昼下がりの全裸ベランダで配達員の浅田さんに声をかけられ、恐怖と快感で膣がきゅうきゅう締まりながら指を出し入れしてしまった主婦の私
あらすじ
34歳の主婦・優佳は、娘が小学生になり生まれた昼間の空白に、偶然手にしたエロ漫画から自慰へと導かれる。初めは電気を消した寝室での密かな行為だったが、ある初夏の日、リビングのレースカーテンを開けたまま床に座り込み、外の気配を感じながら膣に指を這わせることで、背徳的な開放感に目覚める。窓を全開にし、外気が裸の肌を撫でる感覚に震えながら、自らの愛液のぬめりと指の動きを凝視し、「誰かに見られるかもしれない」という恐怖が膣の収縮を加速させることを知る。陽光が白い裸体を照らす中、彼女の中で何かが決定的に変わり始める。日常と非日常の境界が崩れ、ついに全裸でベランダへと足を踏み出す瞬間までを描く。
第1章 退屈な昼下がり、レースカーテンを開けた瞬間から始まった私の秘密のオナニー
第1章: 退屈な昼下がり、レースカーテンを開けた瞬間から始まった私の秘密のオナニー
あの日、確か五月の半ばだったと思う。朝のうちに美桜を小学校に送り出して、健一もいつも通り七時半には家を出て行った。私は洗濯機を回しながら、なんとなくリビングのソファに腰を下ろして、ため息をついた。
その頃の私には、本当に何もなかったの。三十四歳の主婦の生活って、朝食の片付けと掃除と洗濯と買い物、それから夕飯の支度。それをただ繰り返すだけ。美桜が小さかった頃はそれでも手がかかって賑やかだったのに、小学生になった途端、昼間の時間がぽっかりと空洞みたいに私の前に広がった。
洗濯機がぐるぐると回る低い音。リビングに差し込む午前の光。その光の中で、私はぼんやりと自分の手を見つめていた。この手で何かをしたい。何か、熱くなるようなことが。
きっかけは本当に些細なことだった。美桜が学校の図書室で借りてきた本を、間違えてリビングの本棚に戻していたの。普通の少女漫画だと思って手に取ったら、それが大人向けのレディコミで──たぶん誰かが紛れ込ませたんだと思うけれど──開いたページには、女性が窓辺で裸にされていて、後ろから男の人に抱かれている場面が描かれていた。
私は慌てて閉じた。心臓がどきどきして、誰かに見られたような気がして、思わずリビングの窓を振り返った。もちろん誰もいない。レースカーテンが初夏の風でふわりと膨らむだけ。
なのに、私はその本をもう一度開いてしまった。あの絵の中の女性の表情。恥ずかしそうに眉をひそめているのに、口元はかすかに緩んでいて、どう見ても嫌じゃなさそうなの。窓から誰かに見られるかもしれない状況で、それでも行為を止められない。そんなシチュエーションに、私の中の何かがぎゅっと掴まれた。
その夜、お風呂に入っているとき、つい自分の身体に手が伸びた。胸の先端をそっと指の腹で撫でると、ぷっくりと硬くなって、鏡に映る自分の顔が少し赤らんでいるのが見えた。湯気で曇った鏡の向こうで、私の指はゆっくりと下りていって、お腹を通り過ぎて、その下の茂みに触れた。
〝くちゅ〟
指の腹が湿り気を帯びたそこをなぞると、小さくて粘り気のある音が浴室に響いた。私は息を呑んだ。こんな音、初めて意識した。自分の指が、自分のそこから引き出す音。それをもっと聞きたくて、中指をゆっくりと奥に沈めていった。
〝ぬぷ……くちゅ……〟
温かい粘膜が指を包み込んで、引き抜くときにまた音がする。その音に耳を澄ませながら、私はあの漫画の女性を思い浮かべた。窓辺で、誰かに見られながら、それでもやめられない快感。もし私があれだったら──。
その夜はそれだけで終わった。夫の健一がもうすぐ帰ってくる時間だったから。でも、あれが始まりだったんだと思う。私の中の何かが、少しずつ溶け出していく。そんな予感があった。
それから一週間ほどして、美桜が友達の家に遊びに行った土曜日の午後。健一はゴルフの接待で朝からいなくて、私は一人きりだった。天気が良くて、リビングの窓からは五月の風がカーテンを揺らしていた。
私はあの漫画をもう一度取り出した。いつの間にか、美桜の本棚から抜き取って、リビングのチェストの奥に隠していたの。ページを開くと、同じ場面。窓辺の女性。でも今日は、ただ読むだけじゃ足りなかった。
私はカットソーを脱いで、スカートのホックを外した。下着だけの姿で床に座り込む。心臓が早くなる。家に誰もいないのはわかっているのに、どうしても窓が気になる。レースカーテンが閉まっているから、外からはぼんやりとしか室内が見えないはず。でも、もし誰かが本当に近づいたら、私の裸が透けて見えるかもしれない。
その考えが、私をぞくぞくさせた。
ショーツの上から、ゆっくりと指を押し当てる。布越しに、もう濡れているのが自分でもわかった。私はショーツを膝まで下ろして、両脚を少し開いた。リビングの床に座ったまま、背もたれのない場所で、窓の方を向いて。
右手の人差し指と中指を、ゆっくりと自分の割れ目に這わせた。
〝ぬちゃ……〟
もう濡れていた。さっきからずっと、期待でじっとりと湿っていたそこは、指の腹を受け入れるとすぐに、くちゅ、と音を立てた。私は窓を見つめながら、指を奥に沈めていった。カーテンが風で揺れるたびに、外の光が私の太腿をかすめて光る。
「誰か、見てるかもしれない」
声に出さずに唇だけで呟くと、膣がきゅうっと締まった。いつもより敏感な気がする。指を動かすたびに、ぐちょん、ぬちゃん、と湿った音がして、それが静かなリビングにやけに大きく響いた。
もっと外の気配が欲しくなった。私は立ち上がって、窓に近づいた。カーテン越しに、外の道路が見える。誰かが自転車で通り過ぎる気配。遠くで子供たちの笑い声。それが全部、私の裸を見ているみたいな錯覚をくれた。
レースカーテンを、そっと横に引いた。
ほんの少しだけ。五センチくらい。でも、その隙間から五月の日差しが一直線に差し込んで、私の裸の胸とお腹を白く照らし出した。私はその光の中に立って、もう一度自分のそこに指を沈めた。
〝ぐちょん……ぐちょん……〟
さっきよりもずっと大きな音。窓が少し開いているから、もしかしたら外に漏れているかもしれない。それなのに、指を止められなかった。むしろ、もっと速く動かしたくなった。親指で敏感な場所をぐりぐりと押しながら、中指と人差し指を抜き差しする。
自分の愛液が指を伝って、手のひらまで濡らしていくのがわかる。あの漫画の女性がしていたみたいに、私も腰をくねらせた。窓の外の世界に、自分の裸と行為を晒しているようで、羞恥と興奮が一緒になって身体中を駆け巡った。
もっと光が欲しい。もっと外の空気が欲しい。
気がつくと私は、窓の鍵を回していた。サッシを横に引くと、ざあっという音とともに、外の風が裸の身体に直接触れた。ひんやりとしていて、なのに私の肌は熱く火照っていて、その温度差にぞくぞくした。
「あ……っ」
思わず声が漏れる。まずい、と思って口を押さえたけど、指の動きは止まらなかった。窓を全開にして、レースカーテンだけが私と外の世界を隔てる薄い膜になった。もし風がカーテンを捲り上げたら、私の裸は丸見えになる。一階の道路に面した窓だから、誰かが歩いていたらすぐに気づかれる。
なのに、その恐怖が、膣をきゅうきゅうと締め付けるの。
「見られたいのかな、私……」
自分の口から出た言葉に、自分で驚いた。そんなこと考えたこともなかったのに。でも、身体は正直で、指が膣内でぐちゅぐちゅと音を立てるたびに、もっと晒したい、もっと見せつけたいという衝動が湧き上がってくる。
