みを広げる。十歳の肢体には過ぎた痙攣が、映像のこちら側にまで伝わってくるようだった。俺は腰が跳ねるのを止められず、陰茎から白濁がほとばしる感覚に、一瞬、頭の中が真っ白になった。

射精の熱が指の間を白く汚す。どく、どく、と脈打ちながら、いつまでも止まらない。モニターの中では、夢愛がまだ余韻に身をくねらせていた。後ろ孔からゆっくりと濡れた人差し指を引き抜くと、彼女は息を荒げたまま、その指先をカメラのほうへ、いや、俺のほうへ、まっすぐに差し出した。

膜の張った、ぬらぬらと光る指。夢愛はうっすらと笑った。その唇が、はっきりと動く。

「……おいしいかも。章紀パパにはあげない」

ぞわ、と、全身が粟立った。

あれは、あきらかに俺に向けられた言葉だった。彼女は自分の指の匂いを嗅ぐみたいに、鼻先へ持っていくと、ぺろりと、舌を這わせた。うっとりと目を閉じる。その表情は、幼い淫婦そのものだった。

やがて夢愛は指を離し、ぐったりと仰向けになった。涙なのか汗なのか、頬を伝う雫が光っている。彼女は小さく呼吸を繰り返し、何かを呟いたが、それはモニターの外へ溶けるように消えた。

その後、部屋の明かりが一度も点くことはなく、夢愛はそのまま深い眠りに落ちていった。カメラの録画は静かに続いていた。

俺は自室の床に、いつまでも座り込んでいた。指先は精液と汗で汚れたままだった。立ち上がる気にも、シャワーを浴びる気にもなれなかった。頭の芯には、彼女があの濡れた指を差し出して笑った、あの瞬間の映像がこびりついて剥がれなかった。

外では、北国の夜風が庭木を揺らしていた。遠く、新聞配達の軽自動車の音が、静かな町並みに近づいては遠ざかっていった。

俺はようやく、机の上のティッシュで手を拭いた。パソコンの画面には、夢愛の部屋の天井と、眠る少女の足元が映っている。カメラは、まだ回り続けていた。あの小さな緑の光が、暗い脱衣所のどこかで、ちかちかと瞬いているのだろう、と思うと、臀部のあたりが再び熱を持つのを感じた。

そのとき、隣室から衣擦れの音がした。かすかに、綾香の吐息。だが、それは眠りのものではなかった。

妻は布団の中で、半ば夢と現のあわいに揺らめきながら、唇をすこし開いていた。指は、パジャマの下でぬめる場所を、ゆすって、かるく圧しつけている。頭の中には、あの小さな男の子の姿。

「……斗夜くんのは、小さくて熱くて……口に、入るかしら……あん、やだ、私……、そんな、想像して、あの子の皮を……」

くちゅ、くちゅ、と、微かな淫音が、深夜の家に、一滴の水が落ちるみたいに響いていた。綾香は、ぴん、と硬く勃ちあがった乳首を、もう一方の指先でくりくりと転がし、斗夜という音を喉の奥で何度も転がして、耐えきれずに小さくのけぞった。夫にも言えない、教え子への肉欲。その果てに、彼女はぐったりと力を抜いた。

一つの家の、三つの部屋。俺たちの熱は、互いを知らぬまま、しかし静かに同じ夜を汚していた。

夢愛の部屋のカメラが、就寝中の彼女の足先を捉えていた。俺はしばらく、その小さな足の爪がぴくり、と動くのを眺めていた。やがて、モニターを消し、暗闇のなかで横になることもせず、背を壁に預けた。

この家の平穏は、今夜、音もなく壊れ始めている。

朝が来るまで、俺は目を閉じることができなかった。

第4章 お風呂場で鏡越しに義父へ開いた義娘の身体——歪んだ共犯と背徳の契約が優しく、確実に結ばれる

第4章のシーン

第4章: お風呂場で鏡越しに義父へ開いた義娘の身体——歪んだ共犯と背徳の契約が優しく、確実に結ばれる

明け方の白い光がカーテンの隙間から差し込んで、俺はようやく床から腰を上げた。膝が笑っている。自分の精液が乾いた指先が、紙やすりのようにかさついていた。洗面所へ向かう足音を殺しながら、俺ははっきりと理解していた。夢愛はもう、俺の目を拒まない。いや、拒まないどころか、あのカメラの先に私を探している。それが恐怖か、期待か、俺自身にも判別できない熱として、腹の底で澱み続けていた。

その日は土曜日で、学校は休みだった。午前中、綾香は保護者からの電話に追われ、俺は居間で新聞を読むふりをしながら、窓の外の薄曇りの空を眺めていた。雨は降っていない。風が、北の海の匂いを微かに運んでくる。

「ごめんね、章紀さん。今、連絡帳のことで斗夜くんのお母様と長くなっちゃって」

綾香が申し訳なさそうな顔で居間へ戻ってきた。俺は笑んで首を振る。

「構わないよ。休みの日に保護者対応は大変だろう。何か問題があったのかい」

「問題っていうほどでもないの。あのね、斗夜くん、家庭科で使う裁縫道具をね、金曜日に学校へ置き忘れてきたんですって。お母様、すごく心配されちゃって」

綾香の声は、その男子児童のことを話し出すと、途端にみずみずしい熱を帯びる。太腿をきゅっと並べ直し、膝の上で組んだ指を、無意識に自分の胸元へ引き寄せる。俺は新聞を閉じて、彼女の白いうなじを盗み見た。あどけない顔の女教師が、九歳の教え子の名前を口にするたび、その耳たぶが桜色に染まっていく。

「太田くんは忘れ物をするような子には見えないから、よほど慌てていたんだろうね。君から一言、声をかけてやるといい」

「そうね。月曜日に、そっと返してあげようと思うの。あの子、失敗すると、おばあちゃんの家の猫みたいに小さくなっちゃって」

綾香はそう言って、自分の頬を手のひらで包んだ。その目が、もう斗夜の姿を教室のどこかに見ている。俺の中で、これはこれで悪くない、という醒めた感慨がゆっくりと波打つ。この家庭には、飢えが満ちている。誰もが飢え、それを隠し、互いの秘密に蓋をして、夕食を共にしている。

