東京の大学に通うため転がり込んできた孫娘の下着姿と尻肉に、真面目だった祖父の20cmが疼き、泥酔した彼女の膣を割り開いて夫婦になるまでの背徳蜜月
あらすじ
東京近郊の自宅マンションで一人暮らす孝蔵の視点から、晩春の午後の醒めた空気と相談事の電話が描かれる。息子・悟からの強引な電話で、孫の和奏が東京の大学へ通うため押しかけてくる話が決まる。孝蔵は亡き由美江との静かな生活を顧問契約と共に終えようとしていた矢先で、若い孫娘との二人暮しを思い描き、己の乾いた老いの実感と向き合う。数日後、和奏が転がり込み、初対面の外向的な明るさと、小ぶりに尖った胸、ホットパンツに食い込む尻、汗ばんだ太腿など、祖父に見えない女の肉感を無防備に晒す。孝蔵はマンション内に新しく入り込んだ若い肌と柔らかな匂いに、体の芯で眠っていた疼きの兆しを知り罪悪感を覚える。夜、和奏が風呂上がりにキャミソールとショーツだけの姿で横切り、孝蔵は彼女の素肌から蒸れた湯気と汗の匂いを吸い込み、20cmの肉の楔が意思に反して血を集め始めた。和奏は祖父の異変を知らぬまま「おじいちゃんおやすみ」と甘く言い、ドアが閉じた後、孝蔵は股間に食い込む熱を握ることもできず、冷房の風だけが微かな密室の音として終章を閉める。終了時点: 同居初夜、孝蔵のマンションのリビング。和奏は自室で就寝し、孝蔵は暗いリビングに立ち尽くしている。
第1章 亡妻を葬った男の股間に眠る獣と、下着姿で転がり込んできた孫娘

マンションの一室へ帰り着いた坂口孝蔵は、革靴のかかとを脱ぐ前に、しばらくドアの内側へ背中を預けていた。晩春の午後はすでに湿気を孕み、スーツの背中には顧問先を出てから電車に揺られるあいだに薄い汗が滲んで、肌へまとわりつく。六十六歳の肩には、一日のなかで浴びた敬語と形式的な確認の言葉が、目に見えない細かな砂のように積もっている。壁に掛かった由美江の遺影は薄暗い廊下でもわずかに白く、孝蔵は靴を脱ぐとすぐに仏壇へ向かい、線香を一本だけ立てた。紫煙が細く立ちのぼる。それ以外の音は、冷蔵庫の唸るような低い機械音と、窓の外を走る車の音だけの密室だった。
妻を亡くしてから三年が過ぎ、顧問契約も残すところ一年になった。会社へ行く日は、この部屋を朝七時四十分に出て、途中のコンビニで買ったおにぎりと缶コーヒーを昼に流し込み、日が傾く頃に戻る。規則正しい乾いた生活を、孝蔵は性に合っているとさえ思っていた。むしろ、由美江が生きていた頃のような、台所の湯気や洗濯物の匂い、女の声がする空間を、もう一度持つことはないだろうと静かに諦めていた。
その電話が鳴ったのは、ちょうど部屋着のカーディガンに替え、冷たい麦茶を一口含んだときだった。孝蔵は濡れた指先を布巾で拭いてから受話器を取る。
「はい、坂口です」
「父さん、俺、悟。元気してる?」
地方で家庭を持つ息子の声は、こちらの返事を待つ間もなく明るく続いた。孝蔵は胸の奥に少しだけ安堵し、同時に耳のあたりを指先でかいた。この陽気さの裏には、たいてい遠慮のない相談が隠れている。
「ああ、変わりないよ。そっちはどうなんだ」
「こっちはみんな元気。いや、それがさ、和奏が東京の大学に受かってね。四月から通うことになってるんだ。それで父さんのマンションに下宿させてもらえないかなと思ってさ」
孝蔵は目を細め、手に持った切子硝子のコップへ視線を落とした。氷がからりと鳴る。和奏という名は、まだ幼い頃に何度か会ったきりの孫娘のものだ。泣き虫で、人懐っこくて、夏祭りではしゃいで転んで膝を擦りむいていた。あの小さな掌の感触が、まだこの骨ばった指の腹に残っている。
「和奏ちゃんが……もう大学生か」
「そう。こっちの大学は行きたいとこがなかったらしくて。今のうちから父さんに慣れておけばいいし、家事も多少はやらせるから。マンション代はロハってことで、ひとつ頼むよ」
「ロハって、おまえなあ……」
「いいじゃん。父さんも一人じゃ寂しいだろ。和奏は明るいし、賑やかになるよ」
孝蔵は受話器を耳に当てたまま、窓の外の暮れなずむ空へ目を向けた。電線のあいだに細い月が浮かび、その輪郭が夕闇の中でにじむ。息子の図々しさにあきれながらも、孫娘がこの部屋に来るという想像は、長いあいだ止まっていた時間を少しだけ揺らした。胸の奥の、湿気で錆びついた歯車が軋るような、懐かしい音がした。
「分かった。ただし、生活の最低限の規則は守るよう伝えなさい」
「おお、助かる。ありがとう、父さん!」
電話を切った後、孝蔵は由美江の写真へ向き直り、心の中で問いかけた。おまえがいたら、孫の世話をなんと言っただろうな、と。けれど写真の中の妻はただ静かに微笑んでいるだけだった。
和奏が来る一週間前から、孝蔵はその日まで使っていた書斎を片付けはじめた。法律関係の古い判例集や、何年も開いていないファイル、由美江が生きていた頃の家計簿まで、段ボール箱に詰めて押し入れの奥へ押し込む。いつのまにか積もっていた埃が、乾いた空気をさらに重たくした。六年間、男一人の体臭と煙草の香りと黴の匂いに染まっていた部屋を、窓を開け放って風を通し、掃除機をかけ、水拭きして、ようやく十八の娘を迎えられるだけの清潔さを取り戻す。汗をかいた首を手拭いで拭きながら、孝蔵は、この部屋に女物の衣類が掛かる光景を想像して、ひどく滑稽な心持ちになった。それは、花の絶えた庭に、誰かが水をやるような、怖さと喜びの混じった予感だった。
数日後、和奏は大きなキャリーバッグを二つも引きずって、マンションの玄関に立った。チャイムが短く二度鳴り、孝蔵がドアを開けると、外廊下のむっとした熱気と一緒に、弾かれたような声が転がり込んでくる。
「おじいちゃん! 久しぶり! 私、和奏! 今日から一緒に住むから、よろしくね!」
孝蔵はまぶしさに似た感覚で、一瞬だけ目を細めた。逆光の中に立つ十八歳の身体は、白いTシャツとデニムのホットパンツという軽い装いで、部屋の空気を一気に若々しく塗り替えてしまう。焦げ茶色の髪を高く結んだポニーテールが、声の弾みに合わせて左右へ跳ね、汗ばんだ額と首すじが外の湿気を受けて、薄く光っている。服の上からでも体温がにじみ出るようで、小ぶりな胸は背筋を伸ばすたびに布地を上へ持ち上げ、先端の小さな尖りがほんのわずかに浮き立った。振り返って荷物を引き寄せるたび、ホットパンツに食い込んだやや大きめの尻が、むっちりと布を押し広げる。裾から伸びる太腿はチアリーディングで鍛えた引き締まりを持ちながら、内側の若い肌は汗でほのかに赤み、歩くたびに柔らかなふくらみが揺れた。近づいた瞬間、彼女の肌から汗と、シャンプーとは別の、若い皮脂の混じった甘酸っぱい匂いがふわりと広がり、孝蔵の鼻腔の奥へねっとりと届いた。
「ああ、よく来たな。暑かったろう。荷物は俺が持とうか」
「大丈夫だよ。私、力あるし。おじいちゃんは座ってて。どこに置けばいい?」
和奏は孝蔵の手を制するように軽く握ると、そのまま玄関へ上がり込み、湿った空気を部屋の中へ連れてきた。彼女が通ったあとの床に、白いスニーカーの砂粒がぱらぱら落ちている。孝蔵はその小さな汚れさえも変にまぶしく感じて、慌てて目をそらした。
リビングの卓を挟み、冷たい麦茶を差し出すと、孝蔵は静かに、この家で暮らすための最低限の規則を口にした。夜十時を過ぎたら騒がないこと、煙草と酒は咎めないが節度を持つこと、男を連れ込まないこと。最後の一つは、口に出してから、自分でも妙に喉の奥が熱くなるのを感じた。トイレや風呂の使い方、洗濯の回数、新聞は読むか読まないか。一つひとつを済ました声で伝える孝蔵に、和奏は麦茶のコップを両手で包んだまま、あどけない顔をくしゃりと崩して笑った。
「うん、大丈夫だよ。私、ちゃんと守るから。なにか手伝えることがあったら言ってね。洗濯も料理も、へたくそだけどやる気はあるの!」
その明るさに、孝蔵は毒気を抜かれたように、小さく頷いた。窓の外では、あの細い月が、昼のあいだに消え失せて、薄い雲の裏で気配だけを残していた。
夕方は、家で食事をするより、このあたりの店を知るためにも外へ出ようと孝蔵が誘った。和奏は「行きたい!」と、ぱっとスニーカーに足を通す。歩いて十分ほどの国道沿いのファミリーレストランに入ると、混み合い始めた店内のざわめきと、油の焦げる香ばしい匂いが、彼らをまとめて迎え入れた。白いテーブルの端に番号札を置き、無料の水を一口含んだ和奏は、注文を済ませたあと、まるで昔からここに住んでいたかのように、家族のこと、高校生活のこと、大学受験のことを、途切れなく孝蔵へ話しかけた。
父の悟は相変わらず仕事が忙しくて、母は和奏の上京をずっと心配していたこと。地元の高校ではチアリーディング部に入っていて、夏の大会で転んで先輩に迷惑をかけたこと。一年間、塾と図書館を往復して、滑り止めに落ちてしばらく夜が眠れなかったこと。それでも第一志望に合格して、母と抱き合って泣いたこと。そういった十八年ぶんの記憶が、彼女のくったりとした唇から、まるで水面の泡のように軽やかに溢れ出る。孝蔵はときおり相槌を打ち、細く切られたハンバーグを口へ運びながら、向かいの娘の表情を盗み見るように眺めた。ショートパンツから伸びた膝が、白いテーブルの下でぷらぷら揺れている。行儀よく揃えられた太腿の輪郭が、ファミレスの落ち着かない証明の下で、白い磁器の肌をてらてらと光らせていた。
