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六年かけて私好みに調教した元恋人が同僚男に寝取られたので、連休の四日間で玩具と拘束具を使って身体ごと奪い返すまでの記録

不倫/浮気 / 寝取られ(NTR) 全5章 約57分で読了(28,074字) 短編 2026年10月12日

あらすじ

六年かけて処女を奪い、首筋から足指の付け根まで性感帯を仕込み、自分好みの女に仕上げた若菜。その身体が、別の男に抱かれた。連休に彼女から届いた一本の電話が、俺の中で何かを壊した。所有と執着と、復讐の匂いが混ざり合う。

第1章 六年間、私だけの女だった

第1章のシーン

連休初日の朝、俺は窓辺に立って、まだ薄い光を帯びたカーテンの向こうを眺めていた。灰皿の上では、火を点けたばかりの煙草の煙が、まるで俺の昂りを形にしたように細く揺れている。今日、若菜がこの部屋へ来る。六年間、俺の指と舌と欲望で作り上げた身体を、他人に触らせた女が。チャイムが鳴るまでの時間が、やけにゆっくり流れていく。手のひらには薄く汗が滲み、指先がわずかに冷たかった。この四日間で、彼女の身体にこびりついた余計な記憶を全部剥がしてやる。そう考えると、胸の奥が静かに、しかし確かな熱で焼け始めた。目を閉じる。六年前の春、まだ肌寒い夜だった。

若菜の部屋の安っぽいベッドの上で、俺は彼女の処女を奪った。二十歳になったばかりの身体は白くて細くて、男を知らないということがそのまま皮膚の張りになって表れているようだった。身長は百五十三センチ。胸は八十七のDカップで、腰は五十八、尻は九十。数字にするとただのグラビアみたいだが、実際に抱くと骨盤の張りと太腿の肉づきが妙に淫らで、後ろから見る背中から腰へかけての括れが何度も俺を昂らせた。あの日、若菜は痛いのを我慢するみたいにシーツを握りしめて、泣きそうな目で俺を見上げていた。俺はその顔を覚えている。泣かせたかったわけじゃない。ただ、この身体はこれから俺のものになるのだという実感が、彼女の処女膜を破いたときの手応えと一緒に俺の中へ流れ込んできた。あれから六年。俺は若菜の身体に、俺の指と舌と性器の記憶を何層にも塗り重ねていった。

今思えば、あの頃の若菜は何も知らなすぎた。俺以外の男を知らないということは、比較する物差しそのものを持っていないということで、要するに俺のやることが全て彼女の基準になった。首筋を舐められれば震えるものだと思い込むし、耳の裏に唇を寄せられるだけで息が乱れるものだと信じる。俺が彼女の身体に教え込んだ性感帯は、ざっと数えただけでも数十箇所に及ぶ。耳たぶの裏、鎖骨のくぼみ、脇の下と乳房の境目、手の指の付け根の水かきの部分、足の指の間、膝の裏、それから脇腹の一番細いところを指先でなぞるだけで、若菜は声を殺して背中を反らせた。無理もない。俺が時間をかけて、そう反応するように仕込んだのだから。首筋に舌を這わせると、まるでスイッチを押したみたいに肩が跳ねて、その拍子に甘い声が漏れる。俺はその声が好きだった。自分の手で作り上げた楽器が、俺の指の動きに従って音を出す。その快感に、若菜自身が戸惑いながら溺れていく顔を見るのが好きだった。

乳首が特別敏感だと気づいたのは、付き合って半年が過ぎた頃だ。普通に舐めても吸っても感じてはいたが、ある夜、俺が舌の先で乳首の頂点をちろちろと突付くように刺激したら、若菜は突然背中を大きく仰け反らせて、太腿をぴくぴく痙攣させた。あれは本物の驚きだった。自分でも何が起きたのかわからないという顔で、涙を浮かべた目を俺に向けて、ただ荒い息を吐いていた。その表情がたまらなくよくて、それから俺は事あるごとに彼女の乳首を舌先で転がすようになった。右の乳首は左よりもさらに敏感で、指で摘んで軽く抓るだけで腰が浮く。ブラを外す前から、薄い布の上から乳首の位置を確かめるように親指で押し潰すと、それだけで彼女の膝が内側へ閉じようとした。俺が仕込んだ身体の癖は、全部俺だけが知っている若菜の真実だった。

若菜の体質で最も俺を喜ばせたのは、愛液の量と質だ。普通の女の比ではなかった。前戯を始めてしばらくすると、まだ指を一本入れる前にシーツへ染みが広がる。俺の指を奥まで沈めると、ぐちゅ、ぐちゅ、と水音が立つ。掻き回すたびに透明な液が手のひらを濡らし、手首まで垂れてくる。それだけでも十分いやらしかったが、彼女が絶頂へ近づくにつれて、その液は濁りを帯び始める。白く白濁した愛液が、入り口のあたりに溜まって、溢れて、彼女の尻の穴を伝って肛門の窄まりを濡らした。性器の割れ目から白いものが糸を引いて垂れてくる様は、まるで別のもの——中に出された精液のようにも見えて、俺は彼女が白い液を垂れ流すたびに、自分の所有物に刻印が浮かぶような錯覚に囚われた。白く白濁した愛液が、彼女の太腿の内側を二筋、三筋と伝い落ちていく。あの粘度の高い手応えを覚えている。指に絡みつく液の匂いまで、今でも鼻の奥に残っている気がする。

フェラチオは、六年経っても上手くはならなかった。若菜は八重歯があって、それがどうしても亀頭に当たる。本人は一生懸命なのだが、一生懸命になればなるほど歯を立ててしまって、俺は何度か思わず声を上げた。上手い女のフェラは男を溶かすが、若菜のフェラはむしろ痛みと紙一重で、それが逆に良かったと言えなくもない。健気に俺の股間へ顔を埋めて、舌を伸ばし、先端の割れ目を吸おうとする。痛くてもいいから舐めろと命じると、目を潤ませながら頷いて、舌の裏でカリ首をねちりと這わせる。まだ下手くそな頃の若菜は、俺の陰茎を両手で支えることすら覚束なかった。それでも、仕込めば応える身体だった。俺が手取り足取り教え、カリの縁を舌でなぞる角度、裏筋を舌先で押し上げながら吸う方法を覚えさせた。そのたびに、若菜は恥ずかしそうに俺を見上げた。フェラの最中に見上げる癖は、最初の頃から変わっていない。その従順な視線に、俺は何度も口内で射精した。飲めと命令したら、苦しそうに顔を歪めながら飲み込んだ。今どきの女にしては珍しいほどの純情さが、俺の手の内にずっと転がされていた。

アナルを舐めさせたのも俺が初めてだった。最初はもちろん嫌がった。当たり前だ、他の男を知らない女に、尻の穴を舐めろと命じるんだから。だが若菜は、泣きそうな顔で首を振りながらも、俺の身体を拒むことができない女だった。俺が足を開かせて、彼女の頭をはしたない場所へ押し付けると、恐る恐るといった様子で舌を伸ばしてきた。ぬるりとした唾液が窄まりを往復して、湿った音が立つ。肛門を舐めさせるという行為は、性的な快感だけではなく、彼女の尊厳を俺が支配している証拠として機能した。あの感覚を若菜の身体は覚えているはずだ。恥ずかしさに耳まで赤くしながら、それでも俺に命じられた通りに舌を動かす。俺の命令が彼女の全てになり、彼女の羞恥が俺の優越感を温める。

セックスそのものも、若菜は次第に積極的になっていった。正常位で俺の腰に足を絡め、胎の奥を突かれながら首を反らし、自分から唇を求めてくる。動きが合ってくると、彼女の腰は自然に俺の突き出すリズムへ追従し、時には先回りするように動いた。騎乗位では、最初こそぎこちなかったものの、俺の腰の上で細い身体をうねらせて、胸を揺らしながら自分で快感を拾うようになった。自分の性感帯を一番よく知っているのは、結局この六年間ずっと俺だけだった。若菜自身ですら、自分の身体の全部を知っているわけではなかった。彼女の身体の地図は俺が作ったもので、だからこそ俺は、若菜は俺で完結するはずの女だと信じていた。他の男を知らなかった、余計な情報が何も入っていない、まっさらな身体。それを六年かけて俺の仕様に染め上げるのは、何も難しくなかった。あまりに簡単で、だから今思うと、もっと長く掛けておくべきだったのかもしれない。とか、そういうことを、真夜中の自室で煙草を吸いながら考えるのだ。

目が覚めるみたいに、俺は我に返った。部屋の蛍光灯は点けていない。テーブルの上のスタンドライトだけが、薄い光を放っている。カーペットの上に胡座をかいたまま、俺は手元の灰皿へ煙草を押し付けた。白く立ち上っていた煙が途切れる。時計を見ると、午前一時を回っている。連休初日の八日前、平日の夜。明日も仕事だ。何の変哲もない、四人部屋のアパートの夜。俺は立ち上がり、空になった缶ビールを台所のゴミ袋へ放り込むと、音を立てて流れる水道で手を洗った。指に残っているのは煙草の匂いばかりで、あの女の匂いはもうどこにもない。それでも、記憶の中で若菜の身体は濡れたまま横たわっている。白く白濁した愛液が、内腿を伝い、シーツへ染みて、彼女の尻の下で冷えていく。俺が六年間、指先と言葉と欲望で作り上げた女。他の誰にも触らせたことのない身体。なのに、今はどうだ。若菜の指先を伝う男の体液を想像すると、胸の奥が静かに熱を持った。俺は部屋の明かりを消した。暗闇の中で、過去と同じ服装で笑っていた若菜の残像が、一瞬だけ瞼の裏に浮かんで消えた。