昼食の準備をすると言って、綾香が台所へ行った。俺は立ち上がり、脱衣所の掃除を名目に廊下へ出た。心臓が、早鐘とは違う、もっと低く重い拍動を刻み始めていた。

「ちょっと脱衣所を掃除してくる。湿気で棚の隅が汚れると、カメラの視界も悪くなるからね」

俺は台所の妻へ、わざと穏やかな声で言った。この「カメラ」という言葉を、俺は倒錯した合図のように扱い始めていた。綾香は、はぁい、と明るく返事をした。

脱衣所のドアを閉めると、洗剤と、かすかに饐えた排水口の匂い。俺は棚の上のタオルをどけ、固定してある小型カメラを手に取った。指先が震えそうになるのを、腹に力を入れて抑える。録画中を示す緑のランプが、湿った空気の中で、まるで生き物の吐息みたいに明滅していた。

「……角度を、もう少し下に」

俺は呟きながら、カメラの首をわずかに動かした。洗濯機の陰から、脱衣所の中央、鏡と、湯上がりの人間が服を脱ぐ位置。画角は、大人の俺の視線よりずっと低く、少女の背中から腰、腿の裏までを狙い撃ちにできるはずだった。

ドアの向こう、廊下を、裸足が歩く音。

俺の背骨を、ぬるい冷水が逆流した。音は、居間へ向かうには近すぎる。かすかに、鼻歌まじりの気配。

脱衣所の引き戸が、から、と音を立てて開いた。

「お義父さん、またいじってる」

夢愛が、裸の肩にバスタオルを引っかけて立っていた。髪は濡れて、先からぽたぽたと雫が落ちている。身体は湯を浴びたばかりの、熱い湯気に包まれていて、浅黒い肌のあちこちから白い蒸気が立っていた。彼女は、掃除用の道具を片手に屈み込んでいた俺を、見下ろすように見ている。タオルの前が、ゆるい。胸の谷間ではなく、もっと幼い、肋骨の浮く平らかな胸元。下腹の、薄い産毛まで、危うい距離で開きかけていた。

「ああ、夢愛ちゃんか。別に、いじってるわけじゃないよ。掃除のついでに、防犯カメラの点検をね」

「ふぅん」

夢愛は、すん、と鼻を鳴らした。あの、匂いを探る仕草。この空気の中に、祖父の残滓を探して。

「お義父さん、タオル、取ってもいい?」

俺は言葉を失った。取っていいか、だと。許可を求めている。それは、俺から見れば、この上ない前触れだった。カメラの録画が、俺の指で、今まさに起きている悪夢の続きを拾っている。

「……君が、そうしたいなら」

声が、かすれた。低く、自分のものとは思えない音。夢愛は、俺から目を離さないまま、肩のタオルに手をやった。ゆっくりと、蝶の羽を剥がすみたいに、白い厚手の布が、するりと落ちる。

裸。

剥き出しの四肢。光を帯びた肩。まだ幼い胸の、ほんのりと芯を持った膨らみ。尖った乳首の周りだけ、温泉に浸かったみたいに赤い。へその下。腰骨が薄い皮膚の下で、ふたつの小さな山を作っている。下腹には、汗でも湯でもない、うっすらとした湿り気。

俺は、その身体を至近で見た。映像ではなく、空気を震わせる実物の少女として。鏡が、夢愛の背中を映している。肩甲骨が、浅い呼吸のたびに、埋もれた羽のように持ち上がる。踵から太腿へ続く足の線。ちいさく丸い臀部。俺は、その輪郭を目でなぞりながら、喉の奥が干上がるのを感じた。

「ねぇ、お義父さん。昨日の夜、見たんでしょ。ゆあが、あんな風にしてるとこ」

夢愛の声は、静かで、熱を持っていた。彼女は、脱衣所の壁、カメラの隠してある棚を、ちらりと見上げた。その瞳孔が、光を集めて、暗い飢えを宿している。

「見た」

俺は、正直に答えた。この子供に嘘は、もう役に立たない。

「気持ち悪いって思わなかった?」

「いいや。とても、綺麗だった」

夢愛は、小首を傾げた。危うい角度で、濡れた黒髪が頬に張り付いていた。

「おかしいよ、お義父さん。あれ、ゆあ、おじいちゃんのこと思い出しながら、お尻の穴、いじってたんだよ。おじいちゃんの臭いがないと、私、駄目なの。すごく、くさくて、ねちっこい、年寄りの臭い。お義父さんにはないやつ」

彼女は一歩、俺の方へ近づいた。蒸れた湯上がりの空気が、少女の皮膚の匂いを運んでくる。石鹸と、微かな酸味。首の後ろから、熱の残り香が立ち昇っていた。

「でも、お義父さんに見られてると、あの臭いが、鼻ん中に戻ってくるの。カメラのちっちゃい光見てると、おじいちゃんが、押入れの布団の中に隠れてこっち見てるみたいで。体が、じゅんってなる」

「……見られることで、匂いを補っているんだな」

俺の言葉に、夢愛は小さく笑った。それは、十歳の笑顔ではなく、もっと古い、何度も夜に落ちた女の笑みだった。

「そう。だから、今日は、カメラ越しじゃなくて、本物のお義父さんに、見てほしかったの」

彼女が、くるりと背を向ける。鏡の前に立った。そこに映るのは、裸の少女と、その背後に立つ中年男。俺は、映像を撮る側としてではなく、初めて、彼女の身体をこの眼で撫で回した。肩から腰へ、背中から腿へ。うなじに張り付いた髪の先から、まだ乾かない水滴が、静かに背中の溝を流れていく。

「お義父さん、ゆあの背中、好き?」

「ああ。肩甲骨の下の、白くて、自分の肌と色が違うとこ。あれは汗で濡れてるから、光を含んで見える」

「変なの」

夢愛は笑った。それから、右の手の指を、自分の尻に添えた。割れ目の上、尾骨のあたりを、指先で、つ、と撫で下ろす。

「ここ、見えてる? 恥ずかしいとこ。お風呂入ったから、柔らかくなってるの。中はもっと、つるつるしてるよ」

俺は唾を呑んだ。彼女の指は、左の手で小ぶりな臀を横へ広げ、右の指を、後ろの窄まりへ、ちゅ、と触れさせていた。少年のような、けれどしっとりと汗ばんだ其処が、外気に触れて、ひく、と窄むのが見えた。

「お義父さん、近くに来て。カメラの位置、ちゃんと直したなら、上からじゃなくて、横から見て」

俺は、正気を失ったように、彼女へ歩み寄った。膝をついて、夢愛の腰の後ろに顔を寄せる。じっと見る。湿った、薄い桜色の穴。産毛が、湯の湿気で束になっている。夢愛は、背中を反らせて、自分の割れ目を更に開いて見せた。