私はついに、窓枠に手をかけた。風がカーテンを大きく膨らませて、一瞬、外の景色がはっきり見えた。アスファルトの道路と、向かいのマンションの植え込み。誰もいない。今なら。
気がつくと私は、ベランダに続く掃き出し窓の前に立っていた。いつの間にかリビングの窓から移動して、大きなガラス戸の鍵に手をかけている。ここを開ければ、外。本当の外。
鍵を回す音が、やけに大きく響いた。
ガラス戸を横に引くと、外の空気が一気に流れ込んできた。私は裸のまま、裸足のまま、そっとベランダに足を踏み出した。コンクリートの床がひんやりと足の裏に心地良い。五月初旬の日差しが、私の全身を包み込んだ。
誰かに見られるかもしれない。
その思いだけで、私の膣はとろとろに溶けてしまいそうだった。
第2章 全裸でベランダに寝そべり、浅田さんの声が聞こえた時、私は動けずにイってしまった
第2章: 全裸でベランダに寝そべり、浅田さんの声が聞こえた時、私は動けずにイってしまった
あの最初の一歩から、私の日常は音を立てて崩れていった。いえ、崩れたのは私の理性の方で、日常はむしろ、前よりも鮮やかに色づき始めたと言うべきかもしれない。美桜を学校に送り出し、健一の弁当箱を洗い終えると、もう胸の奥がむずむずして、ソファにじっと座っていられなくなる。洗濯機を回す音が、まるで私を急かす合図みたいに響くの。
最初は窓辺に立つだけだった。レースカーテンをほんの少し開けて、外の光を裸の肌に感じながら、指を這わせる。それだけで充分なはずだった。なのに、身体はどんどん貪欲になって、もっと光を、もっと外の空気を、もっと危険なスリルを欲しがるようになった。もしかしたら、誰かに見つかってしまいたいって、心のどこかでずっと願っていたのかもしれない。そんな自分を自覚するたびに、子宮の奥がきゅうっと熱く疼くの。
五月の終わり頃には、もう完全にベランダに出るのが習慣になっていた。午前中の掃除を終えると、まるで決められた日課のようにカットソーを脱ぎ、スカートを足元に落とし、ブラジャーのホックを外す。全身を解放するあの瞬間が、たまらなく好きだった。下着が肌から離れる時の、ひやりとした空気の感触。そしてそのまま裸足で、掃き出し窓を開け放ち、白いコンクリートの床へと踏み出す時の、どうしようもない背徳感。
その日は特に晴れ渡った午後だった。空気は初夏の匂いがして、遠くでカラスが鳴いている。私はバスタオルを一枚持ってベランダに出た。前の晩から、今日はあれをしようと決めていたの。ただ立っているだけじゃなくて、もっと自分の身体を晒したい、もっと太陽に近づきたいって。
私はベランダの中央にバスタオルを広げて、その上にゆっくりと横たわった。コンクリートの硬さがバスタオル越しに背中に伝わってきて、心臓が早鐘を打ち始める。道路に面したベランダは、人が通ればすぐ目の前。それなのに、私は両脚を大きく開いて、膝を立てた。
空を見上げると、青がどこまでも広がっていて、白い雲がゆっくりと流れている。風が生垣の葉を揺らす、さわさわという音。遠くの道路を走る車の音。こんなに開けっ広げな世界の真ん中で、私は全裸で寝そべっている。おかしくなっちゃいそうなくらい、興奮した。
私は自分の身体を見下ろした。五月の日差しが肌の上で溶けて、白く輝いている。胸のふくらみは重力に従って少し横に流れていて、その先端の桜色の蕾は、期待でつんと硬くなっていた。視線を下ろしていくと、お腹の緩やかな曲線、そしてその下の茂み。私は恐る恐る、右手をそこに伸ばした。
指先がまず、茂みの柔らかな感触をなぞる。それから、そっと割れ目に触れると、もうそこは期待に濡れて、しっとりと熱を持っていた。
〝ぬちゃ……〟
人差し指と中指で、花びらを左右にゆっくりと押し開く。外の空気が敏感な粘膜に触れて、ひやりとした感覚が走る。なのに、奥からはとろりとした蜜が溢れてきて、その温度差がたまらなかった。私は自分の指の動きを、じっと見つめた。光の下で、私の愛液に濡れた秘部が、ぐちょりと淫らに輝いている。
〝くちゅ……じゅぷり……〟
二本の指を、ゆっくりと奥へと沈めていく。熱くて柔らかな粘膜が、侵入者を嬉しそうに締め付けるのがわかる。私は片方の手で自分の乳房を握りしめながら、もう片方の指を抜き差しし始めた。目の前のアルミの柵がキラキラと光を反射して、その向こうのアスファルトが陽炎で揺らいでいる。誰かが通りかかったら、一目瞭然なのに。
そんなはずはない、誰も来ない、大丈夫。
頭のどこかで警鐘を鳴らす声と、もっと深く、もっと速く、と命じる獣のような本能がせめぎ合う。怖い。でも、やめられない。怖いからこそ、気持ちいい。私は腰を浮かせて、自分の指を根元まで咥え込んだ。
その時だった。
「水上さーん、お荷物でーす!」
すぐそこから、若くてよく通る声が聞こえた。浅田さんの声だ。心臓を、直接わし掴みされたみたいな衝撃だった。全身の血が一瞬で凍りついて、次に沸騰する。私は全裸で、両脚を開いて、膣に指を入れたままの格好で、石のように固まった。柵の向こう、ほんの数十センチ先の道路に、彼は立っている。
呼吸が止まる。指を引き抜くことさえできない。急に動いたら、却って物音で気づかれてしまうかもしれない。私は彫像のように硬直したまま、ただ自分の心臓の鼓動だけを聞いていた。ドクン、ドクン、ドクン。あまりに大きくて、ベランダ中に響き渡りそう。
「あれ、いらっしゃらないのかな」
浅田さんが小さく呟く声が、やけにくっきりと耳に届く。多分、インターフォンを押したけど応答がなかったから、直接ベランダ越しに声をかけてみたんだ。私は朝からずっと家にいたのに、もうここにしかいられなくて、インターフォンの音なんてまるで覚えていない。どうしよう、今すぐ返事をしなければ、不審に思われる。
でも、今の私の姿を見られたら、それこそ終わりだ。
「水上さーん」
もう一度、彼が呼ぶ。その声には少しの困惑が混じっていて、それが私をさらに追い詰める。頭の中は真っ白なのに、膣だけは愚かなくらい正直だった。恐怖で縮こまるどころか、私の肉壁は最大の緊張の中で、ぎゅうぎゅうと不随意に蠢き、飲み込んだ指を離すまいと締め付けている。
〝くちゅ……〟
ほんのわずかに身じろぎしただけで、蜜に満たされた内部から、小さくて粘り気のある音が漏れてしまう。やめて、今、音を立てちゃだめ。私は唇を噛み締め、声を殺した。心臓が喉から飛び出しそう。頭の血管が切れてしまいそうなほどの緊張感。
その時、浅田さんが一歩、ベランダの柵に近づく気配がした。
「おかしいな。電気はついてるのに」
気配が、すぐそこまで来ている。彼がしゃがみ込んだのか、柵の隙間から、私のバスタオルや、投げ出した足の先が見えるんじゃないか。想像しただけで頭がくらくらした。見つかる。そう思った瞬間、恐怖が閾値を超えて、強烈な電気信号に変わった。背筋を、子宮の奥から駆け上がる、抗いようのない快感の波が襲う。
だめ、今、イっちゃう。
頭ではそう叫んでいるのに、身体は言うことをきかない。私は全神経を膣に集中させ、奥に沈めた指を、ほとんど無意識のうちに曲げ、ぐっ、と内壁のざらついた場所を押し上げた。
〝ぐちゅんっ……!〟