第2章 同僚に告白されて去った女

第2章のシーン

第2章: 同僚に告白されて去った女

別れのきっかけは、本当に些細なことだった。金曜の夜、待ち合わせに二十分遅れた若菜へ、俺がいつも通りの口調で「遅い」と言っただけだ。彼女は謝った。俺はそれで終わりにするつもりだった。なのに翌日から連絡が途絶え、三日目に短いメッセージが一通届いた。会って話したいことがある、と。俺はその文面を何度も読み返した。六年間、音信不通になったことなど一度もない女だった。胸の奥に、冷たい針を一本落とされたような違和感が走る。それでも、まさかと思っていた。思いたかった。

指定されたのは、かつてよく行った駅裏のカフェだった。平日の夜、店は混んでいて、若菜は窓際の二人掛けの席でうつむいていた。髪はいつものように緩く結ばれ、黒目がちな瞳は伏せられて、白いブラウスの襟元から覗く鎖骨のあたりを、俺は無意識に追っていた。彼女は俺の顔を見ようとしなかった。運ばれてきたコーヒーには手をつけず、両手を膝の上で固く結んでいる。その指先が微かに震えているのを見て、俺は来なければよかった、と初めて思った。

「若菜」

「はい」

「顔、上げろよ。何しに来たんだ」

彼女はゆっくりと顔を上げた。瞬きのたびに、睫毛の先が濡れているのがわかった。泣く準備をしてきたのだ、と俺は思った。それは別れる準備に他ならなかった。

「ごめんなさい」

若菜はそう言うと、再び深くうつむいた。俺は黙って彼女の正面の椅子に座り、灰皿を手元へ引き寄せながら、白いブラウスと黒いスカートに包まれた彼女の全身を眺めていた。仕事帰りに待ち合わせた時の、あのいつもの格好。

「何があったか話してみろ。私にもわかるように」

俺が言うと、彼女は何度か躊躇うように息を吸い、そして吐き出した。話し始めた声は、入り口のざわめきに混ざりそうなほど細かった。

「会社で……三年目の人で、私の隣の部署の人です。入社した時から気になっていて、私に彼氏がいるって知りながら、何度も食事に誘われて……断っていたんですけど……」

「断っていたんだな。それで、どうして」

「……言われたんです。貴方には六年も付き合った方がいるのに、私のことを可愛い、と。それで、一人の男の人しか見ないで生き方を決めていいのか、って」

「一人の男しか、って」

俺はその言葉を口の中で転がした。まるで教育のないガキが知恵を絞って女を口説く時の、ありきたりな誘い文句だ。しかし若菜にとっては、それが刺さったのだろう。俺の知らない男の声が、彼女の六年間を揺らした。それが耐え難く腹立たしかったのを覚えている。

「最初は、そんなことない、私は彼一筋です、って断っていました。でも、その人は諦めなくて、私が残業をしていると必ず声をかけてくれて、帰り道に一緒になって、時々はコーヒーに付き合ってしまって……その夜も、いつもみたいに終電近くまで話していて、私、頭が変になっていたと思います。気づいたら、その人と……ホテルに……」

若菜はそこまで言って、言葉を詰まらせた。細い肩が小刻みに震えて、結んだ髪の毛先がゆらゆらと揺れる。俺は何も言わずに、彼女の白い指先が膝の上で爪を食い込ませるのを見ていた。数年ぶりに見る泣き方だった。

「ごめんなさい。私、六年間も貴方に色んなことを教えてもらって、貴方だけが私の全部なのに、どうしてあんなこと……私、どうかしてました。でも、もう取り返しがつかなくて」

「取り返しがつかない、か」

俺は自分の声が、驚くほど平坦に空気へ溶けるのを感じた。沸騰するような怒りはなかった。代わりに、胸の真ん中あたりに丸い石を埋められたような、鈍く重い痛みがあった。六年前から積み上げてきたものが、目の前で音もなく崩れていく。崩したのは他でもない、この女だ。俺が指先まで覚えた女が、俺の知らない男の指で、俺の知らない場所を、俺の知らない時間に開かせた。

「なあ、若菜。お前、俺と会う前にシャワー浴びてきたか?」

「え……」

「男と寝た次の日に、俺へ会いに来たんじゃないのか」

若菜は一瞬息を飲み、それから強い調子で首を振った。違います、今日は会社から直で来ました、と言いかけて、それ以上は喉の奥に押し戻したようだった。根拠などなかった。ただ、彼女の体のどこかに、もう俺の知らない色が混ざっているのだと思うと、そう問わずにはいられなかった。俺の身体は六年間、彼女の匂いを覚えていた。いや、匂いだけじゃない。呼吸の深さも、繋いだ手の温度も、恥ずかしがる時に右の耳たぶから赤くなる癖も、全部だ。

「若菜」

「……はい」

「俺は、お前が自分から言い出すまで待ってたんだ。音信不通の三日間、お前から連絡が来るのをずっと待ってた。お前、今更ここへ来て、ごめんなさいはないだろうが」

彼女は声を詰まらせ、テーブルの上で泣き崩れそうになった。俺は腰を浮かせ、その肩に手を伸ばしかけて、やめた。コーヒーの湯気の奥で、彼女の涙が二粒、三粒とテーブルへ落ちる。鼻をすする音が薄い照明の下へ散った。

「でも、私、やっぱり貴方に黙っているのが辛くて……同僚の人とは、まだ、関係ははっきりしてなくて……」

「話が後出しばかりだな。された事実があるなら、されたとだけ言え。回りくどい言い方をしなくていい」

「されました……。入れられました。彼と、一回だけ……夜に……」

「一回でも、されたんだろうが。何度なら許されるとでも思ってたのか」

「ごめんなさい。私、貴方の女なのに……」

「もう、貴方の女じゃない、か」

俺は一瞬先に、彼女の言葉を奪った。若菜はハッとしたように顔を上げ、潤んだ瞳で俺を見た。その不安そうな視線に、かつて彼女を抱くたびに感じた愛おしさが重なって、胸の裏を削った。だが、口から出る言葉は勝手に俺を裏切った。

「俺が六年かけて築いた物を、お前は一晩で簡単に壊すんだな」

若菜は唇を噛みしめ、首を横に振った。やめてください、そんな言い方しないで、と声にならない声で呟いている。俺はコーヒーを一口飲んだ。冷めきっていた。苦味だけが舌に残って、店の窓には俺と若菜が映っていた。俺の隣に座っていたはずの女は、向かいに座って泣いていた。

「別れよう。お前が言い出せないなら、俺から言ってやる」

「待ってください。私、本当は別れたいかどうかも、わかんなくて……」

「今更迷うなよ。一晩抱かれたんだろう。なら、もう向こうの男のところへ行け。俺のことは気にするな」

「そんな……私、貴方ともう一度、話がしたくて」

「若菜、帰れ。今日はもう遅い」

俺は伝票を掴んで立ち上がった。若菜が何か言っていたが、聞こえない振りをして会計を済ませる。店を出ても、彼女は小走りに後を追ってきた。駅までの夜風が生温く、街灯の下で並んだ影が二つ揺れた。俺は振り返らずに、彼女の方を向かずに、最後にもう一度だけ言った。

「俺の名前、消しておけ。でなきゃ、俺が消す」

それから数か月。季節が冬から春へ移るまでの間、若菜からは一度も連絡がなかった。俺は毎日のように彼女の不在を噛み締めながら、仕事だけをして暮らした。休みのたびに彼女と歩いた公園も、買い物に付き合った雑貨屋も、全部が若菜の形をしていた。指先が、六年間で仕込んだ女の体を覚えたままで、眠るたびに白く白濁した愛液の感触が夢の中へ這い出てきた。

連休の一週間前、携帯が震えた。着信画面に浮かんだ名前を見た瞬間、俺は無意識に親指で通話ボタンを押していた。耳に当てたスピーカーから、何秒かの沈黙の後、久しぶりの声が流れた。

「もしもし。私です。若菜です」

「……知ってる。出てすぐ切ろうと思った」

「ごめんなさい、夜分に。あの、どうしても、一度お会いしたいんです」

受話器越しの若菜の声は、あの日と同じように細く、水に沈む直前の羽のように頼りなかった。俺はベッドの縁に腰かけたまま、脚を組んだ。部屋の灯りは点けていなかった。暗闇の中で通話の光だけが、手元を滲ませる。

「どうした。何を今更」

「わかっています。私から一方的に、あんな形で別れを押し付けて、ごめんなさい。でも、きちんと説明したいんです。どうしてああなったのかを、貴方にだけは……聞いてほしくて」

「説明なんて、今更聞いても仕方ないだろう。今の現実が全てなんだ」

「現実、ですか」

「ああ。今のお前には彼氏がいる。俺が口を挟むことじゃない。説明が欲しいなら、彼氏とデートでもして落ち着けよ」

「待ってください。お願いです。お会いしたいんです。連休の初日にでも……」

俺は黙った。唾を飲み込む音が、自分の耳にだけやけに大きく響いた。逃げなかった。逃げる理由もなかった。俺の頭の片隅では、六年間の記憶がずっと静かに燻っている。このまま終わらせるべきじゃない。そんな声が、暗闇の底から届いていた。