「……ねぇ、触ってよ。お義父さんの指、おじいちゃんのより大きいんでしょ」

振り返りもせず、彼女は言った。その声は、かすれるように甘える響きを持っていた。俺の右手が、ほとんど無意識に、彼女の後ろの窄まりへ伸びた。あと少し、触れる、その瞬間、脱衣所の明かりが、まるで水面が揺れるみたいに、ちらついた気がした。

指先が、肛門の縁に触れた。

「んっ、……あ、熱い。お義父さんの指先、すごく熱い」

夢愛の肩が跳ねた。閉じていた蕾が、俺の指の腹を感じて、きゅ、と吸いつくように窄まり、それからゆっくりと解けていく。彼女の太腿の裏の汗が、鏡には見えない。けれど、俺の鼻は、彼女の肌から立つ、かすかな塩気と、もっと深い、性器臭に似た甘ったるい匂いを嗅いでいた。

指を、押し入れる。ぬるぬるとした熱が、第一関節を飲んで、第二関節まで誘い込む。内側が、ふ、と緩んで、俺の指を根元まで吸った。映像と違う。カメラが拾えない熱と、ぬめりと、締めつけ。肛門のしわが、俺の指を包んで、ひく、と収縮する。夢愛は、両手を鏡に突いて、はっ、はっ、と短い息を漏らした。

「あ、う、……入ってきてる。お義父さんの、太い指……ゆあの穴、がばがば、じゃないよなのに、なんで、すんなり……」

「ゆっくり、解けていく。お前のここは、私の指を覚えるみたいに、言うことを聞いている」

「ん、……それ、やだ。でも、奥、疼く。お義父さんの指、あたりが鋭くて、おじいちゃんの骨みたいな指と違う。もっと、生っぽくて、温かい……」

夢愛は、鏡の中の自分の顔を、俺に見せつけるみたいに上げた。涙の膜が張った目。開いた唇。眉は、苦しみと快楽の間で、もみえるように歪んでいる。彼女の内側が、とくり、とくり、と俺の指を締め付ける。奥のほうで、ぬめった襞が、指の腹を吸い上げる。

俺は人差し指を、少し曲げた。中が、くちゅ、と鳴って、少女の腰が、びくん、と浮く。

「ひぁ、……なにそれ、お義父さん、指先、曲げた? 奥の、がちがちのとこ、擦れて……だめ、腰が浮いちゃう」

「君の祖父は、こんな風にしたのか」

自分でも残酷な問いだと、声に出してから思った。しかし、夢愛は、涙のこぼれそうな目で、にこり、と笑った。

「もっと、酷いよ。ゆあの耳に、唾液をねじ込んで、鼻と口を、ふさがれた。おじいちゃんの臭い、どこにも逃げられないみたいに。あのくささで、頭ん中、いっぱいにされながら、お尻、こうやって、ずりずり……」

彼女は、中に埋まったままの俺の指を、自分の腰をくねらせて動かした。肛門が、指の根元まで被さって、白い泡が、這った跡に浮かぶ。くちゅ、ぐちゅ、と、粘膜と空気が混ざる音。それは、何よりも、いやらしい歌だった。

「ゆあ、お義父さんに、してほしいの。見られるだけじゃなくて。こうやって、穴のなか、お義父さんの指で、違うもんに塗り替えて。おじいちゃんの臭い、鼻の奥から、追い出せないなら、もう、お義父さんの目の匂いっていうか、気配で、体ごと、書き換えたい」

彼女は、俺の指を、奥へ奥へと呑み込もうとした。濡れたしわが、爪の生え際まで被さって、奥の肉が、とろ、とろ、と音を立てる。俺の牡の情動が勃ち上がる。陰茎は、作業ズボンの下で、痛いほどに滾っていた。この子供の肛内に、自分の指を埋めている。映像でもない、妄想でもない。生温かく、肥えた肉の穴が、俺の指を食いちぎらんばかりに、絞めつけながら悦んでいる。

「……ゆあ、変になった。お義父さんの指で、中の形、おぼえてる。瞼の裏が、赤い。おじいちゃんの顔が消えてく。くさい、くさい、くさいのに、それが、きもちいいに変わってく」

夢愛は、片手で鏡にしがみついたまま、もう片方の手を、自分の胸へ持っていった。小さな乳房を、この夜の、薄い光の中で、つまみあげる。硬く尖った乳首を、指の腹で擦る。太腿を、自ら開き、閉じ、そのたびに、俺の手首へぬめる液が伝う。彼女はもう、立っていられないのだろう。膝が、折れるみたいに震えていた。

俺は、彼女の腰に左手を回した。臍の下あたりを支える。手のひらが、少女の体温を吸う。すると、彼女は、ますます後ろへ体重を傾けてきて、背中が、俺の胸に触れた。素肌が触れる。これは、映像の外だ。彼女の背中に、心もとない産毛が、汗で這っている。俺の吐息が、首筋にかかると、夢愛は、うう、と小さく唸った。

「……言って」と、彼女が喘いだ。「見られて、嗅がれて、掘られて、ゆあ、もっと、ぐちゃぐちゃにされてるとこ。お義父さんの口から、聞きたい。そういう、きたない、ことば」

俺は、右手の指を、浅いところまで引き、また、奥へ沈めた。今度は、指を回すようにして。くちゅ、ちゅ、ちゅ、と、その湿った穴が、壊れるように縁をめくった。

「お前の、後ろの穴。私の指を、数えてるみたいに、しわが蠢いている。奥のほうが、蛾の腹みたいに熱くて、とろけたものが、まとわりついて、私の節をしごいてくる。君が祖父の臭いを欲しがるのを、私は、この指でわかってしまう」

「や、……声、低い。だけど、お義父さんのほうが、おじいちゃんより、意地悪なのかもしれない。ゆあの、お尻ん中、探検してる。そこ、だよ。先っぽ、二関節のはじっこが、ざらついた肉、こすれるの。……あ、ひ、そこ、もっと。そうやって、曲げたまま、引っ張らないで。はがれ、みたいに、するから……」

夢愛は、鏡に映る自分を見なかった。いや、直視していた。両目を、零れるほど見開いて、薄く汗ばんだ幼女とも娘ともつかぬ顔を、鏡のこちら側にいる俺へ晒していた。あどけない相貌。それを裏切る唇。舌を、下唇に這わせる。その仕草。祖父の前で、身につけてしまった、醜い媚態。