「おじいちゃん、大学のキャンパス、駅からすごく坂なんだよ。もう毎日これ、ダイエットになるかも」
「あそこはな、春は桜が綺麗だぞ。おまえが生まれる前から、あの坂はあのままだ」
「へえ、おじいちゃん、あのあたり詳しいんだ」
「昔、税理士試験の仲間と、よくあの下の古本屋に通ったよ」
孝蔵がそう言うと、和奏は「いいなあ」と目を細め、グラスに残った氷をかじった。その小さな歯が氷を砕く音が、妙に冷たく、孝蔵の耳の奥へしみた。彼は、由美江以外の女と、それもこんなに若い娘と向かい合って夕食をとる時間が、六十六歳の夏の入り口に訪れるとは思わなかった。心のどこかで、それはとても遠い、他人の人生のようだった。
店を出る頃には、空はすっかり暗く、昼に溜まったアスファルトの熱が、むっと二人の脚へ絡みついた。和奏は孝蔵の半歩後ろを歩きながら、月が出ていないね、と呟いた。その声が昼よりも少しだけ華やいだものに変わり、夜へ溶けていく。
帰り道も和奏は飽きることなく話し続け、マンションの門をくぐる頃には、その声に誘われるようにして、孝蔵も自分の昔話をいくつか口にしていた。亡き妻と初めてこの街へ来た日のこと。建てられたばかりのこのマンションに決めた理由。どれも、もう何年も誰にも話していなかったものだ。
風呂は和奏が先に入った。孝蔵が濡れた服を脱ぎ、洗面所で手を洗っていると、風呂場のドアが開いた。湯気がどっと流れ出して、洗面所の鏡を一瞬で曇らせる。その白い濁りを背にするようにして、和奏が顔を出した。濡れた髪をタオルで雑に巻き、白いキャミソールと白いショーツだけの姿。肩紐は片方が落ちかかっていて、鎖骨の下から小さな胸の上へ、白い肌がなだらかに続いていた。布地はまだ湿気を含んで薄く透け、ピンクがかった乳首の輪郭まで浮いている。ショーツの股布は汗と湯の名残でしっとり重たく、下腹の丸みと、その下のうっすら縦に割れた窪みを隠すにはあまりに薄かった。湯上がりの石鹸の匂いと、蒸れた汗の甘い匂いが混ざり、廊下の空気をねとりと満たす。それは鼻の奥を焼くようで、孝蔵の喉を一瞬でひりつかせた。
「おじいちゃん、私、先上がったよ。おやすみなさい」
和奏は無邪気に片手を振ると、そのまま自室へ消えた。白い後ろ姿がドアの向こうへ吸い込まれ、かちりと鍵の掛かる音がした。
孝蔵はしばらく動けなかった。スラックスの奥で、眠っていたはずのものが熱く脈打ち、布地を内側から押し上げていく。それは彼がこれまで由美江にしか許したことのない雄の性で、二十センチの肉の楔と呼ぶにもおぞましいほどの質量を持って、股間に食い込み始めた。頭では孫娘の無防備な姿を不意に見てしまっただけだと、そう言い聞かせるのに、下腹の奥から湧き上がる圧力は指先まで震えを走らせる。壁に掛かった由美江の写真が、暗いリビングのほうから彼を見ているようだった。
孝蔵は冷蔵庫へ向かうふりをして、冷房の風が吹き抜けるリビングへ入った。水を注ぐ手を止めたまま、シンクの縁に指を掛ける。心臓はまだ早鐘を打ち、外の東京の灯が窓硝子に滲んで、まるで水中から陸を見ているようだった。孝蔵は、あの白いキャミソールと汗に湿ったショーツの下の、柔らかな肉の熱を、指先どころか眼球の奥でまだ感じていた。決して触れてはならない。あれは孫だ、血を分けた十八の娘だ。そう唱えるほどに、目の奥の熱は彼の腰を縛りつけ、体の中心は抗うこともできずに硬く膨らみ続ける。妻を亡くして三年、眠らせていた獣は、死んではいなかった。むしろ、ひっそりと息を潜めて、この瞬間を待っていたのだ。六十を過ぎた男の股間で、それは己の重さを持て余しながら、若い孫娘の湿った空気を、まだ飲み込もうとしている。
「すまない、由美江……」
声にはならなかった。孝蔵は冷房の風がひとすじ、汗ばんだ首の後ろを冷たく流れていくのを感じながら、暗いリビングに長く立ち尽くしていた。数メートル先の部屋で眠る和奏の寝息は聞こえない。けれど耳の奥には、彼女の甘い「おやすみなさい」と、閉まった扉の音だけが、いつまでも密室の静けさに木霊していた。
第2章 無防備な孫の素肌と洗濯物に染みる匂い、脱衣所で目撃された二十センチ
それから三週間が過ぎ、孝蔵の乾いたマンションに和奏の生活が染み込むようにして根付いていった。朝の台所をくすぐる若いシャンプーの残り香、リビングの床に散らかる大学の書類、洗面所の棚に増えていく菓子色の化粧水の瓶。それらは由美江と暮らしていた頃の名残を徐々に上書きし、密室の中に新しい女の輪郭を濃く描き込んでいた。孝蔵はそんな生活の音や匂いを、表向きはただの祖父として眺めながら、夜ごと己の内側で芽吹く熱を始末するために長い時間を要するようになっていた。
朝の六時半、孝蔵が台所で昨夜の残りの味噌汁を温めていると、背後から裸足の足音がのろのろと近づいてきた。振り返るより先に、背中へ柔らかな体重がぷにりと押しつけられる。
「おじいちゃん、おはよ。まだ半分しか起きてないの……」
和奏の声は寝起きの湿り気を帯びて、吐息にはまだ眠りの名残とほんの少し汗の混じった匂いがあった。背中に密着したオーバーサイズのTシャツの胸元には下着の隔てがなく、その下で小ぶりな乳房が形を潰すほどに押し当てられている。あどけないはずの体はしっとりと熱く、乱れた髪の先がうなじに張り付き、鎖骨のあたりから甘酸っぱいような若い肌の香りが立ちのぼる。孝蔵は菜箸を握ったまま数秒動けず、己の背骨が孫の胸の膨らみを勘定してしまうのを止められなかった。
「眠いなら、もう少し寝ていなさい。朝ごはんは後で温め直せるから」
「んー……でも、おじいちゃんに会いたくて起きてきちゃった」
和奏はそう言って、孝蔵の脇腹のあたりに指先をちょこんと突きたてる。やがて背中から離れると、彼の脇をすり抜けて食卓の椅子に腰を下ろした。白くくたびれたオーバーサイズのTシャツは首元がだらりと開き、片方の肩をなまめかしく露出させている。薄い生地を朝の光が透かして、Tシャツの下はノーブラで、小ぶりの形のよいおっぱいの輪郭が布を押し上げ、その先端の乳首の形までくっきりと浮かび上がっていた。木綿の布地が乳首の小さな尖りに吸いつくように寄れ、孝蔵は菜箸を握ったまま、その光景を視界の隅へ閉じ込めてしまう。孫が祖父に向けるには肌が近すぎる距離だった。温度が移る。Tシャツの向こうの体温が、夜の間に溜まった若い湯気のように孝蔵の腰のあたりを這った。孝蔵は背中を硬くして、なんとか息を整えながら、コンロの火を止めた。
その日、孝蔵が浴室の残り湯で洗濯物を手洗いしていると、洗濯カゴの底から淡い桃色のショーツが出てきた。まだ若い孫娘の下着は手のひらに余るほど小さく、中心の布にはうっすらと白い繊維が毛羽立ち、乾く前の生ぬるい湿りが指先に絡みついた。絞り切れなかった汗や尿の名残を含んだ布地から、鼻を突くような酸っぱい匂いが立ちのぼる。それは決して不快というだけではなく、むしろ嗅ぐ者の奥底を舐め回すような甘い発酵臭を帯びていた。中心の繊維は薄く飴色に変色し、乾いた布が割れ目に沿って固く寄れている。孝蔵は白い下着と汗の染みという、孫娘の分泌物の獣の証を前に、その柔らかな布をこめかみへ持っていきかけて、ふと我に返り、両手を洗面器の水に沈めた。水音がやけに大きく耳につき、喉の奥には唾液とは違う苦いものが滲んでいた。
その夜も、和奏はソファで眠っていた。Tシャツの裾が腰の上までまくれあがり、へそが露出している。短いスウェットパンツの脚はだらりと割れ、片方の膝がソファの背もたれへ投げ出された格好だった。閉じた腿の天辺に白い下着と汗の染みが食い込み、布越しに縦の割れ目の形がはっきりと浮いて見える。孝蔵は薄手のタオルケットを手に、その無防備な光景を正面から視界に収めてしまった。若い肉が重力に任せて弛緩し、口を半開きにして眠る孫は、祖父の観察の目を少しも知らずに小さな寝息を立てていた。股間の染みの中心がわずかに窪み、乾いた布が粘膜のかたちに沿って寄れているのを、孝蔵は視線を外せないまま数秒間、凝視する。白い太腿の内側には青い血管が透け、産毛が触れただけで汗ばむような生温かさを漂わせていた。ようやく伸ばした手で、白いタオルケットを和奏の腰から下へふわりと掛ける。皮膚を撫でる布の感触が、逆に己の指先へ孫の太腿の弾力を想像させ、孝蔵はたまらず部屋を出て、自室のドアを閉めるまで息を止めていた。
夜の静寂の中で、孝蔵は由美江を思い出した。死んだ妻の体の柔らかさ、暗闇の中で交わった古い営みの質感。目を閉じれば、妻の肌の匂いが鼻孔の裏に蘇るようで、実際はそこにいるのはもう誰もいない。なのに身体の芯は確実に若返ったかのように熱を集め、パジャマの前を押し上げた。孝蔵は歯を食いしばり、震える手で己の一物を握った。肉の楔は意思に逆らって膨張し、手の平いっぱいに収まりきらない。皮の下で亀頭がずるりと頭を擡げ、指を上下に動かすたびにくちゅくちゅと粘つく水音が暗い布団の上に生まれた。孫の寝顔とあの下着の染みが瞼の裏に浮かび、指先に絡みつく古い妻の感触と混ざり合って、射精感が一気にせり上がってくる。尿道の先から滲んだ先走りが掌に糸を引き、ぬめる摩擦が恥骨の奥まで熱を這わせた。吐き出した精は布団の上に薄汚い水音を立てて、由美江への祈りとも懺悔ともつかない声が、暗い密室の中でくぐもった。
