あなたの体温、彼の記憶

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第3章: 罪悪と渇き、止まらぬ裏切り

第3章のシーン

健輔が実家に帰省してから、朋美の部屋は異様な静けさに沈み込んでいた。

夏の終わりの、粘つくような湿気を含んだ風がカーテンの隙間から忍び込み、肌に不快な膜を張る。

いつもなら二人で笑い声を響かせたソファが、ぽつんと虚しく浮かび上がって見える。

彼の不在は、朋美の心にぽっかりと空いた穴だった。

その穴は、健輔への罪悪感と、名前のつかない熱い渇きで、じわじわと満たされていく。

健輔との電話は、いつも短く、息苦しいものになる。

「うん、元気だよ」

彼の心配そうな声に平気を装うたび、合宿の夜、不和先輩のズボンの下に触れたあの信じがたいほどの熱と硬さが、幻のように指先に蘇るのだ。

あの野性的な匂いまでもが。

お盆の空が燃えるように橙色に染まる午後。

テニスコートの地面から立ち上る熱気は、まだまだ肌を焼くように熱い。

ボールを打ち返すたびに、汗の粒が朋美の額から顎へと伝い、キャミソールの胸元は汗で濡れて、肌に張り付いて冷たい。

そんな彼女の姿を、不和先輩がネットの向こう側で、ただならぬ眼差しで見つめている。

彼の無造作にくしゃっとさせた明るい茶髪が、西日を浴びてキラキラと金色に輝き、テニスで鍛えられた長い手足が、無駄なく美しいアーチを描く。

健輔にはない、野性的でさえある大人の男の匂いが、風に乗って微かに届く。

そのたびに、朋美の心臓は小さく跳ね上がるのを我慢できなかった。

下腹部に、じわりと熱がこみ上げてくるのを感じていた。

練習が終わり、二人でコートを後にすると、不和がふっと息を弾ませながら言った。

「浅香さん、今日のプレイ、見てて気持ちよかった。さすがだよ、普段からちゃんとやってるって感じ」

「そ、そんな…全然。先輩に比べたら、まだまだです」

「いや、そんなことないよ。あのね、悪いんだけど、ご飯くらい一緒にどうかな?」

その誘いに、朋美の喉がカラリと乾くのがわかった。

逃げるべきだと頭ではわかっている。

このまま彼と一緒にいたら、もう健輔のもとへは戻れないかもしれない。

でも、足は凍りついたように動かない。

むしろ、心の奥底から、もっと危険で暗い場所へと引きずり込んでくれるような、甘い誘惑を求める声が響いていた。

朋美はぐっと唇を噛み、勇気を振り絞って、彼の視線を真っ直ぐに見返した。

「あの、ごめんなさい。実は…私、先輩のおうちで、鍋でも作ってお返ししたいなって…。もし、迷惑じゃなかったら」

不和の目が、驚きと明確な喜びで瞬いた。

彼は少し照れくさそうに、しかし確かに頷いた。

「ぜひ、お願いします。すごく嬉しいです」

不和の部屋は、朋美が想像していたよりずっと清潔で、洗剤のようなさわやかな香りがしていた。

一人暮らしの男の部屋とは思えないほど整理整頓されていて、ソファの上にはテニスの専門誌が几帳面に重ねてある。

そんな彼の日常が垣間見えるだけで、胸がドキドキしてしまう。

スーパーで買ってきた具材を鍋に入れ、湯気が立ち上るのを待つ間、二人は缶酎ハイを飲んだ。

アルコールが回り始めたせいか、朋美の体は火照り、言葉が少しずつ弾んでいった。

「ねえ、先輩。合宿の時のこと、覚えてます?」

「ええ、あの王権ゲームですか?…浅香さんには、酷なことになってしまって。本当にごめんなさい」

「ううん、そんな…。私、別に…。ただ、あの時…先輩の、股間が…」

言葉が詰まる。

酔いに任せて、口から出てしまった言葉に、頬がカッと熱くなる。

不和は黙って、彼女を見つめている。

その丁寧な瞳の奥に、何か深く、濁ったものが揺らめいているのが見えた。

「…すごく、大きくて…。びっくりしちゃって。それから、ずっと…気になってたの」

朋美は自分でも信じられないような、震えた声でそう言った。

そして、もう後戻りできないと悟った瞬間、彼女は立ち上がり、不和の前に膝をついた。

ぐっと頭を下げ、震える声で懇願した。

「…ちょっと、だけでもいいから…見せてください。お願いします…」

「浅香さん…!そんな、ダメですよ…」

不和は慌てて彼女を制しようとするが、その手は力なく、朋美の肩に置かれるだけだった。

彼の瞳は、戸惑いと、それ以上の欲望で濁っていた。