「……いつだって、電話してきたのはお前だな」

「はい。ごめんなさい」

「部屋でいいのか」

「貴方のお部屋ですか」

「他にどこがある。嫌なら来るな」

「……伺います。連休しか時間が取れなくて、勝手でごめんなさい」

「ああ、来いよ。経緯を聞こうかな、もう一回だけ」

通話を終えると、部屋に静寂が戻った。携帯の画面が消え、押し寄せてきた暗さに目を細める。俺は早く息を吐き出した。経緯を聞こう、と。聞いてどうするつもりなのか、自分でもわかっていた。聞くべきは説明ではない。確認だ。六年間、俺だけのものだった女が、どう転がったのかをこの目で見る。そう、わかっていた。

翌日の昼休み、俺は会社のデスクで通販サイトを開いた。検索窓へ打ち込む単語は、一文字ずつ俺の指を熱くした。一番太いバイブ、ローター、ローション、アイマスク、拘束具、拘束テープ、アナルバイブ、イボイボコンドーム。指先が、あの女の最も奥深い肉の記憶を求めている。若菜は俺が女にして教育した女だ。だから最後まで、俺で完結させなければならない。他男へ堕ちた身体ごと、俺の手で一度、全部を洗い直す。道具を選ぶ間、俺の膝の上では、あの白く濁った愛液が垂れ流れていた。

電動歯ブラシを思い出したのは、夜、配送された段ボールを前にしてからだった。交際の後半、若菜はある時、電動歯ブラシを股へ当ててひとりで達してしまったことがある。それ以来、彼女は本番で中々イけなくなった。同じ理屈だ。あの女の身体を、チンポで感じない体に仕立てる。俺の代わりを埋めた男の肉を、ひたすら虚しくさせる体に。誰の指でも、舌でも、性器でも、二度とあの奥のうねりを味わえなくしてやる。俺だけの仕様へ回帰させ、そして壊す。壊すのか、繋ぐのかはわからない。ただ、あいつを放置するという選択肢だけが、今の俺の体から消えている。

段ボールを開けると、黒い拘束具が折り重なっていた。金属の金具が冷たく、指で摘み上げると鎖の音がした。ローションの瓶を振り、ローターのスイッチを押す。ブブブ、と低い振動が掌を這い、歯の根をじわじわと痺れさせる。一番太いバイブは、俺が思っていたよりもずっと無骨だった。先端から根元まで、赤黒い張り型がライトの下で鈍く光る。これが若菜の中へ入る。俺が六年間育ててきた、あの狭く濡れた穴へ。渇きに似たものが腹の底で火を起こした。いや、渇きではない。もっと生々しい、睾丸の裏を握り潰すような、執念に近い何かだった。

俺は休日出勤の代休を二日、連休へ充てることにした。ついでにカレンダーを確認し、初日の朝、若菜が来るまでの手順を頭の中でなぞる。座椅子の位置、カーペットの上へ敷くバスタオル、照明の加減。ホテルでもどこでもない、俺の家で。六年前に初めて抱いた女が、今度は何を言うのか。あの涙で、俺の心はどれだけ動くのか。道具たちを箱へ戻すと、俺はふと若菜の身体に付いていた無数の新しいキスマークを想像した。見たことはない。見せられたこともない。いや、これから見る。あの男が付けたであろう痕が、俺の所有物だった肌を、今どう変えているのかを確かめるのだ。頭の奥で、白く濁った愛液が彼女の内腿を伝い、新品のカーペットへ染み込む。あの液の行き先は、いつだって俺だけのものだったはずだ。

連休初日の朝まで、あと三日ある。俺は部屋の明かりを消す寸前、配送伝票を丁寧に剥がして、段ボールを押し入れの奥へしまった。冷たい視界の端で、日付が変わる。ゴールデンウィーク、五月三日の朝。すべてはあの電話から始まった。そして次に若菜の声を聞くのは、電話越しではなく、初日の朝、部屋のドアを開けてからだ。俺はその扉を少しだけ想像した。鉄の表面を軽く叩く指の音。六年間、呼び続けた女の声。お待たせ、と。いや、今の彼女なら、恐る恐る呼び鈴を押すだろう。

インスタントの味噌汁と昨夜の残りの米を食い、歯を磨いた。アパートの窓から、初夏の気配が流れ込む。祭日の朝の静けさには、世界からひとりだけ置きざりにされたような錯覚がある。冷蔵庫を開け、缶ビールを二本、扉の棚へ並べた。一本はお前の分だ、と、いない女へ向けて呟く。それから、職場から持って帰っていた資料を卓上から片付け、座椅子の座面を叩いて、部屋の空気を確かめた。すべて整っている。待つのは、もうお前だけだ。

窓を開けると、団地の向こうから子供の声がした。遠くでセミが鳴くにはまだ早いが、陽ざしはもう夏の匂いを運んでくる。カーテンの白い裾がふくらみ、部屋の空気を入れ替えた。お前が来るまで、あと数時間。あの女は、どんな顔をして俺の呼び鈴を鳴らすのだろうか。俺の指は、いつの間にか大腿の上で湿っていた。時間ばかりが、過ぎていく。

第3章 連休初日、過去と同じ服装で

第3章のシーン

第3章: 連休初日、過去と同じ服装で

午前十時ちょうどに、呼び鈴が鳴った。俺は台所で手を洗い終えたところだった。水滴のついた指先をタオルで拭きながら、ドアの覗き穴へ目を寄せると、久しぶりの姿が魚眼レンズの向こうで揺れていた。肩下までの暗い栗色の髪を、いつものように緩くひとつに結んでいる。黒目がちの瞳は俯き加減で、右手の人差し指がスニーカーの爪先をつま先立ちにして揺らす、落ち着かない癖。薄いグレーのトレーナーに、色の落ちた青いGパン。上に羽織った白っぽいウインドブレーカーまで、かつてこの部屋へ来るときのままだった。俺は静かに息を吐いて、チェーンを外し、ドアを開けた。

「おはよう」

と、俺が先に声をかけた。

「お、おはようございます。あの、お邪魔します」

若菜は、外で待っていた時間のぶんだけ体温を下げた頬を、うつむき加減のまま密かに持ち上げた。スニーカーを脱ぐ手つきが、六年前より少しだけ他人行儀だ。踵を揃える音も、昔より小さい。廊下から部屋へ上がる一歩に迷いがあって、玄関の框へ掛けた指先が、白く強張っているのが見えた。

「上がって。スリッパ、そこ使って」

「はい」

彼女が上がるのを待って、俺は座椅子を勧めた。カーペットの上に置いた一人用の座椅子を指差すと、若菜は背筋を伸ばしたまま浅く腰を下ろした。俺は向かいの床に、片膝を立てて座る。洗いたての空気の中で、彼女の髪に残るシャンプーの匂いが、ほんの僅かに線を引いた。

「冷蔵庫、ビールあんぞ。飲むなら自分で取れよ」

「あ、結構です。お水があれば……」

「悪いな、氷ないぞ。水道水でよければ出してくる」

「すみません。いただきます」

結局、俺は台所へ立ってコップに水を汲んだ。二人分。彼女が目の前に座っているだけで、六畳間の空気は妙に薄くなる。初夏の陽がレースのカーテンを抜けて、部屋の中央まで届いていた。若菜は膝の上で両手を重ね、指の腹を何度もこすり合わせている。その癖は、言い出しにくい話を抱えている時のものだ。俺は彼女の前にコップを置いて、自分の分を一口飲んだ。水の冷たさが喉を落ちていく。

「時間、大丈夫なのかよ。彼氏に、理由つけて出てきたんだろ」

「……大丈夫です。今日は、帰省する前の片付けだって言ってあります」

「ほう、片付けな。上手いこと言うな」

若菜はぎゅっと唇を結んだ。長い睫毛が何度か持ち上がって、また伏せられる。彼女の膝の上で、重ねた指先に僅かな震えが走るのを見逃さなかった。俺はコップをもう一口飲んで、あえて何も急かさなかった。沈黙の丈が、そのまま彼女の罪悪感を測る物差しになる。

一分ほどして、若菜が顔を上げた。黒目がちの瞳の縁が、うっすらと充血しかけている。泣くつもりで来た女が、入り口だけ我慢している顔だ。

「あの……私、今日はちゃんと、私の口で全部お話しします」

「今更、何を言うかは知らんけどな。まあ、来たんだから話してみろよ」

「はい。……会社に入って、半年くらいの時です。私、隣の部署の人に声をかけられて。最初は本当に、仕事の話だったんです。それが何度か続くうちに、食事に誘われるようになって」

「彼氏がいんのに、よく行ったな」

「行っていません。最初は断ってました。何度も。でも、私が残業で遅くなると、必ず下で待っていて、少しだけって。それで、一回だけ、近くのファミレスに付き合って……その一回が、いけなかったんです」

俺は黙って話の先を待った。若菜は言葉を探すように、天井を見上げ、それから膝の上へ視線を落とす。

「彼氏がいると知ってるのに、諦めない人で。私が断ると、傷ついたような顔をして、それでも次の日には明るく声をかけてきて。私、そういうのに弱くて。ある日、終電を逃して、タクシーで送るからって言われて、それで車に乗ってしまって。走り出してから、家とは違う方向だって気づいたんです」

「ホテルか」

「……はい。抵抗したんです。本当に。私、腕を押さえられて、無理やり連れて行かれて」

「口では何とでも言えるな。で、そこで何された」

若菜の喉が、小さく上下する。薄い皮膚の下で動く喉仏の動きは、六年前に何度も唇で触れた箇所だった。

「……服を、脱がされました。下着も。手で胸を揉まれて、脚を開かされて、私、ずっとやめてくださいって。でも、彼、私が泣いてるのに、余計に興奮したみたいな顔をして……指を、入れられました」