翌日の昼下がり、孝蔵は出社の支度をするために洗面脱衣所に立っていた。部屋着を脱ぎ、白い肌着を頭から抜いたところで、ふと鏡に映る自分の裸を視界に収める。年齢には勝てず肉はいくらか弛み、背中には老人らしい骨の浮きが見えた。それでも、下半身の質量だけは若い男と変わらない。由美江が「あなたは凄すぎる」と赤い顔で言った夜の声が、排水溝の匂いと一緒に蘇るようだった。孝蔵は手早く体を拭き、下着に足を通そうとした。
そのとき、脱衣所のドアが突然、何の前触れもなく外へ開かれた。
「おじいちゃん、出かけるの? あ、ちょっと、それ……」
和奏が明るい声を不意に途切れさせた。開いたドアの隙間から、彼女の茶色い瞳が大きく見開かれ、孝蔵の腰から下へ吸い寄せられるように動く。孝蔵は下着を持ったまま固まり、隠す間もなく己の陰茎を孫娘へ直視させてしまった。まだ勃起しきっていないそれは、しかし平常時からして女性の小さい手には余る長さと太さをぶら下げ、白い腿の間に鈍く重たい影を落としている。孝蔵はそのとき、和奏の視界に何が入っているかを痛いほど意識した。だらんとぶら下がった陰茎の先に、すもものように剥けた亀頭が大きく、彼女の茶色い瞳の中に吸い込まれるように映っている。亀頭は普段の皮から想像もつかないほど肉厚で、先端の窪みからは透明な汁がうっすら滲み始めていた。薄暗い脱衣所の蛍光灯に照らされたソレは、青白い腿の間に生々しい影を刻み、洗面台の水垢の匂いと老いた男の皮膚の匂いをまとって、無防備に空気へ晒されている。
和奏は数秒、まばたきも忘れたようにそれを見つめてから、みるみる頬を耳まで赤く染めた。
「ご、ごめんなさい! 私、ノックするの忘れて、べつに変な意味じゃなくて……」
言葉が早口で裏返り、和奏はドアを閉めることもできず、かといって視線を逸らすこともできず、両手で顔の前を覆った。その指の隙間から、まだ孝蔵の体の中心を窺う光が漏れているのを、孝蔵は見逃さなかった。和奏の口元が小さく動き、呼吸が速い。それまで祖父を異性として意識していなかった少女の丸い頬に、明らかに色気というより動揺と好奇心が入り交じった赤みが差していく。
「……すまない、今、出るところでな。着替えたいから、少し待ってくれ」
孝蔵はできるだけ低い声で言い、震える指先でようやく下着を履いた。和奏は弾かれたようにドアを閉め、廊下を走り去る小さな足音が遠ざかる。脱衣所に残された蒸れた空気と、洗濯物の生乾きの匂い、それから孫の汗ばんだ肌の残り香が混じり合って、孝蔵の一物はいっそう熱を帯びて下着を押し上げた。彼は鏡の中の自分を直視できず、冷たい壁へ片手をついて、浅い呼吸を繰り返した。肉の楔は萎えるどころか、孫に見られた屈辱と、逆説的に湧き上がる昂ぶりで、下着の中でずくりと脈打っていた。
その日の午後、孝蔵がスーツを着終えて玄関へ向かうと、すでに和奏は自分の部屋に戻っており、廊下には彼女の部屋の前だけに、かすかに汗と柔肌の匂いがたまり続けているようだった。孝蔵は何か声をかけるべきか迷ったが、ドアの向こうから何やら息を詰める気配が聞こえた気がして、足音を忍ばせて玄関を抜けた。密室の中の空気が初めて、祖父と孫というより雄と雌の皮膚の記憶を帯び始めたことを、孝蔵は全身で感じていた。エレベーターが一階へ降りるまでの二十秒ほど、鼓動が外の暑さよりずっと熱く、指先はまだ和奏の視線の残像を握っていた。
第3章 大学の夜に男たちへ晒された孫の眦と、酔いを連れて帰った女の匂い

マンションのドアを開けた孝蔵は、玄関の三和土に立ったまま、スラックスのポケットから鍵を抜くことができずにいた。鍵穴に差し込んだままの指先が、昼間の空気をまだ握りしめているようで、金属の冷たさだけがやけに現実だった。会社から駅へ向かう人波の中で、善人の顔をして歩いてきた自分が、ようやくこの密室へ帰り着いたというのに、朝の脱衣所で孫娘に目撃された己の痴態は、シャツの下の肌に汗となって染みついている。廊下の静けさは澱のように重く、硝子戸の向こうで暮れかけた空が、薄汚れた灰色に溶けていた。革靴の踵を脱ぎかけ、孝蔵はもう一度だけ深く息を吸う。和奏の笑い声が響くはずの部屋は、水底のようにしんと静まり返っていた。いや、まだ彼女は帰っていない。朝のあの衝撃――孫の大きな茶色い瞳が、自分の腹の下でぶら下がっていた老いた雄の形をまっすぐに見つめた瞬間――が、指の先まで消えないまま、孝蔵は昼の仕事を終え、この密室へ戻ってきたのだった。
リビングへ入ると、エアコンの冷気が汗ばんだ首筋を刺し、ひやりとした膜が肌を覆った。テーブルの上には、飲み残しのペットボトルと、畳みかけのタオルが放ってある。和奏の部屋のドアは半開きで、その隙間からは彼女が使っている柔軟剤の甘い香りが、廊下の淀んだ空気に薄く溶け出していた。孝蔵はネクタイを緩め、冷蔵庫を開けて麦茶を注ぐ。喉を落ちる冷たさとは裏腹に、胸の奥では朝の光景が消えずにくすぶっている。和奏の大きな茶色い瞳が、孝蔵の腹の下でぶら下がっていた雄の形を見た。あの赤面した表情、悲鳴に似た声。彼女は「ご、ごめんなさい」とだけ残して逃げていった。孫に見られた恥辱と、それに伴う不埒な昂ぶり。彼は自分の体が、老いた外見の内側でいまだに血を集めていることを知っていた。それは、まるで死んだはずの獣が、腹の奥でまだ息をしている証のように、じんわりと脈打っていた。
携帯電話が震える。悟からの着信でも、和奏からの連絡でもない、会社の同僚からの無機質なメッセージだけが一つ。孝蔵はソファに座り、テレビをつけた。ニュースの音が部屋にばら撒かれる。彼はそれを見るともなしに眺め、何度も画面の右上の時計へ目をやった。和奏は今夜、大学のチア系サークルと合同の新人歓迎コンパへ出かけている。出がけに彼女は、白い肩紐のトップスと短いフレアスカートを身につけ、くるりと一回転して見せた。「ねぇ、おじいちゃん、似合ってる?」。あの無邪気な声が耳に残っている。白い肩紐が細い鎖骨の上で光り、フレアスカートの裾が、彼女の太腿の付け根すれすれでふわりと揺れた。男の眼を集めるために生まれたような格好だった。
「お酒は飲み過ぎるな。おまえは弱いんだから」
孝蔵は送り出した時の自分の言葉を、埃っぽい天井へ向けて反芻した。和奏は「分かってるって。私、ウーロン茶で通すから」と笑っていた。しかし、若い女が大勢集まる酒の席など、男の眼が放っておくはずがない。彼は何度も膝を組み替え、ソファの肘掛けに指を這わせた。和奏の素肌の記憶、脱衣所から走り去るときに揺れたポニーテール、あの白い太腿。眼を閉じると、それらが乾いた瞳の裏へ張り付いて剥がれない。彼はスラックスの前を押し上げる熱がさらに硬くなるのを感じ、思わず左手で口元を覆った。指の腹に、自分の荒い呼吸がかかる。
やがて夜が更け、時計が二十三時を回った。孝蔵は和奏に一度だけ短いメッセージを送った。
「どうしている。帰りは何時ごろか」
返信はない。彼は洗面所へ行き、冷たい水で顔を洗った。鏡の奥の男は白髪交じりの髪に陰りを湛え、眼鏡の縁が片方だけ曇っている。亡き由美江の写真はリビングの棚に置いたままだった。由美江の穏やかな笑みが、薄暗い部屋の中でこちらを見ている。夜のマンションは静かすぎて、冷蔵庫の唸りさえ遠い獣の息のように聞こえる。孝蔵はもう一度だけ和奏の名を呼びかけたが、それは自分の中だけの音にすぎなかった。
日付が変わる頃、玄関のインターフォンが耳を劈いた。孝蔵はソファから立ち上がり、廊下を小走りに進んだ。モニターには、肩を借りるようにして立つ和奏と、彼女を支える女の姿が映っている。和奏は頭をうなだれ、長いポニーテールが乱れて頬へ張り付いていた。腹の底が一気に冷たくなる。それと同時に、胸のどこかで、昼間から燻っていた熱が、かっと燃え上がるのを感じた。彼は急いでドアを開け放った。
廊下の白い光の中に、海で焼けた肌の女が立っていた。長い黒髪を無造作に一つ結びにし、ノースリーブのトップスにフレアパンツを履いている。左手の指には銀の指輪がいくつか光り、汗ばんだ首筋が蛍光灯の下で浮かんでいた。彼女は和奏の脇に肩を入れ、足元をふらつかせながらも強く支えている。
「坂口さんのお宅で合ってますか。あたし、和奏のサークルの先輩です。すみません、本当にこんな時間に」
女はかすれた声で言った。孝蔵は慌てて和奏の反対側へ手を伸ばした。
「いや、かまわない。ありがとう。さあ、上がってくれ」
和奏の体が近づいた瞬間、鼻を刺す匂いが広がった。甘ったるい酒の香り、焦げた煙草のような苦い残り香、それから若い汗の酸っぱさ。白いトップスの肩紐は片方ずり落ち、鎖骨の下のか細い胸元に、赤い指の痕のような染みが浮かんでいる。孝蔵の口の中が急速に乾いていく。女先輩は乱れた髪をかき上げ、扉を閉めた。
「和奏、お酒に弱いくせに、カシスオレンジばかり飲まされて。あたし、お手洗いから戻ったら、別のサークルの男連中が和奏を囲んでて、ゲームだって触ってる最中でした。ひどい空気で、急いで引き剥がして連れてきたんです」
女先輩は和奏をソファの手前まで運びながら、低く抑えた声で続けた。
「あのまま放っておいたら、和奏、確実に回されてたと思います。あたし、男の一人を突き飛ばして、ここまでタクシーで送ってきました。和奏、すごく怖がってると思うので、無理に聞かないで休ませてやってください」
孝蔵は彼女の言葉を噛み締めるように頷いた。