瞬間、世界が真っ白に染まった。視界がスパークして、目の前がぱあっと明るくなる。膣の壁は激しく痙攣し、私の指をきつく締め付けて離さない。愛液が指の隙間から溢れ出し、手のひらを生温かく濡らしていくのがわかる。叫び出しそうな快感を、私は肺の空気を全部吐き出すことで必死に殺した。声にならない声が、喉の奥でひゅうと鳴る。
「あ……っ、ぅ……」
浅田さんの存在を意識したまま、声を押し殺して絶頂する。この上ない背徳感と、誰にも知られてはいけないという極限の恐怖。それがごちゃ混ぜになって、私の膣内をとてつもない力で収縮させ続けた。普通のオナニーとは、比べ物にならない。
どれくらいそうしていただろう。永遠のような数秒間の後、ようやく絶頂の波が引き始め、私は息を吹き返した。全身から力が抜けて、コンクリートの上にぐったりと沈み込む。こわばっていた耳が、再び外の音を拾い始めた。
遠ざかっていく軽トラックのエンジン音。
浅田さんの声は、もう聞こえない。恐る恐る顔を上げると、柵の向こうに彼の姿はなかった。インターフォンにもう一度だけ押して、でも留守だと思って帰ってしまったのかもしれない。
助かった。そう思うと同時に、とんでもない喪失感が私を襲った。私は全裸のまま、どくどくと脈打つ秘部から指を引き抜いた。指は愛液でぐっしょりと濡れていて、糸を引いている。自分の身体なのに、とめどなく溢れてくるそれを、私は呆然と見つめた。
心臓はまだ早鐘を打っている。身体は熱く火照っていて、もう一度あの恐怖を味わいたいと、疼いてやまない。あの日、私は確信した。これはもう、ちょっとした遊びでも、ただのストレス解消でもない。浅田さんの声を、すぐ近くに感じること。見つかるかもしれないという恐怖の中で、膣を締め上げること。それが、私にとって何よりも甘美で、絶対にやめられない麻薬になってしまったんだって。
第3章 下半身裸で待ち伏せ、浅田さんに紐をほどいてもらうふりをして膣内で指を高速出し入れ

第3章: 下半身裸で待ち伏せ、浅田さんに紐をほどいてもらうふりをして膣内で指を高速出し入れ
あの夏は、本当に長かった。六月に入って日差しが強くなり始めると、もうベランダに裸で出るわけにはいかなかった。美桜の保護者会で会うママ友たちが、日焼け止めの話しかしない季節。もし私の身体に不自然な日焼けの跡があったら、どう言い訳すればいいの。「裸でベランダに寝そべってオナニーしてました」なんて言えるわけがない。
だから、夏の間は窓を閉め切って、リビングの床でひっそりと指を動かすだけの日々に逆戻りした。冷房の効いた部屋で、レースカーテンの向こうの蝉時雨を聞きながら、目を閉じて思い出すの。あの五月の日差しの温かさ。コンクリートのひんやりした感触。そして何より、柵のすぐ向こうから聞こえた浅田さんの声。
あの声を思い出すだけで、下着がぐっしょりと濡れた。でも、どんなに指を動かしても、あのベランダでの絶頂には届かない。私はまるで禁断症状のように、毎日窓の外を見つめては、ため息をついていた。
九月に入り、美桜の夏休みが終わって、やっと一人の時間が戻ってきた。朝の空気が少しずつ冷たくなって、蝉の声が秋の虫の音に変わり始めたある日、私は決心したの。もう、あの快感なしでは生きていけない。日焼けが怖いなら、全身を晒さなければいい。そう、下半身だけ裸になればいいんだって。
その日から、私の新しい習慣が始まった。午前中に掃除と洗濯を済ませて、美桜が学校に行っている十一時から二時くらいまでの間。私はまず、上半身はカットソーを着たまま、スカートだけを脱いで、ショーツも膝まで下ろす。窓ガラスに映る自分の姿は、普通の主婦が下半身だけ裸という、滑稽でいて倒錯的な姿だった。でも、そのギャップがたまらなく私を興奮させた。
腰から下がすっぽりと露出しているだけで、外気が敏感な太腿の内側を撫でていく。まだ残暑の厳しい九月の風は、肌にまとわりつくように生温かくて、自分の愛液の匂いがふわりと鼻をかすめる。私は窓枠に手をついて、腰を少し落とし、両脚を肩幅に開いた。この姿勢だけで、もう膣の奥がきゅうっと疼くのがわかる。
十月に入る頃には、もっと計画的になった。浅田さんがいつも来る曜日とだいたいの時間を、私はちゃんとメモしていたの。火曜と木曜の午前十一時前後。それから金曜の午後一時頃。最初は偶然の記録だったけど、それを知った瞬間から、私のネットショッピングは「浅田さんに会うため」のものに変わった。
彼の会社が担当している通販サイトを調べて、火曜の午前に配達されるように注文する。たいしたものじゃなくていい。洗剤の詰め替えとか、美桜の靴下とか、そういう日常の小さな買い物。でも、それが届く日は、朝から心臓が落ち着かなかった。
そして運命の十一月七日、木曜日。私は前の晩から、ある計画を練っていた。クローゼットの奥から、健一がほとんど着ないパジャマのズボンを引っ張り出す。ウエストの紐は最初から結んであったけど、私はそれをほどいて、わざと三回も四回も固く結び直した。指では簡単にほどけないくらい、ぎゅうぎゅうに。
朝、美桜を送り出してから、私はシャワーを浴びて、髪を軽く束ねた。鏡の前で、上半身には薄手のグレーのニットを着て、下は何も履かない。スカートもパンツも、何もかも脱いで、下半身は裸のまま。足元だけは、ベランダに出ても不自然じゃないように、部屋履きのサンダルを履いた。
知ってるわよ、こんなのおかしいって。誰かに見つかったら言い訳できない、完全に変態だって。でもね、その「おかしさ」こそが、私の膣をどろどろに溶かすの。玄関の鏡に映る自分の姿。上はきちんとした主婦なのに、腰から下は素っ裸で、腿の間に茂った陰毛が丸見え。そのギャップに、自分で自分を抱きしめたくなるような倒錯感を覚えた。
私はあらかじめ、リビングの掃き出し窓をほんの少しだけ開けておいた。レースカーテンは閉めたまま。外からは、人が立っているシルエットだけがぼんやりと見えるはず。そして、ベランダの柵のそばに立ち、健一のパジャマのズボンを手に持って、待った。
十一時三分前。聞き慣れた軽トラックのエンジン音が近づいてくる。心臓が、喉の奥で鐘のように鳴り始めた。私はパジャマのズボンをベランダの柵にかけて、下半身が完全に隠れるように位置を調整する。柵は腰の高さまであるアルミ製で、道路側からは私の胸から上しか見えないようになっている。でも、もし誰かが柵の隙間から覗き込んだら、私の裸の腰と太腿が丸見えになる。
「水上さーん、お届け物でーす」
来た。浅田さんの声だ。私は深呼吸をしてから、できるだけ普通の声で応えた。
「あ、浅田さん、すみません。今ベランダに出てますので」
足音が近づいてきて、柵の向こうに浅田さんの姿が見えた。いつもの運送会社の制服、紺のポロシャツにカーゴパンツ。キャップの下の明るい瞳が、私を見て微笑んでいる。胸がぎゅうっとなった。
「こんにちは、水上さん。今日はいいお天気ですね。こちら、お荷物です」
浅田さんが小さな段ボールを柵越しに差し出そうとする。でも私は、わざと困惑した顔を作って、柵にかけたパジャマのズボンを手に取った。
「あの、浅田さん、申し訳ないんですけど、これ、夫のパジャマなんですけど、紐が固く結びついちゃって、私の力じゃほどけなくて……お手数ですけど、ちょっとほどいてもらえませんか?」
私は心臓が飛び出しそうになりながら、それを柵の隙間から差し出した。浅田さんは一瞬きょとんとしたけど、すぐに人懐っこい笑顔を見せた。
「ああ、いいですよ。どれどれ……あ、これは確かに固いですね」