「お義父さん、もっと、乱暴に。やさしい振りして、指、奥で、休まれても、がまんできないの。私、ひどい子になってる。学校で、こんな穴、誰も知らないし。夜になると、臭い、思い出して、ママの眠ってる隣で、指、挿れるしかない、へんたいだよ。でも、それ、お義父さんが、見てくれてるから、……私、もう、ひとり、じゃ、ないの」

彼女の言葉は、涙声に近い。なのに、笑っていた。それは、歪んだ安心の笑い。見つかること。盗まれること。それによって、祖父の加齢臭で犯された己の歴史を、ようやく誰かと分かち合えた、とでも言いたいかのように。

俺は、指をもう一本、試したくなった。けれど、それはまだ、彼女に許されていない。だから代わりに、人差し指を彼女の窄まりから、ずるり、と引き抜いた。肛門が、名残惜しげに、くぽ、と鳴いて、水滴を返す。肛門の縁は、外の空気に、ひくつきながら、開いたり閉じたりしていた。ぬるぬると光る指先を、俺は、彼女の目の前、鏡越しに掲げた。

「ほら、君の、ここが返したものだ。カメラには、この、慣れきった締まりまで映らなかっただろう」

夢愛は、はーっと、熱い息を吐いた。そして、俺の指を、両手で包むみたいに、自分の口元へ近づける。唇を開き、先端を、ちゅ、と吸った。

「ん……しょっぱい、けど、甘い。ぬるぬる。自分のなのに、初めて。おじいちゃんに舐めさせられた味と、似てるかも。いや、お義父さんが混ざってる」

「私と、祖父が、君の穴の味で混ざる。どんな気分だ」

夢愛は、俺の顔を、鏡越しではなく、振り向いて、下から見上げた。その頬は朱に染まり、瞼は腫れぼったく濡れ、唇は自分の淫水と唾液で、ぬらぬらと光っていた。彼女は、笑った。もはや拒絶ではない。支配でも、まして可愛らしい無邪気でもない。

「気持ちいい。……気持ち悪いくらい、きもちいい」

その顔を、俺は、カメラの映像越しにではなく、この眼で焼き付けた。録画では取りこぼす空気の匂い。脱衣所に溜まった、石鹸と、皮膚と、肛門から滲む、内臓の奥のにおい。それは、祖父の加齢臭には似ても似つかなかったが、少女の肉体に刻まれた倒錯の熱を、確かに継いでいる。

俺の右手の指先には、彼女の唾液が、まだ、ひかついていた。夢愛は、ふたたび壁のカメラに目を向けると、レンズに向かって、自分の濡れた尻の割れ目を指で広げて見せた。あどけない臀部が、桃を二つに割ったように開き、弄ばれた穴が、切なげに窄んでいた。

「次のときは、もっと深いとこ、開いて見せる。お義父さんのカメラ。緑の光。ゆあ、その前で、大人がするみたいに、いっぱい、腰、振るから。約束」

彼女は、俺の返事を待たず、拾い上げたタオルを胸の前で抱え、脱衣所を出て行った。裸足の足音が、水気を含んで静かに遠ざかる。鏡が、まだ彼女の背中の残像を、湯気の中に浮かべていた。いや、もう、そこには、荒い呼吸をする俺の顔が、ひとり分だけ映っていた。

居間からは、綾香が、今日あった出来事を話す明るい声がしていた。斗夜の絵日記を、あの子らしかった、と笑っている。俺は、脱衣所の床に、片膝をついたままだった。夢愛の触れた場所。その熱が、空気に溶けず、まだ、ふくよかに漂っている。

第5章 盗撮カメラの緑の光が見守る中で最終的に家族は崩れず、歪んだままで円満に食卓を囲む——穏やかな地獄の完成

第5章のシーン

第5章 盗撮カメラの緑の光が見守る中で最終的に家族は崩れず、歪んだままで円満に食卓を囲む——穏やかな地獄の完成

土曜日の昼下がりから、空気は少しずつ夏の湿気を含み始めていた。網戸越しに流れ込む風が、廊下の板張りをほんのりと湿らせ、素足の裏にじっとりと絡みつくような、あの独特の重たさを家じゅうに運んでくる。脱衣所を出てから、俺はしばらくその廊下に突っ立っていた。右手の中指と人差し指が、まだあのぬめりを覚えていて、自分の手のひらを握ったり開いたりするたび、乾いた皮膚と、指の股にこびりついた粘膜の名残とが、かすかに引き攣れるような感覚を返してくる。あの子の肛門は、俺の指を根元まで呑み込んだあと、押し出すように収縮を繰り返していた。肉の輪が、第二関節をきつく締めつけ、それでいて奥の襞はとろりと緩んで、指先をさらに深く招き入れる。あの熱と圧力を、俺の指はまだ覚えている。耳の奥では、夢愛の短い息と、窄まりが指を咥え込むときに立つ粘液の音が、何度も何度も反芻されていた。鼓膜の裏で鳴るその水音は、まるで彼女の体内に住み着いてしまった別の生きものの囁きのようにさえ思えた。

「章紀さん、お風呂沸いてるわよ。先に入って。夕食、もう少しでできるから」

居間のほうから綾香の声が届いた。明るく、弾んでいて、この上なく平凡な主婦の声音だった。そこには何の翳りもなく、夫を思いやる温度に満ちている。俺は、濡れた指先をズボンのポケットの内布で拭うと、掠れていないようでいて、ほんの僅かに上ずった声で返事をした。

「わかった。すぐ入る」

その声は、ちゃんとした夫のものとして空気に溶けていったはずだ。彼女は、はぁい、と間延びした返事を残すと、再び台所で鼻歌を交えながら鍋をかき回す気配を漂わせた。俺は脱衣所横の風呂場へ向かう足をようやく動かした。洗い場に満ちた湯気は、鏡もタイルも、隠しカメラの小さなレンズさえも乳白色に曇らせていた。脱衣籠には夢愛が先刻まで纏っていた体操服と、くしゃりと丸められた靴下が放り込まれている。それらが放つ、昼間の体育の匂い——汗と、土埃と、幼い肌から沁み出た皮脂の混ざった生ぬるい臭いが、湯気に溶けて俺の鼻腔を刺した。この香りだけで、あの脱衣所での光景が網膜の裏に甦る。細い両足をだらしなく開き、自分の指で濡れた花弁を押し拡げ、年不相応な女の貌で舅を誘った、あの義娘の姿が。