「ああ、すまないな。お前がいなければ、取り返しのつかないことになっていた。心から礼を言う」
「あたしは和奏の先輩ですから。当然ですよ。じゃあ、あたし帰ります。和奏、また明日連絡するからね」
女先輩は和奏の方を向いて短く声をかけ、玄関へ歩いていった。孝蔵はもう一度深く頭を下げ、扉を閉め、鍵を二つともかけた。閉ざされたマンションの密室に、外の冷えた空気と共に酒と煙草の匂いが澱のように残っていく。和奏は床の上にへたり込み、肩で息をしながら、うわごとのように首を振っていた。
「おじいちゃん……ごめんなさい……私、電話できなくて……」
孝蔵は彼女の目の前に膝をついた。白いフレアスカートの裾から覗く太腿の内側は、冷たいフローリングの上で汗に光り、一筋の雫が糸を引いている。彼はそっと指を伸ばした。太腿の内側の汗は冷たく、ぬるりと粘りながら指先にまとわりついた。男物らしい酒と煙草の匂いが、女の肌の温もりから蒸気のように立ち昇る。胸の奥で、孫を守りたいという必死な思いと、その肌を他人に触れさせたという煮え滾る思いが、どうしようもなく煽情的な形となって腰の奥へ溜まっていく。
「男たちに、何をされたんだ。話せる範囲でいい」
和奏は涙で歪んだ目を向けた。瞳孔は酒のせいで濡れ、瞼は熱を帯びて赤い。
「ねぇ、おじいちゃん……私、いやだったの……ほんとに、いやだったの……でもね、お酒のせいで体がふわふわして、力が入らなくなって……男の先輩に、膝の上に引き寄せられて、二人に腰と太腿を押さえられて……」
彼女は途切れ途切れに言葉を吐き出す。その声は甘く濁り、鼻にかかっていた。孝蔵は彼女の乱れた前髪の下で、瞳孔がとろんと溶けているのを見る。嫌だった、と言いながら、その唇はわずかに開いたまま、熱い息を漏らしていた。
「ゲームで負けたら、服の中に手を入れられて……パンツの上からじゃなくて、下着の中に指が入ってきて……お腹の下の、一番敏感なところを、指の腹でぐりぐりって……潰すみたいに触られて……」
「そしたらね……なんでか分かんないけど、あそこが、きゅうって熱くなって……びくびくってなっちゃって……私、ひどい声出ちゃった……ほんとに、みっともないくらい、はぁんって……男の人たちに、濡れてるよって笑われて……下着が、ぐっしょりしてるって……私、恥ずかしくて死んじゃいそうだったのに……体が勝手に、もっと触ってほしいって感じちゃって……おじいちゃん、私、どうかしてる……お酒のせいだよね……きっと、お酒のせい……」
和奏は自分の口元に指をあてるようにして、恥ずかしそうに身をよじった。その告白は、孝蔵の胸の中で、怒りと、恐怖と、そしてどす黒い嫉妬のようなものへと溶けていく。男たちの指が、この白い太腿の内側を這い、下着の布を押しのけ、孫娘の一番敏感な粒を捏ね回した。その光景がありありと浮かぶほど、孝蔵の指先は震えた。女の体を暴こうとした男たちの指が、今まさにこの肌の上に残した痕を想像するだけで、血が逆流するような怒りが込み上げる。それと同時に、そこを触られたというその一点を執拗に想像している自分がいる。彼は目を閉じ、スラックスの前を硬く押し上げていく己の一物を自覚して、ほとんど眩暈のような自己嫌悪を覚えた。
「もう、思い出さなくていい。お前はよく帰ってきた。それだけで十分だ」
孝蔵は低い声でそう伝え、洗面所からぬるいタオルを持ってきた。和奏の額、首筋、鎖骨の窪みを丁寧に拭っていく。和奏はうっすらと目を開け、熱い息を漏らした。
「あつい……おじいちゃん、体が火みたい……ねぇ、お水ちょうだい……」
彼女が身じろぎするたび、白いトップスの胸元が引っ張られ、汗の染みた白い下着が覗いた。柔らかなカップの中央には淡い汗の染みが地図のように広がり、湿った布が肌へ張り付いて、小ぶりな膨らみの形をいやにはっきりと浮かばせている。孝蔵はその染みから目を逸らせなかった。白い下着と汗の染み。あどけない筈の孫の肌が、今夜だけは男たちの欲望を吸った女の匂いを放っている。彼はタオルを持つ手に力を込め、指の震えを悟られまいと背中を向けた。
「ここで少し背中を拭くから、動くな。じっとしていろ」
「んぅ……お風呂、入らなきゃ……汗が、いやな匂いするでしょ……でも体が……溶けちゃいそう……」
和奏は閉じかけた瞼を擦りながら、壁に手をついて立ち上がろうとした。だが、膝が抜けたように崩れ、孝蔵の腕の中へ倒れ込んでくる。彼女の腋からは汗の蒸気と甘い酒の匂いがふわりと立ち昇り、孝蔵の喉の奥を灼いた。白い肌が廊下の灯りを受けてしっとりと光っている。彼は彼女の両腋に手を差し入れて抱え上げたが、その柔らかな重みと熱が、自分の中で脈打つ肉の楔へ直に響いてしまう。彼女の後頭部が壁にもたれかかり、瞼が落ちていく。
「和奏、しっかりしろ。ここで寝るんじゃないぞ」
孝蔵は必死に平常を装いながら、和奏を抱えたまま動けずにいた。彼女はかすかに喘ぐような息をもらし、指先で孝蔵のシャツの胸を掴む。
「おじいちゃん……お願い、側にいて……怖かったの……でも、ちょっと変なの……あそこが、まだ……じんじんしてる……ひくひく、なってる……」
その甘えた声に、孝蔵の股間はさらに硬く膨らみ、スラックスの布を押し上げる。彼は和奏の白い下着の汗の染みが再び視界に入るのを避けられず、眉間のあたりが痺れるほど熱を持った。夜の密室の中で、二人の吐息とエアコンの風だけが、粘つくような沈黙を揺らしている。孝蔵は孫の熱い肌を支えながら、自分の中の雄の脈動をどうすることもできず、ただじっと立ち尽くしていた。
第4章 酒気を帯びた孫娘が祖父の一物を握り、懇願する背徳の罪
孝蔵は、自分の腋の下に抱えた和奏の身体が、まるで熱を宿した蜜蝋のようにゆっくりと溶け崩れていくのを感じていた。壁にもたれたまま、彼女の後頭部が冷たいクロスに触れるたび、喉の奥から細い空気が抜けていく。廊下の蛍光灯はすでに暗い橙の常夜灯へと切り替わり、二人分の影が床の上で境界を失くした水溜まりのように滲んで揺れている。彼女の白いトップスに滲んだ汗の染みが、その昏い灯りを吸い込んで鈍く光り、そこから立ち昇る酒気と若い肌の匂いが、甘く腐った果実の香気のように孝蔵の鼻腔の奥を深く犯した。
「和奏、立てるか。水を飲ませてやるから、少し足に力を入れてみろ」
孝蔵の声は、廊下の沈黙を裂くというより、ねっとりとした空気に吸い込まれていくようだった。和奏は首を横に振る。乱れたポニーテールが擦れて、汗で濡れた頬へ黒い糸のように張り付いた。
「やだ……歩けないの。おじいちゃんの腕の中が、あたたかくて安心する……」
舌の奥が縺れた甘い声だった。でも、彼女の右手は言葉より先に動いていた。孝蔵の胸元を掴んだまま、指先が力なくシャツのボタンを探り、外れるはずのない第二ボタンの縁を何度もなぞる。熱い吐息が噎せるほど甘い酒の匂いを伴って首筋に吹きかかるたび、孝蔵の腰の奥が、目に見えない手で下から掬い上げられるように震えた。彼は自制しようと彼女の肩を抱き直し、廊下からリビングへ向かおうとした。
「しばらく座っていいから、大人しくしていなさい。体を冷やすぞ」
孝蔵が一歩踏み出した瞬間、和奏の片手がするりと彼の腹部を滑り落ちた。指先は迷うことなくベルトの金具を探り、金属の冷たさを確かめるように爪の先で軽く叩いた。
「おじいちゃん……私、触られて変になったの。お酒のせいなのかな、お腹の下がずっと疼いてる……治してほしいのが、ここにある……」
その細い指がスラックスの前を辿り、布越しに硬く盛り上がった肉の形へ辿り着く。孝蔵が左手で彼女の手首を掴もうとしたが、それより先に和奏の掌が一物の膨らみを、熱い湿布を当てるように包み込んだ。熱が指の腹から布を貫いて流れ込み、孝蔵の膝が微かに笑う。彼は息を詰め、喉の奥で唸るような声を辛うじて殺した。
「やめなさい。和奏、お前は酔っているんだ。そんなことをしてはいけない相手が誰か分かっているだろう」
和奏は涙に濡れた大きな瞳を上げ、じっと孝蔵を見た。瞳孔はアルコールでふやけたように開き、白目が赤く充血していたが、そこには縋るような熱い光が宿っていた。言葉より先に、彼女の指が孝蔵の一物の上で動いていた。布越しに形を確かめるように、指の腹で輪郭をなぞり、根元から先端へと長さを測るようにゆっくりと辿る。その動きは、泥酔した女の衝動的な仕草そのものだった。
「ねぇ、おじいちゃんの……先輩のより、ぜんぜん大きい……」
その呟きに、孝蔵の胸の奥が鈍く軋んだ。和奏の指が、まだ布越しの肉を探るように輪郭を確かめている。彼女の唇が、熱い息を吐きながらかすかに動いた。
「私……高校のときの先輩の、まだ覚えてる……あの人の、手のひらに収まってたのに……おじいちゃんのは、指が届かないくらい太くて……先っぽの形まで浮き出てる。こんなの……お腹の中、どうなっちゃうの……」
鼻にかかった甘い声が、涙と涎で震えながら細く途切れた。それは純粋な驚きであり、泥酔した正気を失くした少女の、肉感的な好奇心でもあった。孝蔵は彼女の手を自分の股間から剥がそうと手首を引いたが、和奏は逆に指をぎゅっと食い込ませて一物を握りしめた。血管の一本一本に若い指が絡みつくような圧力が走り、スラックスの前はもう完全に二十センチの肉の楔の形を浮かばせていた。
