第2章: 理性の柵、欲望の棘

第2章: 理性の柵、欲望の棘
引き裂かれた薄手のカットソーと、ショートパンツの破片が、まるで失われた潔白の証明品のように床に散らばる。
背中に食い込むリビングのカーペットの、粗い化学繊維の感触。
男たちの体から放たれる、汗と安物のタバコ、そして生々しい男の匂いが混じり合った粘膜を犯すような空気が、冬美の意識を異常なまでに研ぎ澄ませていた。
--どうして……こんなことに……
恐怖で硬直した体は、まるで糸で切り取られた人形のように、指一本動かせない。
三人の視線――獲物を品定めし、その価値を測るような、飢えた獣の眼差しが、色白で豊満な彼女の肉体を惜しげもなく舐め回す。
空気が粘つき、息苦しいほどの欲望の密度に、冬美はただ小さく震えることしかできなかった。
まず動いたのは、武闘派らしい屈強な体つきをした鉄也だった。
彼は無言で冬美の足元に蹲り、太くて短い、指先がゴツゴツとザラついた手を、彼女の太ももに這わせる。
--汚い……触らないで……
その触れただけで、嫌悪感で背筋に鳥肌が立つのがわかった。
だが、鉄也はそんな彼女の反応を意にも介さず、無防備に開いた彼女の腿の間へと、指を滑らせていく。
そして、何の前触れもなく、太い指が二本、彼女の最も秘められた、湿りを帯びた裂け目に、ねじ込まれるように無理やり押し入れられた。
「くちゅっ……」
あまりに恥ずかしく、汚らしい水音が、静寂の中に不気味に響き渡る。
自分の身体から発せられた音だとは信じられない、卑劣で卑猥な響きだった。
冬美の理性が、その音と共に軋みを上げ、砕け始める。
指先が内部で無造作に動き、膣壁をこすり上げるたびに、背筋を走るのは純粋な嫌悪感だけではなかった。
--こんな……知らない感覚が……
くすぶる火種のように、彼女の身体の奥底から、恐ろしいほどの快楽が芽生えようとしていることに、冬美は純粋な恐怖を感じた。
「ほう、見てみろよ。こいつ、もうこんなに濡れとるんだぜ。体は正直だな、アイツも楽しんでるくせに」
リーダー格の竜二が、下品に笑いながら言った。
彼の鋭い目が冬美の濡れた瞳を捉え、その羞恥に染まった表情を愉しむかのように、ゆっくりと舌なめずりをした。
彼は鉄也の隣に膝をつくと、冬美の髪を乱暴に掴み、無理やり顔を持ち上げた。
そして、自らのズボンから顔を出させた、醜くまで勃起した肉棒を、彼女の唇に押し付けた。
「開けろ。言うこと聞かねえと、こいつでその可愛い顔をぶっ壊すぞ」
その言葉に、冬美は抵抗する気力さえ失い、歯を食いしばる唇を、わずかに開いた。
その隙を竜二は見逃さない。
硬くて熱い肉の塊が、彼女の口内にずぶりと押し込まれてくる。
舌を押しのけ、喉の奥まで突き上げられるような強烈な圧迫感に、冬美はむせび泣いた。
塩辛い予熱と、男の生々しい匂いが鼻腔を満たし、嫌悪と屈辱で涙が溢れ出す。
だが、口内を犯される屈辱の中、鉄也の指が彼女の膣内で蠢くたびに、からだの中心から耐え難い熱りが立ち上っていくのはどうしようもなかった。
唾液と、自分でも気づかぬうちに溢れ出した愛液が混じり合い、口の中はとろとろの淫靡な液体で満たされていく。
「んっ……ぐっ……はぁっ……」
抑えきれず漏れる声は、もはや悲鳴ではなく、甘えた嬌声に聞こえていた。
その自分の声に、冬美は絶望した。
身体が、心とは全く別の欲望に目覚めつつあるのだ。
竜二はその変化を見抜いたか、腰の動きを荒くし、冬美の口を自らの膣のように責め立てた。
その傍らで、健司がスマートフォンを構え、彼女の堕ちていく様を冷徹なレンズに収めている。
その無機質な光が、冬美の涙に濡れた頬を无情に照らし出していた。
やがて竜二は口から抜けると、今度は自らが冬美の両足の間に割って入った。
鉄也の指が抜けた後、ぬくぬくと疼き続ける膣穴に、彼女は恐怖と、それと等しい大きさの期待を感じていた自分に気づき、目を覆いたくなった。
竜二は彼女の顔を覗き込むと、悪魔のような笑みを浮かべて言った。
「ふん、いい顔してるじゃねえか。ずっと待ってたんだろ?これから、俺がお前を本物の女にしてやる」
その言葉と同時に、竜二の巨大な肉棒が、冬美の濡れきった膣唇をこじ開け、ずぶずぶと、内部へと深く沈み込んでいった。
「ぬるっ……」
けだるい、淫靡な音。
それは、彼女の受け入れ態勢が既に整っていたことを証明するかのようだった。
熱すぎる、鉄の塊が彼女の身体の芯まで貫通するような感覚。
それは痛みではなく、頭を真っ白にするほどの快楽の奔流だった。
「ひゃあっ!んんんっ!ああああっ!」
自分でも信じられないような、蕩けきった声が、冬美の喉から迸った。
理性の柵は、その一撃で木っ端微塵に打ち砕かれた。
膣内がびくびくと痙攣し、襲い来る快感に抗うことなどできなかった。
竜二の腰が激しく動き、そのたびに彼女の体は舟のように揺さぶられる。
乳首が硬く立ち、全身の皮膚が快感で震える。
彼女の瞳から映るのは、天井の白いシミだけではなく、自分でも理解できないほどの快楽に蕩けきった、自分自身の醜い姿だった。
男たちの下品な嘲笑と、健司のスマホが発する無機質なシャッター音だけが、冬美が完全に欲望の奴隷と化した証人となって、リビングに響いていた。
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