シャワーの湯を頭から浴びながら、俺は右手の指をまじまじと見つめた。指の腹はふやけて皺が寄り、石鹸の泡に流されたとはいえ、さっきまで挿れていた場所の生温かいぬめりと、愛液とも汗ともつかぬ女の汁の饐えた匂いが、皮膚の下から染み出してくるようでならなかった。洗っても洗っても、指と指のあいだに、あの子の内側の真珠質の粘液が纏わりついている気がして、俺は不格好に指を開閉させる。やがて額の生え際から湯が流れ落ち、目の奥にかすかな痛みを覚えた。それでも、腹のいちばん深いところは、まるで湿った泥を踏みしめたみたいにふわふわと揺れていて、解放感とも昂奮とも片のつかない重い熱が、下腹のあたりをうずうずと蠢いていた。

風呂を終え、パジャマ代わりの汗取り生地のスウェットに着替えてから、俺は洗面台の鏡を手のひらで拭った。くすんだ鏡面に、中年の男が一人、こちらを見ている。頬は火照り、目の下には疲れの色が沈んでいた。睡眠不足と、自制の麻痺が、筋肉の衰えた輪郭にまで影を落としている。それなのに瞳だけが、異様なほど黒く濡れていて、暗闇の中のカメラのレンズみたいに、寝静まった家の隅々を探っていた。

夕食時、家族三人が食卓を囲んだ。メニューは綾香が得意だという、豆腐と胡麻の和え物、焼き鮭、菜の花のおひたし、出汁巻き玉子焼き。小さな急須には冷たい麦茶が並んでいる。卓上には湯気がゆらゆらと立っていて、吊り下げ型の換気扇が低く唸り、台所の油の匂いを徐々に薄めていた。外では、遠くの街灯に集る羽虫の羽音が、網戸越しに断続的な低い唸りとなって届いている。ガラス戸の外はすでに薄夜で、隣家の庭木の影が、なまぬるい闇のなかに沈みかけていた。

「あのね、斗夜くんがね、今日はすごく難しい問題を解けちゃったの」

綾香が、豆腐の小鉢をこちらへ差し出しながら言った。きっちりと揃えた前髪の下で、大きな茶色の瞳が照明を吸い込んで揺れている。その頬は、台所の火加減のせいばかりではない膨らみ方で上気していた。箸を持つ指先にはうっすらと汗の膜が張り、膝の上できちんと合わされた両手が、話しているあいだ中、意味ありげな弧を描いて撫で擦り合っている。白いカーディガンの胸元は、この前屈みの姿勢では、どうしてもその奥の豊満な膨らみを隠しきれず、黒いキャミソールの上に乗った双丘の、やわらかな隆起が目に飛び込んでくる。蒸れた台所の空気を循環させるたび、彼女の首筋からは、汗とほのかな制汗スプレーが混じった、弱い薫製臭のような女の匂いが立ちのぼって、俺の奥歯をじんと痺れさせた。

「算数の応用問題で、クラスで斗夜くんだけが正解したのよ。答えを書いたあとの顔が、もう、なんていうか、花がしぼむみたいに笑うから、私、すごく嬉しくなっちゃって」

花がしぼむみたいに笑う——その表現が、九歳の少年の幼くて可憐な表情を、やけに執拗に思い知らせてくる。綾香の唇の端が、うっとりと湿りを帯び、そうして彼女の太腿が、自分の発した言葉の熱に芯まで温まっていくのが、テーブルの向こうからでも匂うようだった。

「それはよかった。太田くんは、もともと真面目に考える子だろうから、君の教えかたが噛み合ったんだな」

俺は、箸を置かずに相槌を打った。自慢の妻の横顔を、胡麻の香ばしい匂いの向こうで眺めながら、脳裏ではべつのことを考えていた。この女は、今、斗夜という九歳の小さな男子のことを話しながら、下腹部を甘く痺れさせている。スカートの奥で、パンティの布地が熱く湿っていくのを、本人も気づかぬふりで押しつけながら、照明の下で脚をすり合わせないように耐えている。俺には、その膝頭の角度でわかる。指先の所在なげな揺れ加減で、浅い呼吸の、ほんの一瞬の途切れ方で。この三ヶ月、綾香はますます、そういう隠しきれない湿りを食卓に持ち込むようになっていた。いや、隠しているつもりで、隠しきれてはいないのだ。女というものは、九歳の教え子に欲情しながら、同じ卓に夫と幼い娘がいるとき、かえって眼だけがいやに艶めくものらしい。

夢愛は、向かいの席で黙々と味噌汁を啜っていた。俺と目が合っても、もう逸らさない。幼稚な笑みでもなく、拒絶でもない。あの脱衣所で俺の指を肛門へ呑み込ませてから、彼女は我が家の中で、もっと古い別の生きものになったみたいだった。まるで、この家の空隙を、少女の形をした熱がゆっくりと蝕んでいくのを、俺だけが見ている。換気扇の風が、彼女の黒いショートボブの毛先を揺らすたび、日焼けしたえりあしから、汗の染みこんだ体操着の匂いにも似た、あの独特の饐えたような人いきれが立ち上る。まだ入浴前の、一日の残り香。俺は湯気の向こうで、それを密かに肺へ引き込んでいた。

「ねぇ、ママ。胡麻のにおい、すごくいい。おなか空いてたから、今日はいっぱい食べられるかも」

夢愛が、大きな目をぱちぱちさせながら母へ言う。声は歳相応の無垢さを保っていた。その無垢が、好物を前にしたときだけ垣間見せる、まるで子猫のような声音が、十五分前、脱衣所で俺に見せた痴態と、どうしても同じ唇から出たものとは思えなかった。その落差が、俺の背骨をぞくりと震わせる。節くれだった手指の血管のなかを、小さくて熱い虫が這い回るようだった。

「まあ、嬉しいこと言ってくれるのね。夢愛、今日は学校でたくさん走ったんだもの、きっとお腹が空いてたんでしょ」

綾香が笑う。夢愛は、えへへ、と八重歯を見せ、味噌汁の椀を両手で持ち上げる。その仕草に、胸のふくらみがはっきりと輪郭を持って浮かんだ。薄いカットソーの下で、同級生より早く成熟を始めた双丘が、まだ幼い肋骨のアーチから、つんと上向きに尖っている。その先端が、布地ごと、台所の温い空気に撫でられて、小さく硬くなっていく。俺は、椀を持つ彼女の肘の内側に、薄っすらと浮いた上手の静脉の青さを見た。こういう細い部位を眺めていると、指を挿入したときの、内側から掌を押し返してくるあの腸壁の弾力が、指先にぶり返してきて、味噌汁の椀を持つ俺の手指まで、ぞわぞわと汗ばんでくる。