「お願い、離さないで……私、このまま死んじゃうかも……体が火みたいで、自分だけじゃ消せないの……先輩のときは、こんなの知らなかった。触られてもこんなに熱くならなかった。おじいちゃんの指のあとが、まだお腹の中で燃えてる……おじいちゃんなら、きっと奥まで届いてくれる……あの男たちみたいに、無理に指を入れるんじゃなくて……深いところを、いいようにしてくれるって分かるの……」
孝蔵は返す言葉を一瞬失った。目の前の女は、確かに自分の血を引く孫のはずだった。けれど、汗と酒と男の手の後の匂いをまとわせて懇願する声は、一人の雌が飢えた夜の匂いそのものだった。彼は和奏の手を、今度は逆に自分の掌で包み、ゆっくりと外した。彼女の指先が名残惜しそうに空を掻く。
「もう止まれないぞ」
その低い声が、廊下の空気を震わせた。
「俺はお前の祖父だ。血の繋がった男だ。それでもいいのか」
和奏はびくりと肩を震わせ、すぐに目尻から新しい涙を溢れさせて、二度、三度と深く頷いた。
「いいの……おじいちゃんが男の人に見えちゃったのは、今日の怖い夜のせいだけじゃないよ……前から、脱衣所で見たときから、私、頭の中がおじいちゃんでいっぱいになって……先輩のことを思い出しても、ぜんぜん濡れなかったのに、おじいちゃんの腕の中にいるだけで、下着がぐちゃぐちゃになるの……お願い、私を女にして……」
孝蔵は彼女を抱えたまま、半ば引きずるようにリビングへ足を踏み入れた。エアコンの冷たい空気が汗ばんだ肌に張り付き、足の裏からフローリングの硬さが這い上がる。彼は和奏の背を床へ降ろし、散らかっていた座布団を乱暴に敷き直した。和奏は自ら仰向けに倒れ、白いフレアスカートの裾が太腿の付け根まで、重力に任せてまくれ上がった。
「見て……濡れちゃってるの。先輩のときより、ずっとぐしょぐしょなの」
彼女の声が熱い。孝蔵は和奏の膝に手をかけ、恐る恐る脚を開かせた。白い綿のショーツは股布の部分だけが黄ばんだように色を変え、ぷっくりとした肉襞の形に吸いつくほど濡れていた。白い下着と汗の染み。無垢な白かったはずの布が、今は彼女の湧き出る蜜と汗を吸って半透明に変わり、その下で小さな女の蕾がひくひくと動いている。彼は指先でその染みの上をそっと押した。和奏の腰が浮き、布越しに熱い粘液が滲んで指の腹を濡らした。
「もう、外からでも分かるくらい、ぐちゅっとして……おじいちゃんに見られるところが燃えてる……」
孝蔵は彼女の下着に手をかけ、ゆっくりと引き下ろした。腿の内側に糸を引きながら剥がれた白い布は、彼女の足首で丸まり、汗と愛液の混ざった匂いを放った。そして、彼は息を詰めた。
和奏の秘部が、常夜灯の昏い光の中で、ほの暗い桃色に照り輝いていた。薄い陰毛が淡い水彩のように肌へ散り、その下の縦に閉じた花弁は、まだ男を受け入れるには幼すぎるほどの造形を保っていた。大陰唇は柔らかく膨らみ、内側へ閉じるその線は、まるで産まれたままの無垢を守る縫い目のようで、触れるだけで解けてしまいそうだった。孝蔵が指先でその外縁をそっと広げると、中から桜貝よりも淡く、花弁よりも薄い小陰唇が、朝露を含んだ蕾のように剥き出しになる。右と左で形がわずかに異なるその小さな襞は、縁がほんのりと朱を差したように色づき、中央の窄みへ向かうほど、もみじの葉脈のような細かい血管が透けて見えた。太腿の付け根から立ち昇る匂いは、アルコールの甘さと汗の塩気の中に、火照った粘膜の生々しい香気を含んでいて、孝蔵の喉の奥を締めつけた。まだ誰にも汚されていないわけではない。先輩とやらの指が入り、今朝の男たちの指が暴いたという。けれど、その胎内の入り口は、そんなことを微塵も感じさせない初々しさで濡れそぼり、薄い蜜に覆われた窄みが、ひくひくと呼吸するたびに、内側の桜色の襞がちらりと覗いては閉じた。孝蔵はその若い肉の造形に、目を奪われて動けなかった。
「きれいなんだな……」
思わず漏れた声は、自分でも驚くほど掠れていた。和奏のそこが、彼の言葉に応えるようにひくりと窄み、透明な雫が一滴、座布団へと落ちて染みを作った。彼は自分が膝をついたまま、ベルトを外し、ズボンの前をゆっくりと下ろした。硬く屹立した肉の楔が冷たい部屋の空気に晒され、彼自身の脈動が空気を叩いた。
和奏は震える手を伸ばした。
「これが……おじいちゃんの……」
薬指が亀頭の縁をかすめ、ぬめりを伴って竿を撫で上げた。彼女の掌は汗で湿っていて、触られるだけで腰が総毛立つ。その指が、まるで宝物を確かめるように亀頭の窪みをなぞり、竿の太さを両手で包むように測る。そして、和奏の唇から、泥酔した女の率直な驚きが溢れた。
「先輩の……倍くらいある……私の中、千切れちゃうよ……」
孝蔵は彼女の太腿を左右へ押し広げ、膝裏を浮かせた。和奏のまろい尻が座布団の上で逃げようと揺れる。
「お前の中へ、このまま入れるぞ。痛くても、止まれんかもしれん」
「うん……初めての深さで、壊れてもいい……おじいちゃん、入れて……ぁ、待って、まだ心の準備が……」
和奏が言い終える前に、孝蔵は亀頭の先を潤んだ入口へ押し当てた。ぬちゅり、と小さく湿った音がし、熱い襞が鈴口を吸いつく。和奏の指が座布団の端を掴み、脚が細かく震えた。孝蔵は腰を少しだけ進めた。ぬぷり、という音とともに亀頭が窄みを割り開き、和奏の息が喉の奥で引っかかった。
「ひぁ……! 太い……こわい、けど……あぅ、根元まで……あっ、あぐぅ……」
彼女の膣の中はアルコールの弛緩に緩みながらも、十八歳の肉襞が異物を締め上げ、孝蔵の二十センチの肉の楔を食い締めた。渦を巻く襞が一本一本、彼の形を覚え込むように絡みつく。先輩という若い男のものを受け入れたことがあるというのに、その胎内は年相応の狭さで彼を拒み、同時に奥へ奥へと招き入れた。彼は和奏の腰を掴み、一息に奥へ突き込んだ。子宮口のあたりへ亀頭がずんと届くと、和奏の背が弓なりに反り返り、開いた口から悲鳴のような吐息が溢れた。
「お……おじぃ、あああっ、おく、奥に……あがっ、ふかい……ぁ、来てるっ、へその下に変なのが来てる……あっ、あう、ひぃ……!」
孝蔵は一度も腰を緩めず、彼女の感じる場所を探るように浅い抽送を繰り返した。ぐちゅ、ぐちゅ、と粘膜が擦れ合う湿った音が、閉ざされたマンションの密室に粘り気を残して反響する。和奏は左の足を孝蔵の背中へ回し、小さな乳房の先端を自分の手でぎゅうと押し潰した。
「そこ……そこ、擦れるぅ……あっ、だめ、また……く、来ちゃう……くる、くる、くるの……おじいちゃん、あたまが白くなる……」
孝蔵は彼女の膝裏を抱え直し、一層深く、重く、ゆっくりと突き上げた。ずちゅっ、ずちゅっ、と襞がひっくり返るような迫力で彼女を貫く。和奏の胎の奥が痙攣し、小さな口が孝蔵の亀頭を啜り、茎を波打たせながら絞り上げた。
「もう……や……ぁ、ふかいとこ、先輩の指じゃなくて……おじいちゃんの肉で広げられて……あっ、イ……ぅ、や、来ちゃった……んんっ、あああっ……!」
和奏は初めての膣イキに全身を跳ねさせ、目尻から透明な涙を散らした。膣がぎゅうぎゅうと不規則に収縮し、孝蔵の一物を奥へ奥へと招き入れる。彼は射精を堪えながら、姿勢を変え、横向きの彼女の背中を抱き寄せて後ろから深く貫いた。座布団が二人の汗で濡れ、ぬるりとずれる。和奏の喘ぎは幼い泣き声と混ざり、鼻にかかった甘い悲鳴が絶え間なく漏れ続けた。
夜が更けていく間、孝蔵は止まらなかった。机に手をつかせて背後から突き、床に転がしたまま覆い被さり、和奏の腰を自分の方へ引き寄せては、二十センチの肉の楔を彼女の体内に何度も沈めた。射精を我慢しながら、和奏の胎の奥へ雄の欲を注ぎ込むように打ち続けた。和奏はそのたびに小さな死を迎え、涙と涎と汗で顔を濡らしながら、それでも腰を震わせて応えた。
明け方が近づく頃、窓の外がうっすらと青白く変わり始めた。孝蔵は和奏を仰向けに戻し、濡れそぼった花弁を再び割り開いたまま最後の抽送を激しくした。和奏の声は嗄れ、子宮の痙攣が休みなく続く。彼は彼女の膣から一物を抜き、和奏の白い腹の上へ射精した。どぷっ、どぷっ、と久しぶりの雄の熱が勢いよく溢れ、和奏の震える腹筋の上で白く泡立つ。彼女の瞳は焦点を失い、唇の端から涎が伝った。孝蔵は荒い息のまま彼女を見下ろし、滴る精液の匂いが満ちる密室の中で、自分が取り返しのつかない場所へ来てしまったことを、湧き上がる充足と共に噛み締めていた。
第5章 明け方の腹部に放たれた精と、祖父を雄と認めてしまう孫の瞳
第5章: 明け方の腹部に放たれた精と、祖父を雄と認めてしまう孫の瞳
夜明けの薄青い光がレースのカーテンをほとんど無色に透かしていた。床に散らばった座布団は汗と体液をたっぷり吸い、湿った布の皺が二人の体温をまだ閉じ込めている。孝蔵は和奏の脚の間から身を起こせないまま、彼女の白い腹の上で冷えていく精液の海を無為に見下ろしていた。腹筋の薄い起伏に沿って半透明の雫が流れ、へその窪みに溜まり、その周囲の肌は指で擦ったように赤くまだらになっている。彼の股間はようやく力を抜いたが、先端からは粘液がまだ糸を引いていて、それが床に落ちる気配すら聞こえるほど部屋は静かだった。
孝蔵は深く息を吸い、目を閉じた。鼻の奥に酒の残り香と、自分が注いだ雄の匂い、そして彼女の汗が混ざって、閉ざされたマンションの密室を皮膚ごと侵していく。由美江の写真がリビングの棚にあることを思い出し、胸の内側に冷たい爪が食い込むようだった。孫の腹に精を撒き散らした男の姿を、もし由美江が見たらどんな顔をするだろうと、それでも思考はすぐに和奏の温かい肌へ引き戻される。