浅田さんがパジャマを受け取り、両手で結び目と格闘し始める。視線が下に落ちた瞬間、私は動いた。腰を落とし、柵に軽く寄りかかりながら、両脚を肩幅より広く開く。ガニ股になった私の下半身は、柵のアルミ板一枚で道路からは完全に隠れている。でも、この開放感。外の空気が剥き出しの割れ目を撫でて、もうそこからは愛液がとろりと太腿を伝い始めていた。
私は右手を、そっと自分の股間に這わせた。茂みをかき分けて、濡れそぼった花びらに指先が触れる。
〝ぬちゃ……〟
人差し指と中指が、ぬめる粘膜の上を滑る。私はそのまま二本の指を、ゆっくりと膣の中に沈めていった。
「あー、これは手こずりそうだなあ。何重にも結んじゃったんですか?」
浅田さんが顔を上げずに言う。その無邪気な声が、かえって私を興奮させた。私は彼の目の前で、下半身は裸のまま、膣に指を挿入している。ばれたら終わり。でも、ばれない。そのスリルが、指の動きをどんどん速めていく。
〝クチュ……クチュクチュ……〟
最初はゆっくりと。内壁の襞を一本一本確かめるように、指の腹で擦り上げる。私の膣はもう準備万端で、愛液が指の根本まで伝って、手のひらをぬらぬらと濡らしていた。外の空気が冷たいのに、膣の中だけは灼熱のように熱い。その温度差が、指を動かすたびに快感の電流を背筋に走らせる。
「すみません、私、不器用で……」
声が少し震えた。でもそれは、羞恥からだけじゃない。膣の中で指がぐちゅりと音を立てて、その振動が内臓まで響くような快感に、息が詰まりそうだったから。
「いえいえ、これくらいお安い御用ですよ」
浅田さんが顔を上げた。目が合う。彼は私の異変に気づかない。だって、柵から上は普通の主婦の姿なんだもの。グレーのニットを着て、髪を束ねて、ほんの少し頰を赤らめているだけ。でも、その視線に見つめられているという意識が、私の指をさらに加速させた。
〝クチュクチュクチュクチュ〟〝ピチャピチャ〟
指を抜き差しする速度が上がる。二本の指が膣口をこするたびに、粘液が泡立って、くちゅくちゅという水音が自分の耳にまで届く。浅田さんに聞こえやしないかと一瞬怯えたけど、外はちょうど風が強くて、道路の向こうからはトラックのアイドリング音も聞こえる。大丈夫。この音は、外の騒音に紛れている。私は唇を噛み締めながら、さらに深く、さらに速く、指を奥に突き立てた。
親指で敏感な突起をぐりぐりと押しつぶしながら、人差し指と中指を膣の一番深い場所へと押し込む。子宮の入り口を指の腹でこするたびに、腰がびくびくと跳ねた。膝ががくがくして、柵に全体重を預けてしまう。
「あとちょっと……よし、ほどけましたよ」
浅田さんの声が、遠くに聞こえた。でも私はもう、指を止められなかった。膣の中では内壁がぎゅうぎゅうと痙攣を始めていて、それが指を締め付けて離さない。子宮の奥から、とてつもない快感の波が押し寄せてくる。
〝ぐちゅんっ、ぐちゅんっ、ぐちゅんっ!〟
指を抜き差しするたびに、愛液が飛び散って、太腿の内側を生温かく伝っていく。息が、ひゅうひゅうと喉の奥で鳴る。目の前がちかちかと点滅して、浅田さんの顔がぼやけて見える。
だめ、今、彼の目の前でイってしまう。
そう思った瞬間、浅田さんがパジャマを差し出しながら、私の目をまっすぐに見た。
「はい、どうぞ」
その無垢な笑顔が、最後の引き金だった。
「あ……っ!」
声が、漏れた。膣が、指を根本まで飲み込んだまま、激しく痙攣する。内壁全体が波打って、愛液がぼたぼたとアスファルトに滴り落ちる。全身が硬直して、腰が何度も跳ね上がった。私は必死で唇を噛んだけど、もう声を抑えきれない。
「ひ、ぁ……」
浅田さんが、不思議そうに首を傾げた。
「どうかしました?」
その瞬間、私の頭の中で何かが弾けた。理性が、最後の力を振り絞って、咄嗟に叫んだ。
「コンロ! コンロつけっぱなしだった!」
私はパジャマをひったくるように受け取ると、まだ痙攣の収まらない下半身を引きずるようにして、ベランダから部屋の中に飛び込んだ。掃き出し窓を勢いよく閉めて、レースカーテンの向こうで、浅田さんがぽかんとしているのが見えた。
「あ、はい……お気をつけて……」
彼の戸惑った声を背中に聞きながら、私は玄関のドアのそばで崩れ落ちた。下半身は裸のまま、自分の愛液と汗でぐしょぐしょになった太腿を投げ出して、肩で息をする。心臓が破裂しそう。頭がくらくらする。
でも、膣の奥はまだきゅんきゅんと疼いていて、もっと、もっとと叫んでいる。
私は床に座り込んだまま、手に持ったパジャマのズボンを見つめた。浅田さんの手が触れた結び目。彼の指が、この布をほどいていた。その同じ指が、いつか私の中に入ってくるかもしれない。
ばかみたいな妄想。でも、その妄想だけで、私はまた濡れ始めていた。さっきイったばかりなのに、もう膣がひくひくと痙攣して、愛液がとろりと垂れてくる。
今日、私は一線を越えた。浅田さんの目の前で、隠れてオナニーをして、絶頂した。ばれなかった。成功した。この達成感が、もっと危ないことをしろと私を急き立てる。もう、とめられそうにない。ううん、とめる気なんて、最初からないのかも……私。
遠くで、軽トラックが走り去る音が聞こえた。私はその音を聞きながら、自分の指についた愛液を、そっと舐めた。しょっぱくて、少し苦くて、でも何よりも甘い味がした。
第4章 冬の寒さが露出を阻んでも、私の妄想は止まらず、ついにピストンバイブを購入してしまった
第4章: 冬の寒さが露出を阻んでも、私の妄想は止まらず、ついにピストンバイブを購入してしまった
十一月のあの日、浅田さんの目の前で絶頂してしまってから、しばらくは本当にどうかしていたと思う。家の中を歩いているだけで、太腿の内側がじんわりと湿ってきて、洗濯物を干すたびにベランダの柵を見つめては、あの時の彼の困ったような笑顔を思い出していた。
でも、十二月に入ると、そんな浮ついた気持ちも凍えるような寒さの前に萎えてしまった。朝のうちにベランダに出ようものなら、冷たい風が裸の下半身に刃物のように突き刺さる。あの時は興奮で気にならなかったけど、さすがに十二月の外気は、肌を切るような冷たさだった。コンクリートの床は凍りついて、素足で立つだけで震えがくる。
それに、さすがに私も学習していた。十一月にあれだけ頻繁に浅田さんを引き止めていたら、彼だって不審に思うかもしれない。「この家の奥さん、毎回やけに荷物が多いな」とか「また紐がほどけないのか」とか、そう思われているんじゃないかって。実際、あの後もう一度だけパジャマの紐作戦を試そうとしたんだけど、浅田さんはサッと荷物を置いてすぐに去ってしまって、私の計画は不発に終わった。
だから、冬の間は外での行為は諦めるしかなかった。でもね、それで私の欲望が収まったかというと、まったくそんなことはなかったの。むしろ、寒さで外に出られない分、私の頭の中はもっと熱く、もっと危険な方向に膨らんでいった。
十二月の半ば、私はリビングのこたつに入りながら、ぼんやりとスマホをいじっていた。美桜は学校、健一はもちろん仕事。こたつの温かさと蜜柑の匂いに包まれながら、私は無意識のうちに、通販サイトを開いていた。
最初は普通の買い物のつもりだった。美桜の冬用のタイツとか、キッチンの洗剤の詰め替えとか。でも、指が勝手に、検索窓に文字を打ち込んでいた。
「電動 バイブ 強力」