やがて、夢愛は、菜の花のおひたしを箸でつまみ、口へ運ぶ前に、ちろりと舌先で茎の先を舐めた。食器でも拭くような、生理的な、しかし生温かい官能を帯びたその仕草には、色気ともとれぬ無自覚な淫気があって、視界の隅の俺だけが、その舌の赤さを網膜に貼りつけた。唾液で濡らされた菜の花は、ぬらぬらと蛍光灯を反射し、彼女の小ぶりなくちびるのあいだへ、じゅぷり、というかすかな水音を立てて吸い込まれていく。夢愛は、それをゆっくり噛み締めながら、隣に座る母には悟られぬ角度で、ちらり、と俺を見上げてきた。その目が、わずかに細まり、濡れている。鮭の脂を引かせた唇の端が、ほんの三ミリほど持ち上がった。

「今夜も、来てよ」

食堂の照明が、彼女の白い喉元を照らしていた。声にはならない、くちびるだけの囁き。だが、その形が、あの脱衣所で俺の指を咥え込んだときと同じ、女の口になっていた。薄い唇には、焼き魚の脂がうっすら光っている。俺は、返事のかわりに、味噌汁を一口啜った。塩気と出汁が舌に染みて、うまい、と、ちゃんと旨味を感じた。だが、それ以上に、彼女の唇に浮いた油の味を想像して、奥歯のあたりがじわりと痛むほど唾液が沸く。口中の唾液が、だらしなく舌の裏へ溜まって、飲み込む音を喉が立てる。ゴクリという、たまらなく間抜けな音が、食卓の静けさのなかに小さく消えた。

「パパ、お味噌汁、そんなに音立てて、よっぽどお腹空いてたんだね」

夢愛が、からかうように言い、綾香もつられて軽く笑った。俺は、ああ、と曖昧に頷き、胡麻和えの小鉢を出汁に沈める。歯の裏で潰れる豆腐の舌触りは、もどかしいほど柔らかく、義娘の肛門に挿れた指を締めつけた、あのぬめりのある肉の弾力を、嫌でも思い起こさせた。絹ごし豆腐とはよく言った。だが、夢愛の内側は、豆腐のようにただ頼りなく崩れるばかりじゃなく、健気に指へ吸い付いてくる、熱い生き物めいた貪欲さがあった。口のなかの豆腐が、逆にあの肉の熱を乏しく感じさせて、俺は、スウェットのなかで性器が血を集めるのを感じた。布越しに、膝の上でずるりと重さを変える頭部。汁気で膨らんだ綿の生地が、太腿の真ん中あたりで軽く盛り上がる。それを隠すため、俺は無意識のうちに背筋を伸ばし、左足を卓の下で組み直した。

「そう言えば、来週の土曜日、学校公開で、斗夜くんのお母様とゆっくり話せるの」

しばらくして、綾香が、ふ、と思い出したように言葉を継いだ。その声は、ついさっきまでの娘との会話よりも、あきらかに温度を帯びていた。口の端が湿り、語尾が夜の湿度を吸って、みずみずしく潤んでいく。

「私は、そのあとの座談会で、あの子の読書ノートのこと、誉めようと思っているの。あの、読書ノートにね、毎晩、おかあさんと本を読んでるって、小さな字で書いてあるの。間違った漢字には、自分で付箋を貼って直してあるのよ」

綾香の指が、箸を置くでもなく、膝の上で落ち着きなく蠢いている。薬指と中指とが、するすると、スカートの縫い目を撫で、ときおり爪の先を手のひらへ軽く食い込ませては、また解く。その手のひらは、小さな男の子の読み書きの痕跡を、確かめるような動きに見えて、じつは、ノートを開くという行為に濡れている。女の指先は、いちばん正直だ。俺は、その細い指の運動から、架空の少年の汗ばんだ手を想像した。斗夜……九歳で、ひ弱で、人見知りをするという、あの目の大きな男の子。綾香の性欲の対象として、すでに幾晩も、彼女の夜の慰みのなかで裸にされ、勃ち上がる前の小さな性器や、先端の皮をくすぐられているのかもしれない。そう考えると、妻の指先の動きが、さらに色っぽく見えて仕方がなかった。

「それは、太田くんのお母様も喜ぶだろう。君は児童の細かな努力をよく見ているよ」

俺は、穏やかな夫として、そう返した。声は真面目に、感心した調子を保っていたので、綾香は気をよくしたように、ええ、と頷いた。

「そうかしら。だって、私は、あの子のノート、いつも一番に読みたいんだもの」

綾香は、自分で言ってから、小さく失笑した。頬が赤い。耳のうしろまで、食卓灯の光を受けて、ほんのりと朱が透けていて、その小さな耳たぶを、俺は、かつて自分の舌で愛撫したことを、ぼんやりと思い出した。ぷっくりと柔らかく、唾液を塗り込めば、明け方の桜貝のように赤く腫れた、女の耳。いまや、その妻の体は斗夜という少年の熱に侵されつつある。俺は、それを阻止するどころか、女の耳たぶへ吸い付いた幾晩を、うっすらと懐かしんでいた。

だが、今、俺の目と指の感覚は、隣で茶碗を揺らす十歳の少女に吸い寄せられている。夢愛は、焼き鮭の皮を箸で丁寧に剥がしながら、身の白い繊維を、わざと舌の上でほぐしては、母には聞こえない吐息をこぼしていた。そのちいさなくちびるの内側は、照明を吸って赤く熟れている。豆腐の残り汁か、それとも彼女自身の唾液かぬめり光って、咀嚼のたびに、くちゅり、と微かな水音が立つ。彼女は時々、箸先をくわえたまま、上目遣いで俺の箸の動きを追っていた。その瞳は、もはや十歳の娘が外で見せるものではなく、情け深い予感を秘めた、雌の勘のような翳りを湛えていた。