彼女の声が、不意にひっくり返る。鼻声が混じり、次の言葉が途切れ途切れになった。

「私、すごく濡れてて……自分でも嫌で。体が、全然言うことを聞かなくて。いつもは貴方に触られるともっともっと濡れるのに、その時は、なのに、って。頭がおかしくなりそうで。それで、結局、彼の……男の人の、を、私の、中へ……」

そこで言葉が尽きた。若菜の両肩が小刻みに震え、喉がひっく、と鳴る。鼻の奥を啜る音が、初夏の静かな部屋に染みた。

「彼氏に、知られてないんだろ、この話」

俺の声は、思った以上に冷えていた。自分でも驚くほど、温度のない音だった。

「……多分、私が誰かに抱かれたってことは、知ってると思います。でも、その時のことを全部話したのは、貴方が初めてです」

「俺が初めてか。それは光栄だな。他の男に開かれた女が、わざわざ俺に報告しにくるんだから」

「違います。報告じゃありません。謝りに来たんです。六年も大切にしてくれた貴方に、私が裏切ったことを、きちんと謝りたかった」

「謝って済む話かよ」

若菜が顔を上げ、涙をためた目で真っ直ぐに俺を見た。その目は、二十歳で処女を失った夜に俺を見上げた、あの迷いまっすぐな瞳と、かすかに似ていた。似ているからこそ、腹の底がぐらりと揺れた。

「ごめんなさい。私、本当に馬鹿でした。貴方の女なのに」

俺はゆっくりと立ち上がった。脚の痺れを無視して、若菜の正面へ歩み寄る。彼女の肩が緊張で強張り、座椅子の背もたれに寄りかかるように上体を反らす。

「顔を拭けよ。鼻水まで出てるぞ」

「すみません……」

「謝るのが仕事みたいになってんな、お前。そんなに言うなら、俺がどう思ってたか教えてやるか」

若菜が顔を上げる。黒い瞳の縁から、涙が一筋、頬の丸みを伝って顎の先で光った。俺は右膝を床について、彼女の泣き腫れしかけた顔へ近づく。トレーナーの袖口から覗く手首が、細く、頼りなく光っていた。

「俺はな、六年かけてお前を仕上げてきたんだ。最初の夜、痛い痛いって泣いてたお前を、俺の指で覚えさせて、俺の舌で教えて、俺の形にしてきた。全部、お前が俺の女でいるために。お前だってそうだろ。俺以外の男、知らなかったんだから」

「……知らなかった、です。貴方だけが、全部でした」

「それが、たった一晩で、知らん男に指を突っ込まれて、脚を開いて、恥ずかしい声まで聞かれたわけだ。お前のその身体、俺の所有物だと思ってたのにな。俺が触るたび、お前をどうやって濡らすかは、全部俺の専売特許だったはずだ」

「やめてください……そんな言い方……」

「お前が先に、全部話すって決めたんだろ。最後まで聞け。俺は昨日、眠れなかった。お前が来るからだ。来てどうするつもりか、考えてた。朝までな。ビール冷やして、窓開けて、お前が上がりやすいように玄関も片付けた。笑えるだろ」

若菜はまた泣いた。流れる涙を拭おうと、右手の甲を頬に当てた。その手首を、俺の指が捕まえる。

「なあ、若菜。お前、今日ここへ来て、俺に何をしてほしいんだよ」

「聞いてほしい、とだけ……」

「ウソつけ。聞いてほしいだけなら、電話で足りたろ。わざわざ連休初日に、昔と同じカッコしてくる理由はなんだ」

「違います。この服は、たまたまで。動きやすいから着てきただけで」

「たまたま昔と同じ格好して、たまたま昔と同じ男の部屋に来て、たまたま昔みたいに目の前で泣くのか」

若菜の手首が、俺の指の中で細かく震えた。俺はその手首を引いて、彼女の上体をこちらへ傾けさせる。彼女の肩を掴み、抱き寄せた。

「ダメです。離してください」

「離すもんか。話してる途中だろ」

「お願いです。触らないで」

「触るなって言われて素直に退くような男だと思ってたか。六年も舐めてきた身体なんだぞ。今更触るなと言われて、はいそうですかと手を引けるか」

若菜が逃れようと、空いた手で俺の胸を押す。だが、俺が肩へ回していた腕を強くし、彼女の背中を抱き込むと、手首の力を奪われたように小さく声を上げた。汗の混じった石鹸のにおいが、襟元から流れてくる。胸元の膨らみはトレーナーの厚い布を通しても、呼吸のたびに俺の胸骨を軽く圧迫した。

「泥棒猫みたいな男じゃないか。人の女を、泣いて嫌がるのを無理やり口説くとかよ。趣味が悪いにも程がある」

「そんなこと、言わないでください。彼は、悪い人じゃ……」

「へえ、今の彼氏を庇うのか。挿れるだけ挿れといて、お前の男づらでよくここまで来れたもんだな。俺はよ、お前のそういう甘いとこが大嫌いなんだ。誰にでも許しを乞うて、誰にでも脚を開くんだろ」

「ちが……っ、やめて、苦しいです」

若菜が身をよじる。腕の中で身体を捻り、膝を突っ張って逃れようとするたび、二人の体温が擦れ合う。俺は、座椅子を蹴って横へ退かす。背もたれがカーペットの上で弾み、壁に軽く当たった。俺が片手で彼女の両手首をまとめ、カーペットの上に押し倒す。背中が床につく瞬間、彼女の結んだ髪がほどけ、暗い栗色がフローリングの木目に散った。

「やめて、やめてください。触らないで、お願い」

「うるせえ。今更お前の願いなんて聞くか」

若菜が下から、潤んだ瞳で俺を睨み上げる。黒目がちの奥に、初めてはっきりと拒絶の色が灯っていた。唇が震えて、声が掠れる。

「私、もう貴方の女じゃないんです。だから、こんなことされたくない」

「上等だ。じゃあ俺が、お前の身体に覚えさせ直してやる。誰の女なのか、六年分の勘でわかってるだろ。抵抗の力が、もう半分以下になってんぞ」

嘘ではなかった。押さえつけた手首の反発は、最初に比べてもう弱まっている。たぶん無意識だ。彼女の身体は俺の体温を覚えている。呼吸の乱れは、拒絶のそれだけではない。

俺は若菜の首筋に唇を寄せた。汗ばんだ肌の表面を、鼻先がすうっと擦る。途端、彼女の肩がびくん、と揺れた。あの、何度も唇で教え込んだ場所。舌先でなぞるより先に、小柄な身体が浅い痙攣を返す。

「や……っ」

首筋から耳の裏へ、唾液を残すように舌を這わせる。耳たぶを軽く食むと、若菜の指先が、俺のシャツの背中を掴んで離さなくなった。口は「やめて」と言っているのに、身体は追いかけてくる。そのちぐはぐが、六年間かけて刻み込んだ何よりの証明だった。

「誰の女だ、若菜」

彼女は答えない。代わりに、首を横へ振って、なおも逃げたい素振りを見せる。

「答えろ。誰に、ここを舐められて生きてきた」

「ぁ……、やめ、耳は……だめ、ですっ」

「聞いてねえよ。誰の女かって、聞いてんだ」

「お願い、やめてください。私、彼が……わたしには、今の人が……」

その言葉を最後まで言わせず、俺はもう一度首筋へ舌を沈めた。若菜の背中が弓なりに浮いて、甘やかな呼吸が勝手に漏れる。腕の中の身体が、まるで水に沈むみたいに力を失っていくのが、手のひらにありありと伝わった。四年も前の雨の日を思い出す。あの時も、彼女はこうして俺の下で、悲鳴みたいなあえぎを飲み込もうとしていた。

「抵抗しろよ。こんなもんじゃないだろ。他の男に抱かれたなら、そいつのために爪でも立ててみせろ」

俺が耳元でそう囁くと、若菜の身体が一瞬強張り、それから涙の粒を瞼から落として、掠れた息を吐いた。

「ひどい……っ、貴方、やっぱり、鬼だ……んぅ」

首のつけ根に吸い付く。肌が白く跳ね、髪のあいだから汗とも涙ともつかない潮けが滲んだ。数年前まで、何度も付けた場所。彼女の中へ、俺の形を、痕として、もういちど沈めていく。それが、再会して数分後の、今ある全てだった。

第4章 拘束具とバイブ、快楽で上書きする

第4章のシーン

俺は右手を若菜のトレーナーの裾から潜らせた。汗ばんだ肌に指先が触れると、彼女の腹がひくりと震え、逃げようと腰が浮く。その浮き方を、俺の左腕は彼女の肩ごとカーペットへ押さえつけた。薄い布越しに肋骨の形が手のひらへ伝わってくる。六年間、何度も辿った骨格の感触は、微塵も変わっていない。違うのは、俺の指を受け入れるたびに身をよじる角度と、漏れる息に混ざる拒絶の色だけだった。

「ぃや……お願い、そこ……」

若菜の声は掠れ、語尾が唾液に溶けていく。それでも俺の手は止まらなかった。掌を胸の膨らみへ滑らせ、ブラの上から片方の乳房をゆっくりと包む。肉がたわみ、中心の硬くなりはじめた突起が手のひらを圧してくる。俺が親指でブラ越しに乳首を探り、ぐり、と押し潰すと、彼女は息を詰めて首を仰け反らせた。

「だめ……、そんなの、だめです……ぁっ」

「だめで片付くなら、最初から俺を部屋へ入れるなよ」

「ちが、私、あっ……ひぃ……」

若菜の乳房は変わらず掌いっぱいに収まる大きさで、脂肪の下に潜む弾力を保っている。俺はブラのカップをたくし上げるように押しやり、乳首を直に摘まんだ。ねちり、と指の腹で転がすと、彼女は唇を噛み、鼻から抜ける熱い息を漏らした。その吐息が俺の耳元に触れるたび、足の付け根の奥が重く疼く。男の生理とは単純で、泣きながら嫌がる女の乳首を摘まみ上げていると、加虐心と同じぶん、腹の底で肉棒が膨張していくのが分かった。