自分で入力しておきながら、心臓がどきんと跳ねた。慌てて周りを見回す。誰もいない。当たり前だ。でも、スマホの画面に並んだサムネイル画像を見た瞬間、私の中の何かがきゅうっと音を立てて動き出した。
ピンクのもの、紫色のもの、透明なもの。うさぎの形をした可愛らしいものから、明らかに実物を模したリアルなものまで。私はタオルケットを口元まで引き上げながら、画面をスクロールしていった。
そして、ある商品に指が止まった。
それは「強力ピストン機能搭載」と書かれた白いバイブだった。長さは二十センチくらいで、太さは……多分、健一のよりもずっと太い。何より、スイッチを入れると先端部分が自動で前後に動くという説明に、私は釘付けになった。
ピストン。つまり、人が腰を動かさなくても、機械が勝手に抽送してくれる。
それって、まるで誰かと本当にしているみたいじゃないか。
浅田さんの腰が、もし私の中で動いたら。あの爽やかな笑顔の裏で、どんなふうに私を求め、どんなリズムで私を突いてくれるんだろう。
想像しただけで、ショーツの股の部分がぐっしょりと濡れた。私は片手でスマホを持ち、もう片方の手をこたつの中で這わせた。スウェットの上から、ゆっくりと自分の割れ目を押す。
「ん……っ」
声が漏れる。でも、今は誰もいない。私は思い切ってスウェットとショーツを膝までずり下ろした。こたつ布団の中で、下半身が裸になる。温かい空気が、太腿の内側をくすぐった。
指を、もうびしょびしょに濡れたそこに這わせる。
〝ぬちゃ……〟
くちゅ、と小さな音を立てて、中指が第一関節まで沈み込む。私はスマホの画面を見つめながら、ゆっくりと指を動かし始めた。
「ピストン……自動で……動くんだ……」
口の中で呟くと、膣がぎゅっと締まる。画面の中の白いバイブが、まるで浅田さんの分身のように見えてきた。これを私の中に入れて、スイッチを入れたら、誰かと繋がっているような感覚が味わえるんだろうか。
私は親指でクリトリスをぐりぐりと押しながら、中指と人差し指を奥まで一気に突き立てた。
〝ぐちょんっ……〟
ぬるついた愛液が手のひらにまで伝って、くちゅくちゅという水音がこたつの中でこもったように響く。私は歯を食いしばりながら、画面の「カートに入れる」ボタンを親指でタップした。
購入手続きの間も、指は止まらなかった。名前や住所を入力しながら、左手の指は執拗に膣内をかき回している。浅田さんの顔を思い浮かべるだけで、もうだめだった。いつもなら十分くらいかかるのに、この時は三分もたたずに絶頂が来てしまった。
〝ぐちゅんっ、ぐちゅんっ、ぐちゅんっ!〟
指を高速で抜き差ししながら、こたつ布団に顔を押し付けて声を殺す。膣がきゅうきゅうと痙攣して、愛液がぼたぼたとスウェットを濡らした。浅田さんの笑顔が、脳裏に焼き付いて離れない。
「はぁ……はぁ……っ」
荒い息を整えながら、私は注文完了の画面を見つめた。配達予定日は三日後。いつもの時間指定で、午前十一時から十二時の間。
ということは、また浅田さんの手で届く。
その偶然に、私は運命めいたものを感じてしまった。いや、偶然でもなんでもないのかもしれない。この地域を担当しているのは彼の会社だって、もうとっくに知っているんだから。
十二月十八日、火曜日。
荷物が届く日、私は朝からそわそわしていた。美桬を送り出し、健一の弁当箱を洗い、掃除機をかける。でも、頭の中はそれどころじゃなかった。洗面所の鏡の前で、何度も髪をとかし直し、薄く口紅を引いた。馬鹿みたい。ただの宅配便を受け取るだけなのに、まるでデートの準備をしているみたい。
でも、これから届くのは「ただの荷物」じゃない。浅田さんが、私のバイブを運んでくるんだ。彼は何も知らない。小さなダンボールの中に、私を悦ばせるための淫らな道具が入っているなんて、想像もしていないだろう。
十一時ちょっと前、聞き慣れた軽トラックのエンジン音が近づいてきた。私は慌てて玄関に立つ。今日はちゃんと服を着ている。ベージュのニットに、グレーのロングスカート。いたって普通の主婦の格好。
インターフォンが鳴った。
「はい、ただいま」
私は平静を装ってドアを開ける。そこには、紺のポロシャツを着た浅田さんが立っていた。キャップの下の瞳が、私を見てほっと緩む。
「こんにちは、水上さん。本日はこちらのお荷物で……あれ、なんか久しぶりですよね。最近、お見かけしなかったから」
その言葉に、私の胸はきゅうっと締め付けられた。覚えていてくれたんだ。私のことを、ちゃんと意識してくれているんだ。
「あ……はい、ちょっと寒くなってきたので、ベランダに出ることも減っちゃって」
「ですよねえ、今年の冬は特に冷えますもんね」
彼はにこやかに笑いながら、小さな段ボールを差し出した。その箱の中に、私の淫らな秘密が詰まっている。
「こちら、お預かりしてます。サイン、お願いします」
私は震える手でサインをした。浅田さんの指が、段ボールを掴んでいる。その指が、つい二週間前まで、私の目の前でパジャマの紐をほどいていた。そして今、私のバイブが入った箱を掴んでいる。
「あの……寒いですから、温かくして配達、頑張ってくださいね」
私は思わずそんな言葉をかけていた。浅田さんは少し驚いた顔をしてから、嬉しそうに笑った。
「ええ、水上さんも温かくしてお過ごしください。あ、そうだ、もしかしたらまた今週お届けあるかもしれないです。年末で荷物が増えてて」
「そうなんですか。楽しみに……じゃなくて、よろしくお願いします」
私が言いかけて慌てて言い直すと、彼はくすっと笑った。その笑顔が、たまらなく愛おしくて、同時に、私の子宮の奥をぎゅうっと疼かせた。
「それじゃ、失礼します」
浅田さんが軽トラックで去っていくのを見送ってから、私はダンボールを抱えて寝室に駆け込んだ。心臓がばくばくと鳴っている。手が震えて、なかなかガムテープが剥がせない。
ようやく箱を開けると、無機質な白いプラスチックの箱が現れた。パッケージには「強力ピストン機能・静音設計・10段階振動」と書いてある。私はそれを取り出すと、恐る恐る箱を開けた。
現物は、写真で見るよりもずっと存在感があった。白いシリコンでできたボディは、手に吸い付くような柔らかさで、でも芯はしっかりと硬い。先端は少し上向きに反っていて、根元には操作用のスイッチがついている。
私は息を呑んだまま、スカートのホックを外し、ショーツを脱ぎ捨てた。下半身が裸になった開放感に、太腿が震える。ベッドに腰掛けて、両脚を大きく広げた。
手にしたバイブの先端を、自分の割れ目にそっと押し当てる。
ひんやりとしたシリコンの感触に、腰がびくんと跳ねた。でも、もうそこは期待でとろとろに濡れていて、先端はするりと飲み込まれていく。
〝ぬぷ……〟
ゆっくりと、自分のペースで奥へと沈めていく。冷たかったシリコンが、膣内の熱でじわじわと体温を帯びていく。内壁の襞が、異物をぎゅうっと締め付けて離さない。
「あ……はぁ……っ」
まだスイッチは入れてない。ただ挿入しただけなのに、浅田さんの手で届けられたものだと思うだけで、全身が火照っていく。私は左手でバイブの根元を掴み、右手でスイッチを探した。
まずは振動モード。一番弱い設定で、ボタンを押す。
ブブブブ……
低い振動が、膣の奥深くに響く。あまりの快感に、私は背中をのけぞらせた。
「ひ、ぁあ……!」
声が、抑えきれずに漏れる。振動が内壁を震わせて、愛液がじゅわっと溢れ出してくるのがわかる。私はそのまま、もう一段階、振動を強くした。
ブブブブブッ!