和奏の右手が、閉じたままの瞼の下から伸びて、孝蔵の膝の上に触れた。指先は汗で湿っていて、震えながら布団の縁を掴むように彼の太腿を這う。
「おじいちゃん……まだ、そこにいる……?」
孝蔵は彼女の手を握り返し、低い声で答えた。
「ああ。ここにいる。窓の外が白んできたな。体が冷えるだろう」
和奏はゆっくりと瞼を持ち上げた。光に濡れた大きな茶色の瞳が、孝蔵を見上げる。その眼差しには昨夜までの無邪気な甘えとは違う、熱い縋りが宿っていた。
「お腹……あったかいもの、まだ残ってる。これ、おじいちゃんの……?」
孝蔵は一瞬言葉に詰まり、近くに落ちていたシャツを手繰り寄せた。
「すまない。今、拭く。じっとしていなさい」
和奏は腕を伸ばして、孝蔵の手首を弱々しく掴んだ。
「やだ……まだ。その手で、もっと触って……お腹の下、今も中がびくびくしてるの。おじいちゃんが動いたときの形が、まだ残ってる」
孝蔵の指が止まった。彼女の言葉は、つい先ほどまで自分が何をしたのかを、容赦なく目の前に突きつける。だが、握られた手首から伝わる熱は、拒むための力を奪っていった。
孝蔵の指先が、和奏の腹から下りて、薄い陰毛の生え際をそっとなぞった。彼女の割れ目の上は自分の精液でぬるついていて、触れるたびにちゅり、と小さく音が立つ。和奏は喉を反らして、鼻から熱い息を抜いた。
「あ……おじいちゃんの指……やわらかいのに、奥まで響く……変なの、足が勝手に開いちゃう……」
和奏の太腿が左右へ解けるように開いていく。孝蔵はもう片方の手でその膝裏を支え、朝の光が新しく照らし出す彼女の秘部を見下ろした。腫れぼったい花弁は先ほどまでとは違う深い紅色に色づき、彼が注いだ精液と彼女自身の蜜が混ざって、とろとろと下の方へ垂れている。白い下着と汗の染みというより、今はもう肌そのものがひどく淫らな水気を帯びていた。
孝蔵は和奏の肩の下に腕を差し込み、彼女をそっと抱き起こした。汗で張り付いた背中から、昼下がりの花のようなむせ返る匂いが立ちのぼる。彼はその首の付け根に唇を押し当て、脈打つ場所を舌先で辿った。和奏の細い指が彼の白髪交じりの髪に絡み、小さく鳴いた。
「んぁ……おじいちゃん、耳の後ろ……やわらかく吸って……そこ、きもちいい……」
由美江の柔らかな記憶が一瞬、彼の指先を冷やした。けれど、その冷たささえ和奏の肌の熱に吸われて溶けていく。俺は、もうこの先へ進むことしかできなくなっている、と心のどこかで呟く。けれどその声は、和奏の甘い喘ぎに掻き消されるばかりだった。
和奏の胸は、薄明かりの中で汗の膜を張っていた。小ぶりな膨らみの先端は固く尖り、上を向いたまま空気に震えている。孝蔵は片方の乳房を掌で包み、先端を唇の間に含んでゆっくりと吸った。舌を裏側から押し当てると、和奏の背中が弓なりに浮いて、太腿が彼の腰を挟んだ。
「んあぁ……おじいちゃん、そこ……先っぽ……ちゅうって吸われると、お腹の下まで響いてくる……へんになっちゃう……」
彼女の声は涙で潤み、息の合間ごとに幼い吐息が漏れる。孝蔵はもう片方の胸の先端を指の腹で転がしながら、唇を鎖骨から下ろしていった。彼女の肌は、酒の熱がまだ抜けきっていないせいか、触れた場所から次々に赤く染まっていく。アルコールの弛緩が、若い体をどこまでも素直にさせていた。
和奏の手が、孝蔵の腹を這って下りていった。指先が、半ば萎えた雄の肉の楔に触れ、そっと包み込む。それはまだ精液と熱を宿したまま、彼女の体温に反応して徐々に硬さを取り戻していった。
「おじいちゃんの……また、おっきくなってる……私が触ったから……?」
和奏の掌の温もりが、孝蔵の腰を総毛立たせた。彼は返事の代わりに和奏の手を自分のものの上に重ね、ゆっくりと上下に動かした。ぬちゅ……ぢゅる……と粘液が指の間で泡立ち、朝の静寂に溶けていく。
「和奏……お前の手は、どうしてこんなに熱いんだ。触るたびに、骨の奥からざわざわと這い上がってくる」
彼女は嬉しそうに、しかしどこか切なげに微笑んだ。
「私も……おじいちゃんに触ってるだけで、お腹の下がきゅうってなる。もう、私、普通の孫ではいられない気がする……おじいちゃんを、雄の人だって思っちゃう……」
孝蔵は彼女の額に自分の額を押し当て、薄く微笑むような、泣きそうな顔をした。
「俺もだ。お前を孫として守るだけの心が、もうどこにも見当たらない。だが、それでいいのか。由美江が……お前を、こんな風に抱く男になるなんて」
和奏は首を振った。その拍子に、汗で張り付いた前髪が額から滑り落ちる。
「おばあちゃんのことは、私、知らないけど……おじいちゃんが一人で我慢してきたなら、これからは私が側にいる。おじいちゃんの熱、私が全部もらう……だから、他の誰にも渡さない……いいの……私、おじいちゃんの女になりたい」
孝蔵は和奏の唇に自分の唇を重ねた。彼女の口腔はまだ微かに酒の味がして、舌を差し入れると鼻から抜ける甘い息が耳をくすぐる。下唇を軽く噛み、上顎を舌先でなぞると、和奏の膝が内側へ閉じようとして、逆に彼の腰を強く挟んだ。
二人の体が再び密着し、孝蔵の肉の楔が和奏の濡れた谷間にぬるりと埋まる。彼は腰を浅く動かし、亀頭で彼女の膨らんだ蕾を擦り上げた。和奏がひくん、と背を跳ねさせる。
「おじいちゃ……直接、そこ、擦らないで……あっ、だめ、くちゅくちゅって音がする……聞こえちゃう……!」
孝蔵はあえて、その音が立つ場所をゆっくりと往復した。朝の光が差し込む部屋で、二人の結合部は白く泡立ち、ぬめった音だけが密室に満ちていく。和奏は首を振り、腰を逃がそうとするが、彼の左手が尻の下に滑り込み、彼女を持ち上げるように固定していた。
「お前の中、まだ俺の形を覚えているだろう? 今度は、ゆっくりと刻んでやる。朝の光の中で、全部見ながら、お前の奥を」
和奏の瞳が潤んで、ゆっくりと彼を見上げた。
「うん……来て……おじいちゃんの雄を、私の一番深いとこで受け止める……おじいちゃんしか、もう無理……」
孝蔵は彼女の膝裏を抱え直し、腰を進めた。ぬぷり……と、開きかけた花弁が亀頭を咥え込み、奥へと沈んでいく。昨夜の痛みはもう薄れ、代わりに熱く蕩けた襞が彼の形に絡みついた。和奏は下唇を噛み、眉を寄せ、それでも自ら腰を押し付けてきた。
「あぁ……おじいちゃんの先が、奥の……子宮のくびれに当たって……ふわぁ……頭の奥が、じんじんする……そこ、もっと……ゆっくり、奥を押して……」
孝蔵は彼女の腰を抱え、深い位置で小さく円を描くように動いた。ぐちゅ……じゅわ……と蜜が溢れ、結合部から二人の体液が混ざった雫が垂れ落ちる。和奏の喘ぎは途切れ途切れになり、それでも彼を見つめる目だけははっきりと雄を欲しがっていた。
「おじいちゃん……私、もう……また、なにか来る……お腹の下が、熱くて、溶けそう……あっ、深いの、きもちいい……おじいちゃん、だめ、我慢できない……このまま、いっぱい……」
孝蔵は彼女の腰を引き寄せ、一層深く、ゆっくりと突き上げた。和奏の身体が弓なりに撓い、内壁が波打って肉の楔を絞り上げる。彼女は悲鳴のように息を呑み、それから大きく口を開けた。
「くる……! おじいちゃん、くる、また、おまんこ、とろとろが溢れて……やぁあああっ……!」
彼女の胎が痙攣し、孝蔵の先端を奥へ奥へと吸い込んでいく。その締め付けに耐えかね、孝蔵も低く唸りを漏らした。だが、彼は射精を堪え、和奏が果てるまでゆっくりと腰を動かし続けた。
朝の光が部屋中に満ちる頃、二人は汗と精液と愛液でぬめり合いながら、床の上で互いの体を抱きしめていた。和奏は孝蔵の胸に顔を埋め、呼吸を整えるたびに肩が上下する。彼女の背中を、孝蔵の掌がゆっくりと撫でていた。
しばらくして、孝蔵は和奏の体を支えながら立ち上がり、浴室へ向かおうとした。
「立てるか。このままでは肌が荒れてしまう。体を流してやるから、力を抜け」
和奏は小さく頷き、彼の首に腕を回した。
「おじいちゃん……お風呂まで、抱っこがいい……まだ、足がふわふわするの……お酒のせいだけじゃないよ……」
孝蔵は苦笑いともつかない顔をしながら、彼女を横抱きにした。和奏の裸身は汗で滑り、彼の胸にしなだれかかる。浴室前の廊下に差し掛かると、白い明かりが汗に濡れた二人の肌を冷たく照らした。
孝蔵は和奏を脱衣所の床にそっと下ろし、タオルを取りにいった。彼女は壁に凭れ、瞼を閉じて、乱れたポニーテールを肩に垂らしている。その姿は、数時間前までとは別人のようにあどけなく、そしてひどく淫らな気配をまとっていた。
孝蔵は戻ると、和奏の下半身をそっと拭き始めた。腹部に散った精液はすでに乾きかけ、白く地図を描いている。彼はタオルをぬるま湯で湿らせ、丁寧にそれを拭き取っていった。和奏はされるがままに脚を開き、時折小さく震えるばかりだった。
「おじいちゃんの手……気持ちいい……ずっと、こうしてて……」
和奏がうわ言のように呟く。孝蔵は何も言わず、彼女の太腿の内側まで丹念に拭いた。密室の空気は、まだ二人の交わりを隠しきれずにいたが、朝の光は確実に新しい一日の輪郭を浮かび上がらせていた。
第6章 家庭という密室で繰り返される孫娘の誘惑と、枯れた肉に咲く第二の春