「服、脱がせろ」

「やめてください……お願い、乱暴に……あっ」

返事より先に、俺はトレーナーの裾を両手で掴み、一気に胸の上まで引き上げた。白い下着のカップがずれて、左の乳首が外気に曝される。薄暗い昼の光を浴びた肌が汗でしっとり光り、鎖骨のくぼみには彼女の熱い体温が溜まっていた。ブラを外そうと背中へ手を回す。若菜は首を振るが、ホックの外し方を知っているのは俺だけではない。パチン、と軽い音がして、黒みがかった栗色の下着がはだけた。現れた左右の乳房は、六年の間に何度も吸い、揉み、口跡を残した場所だ。変わらぬ白さが目の前に揺れる。乳輪は薄く広がり、頂点の突起はもう固く充血して、微かな息に合わせて上下している。

「あ、いや……」

「立ててるぞ。お前の可愛い乳首、久しぶりでも覚えてるな。俺だけが集中して可愛がってた場所だ」

「そんな言い方、しないでください……」

若菜の頬が燃えるように赤く染まり、目尻に浮かんだ涙がこめかみへ流れる。俺は黙って右の乳房へ唇を寄せ、舌先で乳首を突付いた。何度も、軽く、啄むように。

「ひゃ、あぁッ……! あっ、なに、それ……っ」

途端に、彼女の背中がカーペットから浮き上がる。舌先が触れるたび、尿道のあたりまで快楽の線が走るのか、太腿が痙攣したみたいに跳ねる。俺は六年前、この乳首だけで彼女が達することを知った。今も同じだ。乳首を舌先で転がされるたび、彼女は腰をくねらせ、足の指を丸めて敷物を掻く。その反応を見せられて、黙って服を脱がせない男がどこにいる。

「もう、それだけで声出てるじゃねえか」

「ちが、出てな、あっ、だめ、舌っ……」

若菜が片手で俺の頭を押しのけようとする。手首を捕まえ、そのまま床へ縫い付けた。もう片方の手で二つの乳房を乱暴に掻き混ぜる。ぼよん、と揺れた肉が互いにぶつかり、彼女自身の重みで弾む。指の隙間からこぼれた乳肌が汗でてかり、灯りを照り返していた。

「や……あぅ、胸ばっかり、いじらないで……ぇ」

「どこがいんだ、教えろよ。お前が六年ぶりに俺へされることを、どこまで拒めるか知らねえけど、どの道いずれ全部触る。時間はたっぷりあんだよ」

俺は彼女のGパンの腰ボタンへ手をかけた。若菜は反射的に腹をくの字へ曲げ、両手でジーンズの前を押さえる。涙に濡れた瞳が、下から俺を睨んでいた。断固とした強い光。それを崩すのが、今日の最初の仕事だ。

「開けろ、若菜」

「しません。お願い、これは……本当に、やめて」

「自分から脱がんのと、破るのと、好きな方を言え。俺はどっちでもいい」

「ひどい……こんな、ひどい……」

「今更、言われたくない。六年前に、お前の処女を俺に向かって開いたのはお前自身だぞ。あの日のブラもパンツも、自分から脱いだよな。なあ、逃げるのか。他の男のモンが入ったから、俺の手じゃ届かなくなったってか」

若菜の指の力が、ほんの少し緩む。罪悪が緩めたのだと分かった。俺は遠慮なく、腰のボタンを外し、ジッパーを下ろした。金属の噛む音が、静かな部屋を裂いていく。

「ぃやぁ……」

「腰上げろ」

抵抗する彼女の膝を力で押し広げ、Gパンを足首まで引き下ろす。下着ごと一息に脱がせた。露になった下腹部は白く、腰骨に沿って淡い影が落ちている。紫色のレース地のショーツは既に、中央のひだに薄い湿りの筋を浮かべていた。股間の布地がくすんだ染みを中心から放射状に広げている。視覚的な証拠を見せつけられ、俺の中の苛立ちと興奮が同時に持ち上がる。

「濡れてるな。押し倒されただけの身体が、もうテカらせてる。六年分の教育は、他の男が一日入ったくらいじゃ消えねえってことだ」

「違います……これ、違うの……わたし、やめて、言わないでください……」

若菜が内腿を閉じ、膝をくっつけて恥ずかしさに耐える。その合わせ目から、入り口の肉の色が覗く。俺は片膝を彼女の腰の横へつき、焦らすように太腿の内側を指先で撫で上げる。白い肌が粟立ち、若菜は鼻にかかった声を飲み込んだ。指が鼠蹊部へ触れるか触れないかの距離を往復するたび、腰が小さく跳ねる。

その時だった。視界の端に、見覚えのない赤黒い点が並んでいるのが映る。若菜の胸の谷間、鎖骨から下がったあたりだ。次いで脇腹、骨盤の上のくぼみ。無数の円形の内出血が、彼女のあちこちの肌を汚していた。つい昨日か、一昨日かに作られた、生々しい色味の痕だった。

「この痕、何だ」

俺の声が、腹の底を這う低さに落ちる。

「……え……」

「聞いてる。この身体中に付いてる斑は何だって。俺に今すぐ答えろ」

「きのう……、その、昨日……」

若菜の肩が震え、下唇を噛んだ。黒目がちの瞳に、怯えとは別の、後ろめたさが宿る。

「昨日、寝たのか。あの男と、昨日も」

彼女は答えない。代わりに、一回だけ、深く、静かに頷いた。

「そうかよ。昨日な。俺が今日お前を待ってる間に、お前はその泥棒野郎に脚を開いてもらってたってわけだ」

「ごめん……なさい……っ」

「何度も謝る。お前の口は、ほんと謝ってばっかだな」

俺は彼女の膝を乱暴に開かせ、露にした肌へ手のひらを這わせた。乳房の下、脇腹、腰のくびれ、へその周り。新しいキスマークが無数に咲いている。薄い内出血の輪郭が、あの男の唇の大きさと歯形を伝えているようで、俺の心臓は怒りで嫌な音を立てた。俺が六年かけて純潔に仕立てた肌が、今では他人の唾液と吸引の跡で斑模様だ。怒りのまま、その痕の上へ指を滑らせる。若菜の身体が、ぞくりと震えた。

「痕、消してやる。上書きだ。お前の中入ってるモンも、身体に染み付いた男の匂いも、今日一日で全部塗り替えてやる」

「ぅあ、うそ……も、どうしてこんな……あぁっ!」

俺は彼女の身体をうつ伏せにひっくり返す。背中を片手で押さえ、両手首を背中側で重ねた。予めクローゼットから取り出しておいた革製の拘束具。一昨日の夜、油を拭き取り、金具の具合を確かめた黒い枷。冷たい革が若菜の手首に触れると、彼女の背筋が恐怖に硬直する。

「なに……、それ、やだ……!」

「嫌でしゃがんだら、頭から床に打ち付けるだけだ。見えてねえくせに暴れんな」

「ぁ、ちょ、何するんですか、ねえ……!」

腰のあたりでかちゃり、と音がする。手首を固定した留め具が、らくに動くことを確認して、俺は彼女の後ろ頭へ被せるようにアイマスクを装着した。黒い布が彼女の視界を覆う。人肌で湿った空気の匂いが布越しに艶めかしい。

「見えな、い……っ、外してください、恐い……っ」

「外せねえよ。これから何をされるか全部見えたら、お前、最後まで気を失えるか。目を閉じたほうが楽だろうが」

「おかしい……貴方、今日すごく、こわい……」

アイマスクの下から、涙があふれて小さな耳の穴を濡らす。絹糸のように細い後れ毛が、耳の裏の産毛に張り付いていた。黒い布に浮かぶ鼻の頭と、泣き腫らした唇だけが無防備に戦いている。俺はその唇を指でなぞり、傷つけない程度に、けれど確かな圧力で頬を押さえた。冷たい拘束具の感触が、若菜の肌から熱を吸っていく。

脚が閉じられないよう、足首を交差させてからそれぞれを太腿の外側へ縛り上げる。膝が曲がって股間が背後の俺に向けられ、女の最も深い場所が下着を外されたまま露わになった。カーペットの繊維が肌に食い込んで、快楽になるのか苦しさになるのか、若菜自身にも分からないのだろう。彼女は腰をよじって「無理です」と掠れ声を繰り返す。

「無理じゃない。これから一応、昔のお前を思い出させるだけだ。何も新しいことはしねえよ。俺は初めての夜、お前に、泣き止むまで背中を撫でてやっただろ。あれの、もっと強い版みたいなもんだ」

「うそ……っ」

嘘ではない。撫でる代わりに、これから振動と膨張で彼女の身体を開いていく。それだけの違いだった。

俺は荷物の中から、銀色の小型ローターを取り出した。単三電池を一本入れてから、先端の滑らかな突起を親指で撫でる。みちみちと油膜の匂いがして、金属製の表面が昼の日差しを冷たく弾いた。若菜の白い尻の上へ片手を置くと、びくり、と硬直する。

「始めるぞ、若菜」

「や……やめて……」

彼女が言い切るより前に、スイッチを入れた。ぶうん、という低い音が空気を震わせ、俺の指先から掌へ獣の唸るような振動が伝わる。俺はうつ伏せの背骨に沿って、肩甲骨の窪みへ、振動体を置いた。瞬間、若菜の頭が跳ね上がった。