「ああっ、これ、すご……っ」
自分で指を動かすのとは、まったく違う快感だった。機械的に震えるそれが、私の一番敏感な場所を執拗に刺激する。Gスポットと呼ばれるざらついた部分を、振動がくすぐるたびに、腰が跳ねて、声が抑えられなくなる。
でも、私はまだ満足していなかった。本当に試したいのは、振動じゃない。ピストン機能だ。
私は震える指で、モードを切り替えた。
その瞬間、膣内に挿入したバイブの先端が、ぐいっと動いた。
「ひっ……!」
自動的に、バイブが奥に突き進み、そして引き戻され、また突き込まれる。まるで、生身のペニスが抽送しているかのように。
〝ずちゅっ……ずちゅっ……ずちゅっ……〟
機械的なリズムで、バイブが私の膣を穿つ。スイッチを押すたびに、スピードが上がっていく。ゆっくりした抽送から、だんだんと速く、激しく。
〝ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ!〟
「あ、ああ、浅田さ……っ、ぁ!」
気がつくと、私は浅田さんの名前を呼んでいた。彼の手が届けたバイブが、私の膣内で激しく動いている。それはまるで、彼が私を犯しているかのような錯覚を生んだ。
あの筋肉質な身体が、私の上で覆いかぶさってくる。あの笑顔のまま、彼は私の中をぐちゃぐちゃにかき回す。会うたびに触れる、彼の節くれだった指が、陰核をぐりぐりと嬲ってくる。
妄想が、現実と混ざり合っていく。
「もっと……もっと、して……あさださ、ん……!」
私はバイブの根元を握りしめながら、自分で出し入れを始めていた。機械のピストンと、自分の手の動きがシンクロして、二重の刺激が膣内を駆け巡る。
〝ぐちゅんっ! ぐちゅんっ! ぐちゅんっ!〟
愛液が泡立って、太腿の内側を伝い落ちる。シーツに染みが広がっていく。もう、何も考えられなかった。浅田さんの妄想だけで、私の頭の中はいっぱいだった。
そして、ある計画が、突然、頭の中に浮かんだ。
もし、次の配達の時に、私が怪我をしていたら。
例えば、指先に小さなトゲが刺さって、自分では取れないふりをしたら。
浅田さんはきっと、親切だから手を取ってくれる。その大きな手で私の指先を見つめている間に、私はもう片方の手で、スカートの下で、このバイブを動かすことができる。
もしかしたら、彼はわかってくれるかもしれない。私の荒い息の理由に。私の赤らんだ頰の理由に。
もし、わかってくれたら。もし、何も言わずに手伝ってくれたら。
「あ、ああああっ……!」
妄想が、引き金を引いた。
膣が、これまでにないほど強く痙攣する。バイブをぎゅうぎゅうと締め付けながら、私は絶頂の頂点から転げ落ちていった。
〝ぐちゅぐちゅぐちゅっ……!〟
白いシリコンが、愛液にまみれてぬらぬらと光っている。ピストンはまだ動き続けていて、敏感になりすぎた膣内を無慈悲に刺激する。
「や、もう……っ、止めて……!」
私は慌ててスイッチをオフにした。ぶるん、と最後の振動が響いて、部屋は静寂に包まれる。
自分の荒い息だけが、寝室に響いていた。全身が汗でぐっしょりと濡れて、太腿の間は自分でも引くくらい愛液でぬるぬるになっていた。
私は天井を見上げながら、ぼんやりと考えていた。
次に浅田さんが来るのは、多分、また数日後。年末で荷物が多いって言ってたから、きっと明日か明後日にも来るかもしれない。
もし、あの計画を実行したら。
指先にトゲが刺さったふりをして、彼に手を取らせて、その隙に、スカートの下でバイブを動かす。
……ばかげてる。危険すぎる。絶対にばれる。
頭ではわかっているのに、膣の奥は、さっきイったばかりなのに、もうきゅんきゅんと疼き始めている。浅田さんと目が合ったまま、このバイブでイくことができたら。彼がそれを見て、何を思うか。
怒るだろうか。軽蔑するだろうか。
それとも、違う反応を見せるだろうか。
その一パーセントの可能性に、私は賭けたくなっていた。
私はベッドから起き上がると、愛液でぐしょぐしょになったバイブをティッシュで拭きながら、窓の外を見つめた。冬の空はどんよりと曇っていて、冷たい風が窓ガラスを叩いている。
でも、私の中は真夏よりも熱く、燃え盛っていた。
第5章 いつか秘密が露見して浅田さんと繋がる日を夢見ながら、今日も私は日常を生きる
第5章: いつか秘密が露見して浅田さんと繋がる日を夢見ながら、今日も私は日常を生きる
一月が終わり、二月が逃げていき、三月に入ると、ようやく朝の空気にほんの少しだけ春の匂いが混ざり始めた。まだ風は冷たいけれど、あの十二月の凍てつくような鋭さは鳴りを潜めて、日差しだけは確かに強くなっている。私は今日も朝のうちに美桜のおさげを結び直してやり、健一の弁当を包み、洗濯機のスイッチを押した。いってらっしゃい、と玄関で手を振る私の姿は、どこからどう見てもただの平凡な主婦だ。
でも、スカートの下には何も履いていない。
あのピストンバイブを購入した十二月から、私の中の何かが確実に変わった。前までは、露出するのはベランダだけ。それ以外の場所、たとえばスーパーの買い物や美桜の参観日では、私はちゃんと下着を身につけて、普通の奥さんとして振る舞っていた。なのに、今では朝の家事を終えて一人になると、ほとんど無意識のうちにショーツを脱いでしまう。素肌に直接スカートの布が触れる感触が、たまらなく心地いい。歩くたびに、太腿の内側をひやりとした空気が撫でていって、そのたびに私は、自分の中に隠した危険な秘密を思い出す。
そんなある水曜日の午前十時半。美桜を送り出し、健一もとっくに家を出て、私はリビングの掃き出し窓をほんの十センチほど開け放った。レースカーテンが三月の柔らかな風を含んで、ふわり、ふわりと膨らむ。遠くで子供たちの騒ぐ声がして、道路を自転車が通り過ぎていく。まだ誰も、私の秘密を知らない。
私はクローゼットの奥から、先週買ったばかりのスカートを取り出した。白に近いベージュの、薄手のコットン素材で、膝上十センチほどの丈。試着室で鏡を見た時、少し短すぎるかなと一瞬ためらった。三十四歳の主婦が穿くには、ちょっと若々しすぎる。でも、その「らしくなさ」こそが、私の膣をきゅうっと疼かせた。
裸の腰に、そのスカートだけを纏う。ファスナーを上げると、ウエストがきつすぎず、腰骨のあたりで程よく留まった。私は上半身には薄手の白いカットソーを着て、洗面所の鏡の前に立つ。