浴室の扉を閉めた孝蔵は、脱衣所の籐の籠へ濡れそぼったタオルを落とすと、壁に背中を預けたまま薄く目を開けている和奏の姿を、湯気の抜けきらない視界に捉えた。裸の背中が白いクロスに汗を移し、太腿の内側では拭き残った雫が幾筋も朝の光を吸って光っていた。冷房の風がひたりと肌を滑り、二人の間に立ち込める栗の花に似た甘い匂いを、部屋の隅へ薄く散らしていく。孝蔵は壁に手をついたまま何かを言おうとして、結局、冷蔵庫へ向かった。硝子のコップに麦茶を注ぐ音だけが、朝のマンションにやけに大きく響く。
戻ると、和奏は両腕を差し出して子供のように待っていた。声には昨夜の余韻がまだ嗄れていて、それでいて甘く孝蔵の耳へ縋りつく。
「ん、冷たい。これ、おじいちゃんも飲んで。汗かいたでしょ」
孝蔵はコップを受け取らず、和奏の手の甲に自分の指を重ねた。彼女の体温がまだ若い血の熱を伝えてくる。
「俺はいい。お前が飲みなさい」
和奏はこくりと一口含み、残りを一息に飲み干した。喉が上下するたび、薄い鎖骨の窪みに朝靄のような汗が浮かぶ。孝蔵はその横顔を見下ろしながら、つい先ほどまでこの咽喉を舌で辿っていたことを思い出し、指先が微かに震えた。それは罪悪感ではなく、もっと浅く、腹の底を熱く掻き回す衝動だった。
キッチンへ立った和奏は、朝食の支度を買って出た。孝蔵はソファで新聞を広げるが、インクの匂いの向こうから焼けたパンの甘い香りと、和奏の汗の匂いが混ざり合って漂ってくる。白い半袖のTシャツに、部屋着の短い布を重ねただけの背中が、冷蔵庫から卵を取り出すたびにしなやかに撓み、後ろ向きのまま跳ねた尻が薄い布を押し上げた。孝蔵は新聞の向こうから、その太腿の付け根に食い込んだ部屋着の裾を盗み見る。白い肌が蛍光灯を吸って、熱した陶器のように内側からぼうっと光っていた。
「おじいちゃん、ケチャップかける?」
和奏がへらを持った手を空中で止めて振り返る。孝蔵は「ああ、少しでいい」と答え、自分の声がわずかに上擦っているのを自覚した。
和奏は食卓に皿を置くと、孝蔵の向かいへ座るのではなく、彼の隣に椅子を寄せた。そして膝を左右に大きく開くように座り直し、短い部屋着の裾を太腿のつけ根まで引き上げる。白い下着の中心にはすでに薄い染みが滲み、閉じた割れ目の形をなぞっていた。孝蔵が「和奏、朝からなにを……」と低く制そうとした瞬間、彼女はケチャップの容器を逆さにし、その細い注ぎ口を下着の横から滑り込ませた。
そして、赤い粘液が、白い肌の窪みを伝って、薄桃色の肉襞の上へととろりと落ちていく。甘いトマトの匂いが、たちまち女陰の生温かく麝香じみた匂いと混ざり合い、むわりと鼻を突いた。
「おじいちゃん、舐めて。ケチャップだけだと味気ないでしょ。私の女の子のところ、きれいにして……」
和奏は椅子の背にもたれ、両脚をさらに大きく開いた。下着は片側だけに引っかかり、蜜とケチャップで濡れた肉が朝の光にぬらぬらと光る。彼女は自分の右手で割れ目を左右に押し開き、指先を赤いソースで汚しながら、孝蔵を見下ろした。孝蔵は気づけば床に膝をついていた。古いフローリングの硬さが膝蓋骨を刺し、立ちのぼる匂いが彼の理性をねばつかせる。鼻先を近づけると、酸味のある甘い香りの底から、女陰の苦いような、潮の匂いに似たものがふわりと絡みついてくる。彼は舌を伸ばし、恥丘から会陰まで、ぬるりとケチャップを舐め上げた。
舌先にはまず甘いトマトの味が広がり、その下からしょっぱい蜜が滲み出る。和奏の腰が浮き、白髪の頭を掴む指に力が入る。「れろ……ちゅぷっ、じゅぷり」と、口の中で粘液が音を立てるたび、彼女の太腿が震えた。孝蔵は舌先で陰核の皮を剥き上げ、赤いソースごと吸い上げる。和奏の吐息が「んっ、はぁん……おじいちゃん、舌、きもち……もっと、なか」と濡れた声に変わっていく。孝蔵はさらに唾液を絡め、襞の谷を割り開くように舌を差し込んだ。ケチャップの甘みと女陰の匂いが喉の奥まで満たし、鼻先が陰核に当たるたびに和奏の爪が彼の頭皮へ食い込んだ。朝の食卓に卵の焦げる匂いが残る部屋で、くちゅっ、ちゅぷ、と粘液音と啜り音が満ちていく。
和奏は腰を浮かせ、孝蔵の口に女陰を押し付けた。「あっ、あ、それ、おじいちゃん……イッちゃ、う、舌でイかせて……」彼女の甘い悲鳴がこぼれ、内腿の肉がびくびくと痙攣する。孝蔵は陰核を唇で吸い、舌先で弾いた。和奏の体がのけぞり、溢れ出た蜜が赤いソースと混ざって彼の顎を伝った。やがて和奏は息を弾ませながら、自分の指についたケチャップをぺろりと舐め、「おじいちゃんの舐め方、すごくエッチ」と微笑んだ。その瞳は朝の光を受けて、どこか飢えた獣のようにぎらついている。孝蔵は口の中の混ざり合った唾液を飲み込み、ようやく椅子へ腰を下ろした。二人は向かい合って朝食を再開したが、和奏はフォークを舐めるたび、机の下で裸足の爪先を孝蔵の脛へ這わせた。
その日から、和奏の誘惑は密度を増していった。陽が傾いた午後、孝蔵が書斎の書類を整理していると、後ろからふわりと若い肌の匂いが近づいた。振り返るより先に、柔らかな胸が背中へ押しつけられ、耳元で笑い声が弾ける。
「おじいちゃん、いつまで仕事するの? 私、つまんない」
和奏は部屋着のショートパンツのまま、背中にひたりと腹を密着させ、顎を孝蔵の肩へ乗せた。突き出した尻の肉が薄い布を押し上げ、彼の腰骨のあたりでむにりと潰れる。彼女の指が孝蔵の胸元を這い、ボタンの隙間から素肌を探ると、汗ばんだ胸毛が指先に絡んだ。「まだ終わらん。先に風呂でも浴びたらどうだ」と孝蔵が言うと、和奏は鼻先を彼の耳の後ろに埋めて深く息を吸い込んだ。むっと蒸れた匂いと、微かに残る汗の匂いが混ざり、彼女の喉が小さく鳴る。「やだ。私、おじいちゃんの側がいい。しょっぱい。おじいちゃんの汗の味、私、好きになったの」そう言って彼女は、孝蔵の指を自分の口元へ運んでそっと唇で挟む。
孝蔵は低く唸り、和奏の腰を引き寄せた。彼女の体が軽く浮き、書類の上に乱れたスカートが広がる。孝蔵は書斎の鍵をかけると、孫娘を書類の上に座らせ、細い肩を掴んで引き倒した。和奏の歓声が潰れ、スカートの裾がまくれ上がる。白い下着の中心には、早くもぐっしょりと染みる雫。孝蔵は指先でその縦筋を上から下へなぞり、何度も往復させた。
「お前は、もう我慢しないのか。昼間からこんなにも濡らして」
和奏は小さく頷き、左右の脚をだらりと開いた。白い下着は細い紐のように食い込み、濡れた花弁の形をくっきりと透かす。彼女の手が孝蔵のズボンの上から、二十センチの肉の楔を探り当てる。「だって……おじいちゃんを見てると、お腹の下が勝手に熱くなる。私、おかしくなっちゃったみたい。もっと触って、咥えさせて」
孝蔵は和奏の下着をずらし、指で蜜を掬い上げた。ねばる液が長く糸を引き、空気に触れると生暖かい匂いを放つ。和奏は自分の両腕を胸の上で縛るように重ね、無垢な光を失った瞳で孝蔵を見上げた。「入れて……書斎で、おじいちゃんの大きくて硬いもので、めちゃくちゃにして」
孝蔵はスラックスの前を開け、怒張した肉を外気に晒す。和奏の目がとろりと潤み、両脚をきつく閉じようとして、逆に彼の腰を挟んだ。結合の音は静かな書斎にやけに獣じみて響く。ぐちゅり、ぬぷり、と粘液が空気を噛むたび、和奏の声が高く裏返った。
居間では、ブラウスの前を全開にした和奏が、孝蔵の上に跨り、下着だけを残した姿で腰を揺する。窓の外が藍色に沈む夕方、閉め忘れたカーテンの隙間から差す光が、彼女の汗ばんだ腹と小さく尖った乳房をなぞった。孝蔵は祖父母が築いた生活の匂いが滲みついたソファの上で、孫の若い獣を深く受け止め、白い肌を掴み、突き上げた。和奏が「おじいちゃん」と喘ぐたび、彼の舌の上に由美江の面影が一瞬浮かぶ。だが、それもすぐに溶け、自分の中で眠っていた肉が、こんなにも浅く脈打っていたことを知る。
夜のダイニングテーブルでは、和奏が背をテーブルへつけ、両腕を頭の上に投げ出した。脚は二本とも孝蔵の肩へ担がれ、敏感な内腿の汗が照明を反射する。彼は深い角度で突き入れ、腰を小刻みに揺らしながら和奏の乳首をつまんだ。ぷちゅ、ぷちゅ、と溢れる蜜がテーブルの継ぎ目を濡らす。和奏は声を殺そうとして失敗し、何度も「あ、あ、おく、おくに、あたって、だめ、い、くる、きもち……」と壊れた温い吐息を連ねた。
物置の中では、乱れた衣装ケースと古い扇風機に囲まれ、和奏が後ろから手をつき、尻を高く突き出した。蛍光灯のない仄暗い空間は、二人の匂いだけで満たされる。孝蔵はむき出しの壁に片手をつき、右手で彼女の腰を掴んで一気に最奥まで貫いた。湿った音が狭い密室に反響し、和奏の悲鳴は湿気を帯びてこもる。扇風機が倒れ、ビニールの音が交わりを覆い隠した。
脱衣所でも、孝蔵は後ろから和奏の尻を抱え、洗濯機の縁に指を掛けさせた。鏡の前で揺れる二人の姿を、和奏はうっとりと眺める。蕩けきった目が鏡越しに孝蔵を見つめ、涎で濡れた唇がほどけた。
「すごい……私、おじいちゃんの形に、なってる。お腹の下、ずっとおじいちゃんちんぽの形が残ってるみたい」
孝蔵は黙って腰を深く打ちつけた。和奏の若い体がびくん、びくんと跳ね、開いた唇からは喘ぎとも歌ともつかない声が溢れた。
それでも、いつの間にか夜は深まり、やがて窓の外が葡萄色に染まり、マンションのあちこちに二人の営みの痕が散りばめられていった。眠っているのか起きているのかわからない静寂の中で、和奏は自分の椿油の匂いと、おじいちゃんの肌の匂いを交互に嗅ぎ、どちらが自分か分からなくなるような甘い混乱に笑うのだった。