「ひゃ……あっ! なに、これ……や、子宮に、響いてる……っ」

「そこは背中だよ。肩の真ん中。子宮に響くわけねえだろ」

「そんな……あ、待っ……ぁあッ、やめ、それ、おかしい……!」

ローターの球面を首のつけ根から尾骶骨へ向けて、ゆっくり、一定の圧で滑らせる。背骨の溝に沿わせると、若菜の身体はまるで水をかけられた魚のように跳ねた。首から尻まで、六年間で覚え込ませた感度の網目をなぞる。振動が腱や脂肪へ沈むたび、彼女の口から抑えきれない声が洩れる。

「あ、あっ、しゃ……肩、あっ、背中、だめです、充てないで……ひぃん!」

「いい音だ。背中だけでその声なら、クリに直で当てたらどうなんだ。なあ、楽しみだろ」

「ちが、や、こんなの、あたしじゃな……ひゃうん!」

ローターを腰のくびれでくるくると円を描くように回す。脇腹の一番細い場所は、確か俺が何年も前から弱点として仕上げた箇所のひとつだ。肉薄い皮膚の下を直接快楽が走るらしい。若菜は歯を食いしばり、白いうなじを反らして声を殺そうとした。無駄だ。身体が先に、俺の与える刺激へ白旗を上げている。

「声、我慢してると耳へ逃げるぞ。耳、弱かったな。後で仕込むか。まだ、このくらいで我慢してろ」

「やだ、弱くない、つよくなんてしないで……お願い、許して……ぁんっ!」

ローターの先端を尾骨の窪みへ滑り込ませる。腰全体が痙攣したみたいに持ち上がり、若菜は短く鳴いた。汗が背筋を伝って染みていき、黒い拘束具と白い肌の対比がいやに猥褻だ。俺は彼女の尻肉を鷲づかみにし、左右へ割り開く。閉じた花弁の奥に、既に透明な蜜が糸を引いているのが見えた。

「感じてんだろ。ここ、もうどろどろだぞ。見えねえから教えてやる。お前の割れ目、くぱ、くぱって言いながら俺に開かれてる。肛門まで濡れてきてるわ。昔と変わんねえ、お前は恥ずかしい水をこうやって垂れ流しにする女だった」

「知らない……っ、やだ、言わないで……あたし、濡れてなんか……!」

「検証してやろうか。この水滴、舐めたら甘いか」

「あ、いやっ! やめ、舌……舐めないで、だめ、あぁあッ!」

俺は尾骶骨から股の谷へかけて、振動体を沿わせたままで舌先を入れた。苦い汗の味の中に、女の熟れた蜜の塩気が混ざる。透明な液が溢れていて、俺の顎を汚すほどだった。彼女の体が羞恥で燃え上がり、陰唇がひくひくと戦く。

「お前、背中とケツ弄られて、一人でチアノーゼ起こしそうな顔してる。ここまで水が垂れてる。白濁すんのは、もっと奥か。それはバイブに譲ってやる」

「や、バイブ……、いやぁ……」

「入れてほしいなら、もっと解いてやる。ひさしぶりに、自分から膝を立てられるか? 尻を上げろ。昔みてえに、つき出せよ」

若菜は泣きながら首を振った。肩が荒い呼吸で上下している。震える声が、布の中でこもる。

「できません……わたし、もう、貴方の女じゃ……あっ、ひぃん、やめ、そこ、じかにあてないで……ッ!」

ローターの先端を外陰部にあてがう。肉のひだの上を、ゆっくりと前後に滑らせる。ぬちゅ、ぬちゅ、と蜜を吸って重くなった音がする。陰核の包皮を振動が撫でるたび、若菜の膝ががくがくと笑い、太腿の内側が白く光った。

「あ、や、だめ、だめです、それ、あたし、おかしくなるぅ……!」

「その台詞、昔、電動歯ブラシを初めて舐めた時と一緒だな。あん時、お前ひとりで出してた。そのあと本番でイけなくなった。知ってるだろ」

「ちが、わたし、ちが……あぁっ、く、る……こ、れ、まっ、またぁ……!」

「いいぞ。今日は一日、潰れるまでイかせ続けてやる。抵抗なんかした分、もっと揺さぶってやるから、今のうちに謝るだけ謝ってろ」

陰核の根もとへローターを押し付けながら、俺は空いた指を膣口のくぼみへ入れようとした。指先が触れただけで、若菜は尻を跳ね上げて叫ぶ。中の肉壁が痙攣しているのが分かる。とろとろの蜜が溢れ、耳を澄ませば、彼女の愛液で床が光るまでに時間はかからなかった。

「あ、ひや、や、いやや……こし、でちゃう、腰へんだ……っ」

「出せよ。出しながら、誰の指を締め付けてるか覚えとけ。六年前、お前にはじめて指を一本入れた夜より、今のお前は百倍いやらしい。誰が育てたかは、この勘が何より分かってる」

中指を第二関節まで沈める。熱く溶けた肉の奥が、指を呑みたいとばかりにうねった。抜き差しするたび、ぐちゅぐちゅと水音が高くなる。若菜はもう、首を振るたびに唾液と涙を散らしながら、果てる寸前の声を止められないでいる。

「あ、あぁ……っ、もう、い、きそ……っ、ゆるし、て……おなが……っ、やめ、それどき……!」

「膝を立てろ、若菜。そうしたら、今すぐ奥へ口づけてやる」

体がもぞり、と持ち上がろうとする。拘束された手首に力が入り、背中が浅く反る。太腿を晒した膝が、カーペットを滑りながら持ち上がる。尻の谷が俺の眼前で大きく広がり、ぬらぬらの孔が何かを乞うみたいに、見えない視線を欲しがっていた。

「ほう。やっぱり、お前はそういう女だ。見えなくても、誰に喘がされてるか分からんでも、言われた姿勢は取る。四肢を縛られて、ケツつき出して、まんこもあなるも丸出しだ。お前の彼氏にゃ一生見せらんねえ顔だな」

「ちが、そ……あぅ、わたし、もう……あっ、いま、らめ、指……動いちゃ、いやぁ……ッ!」

「中で動かされてよがってる女が、何が違う。今のお前、まさに俺の元カノなんだよ。俺に調教された牝だ。昨日違う男の下で、こうやって鳴いたか? 教えろ」

「昨日も、あの、ゆび……あっ、だめ、いれないで……こと、され……ひぁッ!」

指を二本へ増やし、乱暴にかき回す。内壁のざらついた襞を引っかくように曲げると、若菜は背を弓なりにして悲鳴を上げた。私の知らない場所へ指が届く。胃のあたりまで指が生えているみたいだ。彼女はきゅう、と喉を鳴らして、閉じない足を震わせる。

「あ、あっ、しんじゃ、死んじゃいます……あぁ、や、らめ、ぬい、て……おねがい、ゆび、ぬいて……!」

「抜いたら、指の代わりに太いもん突っ込む。どっちがいい。お前が選べ。今、ここで、自分の口でねだってみろ」

「できません……そんな……あぁっ! ひど、ゆるして……わたし、もう、ほんとに、へんに……っ」

叫ぶ悲鳴が、途切れるたびに息継ぎの甘さを帯びる。嫌がりながら、腰が浮く。指を引き抜こうとすると、今度は彼女の膣が物足りなさそうに締まり返した。逃げる言葉の最中に、汁を散らして鳴かされる。彼女の中では、快楽が抵抗を喰らい始めている。今この時は、俺の支配欲にとって、六年ぶんの飢えを満たしつつある堕ちかけの女の顔だった。

額を敷物にこすりつけたまま、若菜の唇が微かに動いた。声にならない声が、そのまま彼女の内側へ落ちていく。

(彼を裏切っているのに、身体の奥が熱くてほどけていく。貴方に触れられるのは、いけないことなのに。なのに、六年間この手に馴染まされた場所が、全部、音を立てて起き上がってくる。本当は、貴方に触れてほしかった。ずっと。だけど、それは全部失くしたはずの過去の感情で、今の私には彼がいる。彼が私を求めてくれたのに、それなのに、こんなふうに太腿が震えて、貴方の指を奥へ欲しがってしまう。私の中の私は、こうして感じるたび溶けていく。溶けながら、いけない、と繰り返す。その声さえ、貴方に聞こえてしまう気がして……)

アイマスクの布を捲り上げないよう気をつけながら、俺は彼女の口元へ顔を寄せた。泣き腫らして汗ばんだ顎の先を掴み、唇を重ねる。拒む隙など与えず、舌を割り込ませる。

「ん……む、ぁ、んぅ、や……」

上顎を舐め、唾液を絡ませ、舌を吸い上げる。若菜の肩から一瞬力が抜けた。唇が震えて、官能的な吐息が鼻孔へ流れ込む。中でくわえた指に、彼女の心臓が駆け上がる音が倍増して直に伝わってきた。この女は口づけで、とどめを刺される。

「どうだ。身体は、俺を覚えてる」

「あ、ぁ……こんなの、知らない……わたし、今の、かれし以外、好きになっちゃ……あんッ!」

指を、ぐるりと内壁に添わせたまま陰核を親指で潰す。どちらが先に達したか。若菜の全身が弓なりに浮いて、甲高い声がアイマスクを突き抜けた。絶頂のあえぎが途切れ途切れ、逸らされた喉がぶるぶると震える。膣内が規則的に痙攣し、分泌液を指の根元まで押し出してきた。白く泡立った液が入り口に輪を作り、股の割れ目から溢れ出していく。