鏡の中の女は、一見するとただの若々しい格好をした奥さんだ。でも、そのスカートの下には秘密がある。私はゆっくりとその場で一回転した。裾がふわりと広がって、裸の太腿が露わになる。誰もいないのに、心臓が早鐘を打った。今日は、この格好でベランダに出てみよう。そう決めた。
十一時のチャイムが鳴る少し前、私は裸足のままベランダに出た。コンクリートの床はまだ少し冷たいけれど、十二月の頃のように骨身に沁みる冷たさではない。日差しが、肌の上でほんのりと温かく感じられる。私は柵のすぐそばに立って、道路の方をそっと見下ろした。
もちろん、まだ浅田さんのトラックは見えない。でも、来る。今日は金曜日で、先週注文したキッチンペーパーの十二ロール入りが届く予定になっている。また浅田さんの会社のサイトで注文した。もう完全に意図的だ。
私はスカートの裾を、両手でぎゅっと握りしめた。心臓がどきどきと鳴っている。もし今日、本当にあの計画を実行したら。指先にトゲが刺さったふりをして、彼に手を取らせて、その隙に──。
「ばかみたい」
声に出して呟くと、自分で自分がおかしくなりそうだった。こんなの危険すぎる。絶対にばれる。浅田さんに気味悪がられて、もう二度と来てくれなくなるかもしれない。それどころか、会社に通報されて、ご近所中の噂になるかもしれない。主婦が配達員に裸を見せたって、週刊誌の見出しみたいな醜聞だ。美桜の学校にも伝わって、娘がいじめられるかもしれない。
頭ではちゃんと、そんな恐ろしい未来が見えているのに。
それでも、スカートの下の私は、もうぐっしょりと濡れていた。太腿の内側を、とろりとした雫が一本、伝い落ちていくのを感じる。私は片手で柵に掴まりながら、もう片方の手を、そっとスカートの中に這わせた。
〝ぬちゃ……〟
茂みはもう、期待の露でぐっしょりと湿っていて、指の腹がすぐにぬめる粘膜の上を滑る。私はゆっくりと中指を奥に沈めながら、耳を澄ませた。トラックのエンジン音は、まだ聞こえない。
〝くちゅ……くちゅ……〟
外の空気が、敏感な割れ目に直接触れる。冷たさと、自分の内側の熱さが入り混じって、腰が震えた。私はスカートをたくし上げ、腰を少し落とし、ガニ股になって指を深く突き立てる。三月の日差しが、丸出しの太腿と、愛液で光る指の付け根を白く照らし出していた。
このまま浅田さんが来たら、もうごまかしようがない。
わかっているのに、指の動きはどんどん速くなる。
〝くちゅくちゅ……ぐちゅ……〟
親指でクリトリスをぐりぐりと押しつぶしながら、人差し指と中指で膣内をかき回す。内壁のざらついた部分を指の腹で擦るたびに、背筋に電気のような痺れが走って、息がひゅうと喉の奥で鳴った。
その時だった。
グググ……という低いエンジン音が、遠くから近づいてくる。
私は慌てて指を引き抜き、スカートの裾を下ろした。心臓が口から飛び出しそう。太腿は愛液でぬらぬらで、自分の匂いがふわりと鼻をかすめる。私はベランダの柵に手をかけて、呼吸を整えようとした。
浅田さんの軽トラックが、マンションの前に停まった。
運転席から、彼が降りる。紺色のポロシャツに、いつものカーゴパンツ。キャップの下の笑顔が、こちらを見上げた。
「水上さーん、こんにちは。お届け物でーす」
その声が、私の子宮の奥をぎゅうっと締め上げる。私はできるだけ普通の声で、返事をした。
「あ、浅田さん、今そちらに行きますね」
私は裸足のまま、ベランダから部屋に戻り、玄関へと急いだ。裸足でフローリングを走ると、ひんやりとした感触が足の裏をくすぐる。スカートの下が剥き出しだという意識だけで、もう頭がくらくらした。
玄関の鍵を開けると、浅田さんが小さな段ボールを抱えて立っていた。彼は私の格好を一目見て、少しだけ目を丸くする。
「あ、今日はなんだか春らしい格好ですね。もうすぐ暖かくなりますもんね」
何も知らない彼の無邪気な言葉に、胸がきゅうっと痛む。私は恥ずかしそうにスカートの裾をちょっと気にしながら、なるべく自然な笑顔を作った。
「ちょっと気が早いですよね。でも、こういう日差しの日はつい浮かれてしまって」
「いやいや、とってもお似合いですよ。若々しくて」
彼がにこやかに言う。その何気ない褒め言葉が、私の膣をきゅんきゅんと疼かせて、また愛液がとろりと太腿を伝っていくのがわかった。
ああ、やっぱり今日は決行しようか。指のトゲ作戦を。
私が一瞬ためらっていると、浅田さんは段ボールを差し出しながら、ふと思い出したように言った。
「そういえば、来月から私、配達エリアが変わるかもしれないんですよ」
世界が、一瞬止まった。
「え……?」
私の声が、自分でも驚くほど震えた。浅田さんは気づかずに、さらに続ける。
「まだ決定じゃないんですけど、会社の配置換えがあるらしくて。この近辺は別の若い奴が担当になるかもって。まあ、まだわかんないんですけどね」
彼は軽い調子で笑っているけど、私の頭の中は真っ白になった。浅田さんが、来なくなる。もう、火曜と木曜と金曜の午前十一時が、私の人生から消えてしまうかもしれない。
「水上さん?」
ハッとして顔を上げると、浅田さんが心配そうに私を覗き込んでいた。私は慌てて首を振る。
「あ、ごめんなさい。ちょっとぼんやりしちゃって」
「大丈夫ですか? なんだか顔色があまり良くないような……」
彼の手が、そっと私の手に触れた。段ボールを受け渡す時の、ほんの一瞬の接触。その暖かさに、私は泣きそうになった。
「大丈夫です。ありがとう、浅田さん」
私は段ボールを受け取ると、胸の前でぎゅっと抱きしめた。サインをして、彼は軽く会釈をして、トラックに戻っていく。
「それじゃ、また来週。……来週はまだ、たぶん来られると思うので」
その言葉に、私は精一杯の笑顔で応えた。玄関のドアを閉めて、鍵をかける。そして、その場にしゃがみ込んだ。
浅田さんがいなくなるかもしれない。
ずっと、ずっと頭のどこかでわかっていたことだ。彼はプロの配達員で、私はただのお客さん。この関係が永遠に続くはずがない。でも、こんなに突然、現実を突きつけられるなんて。
しゃがみ込んだまま、私はスカートの裾を握りしめた。太腿の内側はまだ濡れていて、さっきまでの興奮の残りが、今はただただ切なく疼くだけだった。
その夜、私は健一が帰る前に寝室に入り、クローゼットの奥から白いバイブを取り出した。十二月にあれから何度も使ったそれは、シリコンがすっかり私の形に馴染んでしまっている。
ベッドの上で、私はゆっくりとスカートを脱ぎ、裸になった。まだ夕方のほの明かりが窓から差し込んで、私の白い肌をぼんやりと照らしている。カットソーも脱いで、ブラジャーも外し、全裸でベッドに横たわった。