夕食後、夢愛は先に部屋へと引っ込んだ。廊下を駆けていく裸足の跫が、ぱたぱたと軽やかに響く。その後を追うように、脱衣所のほうから今日まだ洗濯していない体育着の、汗ばんだ綿の匂いが、空気の流れに乗って、食卓のほうへ流れこんできた。綾香が洗い物をしているあいだ、俺は、明日の授業の準備をすると言って、書斎兼寝室の自室へ入る。薄い襖の向こうからは、水の流れる音と、食器のぶつかる硬質な音とが交互に聴こえてきた。天井の蛍光灯は点けず、俺は窓際の小さなスタンドだけを灯した。白いコードが机の脚の影に這うように伸び、パソコンの黒い画面が、そこへ来るまでの俺の薄い横顔を映している。まるで、この家のなかのもうひとつの扉みたいだ。

俺は、音を立てないよう慎重に椅子を引き、ノートパソコンを開いた。キーボードの上を滑る手つきが、幾晩もかけて染みこませてきた隠微な手順を、もう淡々となぞっている。カメラの専用アプリケーションが起動すると、画面には、静かに三ヶ月分の録画がずらりと表示された。日付と、カメラの機種と、夢愛の動線を示すような短いサムネイルの列。脱衣所の曇りガラス、階段の隅、そして彼女の部屋の、几帳面に畳まれた毛布など、互いに無関係そうな光景が、暗がりのなかで、ある特定の告白だけを隠すように整然と並んでいる。

俺は新しいフォルダを作った。名前は「8月」だった。昨夜までとは違い、俺の心は恐ろしいほど落ち着いている。数日前までは、モニタを開くたび、学校や警察や、綾香という存在が、背後の闇から覗き込むような恐れを感じたものだ。誰かが、肩越しに画面を見ているのではないか。この家の通気口から、俺の知らない正義が、息を潜めて監視しているのではないか。そういう不安が、いつもキーボードを打つ指先を冷たくさせていた。だが今夜、指先には、あの娘の肛内の熱が、まだ残っている。現実の触覚を知ってしまった俺は、もう映像の冷たさだけでは満足できなくなっていた。生身の肉の圧力と、粘膜の匂いと、言葉を失うほど湿った音。そういった質感を指と耳が知ってしまった以上、モニタ越しの映像は、むしろ浅ましい性急さで、こちらの欲を掻き立てるだけだ。

イヤホンを挿すと、脱衣所のカメラのライブ映像が、真っ暗なタイルの隅を映し出した。赤外線の画面の中央では、鏡が青白く浮かんでいる。湿った鏡面が、洗濯機の上に置いた洗剤ボトルの影を、ゆがめて書き写していた。映りこむ空間は、暗がりのなかでぼんやりと白み、湯気の名残がまだレンズをくもらせている。俺は、息を詰めて、ピントを少しだけ望遠側へ引き寄せた。洗濯機の縁にたまった水滴がひとつ、ゆっくりと伝い落ち、タイルの目地を暗く濡らす。その細い水筋が、さっきまでの夢愛の行為と重なって、視界の奥でどろりと溶けだした。

そのとき、部屋のカメラのほうで、何かが動いた。

俺は、すかさず画角を切り替えた。夢愛がカメラ越しに、まるで父の存在を確信しているかのように立ち上がり、自分のTシャツの裾を摘んでいる。ノートパソコンの光が俺の頬を下から照らし、口の端が意図せず歪むのが、黒い画面の端で見えた。

「章紀パパ、また、パソコンの前でしょ。そこ、きっと背中が丸まってるよ」

少女は、カメラに背を向けながら言った。マイクを通した声は、少しだけ事務的で、白い項に掛かる黒髪が、動きのたびに産毛のあたりを揺らすのが見える。その産毛までも、高解像度の赤外線画質が、細かな霧のように浮き彫りにしていた。俺は、手元のタッチパネルを操作し、画質をさらに高解像度へ切り替える。すると、襟足から背中へ続く汗ばんだ肌の質感が、ぬっと近づいて、特に脇腹のあたりに浮いた、うっすらと白い塩の線が、彼女の年齢よりもずっと濃厚な肉体の営みを思わせた。

「……わかってるなら、こっちに来てもいい。覗いてるだけじゃ、まだ足りないんだ」

俺は、声を潜めて答える。この会話も、カメラが拾っている。いや、拾わせている。俺は彼女に、モニタ越しの覗きを意識させたまま語りかけることで、内緒の灯を太くしていく。パソコンの前で義父が義娘を覗き、義娘は義父に覗かれていると知りながら部屋着を脱ぐ。その背信の構造そのものが、我が家のもう一つの四角い夕餉になる。俺は、奥歯の間にくぐもった息を噛み殺しながら、タッチパッドの上を指先がゆっくり往復させるのを止められなかった。

「今度は、お義父さんが、ゆあの部屋に来る番。あのさ、足音、ママに聞こえないように来て。……私、待ってるから。約束」

夢愛は、スカートの形をした短い部屋着を脱ぐと、鏡の前に置かれたカゴへ放った。肩甲骨が、なだらかな蝶の羽根のように動き、背中には、学校で着た体操服の汗が、すでに乾燥して白く浮いている。彼女は、膝下でくしゃりと弛んだ白いソックスを、片足のかかとでもう一方の爪先で器用に脱ぎ、これを無造作に床へ落とす。レンズは、踊るようなその爪先の動きを、飽きることなく追いかけた。彼女が空気椅子から降りるみたいな恰好で片尻をシーツにのせ、両手を後ろへついて軽く胸を反らせる。薄暗い常夜灯だけの部屋には、彼女の呼吸が、ほんの少し早まって響き始めていた。

俺は、すぐに立ち上がらなかった。立ち上がる前に、今夜、ここに来るまでを、映像で確かめておきたかった。俺は、今夜のライブとは別に、先ほどこの部屋で記録された映像を少しだけ巻き戻して再生した。夢愛は、夕食のあと、一度ベッドの上に腹這いになり、自分の枕に顔を埋めていた。そのとき、彼女の右手が、するりと体の下へ入っていく。スカートの下。映像では、布のなかに手の形がうごめき、太腿がぎゅっと閉じられるのが見えた。小刻みに強張る尻の筋肉。うつ伏せのまま、彼女は腰を落とし、布団の上に擦りつけるようにして、小さなうめき声を噛み殺していた。そのあまりにも私的な動きが、三十分後の俺を待っているのだと思うと、俺の腹の底で、別の生き物が胃の裏を蹴り上げるみたいだった。