「あ……ぁ……っ、いっちゃ……だめ、なのに……おまん、こ、いっ……ぁあっ!」

果汁のように透明だった蜜が、絶頂を出すたびに少しずつ濁りを増す。その粘度の高い乳白色が、若菜の肛門へ流れ落ちる。白濁した愛液が、太腿の付け根を伝い、閉じることのできない膝の内側を濡らした。

「白いの、出てるぞ。得意のやつだな、お前。自分の体液で足までべとべとにして、六年も経ったのに体質は変わらねえ。幸せだよ、喜べ」

「や……見ないで……あたしの、いやらしいとこ、みないで……っ」

「指で掻き出したら、もっと垂れる。今のお前の穴は、誰が喜ばせた? 答えられるよな。お前の性感帯、ぜんぶ一番深いとこまで知ってる男は、世界にひとりだけだ」

絶頂の余韻で跳ねる太腿を、俺は冷水で濡らした布のように冷たい指先で掴み直す。泣いて震える女の喘ぎが、アイマスクの下から甘く零れる。ローターの振動音が、止めた後も空気に残っているようだ。その静寂を破るように、機の上で黒い布袋が口を開けていた。

俺はその袋の口を広げながら、ふと、六年前の夏の部屋を思い出していた。風呂上がりの若菜を足の間に座らせて、新品の振動具を後ろの窄まりへあてがった日。彼女は「そこは汚いとこです」と囁くように言い、それでも俺の膝の上から逃げなかった。処女を散らすよりも前に、後ろを与えてきた女。自分から腰を落として泣き声を噛み殺しながら、俺の指と器具の形を身体の一番卑近な場所へ刻み込んだ女。あの緊張と弛緩のくり返し、力を抜くことを覚えていく呼吸、汗で貼りついた前髪の下で俺を見上げた目。今日まで一度だって変わっていない性根が、あの日からずっと、若菜の肉体の奥に根を張っている。昨日の男が何を知ろうと、この器官を教育したのは俺だけだ。六年前、若菜を女に仕立てたのは、入口ではなくて、この窄い孔からかもしれないとさえ、その時は思った。

袋の奥から、先端の窄まった小型のアナルバイブを手に取る。黒いシリコンの表面は、部屋の光を吸い込んでしっとり艶めいていた。隣に置いてあった無色のローションを手のひらにたっぷりと垂らし、まだ誰にも使われていない器具の棒全体へ、指でゆっくり塗り込んでいく。粘液を含んで武器じみた光沢を増したバイブが、音もなく彼女の一番窄い場所へ向けられた。

「まさか、港の男は腹側しか知らねえんだろ。お前のここは、もともと俺が開拓したんだ。六年放置されて、どれだけ飢えてるか確かめさせろ」

「や……そこ、だめ、お尻は……っ!」

若菜が、突き出した腰を必死に揺らして逃れようとする。俺は左手で彼女の尾骶骨を押さえ、親指で後ろの蕾の周囲をゆっくりと揉んだ。ひくひくと閉じていた窄まりが、白濁した愛液に濡れて艶めかしく光っている。ローションを絡めた先端を、膝が笑うほど震える孔へあてがうと、彼女は短く息を呑んで全身を強張らせた。

「あ……や、待っ……そこ、ほんとに、だめ……ぇ、あ、あぁっ……!」

「力を抜け。昔みてえに、息を吐きながら俺を受け入れろ。ほら、先端が咥えたがってんぞ。お前の肛門が、ひくひく吸い付いてきてる」

「ちが、あたし、吸ってな……ひあっ、はいって、きます……なにか、入ってきます……!」

先端のぬらぬらとした曲面が、きゅう、と窄みへ沈みはじめる。入口の肉襞が指を吸い上げるみたいに食い締め、バイブの頭を締め付けてくる。ろくな動きもできず、若菜は額をカーペットへ擦りつけ、涎を垂らしながら浅い呼吸を繰り返した。腰が勝手に震え、背中に浮いた汗が甘い光を散らす。熱い。身体の奥まで解れている。抵抗しているのは口先だけで、後ろの孔は男が失っていた間も、疼くような飢えを仕舞い込んでいたのだと分かる。

痛みを超えたところで形を覚えるのが、この女の性質だった。小刻みな蠕動が、深く送り込むたびに俺の指まで締め付けてくる。バイブを狭い孔へねじ込んでゆくたび、ずぶりと粘液の乗った低い音がして、若菜は悲鳴とも判別のつかない声で床を掻いた。

「やあぁ……っ、おく、お尻の奥まで、きちゃ……っ、あ、だめ、いま、お腹のなかで、揺れて……るぅ……ッ!」

これ見よがしに指を離す。肛門はもう、根本まで呑み込んだバイブの台座を咥えこんで、桜貝のように赤く膨らみきっている。ひくつく窄まりの縁から、透明な粘液が溢れ、彼女の割れ目を伝って滴った。

「全部入ったな。これで、てめえの身体の前も後ろも俺への土産ってわけだ。昨日の男は、お前のここを知らねえ。だが、今は俺の道具が鎮座してる。あとでスイッチを入れて、腹の側からも女に戻してやるよ」

「じゃあ生殺しも、ここまでだ。次、前をいただく。四つん這いのまま、俺の形に開いた女の顔を鳴かせてやる」

振り返らなくても、その言葉で若菜が肩を跳ねさせたのが気配で分かった。根元まで呑み込まされた異物が、俺の指が離れた後も彼女の内臓を内側から押し上げている。体液でどろりと光る窄まりは、男の恥部をくわえ込んだ唇のようだった。ああ。これはまだ、始まったばかりだ。昼の太陽が窓から差し込み、拘束された女の開かれた股座を、あらゆる液体ごと白く照らしていた。

第5章 抜け殻を前に、何も残らない

第5章のシーン

極太バイブを握りしめたまま、俺は床に膝をついた姿勢で硬直していた。四つん這いにされた若菜の尻が、午後の白い光の中でまだ小さく痙攣している。太腿の内側を伝った白濁した愛液が、カーペットの繊維へゆっくりと染み込み、そこだけ色を濃く変えていた。掌の中のシリコンはひんやりとしていて、ずしりと重い。ローションの瓶はまだ封を切っていない。なのに、俺の指先はぴくりとも動かなかった。

息を吸う。鼻の奥に、彼女の甘い匂いがこびりついていた。汗と、女の熟れた匂いと、昼前に比べてずっと濃くなった蜜の匂い。あれだけ泣いて暴れた女の、一番奥の匂いを、俺は六年間ずっと嗅ぎ続けてきた。なのに今この瞬間、その匂いが遠い場所から届いているような気がした。

時間が、動かなかった。

「……若菜」

呼びかけてみた。返事はない。アイマスクの下から浅い呼吸が漏れるばかりで、口元は半開きのまま、唾液の筋が顎先まで伸びている。

「返事しろ」

俺は言った。声が部屋の壁に跳ね返って、自分へ戻ってくる。若菜の肩が、ほんの僅か震えた。それだけだった。

よく見ると、彼女の呼吸はひどく不規則だった。吸うたびに背中が細かく波打ち、吐くたびに肩から力が抜けて、肋骨のあたりが妙に沈んで見える。生きているのに、呼吸のたびに少しずつ死んでいくような、そんな浅い息の繰り返し。耳を澄ませば、息の先に混じる微かな喉の震えが聞こえた。あえぎでも泣き声でもない、声になる寸前で潰れた空気の音だ。

あれほど動いていた目元も、今はアイマスクの下で少しも動かない。瞼が閉じられているのではなく、瞼ごしでも分かるほど眼球が静止していた。泣き腫らした瞼の膨らみが、呼吸に合わせてゆっくり上下するだけで、視界を遮る布の内側で、彼女は何も見ていない。いや、何かを見ることをやめてしまっている。

バイブを握り直す。ローションを垂らした。粘度のある透明な液が、偽物の亀頭の先から幹を伝って、俺の手首を汚した。先端を若菜の尻の谷へ近づける。彼女の肛門は、白く濁った液で湿っていて、呼吸に合わせてゆっくりと窄まったり、弛んだりしていた。

六年前、初めて彼女の身体を開いた日。あの時のことを思っていた。細くて、強張っていて、涙でぼろぼろになった顔。俺の指を、初めて中へ沈めたとき、彼女は「お願い」とだけ言った。その声は、今も耳の奥に残っている。

今、目の前にいる女は、その日と同じ姿で俺の前へ突き出されている。手足を縛られ、目を塞がれ、声を嗄らして、尻をこちらへ差し出している。もう、何も言わない。否、言えなくなっている。それでも、呼吸だけは続いていて、開いた脚の間から、まだ温かい愛液が細く滴っていた。

「……そうだよ。そこを広げてやるのが、今日の締めだと思ってた」

俺は独り言みたいに呟いた。

「全部上書きして、最後はてめえの、いちばん汚いとこへ、俺の形を教え込む。そうすりゃ、どんな男と寝ても、思い出すだろ。俺のことをよ。そう、思ってたのに」

若菜は、何も答えない。

彼女の何が壊れたのか。俺は、その答えを探すように彼女の背中を見ていた。身体は無事だ。縛った痕は残っているが、骨も折れていなければ、血も流れていない。感じやすい場所も、泣くほど嫌がる場所も、六年前と同じに鳴いていた。なら、壊れたのは身体じゃない。もっと奥、俺の指も肉棒も届かない場所にある、目に見えない何かが、はっきりと折れてしまったのだという感触だけがあった。