朋美はその迷いを突くように、彼のズボンのベルトに指をかけた。

カチャリ、と小さな金属音が響き、彼女はゆっくりと、ジッパーを下ろしていく。

抵抗する彼の腰を、必死に押さえつけながら、ついにその中から、あの夜の怪物を解放した。

布地を穿って現れたのは、朋美の記憶よりもさらに、圧倒的に雄々しい性器だった。

青黒い血管が浮き出た、太い幹は、彼女の顔のすぐ前にうねり、先端からは透明な粘液がぬめりと垂れている。

生々しい、男の匂いが鼻腔を突き、朋美はぐっと息を呑んだ。

理性はもうどこにもなかった。

彼女はおもわず、その熱い肉塊を両手で包み込み、ぬるりと濡れた先端を、自らの唇に押し付けた。

「んっ…!」

甘塩い味が舌に広がる。

その感触に、朋美の膣内がぐっと濡れるのがわかった。

彼女は罪悪感に打ちひしがれながらも、舌を器用に動かし、その巨根を喉の奥まで受け入れようと頑張った。

くちゅっ、じゅるる、と下品な音が部屋に響き、それがさらに彼女の羞恥を煽り、昂ぶりを加速させていく。

不和は苦しそうに息を呑み、朋美の髪を優しく撫でながら、小さく呻いていた。

「…浅香さん…やめてください…僕、もう…」

その声は、拒絶するようで、むしろ誘っているように聞こえた。

朋美は口を離し、ぬめりに濡れた唇で彼の股間にキスをすると、自分の服を乱し始めた。

キャミソールの肩紐をずらし、ブラウスのボタンをはずす。

白く柔らかな乳房が、部屋の明かりに露わになる。

彼女は立ち上がると、ベッドの上に仰向けになり、自らスカートの裾をまくり、濡れたパンツの上から自分の性器を撫でた。

「先輩…もう、ダメなの…。私の中に、入れてください…」

その懇願に、不和の自制心は完全に切れた。

彼は獲物に飛びかかる獣のように、ベッドに覆いかぶさり、朋美のパンツを引き裂くようにして脱がせた。

ぐしょ濡れになった蜜壺が、彼の目の前にぱっくりと開かれる。

彼はそこに顔を埋め、舌をねじ込むようにして舐め上げた。

「ひゃっ…!あ、んんっ…!」

舌が陰核を執拗に弄び、膣内をえぐるように探る。

快感が稲妻のように背骨を駆け上り、朋美の体はビクンビクンと痙攣した。

もう、健輔のことなど考えられない。

この男に犯され、弄ばれ、壊されたい。

その欲望だけが、頭の中を埋め尽くしていた。

充分に濡れそぼった彼女の穴の上に、不和は自らの巨根を押し当てた。

「入れますよ、浅香さん…」

「…はい…お願いします…先輩の全部で…」

ずぶっ、という肉が裂けるような音と共に、灼熱の肉杭が朋美の膣奥へと突き刺さった。

んぐっ…!と息が詰まる。

健輔のそれとは比べ物にならない、圧倒的な太さと長さ。

膣壁が引き裂かれるような痛みと、同時に全身を麻痺させるような快感が襲いかかる。

不和はゆっくりと腰を動かし始めた。

その一振り一振りが、膣の隅々までを抉り、新たな快感の波を作り出す。

「あっ…ああっ!んっ…はぁん…!すごい…先輩の…ぁあっ!」

「浅香さん…中が、すごく締め付けます…気持ちいいです…」

彼の丁寧な声が、淫らな言葉と奇妙に混ざり合い、朋美の羞恥心をさらに燃え上がらせる。

彼女は彼の背にしがみつき、足を彼の腰に絡め、できるだけ深く彼を受け入れようと腰を突き上げる。

ぬちゃっ、ぐちゅぐちゅ、と二人の結合部からは、淫らな音が絶え間なく響き、部屋は濃密な愛液の匂いで満たされていく。

何度か、激しいピストンに耐えきれず、朋美は体を弓なりに反らせて絶頂した。

膣が痙攣し、熱く濃い蜜が噴き出す。

「だめだめっ…イっちゃう…ああああっ!」

しかし、不和は止まらない。

彼女の絶頂を待ってかのように、さらに速く、激しく腰を打ち付ける。

意識が遠のき、頭が真っ白になる。

何度イッたか分からない。

快楽の波が次々と押し寄せ、朋美の体はもはや自分のものではなくなっていた。

ただ、この男の性器に奉仕するための、一つの穴になっていく。

最後に、不和が大きく身を震わせ、朋美の膣奥へと熱い濃いものを放ちたとき、彼女は感謝の気持ちさえ抱きながら、深い、深い闇の中へと沈んでいった。

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この記事を書いた人

AIが紡ぐ大人の官能短編『妄想ノベル』案内人です

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