俺は、さらに、録画をぱらぱらと操りながら、先ほど俺自身が見ていたライブ映像のある瞬間を再生した。この画面を通して、彼女は俺を手招いている。その唇は、マイクの音を介して、耳元で舌を這わすように「今夜も、来てよ」と、さっきの囁きを再生する。イヤホンの奥で、夢愛の息遣いと、何かがこすれる軽い布擦れの音が絡まり合い、そこに母の台所の水音が遠く混じる。俺は、うっすらと目を閉じ、鼻腔に、台所から流れてくる醤油の焦げる匂いと、画面のなかの義娘の汗ばんだ肌の匂いを想像した。

俺はようやく映像を最小化すると、機械自体の低い唸りだけが自室に充ちるのを確かめた。立ち上がる直前に、もういちどだけ、脱衣所のライブ映像を背面の小ウィンドウで確認する。画面の端で、小さな緑色のLEDが、規則正しく明滅している。あれは、カメラが動いている印。俺の背徳の、静かな灯。壁の向こうでは、綾香が茶碗を重ねる音がしていた。水を閉じ、布巾で皿を拭く、しゅっ、という繊維の音。折り重なった食器のぶつかる、かちり、という硬質な音が、家に充ちる湿った夜気に一粒ずつ吸い込まれていく。

俺は、いったん椅子の背に手を置き、ゆっくり腰を浮かせた。淡い光を放つパソコン画面は、つけっぱなしだ。あの緑の明滅と同じように、この部屋もまた、暗がりのなかで点っている。爆音にも似た静寂を、網戸をすり抜けてくる風が、ところどころで攪拌した。庭の茂みでは、しきりに虫が鳴いていて、草いきれと土の匂いが、汗ばんだ首筋へまとわりついてくる。まるで、七月の田舎道みたいだ。

ヨーグルトの酸味のような、だがもっと饐えた、あの子の部屋着の芯から立つ匂いが、すでに自室の空気を目覚めさせていた。洗剤と、汗と、かすかな酸味臭。それは、どんな花の香りよりも、俺の脳を蕩かした。鼻腔の裏で、咽喉の奥で、匂いがとぐろを巻く。酸っぱく、甘い、微かに土のようでもある、生きている少女の匂い。俺の嗅覚は、もうこの香りを、暗い場所の湿気と共に記憶し始めている。

俺の家は、この三ヶ月で完成された。秘密が秘密を呼び、欲望が沈黙のなかで実を結び、誰も壊そうとしないまま、形は幸福の家を保っている。義父と義娘。母と担任。盗撮する夫と、自慰する妻。そのどこにも、もう、破綻はない。破綻を正義と見なす外部の眼だけが、この家を「恐ろしい」と呼ぶだろう。

だが、家の内側で、俺の指は温かく、夢愛の身体はあの日より、なお柔い。綾香の笑顔は、斗夜の影を纏いながら、まだ、俺の帰りを待っている。それでいい。これでいい。そう呟きながら、俺は、汗ばんだ足裏をぬくぬくと湿らせるスリッパの感触に、膝裏までじんわりと力を抜いていた。

脱衣所では、今日も鏡が曇ったまま、カメラのレンズに家庭の全貌を焼き付けている。

俺は、自室の襖を音もなく閉めると、薄暗い廊下へ、そっと足を落とした。足音は、心臓の音より静かだった。耳の奥では、娘の、あの先ほどの映像で聴いた自慰の吐息が、鼓動に代わって内部を打っていた。窓の外では、北国の短い夏の夜が、猥声のように、草いきれに充ちて膨らんでいる。

夢愛の部屋の前に立ち、俺は、まだ扉を開けない。指先を、冷たい取っ手に触れさせたまま、少しだけ息を殺した。蛍光灯を消した廊下は暗く、壁紙に染みこんだ夕餉の匂いが、俺の吐息に混じって、ゆっくりと肺へ沈んでいく。あの小さな部屋の向こうで、夢愛が今どんな格好で待っているのか。俺はそれを知っている。知っていて、なお、ドアの木目の膨らみを、閉じた瞼の裏でなぞり続けるのだった。

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読み終えたあとの余韻に。

OVA 夏妻 #2 を FANZA で見る →
登場人物
  • 木村章紀 きむら あきのり
    男性 ・ 52

    外見: 短く整えた黒髪に白髪が混じる、濃い茶色の瞳、中肉中背で年齢相応のたるみと硬い筋肉が混在する体格。服装: 無地の紺カーディガンやスーツを隙なく着こなす清潔な教師然とした装い。物腰は柔らかいが、時折いやらしい目つきで少女を見つめる癖がある。普段は温和で丁寧な教師を演じる一方、内面は狡猾で自己中心的。ロリコンで盗撮や覗きが好き。欲深く危険を顧みない行動力を持つ。大人の女性も好きだが童顔の女性に強く惹かれる。

  • 木村綾香 きむら あやか
    女性 ・ 42

    外見: 童顔で20代後半に見えるショートカットの黒髪、大きな茶色の瞳、小柄で華奢だが豊満な胸を隠しきれない体つき。服装: きっちりしたパンプスとスーツや清楚なカーディガンを好み、歩くたびに髪が揺れる軽やかな印象。表向きはしっかり者で明るい教師だが、内面は巨根好きでショタコン。教え子の小さな男の子に欲情する倒錯性を抱える。性欲には素直で、夫の巨根に簡単に陥落した。

  • 木村夢愛 きむら ゆあ
    女性 ・ 10

    外見: 活発なショートボブの黒髪、大きく濡れたような茶色の瞳、健康的な日焼けが似合う美少女。一見あどけないが、胸のふくらみと腰のくびれが目立ち始め、同級生より大人びた色気を漂わせる。服装: スポーティなTシャツと短パンを好み、素足にスニーカーを履くことが多い。一見明るく活発な普通の少女だが、祖父からの性的虐待により強迫的性行動症を抱える。加齢臭で濡れる身体になり、アナルセックス経験済み。義父には興味がなく覗かれるのを嫌うが、次第に歪んだ関係にのめり込む。

  • 太田斗夜 おおた とうや
    男性 ・ 9

    外見: 柔らかく癖のある栗色の髪、大きな黒い瞳に長いまつげ、小柄で華奢な体つきの幼さを残す可憐な少年。白い肌は体育の時間に目立ち、女の子と見紛う顔立ち。服装: 少し大きめの体操服や淡い色合いの私服を好む。おとなしく恥ずかしがり屋で、大人の女性にどきどきする。まだ性に目覚めたばかりで、綾香先生に憧れに似た感情を抱いている。小さな包茎ペニスを持つ。

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