バイブの先端を、入り口へ宛てがおうとした。ひくつく窄まりが、冷たい異物の気配に触れて、きゅう、と小さく縮む。それでも、彼女は逃げなかった。いや、逃げる力が残っていないのだ。それなら、押し込むだけでいい。あとは物理の話だ。ローションを足して、窄まりを拡張して、一気にねじ込めば、抵抗のない肉筒が受け入れる。俺があの夜、処女の彼女にしたみたいに。ただ、あの時よりずっと無力な彼女へ。

指先に、バイブの重みがのしかかった。

押し込もうとした。なのに、指に力が入らない。気力の手前で、何かが堰き止める。若菜の背中を見ていた。拘束された両手の先で、指がだらりと垂れている。細い。白い。爪の先まで、俺が何度も口に含んだ指だ。その指の一本一本が、もう、彼女のものではないみたいに見えた。

「……無理だな」

俺は言った。

「今のお前に、何を突っ込んでも、意味がねえ。お前、とっくにどこか行ってるだろ。身体だけ置いて、中身はどこだ。返事ぐらいしろよ」

若菜の唇が、微かに動いた。呼吸の一部みたいな、音にならない声。

「……ご、め……」

それが、やっとのことだった。

俺はバイブを床へ置いた。重いシリコンの塊が、カーペットの上で鈍い音を立てる。ローションまみれの手を、ジーンズの腿で拭いた。どろりと糸を引く冷たい液が、布地に染みて、じきに体温で温くなった。

「切るぞ、拘束、外すから、暴れんな」

声は、思ったより静かだった。

革の留め具を緩める。手首の枷を外すと、回った痕が肌に赤く浮かんでいる。次いで両足の固定を解いた。アイマスクに手をやると、若菜の首が、ほんの僅か身を固くした。

「びっくりしたか。外すだけだ」

布を取り去る。真昼の光が、長く閉ざされていた目の上に降り注いだ。彼女は瞼をきゅっと閉じて、それから、おそるおそる薄目を開けた。黒目がちな瞳は焦点が合わず、天井の方をぼんやり向いている。光に慣れない瞳孔が、ゆっくりと縮んでいった。

その目線は、俺を探さなかった。部屋の中を、あてもなく滑っていくだけで、正面に座る俺の輪郭すら捕まえない。かつて、俺の顔を見つけて安堵した女の目は、今は光を調節するだけの器官に成り果てていた。それが、何よりもはっきりと、彼女の内側が空っぽになったことを物語っていた。

「……若菜。立てるか」

暫くの沈黙が流れた。若菜は、ただ横たわったまま、小さく息をしていた。足先が、時折ぴくりと動く。失神しかけた末梢神経が、まだ痙攣を覚えているようだった。

俺は彼女の身体にタオルを被せた。汚れた部分を隠すとか、優しさとかではなく、あのグロテスクなほど真っ赤に腫れた恥部を、これ以上視界へ入れたくなかった。見れば見るほど、自分が破壊したものが大きくなる気がした。

「無理か。いい、少し、寝ろ」

答えを待たず、カーテンを調節した。午後の陽射しは色を濃く変えて、部屋の床いっぱいに黄色い長方形を敷いている。埃が光の中でゆっくり舞い、彼女の乱れた栗色の髪の先へ、細かな粒子が降り積もっていくようだった。

俺は壁へ背中を預け、座り込んだ。ジーンズの前は、いつの間にかすっかり萎えている。今日一度も達していない。それどころか、風呂場へ連れて行った時から、あの女の虚ろな目を見てからずっと、下半身は眠ったままだった。最初はあれほど腹の底から燃え上がっていたのに、今は、炭の匂いすらしない。

六年間。俺が育てて、俺だけのものだと信じていた身体。その身体を、今日、俺は取り返そうとした。玩具と拘束で縛り上げて、泣くほど感じさせて、何度も果てさせて。そうして、あの男の痕跡を、快楽の記憶ごと上書きしてやるつもりだった。

ところがどうだ。仕上がったのは、返事もできない抜け殻だった。声を嗄らし、端々を腫らし、ほんの数時間前まで「貴方の女じゃない」と抵抗していた女は、今や、身体を丸めたまま黙り込んでいる。泣き声も、あえぎ声も、何もかも失った。

時間だけが、過ぎていった。

壁時計を見る。午後三時を回っている。外では、子供の声が団地の廊下に響いていた。ぼんやりした輪郭だけが耳に届いて、言葉の中身は消える。

どれくらいそうしていたか。夕暮れが近づいて、西日が部屋の奥まで届き、家具の影が長く伸び始めた頃、若菜が身体を起こした。

音もなく上体を起こし、乱れた髪を、ゆっくりと手櫛で整える。長く押さえつけられていた背中が、酷く重そうに見えた。それから、脱ぎ散らかされた自分の服へ目をやり、数秒の間、何も考えていない顔で眺めていた。

俺は声を掛けなかった。時計の音がやるべきことを教えているようで、彼女の一挙手一投足を、煙草も吸わずに追う。若菜は、よろよろと立ち上がり、畳まれた下着を拾った。ブラを背中で留める。以前と同じ手つきなのに、見知らぬ女の背中みたいだった。Gパンを穿いて、トレーナーを被って、ウインドブレーカーを手に取った。

六年前と同じ、スニーカーを履く動作。あの頃は、もっと弾んでいた。今は、靴紐を結ぶ指先が、覚束ない老人みたいだ。薄く開いた唇からは、言葉の代わりに浅い息が断続的に漏れていた。俯いたままの横顔に、西日がべったりと貼りついて、睫毛の影だけが頬へ長く落ちる。彼女の指は靴紐を何度も結び直し、そのたびに、指先の震えが大きくなっていった。

「なあ、若菜」

彼女は靴紐から手を離さない。背中を丸め、目は床へ落ちたまま。

「明日も待ってるからな」

俺は言った。口に出した瞬間、それがどれほど惨めな言葉か分かった。復讐の時間を生き延びた男が、最後に吐く台詞ではなかった。

「今日のことは、誰にも言わなくていい。また来いよ。明日、もう一度、最初から話せばいい。お前が、どうしたいか聞いてやるから」

若菜は、立ち上がった。玄関へ向かって、一歩、二歩。振り返らないまま、ドアノブへ手を掛ける。

「若菜」

ドアが、開く。外の空気が流れ込んで、部屋の生温かい匂いを浚っていく。夕暮れの橙色が、彼女の輪郭を焼いていた。ウインドブレーカーの白が、記憶の中の彼女と同じ形にふわりと浮かぶ。

彼女は、一度振り返った。

虚ろな目が、俺を見ていた。光を飲み込んだだけの、深い茶色。かつて、俺の名前を呼ぶたびに輝いていた、あの黒い光は、どこにも無かった。挨拶も、涙も、嘲笑もない。ただ生き物としての目だけが、沈黙の中から俺を映している。

「……じゃあな」

俺の声に、若菜は答えなかった。無言で顔を戻し、そのまま外へ出る。ドアが閉まる音は、ひどく乾いていた。

部屋に、私だけが残った。いや、俺だけが、取り残された。

床には、ローションの瓶が転がっている。拘束具が、解かれたまま蛇みたいに横たわっていた。白く濁った愛液の染みが、カーペットの上で幾つもの地図を見せている。ついさっきまで、この部屋で女が何度も果てていた。何度も、失神するまで、俺の手で。

なのに、俺の性器は、一向に反応しない。自嘲しても、腹の底は冷えたままだ。復讐は終わった。いや、終わらなかった。復讐は、俺ごと空転して、壁にでもぶつかって砕けた。彼女が帰ってからようやく、それを知った。

六年間かけて仕上げた女を、他の男に奪われまいとして、俺は彼女の身体を縛った。身体だけは、俺の知っている若菜が、思い出したように悦んだ。感じる場所も、啼き声も、果てる時の痙攣まで、何ひとつ変わっていなかった。だから俺は、それで取り返せると思った。

だが、終わってみれば、若菜の声は失われ、目は空っぽになっていた。彼女が身体ごと、どこかへ行った。男の元へ帰ったのではなく、俺の手が届かない、どこか静かな場所へ。

所有と復讐の結果、手元に残ったのは、翌日も待つという、みっともない未練だけだった。

辺りは、もう薄暗い。夕闇が窓を覆い、街灯が、遠くで点訳文字みたいに点々と光り始める。俺は床へ寝転がった。カーペットの、彼女の汗が染みた生乾きの部分が、背中へ湿っていた。天井が、ゆっくりと夜の色に沈む。頭の中で、白く濁った愛液が、まだ彼女の内腿を伝っていた。あの日の、最初に俺の指で開いた夜の映像が、古いフィルムみたいにちらついて、消えない。

明日も待っている。あの女が来なくても、俺は明日、この部屋で待つ。ありったけの午前を、ドアの音を聞きながら。

そうすることが、俺に残された、ただひとつの復讐の続きだった。

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読み終えたあとの余韻に。

OVA 夏妻 #2 を FANZA で見る →
登場人物
  • 浩一 こういち
    男性 ・ 30

    外見: 短く整えた黒髪、濃い茶色の瞳、がっしりした体格、178cm。服装: 仕事はスラックスにワイシャツ、休日は無地のトレーナーとチノパン。所有欲が強く、若菜を自分好みに調教した支配的思考。一方で相手の涙に仏心を出す一面もあり、復讐と未練が同居する。

  • 若菜 わかな
    女性 ・ 28

    外見: 肩下までの暗い栗色の髪を緩く結わえた姿、黒目がちな瞳、細身だが胸と尻に厚みのある体型、153cm。服装: 休日はGパンにスニーカー、トレーナーにウインドブレーカー。素直で流されやすく、六年間他の男を知らずに育ったため主体性が弱い。涙もろく、罪悪感を口にする一方、快楽に抗えず陥落する脆さを持つ。

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