手にしたバイブの電源を入れる。ブブブ……という低い振動が、手のひらに伝わってくる。私は目を閉じて、今日の浅田さんの声を思い出した。
「来月から私、配達エリアが変わるかもしれない」
その言葉を反芻するだけで、胸がぎゅうっと痛くなる。でも、その痛みさえも、時間をかけてゆっくりと、別の感覚へと変わっていく。寂しさと、切なさと、それからどうしようもない性欲が、ぐちゃぐちゃに混ざり合って、私の中を熱く満たしていく。
私は両脚を大きく開き、バイブの先端を割れ目に押し当てた。
〝ぬぷ……〟
ぬめる粘膜が、すんなりとシリコンを飲み込んでいく。根元までゆっくりと沈めてから、私はピストンモードのスイッチを入れた。
〝ずちゅっ……ずちゅっ……ずちゅっ……〟
機械的な抽送が、私の膣を規則正しく穿つ。腰が跳ねて、声が漏れる。今日は誰もいない。私は遠慮なく、叫んだ。
「あ、ああっ……あさださん……っ!」
彼の顔を思い浮かべる。あの笑顔。あの声。紐をほどいてくれた大きな手。その手が、今、私の太腿を撫でている妄想。
もし、彼がいなくなる前に、一度だけでいいから。
一度だけでいいから、彼に触れられたら。
指先のトゲじゃなくて、もっと直接的な方法で、彼を感じられたら。
「あ、ああっ……もっと、もっと奥……!」
私はバイブの根元を握りしめ、さらに深く押し込んだ。ピストンが激しさを増し、愛液が泡立ってシーツを濡らす。妄想の中で、浅田さんが私の上に覆いかぶさってきて、その若く逞しい腰を、私の中で打ちつけている。
〝ぐちゅっ! ぐちゅっ! ぐちゅんっ!〟
「ひ、ぁ……あさだ、さん……わたし、もう……っ!」
膣が、ぎゅうぎゅうと痙攣を始める。絶頂がすぐそこまで来ている。私はバイブを抜かずに、もう片方の手でクリトリスをぐりぐりと押しつぶした。
瞬間、目の前が真っ白にスパークした。
「ああああっ……!」
身体が大きく跳ねて、膣がバイブを締め付けながら何度も何度も収縮する。愛液がどくどくと溢れ出して、太腿の内側をぬるぬると伝っていく。私はシーツを握りしめたまま、肩で激しく息をした。
絶頂の波がゆっくりと引いていった後、私はぼんやりと天井を見上げた。
浅田さんは、四月にはいなくなるかもしれない。
でも、それで終わりじゃない。まだ今月は三月。彼は少なくとも、あと数回は来てくれる。その数回のうちに、私は何ができるだろう。どこまで踏み出せるだろう。
きっかけさえあれば。ほんの少しの偶然が重なれば。
私の秘密が、彼に露見するかもしれない。
それは恐ろしい賭けだ。すべてを失うかもしれない。でも、もし一パーセントでも、彼が私を受け入れてくれる可能性があるなら。
私はバイブを引き抜き、愛液でぐしょぐしょになったシリコンをぼんやりと見つめた。そして、窓の外を見る。三月の夕暮れはまだ少し冷たくて、でも確かに、春の予感をはらんでいる。
来週の火曜日。美桜が学校に行っている間に、もう一度だけ、チャンスはある。
私は裸のまま起き上がり、クローゼットの中から、あのベージュのスカートをもう一度取り出した。スカートの裾を握りしめて、そっと微笑む。
だめかもしれない。でも、だめでもいい。私はもう、この胸の鼓動なしでは生きていけない。
遠くで、軽トラックのエンジン音が聞こえたような気がして、私は裸のまま窓辺に立った。レースカーテンが風でふわりと膨らみ、私の白い裸体を隠したり、晒したりする。この薄い布一枚の向こうに、いつか彼が立ってくれる日が来るかもしれない。来ないかもしれない。
でも、その可能性に胸を焦がしながら、今日も私は日常を生きていく。
主婦として、母親として、そして──浅田大翔という名の妄想に取り憑かれた、一人の女として。
「また……来週、待ってるからね」
私は窓に向かって小さく呟いた。声はカーテンに吸い込まれて消えていったけれど、私の胸の中だけは、三月の日差しよりもずっと、熱く、明るく、燃え続けている。
登場人物
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水上優佳 みずかみ ゆうか女性 ・ 34
外見: 肩にかかる黒髪、普段は無造作に束ねている、茶色の瞳、華奢で小柄な体格、身長158cm、肌は白く日光で輝く。服装: 自宅ではカットソーにジーンズやスカート、外出時はシンプルなワンピースやパンツスタイル。専業主婦で内向的だが、一度スイッチが入ると大胆になる二面性を持つ。娘が小学生になり昼間の時間を持て余し、エロ漫画をきっかけに自慰に耽溺。夫との性的関係は希薄で、露出願望と配達員への妄想に取り憑かれている。罪悪感と快楽の間で揺れ続けるが、最終的にはその葛藤さえも楽しみ始める。
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浅田大翔(あさだ ひろと)(男性、推定28歳)
外見: 短く整えた黒髪、明るい茶色の瞳、引き締まった筋肉質な体格、身長178cm、健康的に日焼けした肌。服装: 運送会社の制服(ポロシャツとカーゴパンツ)、キャップをよく被っている。明るく爽やかで誠実な好青年、絵に描いたような笑顔と気さくな話し方が印象的。優佳のベランダに頻繁に荷物を届ける配達員で、彼女にとっては妄想の中の理想の恋人像。優佳の異常に気付く様子はなく、いつも礼儀正しく接するが、その若々しい肉体と声が彼女の欲望を掻き立て続ける。
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水上健一 みずかみ けんいち男性 ・ 38
外見: 短い黒髪に眼鏡、痩せ型、身長172cm、やや青白い肌。服装: スーツが多く、休日はラフなTシャツとチノパン。優佳の夫で真面目なサラリーマン、仕事が忙しく帰宅は遅い。性的な関心は薄く、寝室は別。優佳に対しては優しいが、感情的・身体的距離がある。物語上では影のような存在で、優佳の罪悪感の源泉だが、直接的な場面には登場しない。
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水上美桜 みずかみ みお女性 ・ 8
外見: 母親似の黒髪をおさげにしている、大きな茶色の瞳、小柄で華奢、身長125cm。服装: 小学校の制服か、家ではカラフルなTシャツとスカート。優佳の娘、明るく無邪気な小学生。母親の秘密には全く気付いておらず、学校に行っている間が優佳の背徳の時間となる。