夕暮れ、遮光カーテンを閉めただけの部屋は、外の残光を薄暗く孕み、家具の輪郭を溶かしていた。和奏が跨ったまま、孝蔵の腹に汗を滴らせる。
「おじいちゃん……私、ずっと前から女にしてほしかったのかな。自分が祖父に抱かれるために、生まれてきたのかな」
和奏の言葉は、まるで湯気のように、斜陽の差し込まぬ部屋を温く漂う。彼女の指は孝蔵の胸の上で、白く浮かぶ肋骨のあたりを何度もなぞった。
孝蔵は、老いてなお若い肉を貫き続けるこの身が、ついぞ枯れてなどいなかったことを、静かに苦いくらいの悦びとして受け入れていた。空いた手で和奏の腰を支え、汗で滑る背を撫でる。窓の外では、夕暮れがビルの影を長く伸ばしていた。
和奏の腰が、終わりを求めるように深く沈み込む。結合部がちゅぷり、と湿った音を立て、彼女の喉がしゃくり上げる。カーテンの影が二人の体を幾重にも覆い、肉の楔はまだ熱い。マンションの密室に、この甘い営みの音だけが、いつまでも反響していた。
第7章 朝の射精と汗に混ざる夫婦の気配、誰にも戻れない二人の密室

第7章: 朝の射精と汗に混ざる夫婦の気配、誰にも戻れない二人の密室
夕暮れの熱がまだ部屋の空気に澱んでいた。カーテンの向こうで、街の灯りが眠り始めるように瞬いている。和奏の汗が孝蔵の腹の上で冷えていくたび、二人の肌の境界がゆるやかに溶けて分からなくなる。彼女は孝蔵の胸に頬を押し付けたまま、長い吐息をひとつ落とした。
「おじいちゃんの心臓、すごい音」
孝蔵は左手で和奏の乱れた髪を撫でた。額に張り付いた前髪をそっと脇へ避けてやると、彼女の白い額が薄明かりの中で汗に光っている。
「まだ落ち着かん。お前の体が熱すぎるせいだ」
「私のせい?」
和奏は少しだけ顔を上げて、甘く拗ねた声で言った。
「おじいちゃんが、あんなに深くするからいけないんでしょ。お腹の下、まだ痺れたみたいにふわふわしてる」
彼女の言葉は咎める響きを装いながら、実際には孝蔵の胸に爪先を這わせるように柔らかかった。孝蔵は彼女の背中を引き寄せ、濡れた肌を掌でたどる。背骨の窪みにそって指を滑らせると、和奏は小さく肩を竦めて笑った。
「くすぐったい」
「汗を拭こう。風呂へ入るぞ」
孝蔵が体を起こそうとすると、和奏は両腕を彼の首に回して抱きついた。密着した腹と腹の間で、まだ半ば硬いままの肉の楔が彼女の下腹に挟まる。和奏はそれを知っていながら、わざと腰を押し付けた。
「このままがいい。お風呂なんて、また今度でいいの」
「明日は大学だろう。少しは休まねば体がもたんぞ」
和奏は鼻先を孝蔵の鎖骨に押し付け、自分から大きく息を吸い込んだ。
「おじいちゃんの匂い、汗と、少し苦い匂いがする。その匂いを嗅ぐと、眠くなっちゃう」
孝蔵は黙って彼女の頭を抱き寄せた。由美江が生前、疲れた夜に同じように胸へ寄り添ってきたことを思い出す。あの頃の記憶は、今では薄い霧のようにしか彼を包まない。けれど、和奏の肌の熱はもっと直接的で、過去のどの幸福よりも強く彼の老いた血を叩き起こすのだった。
やがて、孝蔵は和奏の腰に手を回して半身を起こした。彼女の体は汗で滑り、そのくせ力が抜け切って、まるで水を含んだ布のように重い。床に散らばった座布団はぐっしょり濡れて、二人が過ごした時間を隠そうともしなかった。
「ほんの少しでいいから、体を清めるんだ。どちらかが倒れてからでは遅い」
孝蔵の声は低く、それでいて幼子に言い聞かせるような温度があった。和奏は数秒だけ黙り、それから顔を上げた。
「……おんぶして。お風呂まで連れてって」
彼女の目はいたずらっぽく笑んでいるが、疲れきった輪郭が垣間見えた。孝蔵は何も言わず、和奏に肩を貸して立ち上がらせた。二人の体の間から、ぐじゅり、と粘液の音が聞こえるほど、下腹はお互いの滴りで濡れていた。
浴室へ向かう廊下は冷たく、裸足の裏から冷気が這い上がる。和奏は孝蔵の脇にしなだれかかり、鼻先を彼の肩にこすりつけた。
「足がまだふわふわする……お酒のせいじゃないんだよ。おじいちゃんが、私の脚をほどいちゃったから」
孝蔵は返事の代わりに、彼女の腰を強く引き寄せた。脱衣所の照明の加減で、和奏の汗ばんだ素肌が淡い真珠色に浮かぶ。鏡の中の自分を一瞬見て、孝蔵は目を逸らした。白髪混じりの老いた男の横に、若い女が裸のまま寄り添っている。その組み合わせを部外者のように視認した瞬間、胸の奥で罪悪感と倒錯的な昂ぶりが同時に鎌首をもたげた。
浴室の椅子に和奏を座らせ、孝蔵はシャワーの栓をひねった。温かい湯が細い管を満たす音が、狭いタイルの部屋に反響する。湯気が立ちこめる前の空気はまだひんやりしていて、二人の裸身をほのかに粟立たせた。
「冷たいところから、お湯で流すぞ。目を閉じていろ」
和奏は素直に目を閉じ、首をうなだれて背を丸めた。引き締まった背中の筋肉が薄く浮き、その中央を汗が一筋伝う。孝蔵はシャワーの湯をまず彼女の首元から背中にかけてやった。
「ん……気持ちいい。お湯、あったかい」
和奏が鼻にかかった声を漏らす。孝蔵は空いた手で彼女の肩をゆっくりと揉み、石鹸を泡立てた。泡を含んだ掌が和奏の背中をすべり、肩甲骨の間にそって円を描く。若い肌は白く濡れて、触れるたびに微かに弾んだ。
「おじいちゃんの手、ごつごつしてるのに、すごく優しい」
「年の功だろう。でこぼこした手で、お前の肌を傷つけぬようにと思うだけだ」
孝蔵が脇腹へ手を回すと、和奏がくすぐったそうに身を捩った。小ぶりな乳房が揺れ、先端から滴る湯が太腿を伝う。彼は泡のついた手で前面を包み、下からゆっくりと洗い上げる。ちゅるり、と泡の膜の下から肌が顔を出し、乳首は熱を集めてぴんと立っていた。
「あ……そこ、指の腹で転がされると、またお腹の下が疼く……」
和奏が閉じた瞼のまま呟く。孝蔵は彼女の腹へ手を滑らせ、汗と粘液を丁寧に洗い流した。白い泡が泡立つたび、二人の肌の合わさった匂いがゆっくりと薄れ、代わりに石鹸の清潔な香りが広がっていく。
「ほら、脚を開かないと洗い切れん。密着していると、結局また着替えのときに肌が荒れる」
孝蔵は彼女の太腿を軽く叩いた。和奏は恥じらう素振りで両脚をわずかに開き、その内側を露わにする。湯と愛液で濡れた花弁は、たった今までの行為を忠実に物語って、すっかり熟れた紅色に染まっていた。孝蔵は泡を足して、陰毛の生え際から下腹部を洗った。指がひだへ触れるたび、和奏の体が小さく跳ねる。
「やぁ……んん、そこ、洗われるだけで……恥ずかしい音、聞こえちゃう」
ぬるぬると泡が立ち、指の腹が彼女の割れ目を上から下へとすべった。和奏の内腿が震え、湯で洗い流してもなお溢れる液が、白い泡をうっすらと濁らせる。孝蔵は何度も湯をかけてやり、彼女の体を足先まで泡で包んだ。
やがて、孝蔵は和奏を椅子から立たせ、互いに向き合う形で体を流し合った。裸のまま接近すると、腹と腹、胸と胸が呼吸のたびに触れ合い、その柔らかな圧力だけで再び血が体温められ始める。和奏は孝蔵の胸に手を置き、彼の腹筋を確認するように撫でた。
「おじいちゃんが、どんどん若くなってるみたい。目の奥の光が、昔と違う」
「昔のお前は、私の目を見てなどおらんかっただろう」
孝蔵が苦笑する。和奏は急に真剣な顔をして、濡れた両手を孝蔵の頬へ当てた。
「今の私には、見える。おじいちゃんは、いつも誰かに遠慮して、自分の体を隠してきた人。でも、私の前では隠さなくていいの。六十六歳の体も、二十センチのおじいちゃんも、私にとっては全部ほしい」
湯気が立ちこめる浴室で、二人の影が白い壁に重なった。孝蔵は返事をせず、和奏を抱き寄せて背中にシャワーの湯をかけた。互いの肌を流し終えた後も、二人は離れなかった。湯の温かさに包まれながら、唇を重ね合わせる。和奏の舌は小さく、彼の下唇を何度も啄んだ。
浴室から出ると、脱衣所の空気が一層冷たく感じられた。孝蔵はバスタオルを何枚も取り出し、和奏の髪を拭いてやった。白い肌が上気して、ところどころ桜色に染まっている。湯上がりの体からは石鹸の香りと、まだ微かに残る雌の匂いがした。
「髪、乾かさないとね。今夜はおじいちゃんに乾かしてもらいたい」
「わがままが過ぎるぞ」
孝蔵はそう言いながらも、脱衣所の椅子に和奏を座らせ、ドライヤーを手に取った。温風が彼女の焦げ茶色の髪を揺らし、長い髪の間から甘い匂いが立ち昇る。和奏は目を細め、ドライヤーの風に逆らうように体をそらせた。
「おじいちゃん、私の髪、きれい?」
「ああ、昔から色の明るい、柔らかな髪だ。触る者がうっとりするというのが分かる」
「おじいちゃんも触って、うっとりした?」
和奏はいたずらっぽく澄ました顔を作った。孝蔵は照れ隠しのように彼女の後頭部を向けさせ、髪の根元へ指を入れて乾かし続ける。ドライヤーの音だけが、夜のマンションに寂しげに唸っていた。
しまいには、和奏が半分眠りかけ、壁に頭を預けて微笑んだ。
「私……おじいちゃんに髪を乾かしてもらう時間が、今一番好きかも」
孝蔵は彼女の頭を軽く支え、髪の先まで丁寧に乾かしてやった。ふわふわと膨らんだ髪からは、若い娘らしい清冽な香りと、わずかな汗の残り香が混ざって、密室の空気をゆっくりと満たしていく。
その後、二人は寝室へと移動した。宵のうちは夕暮れの名残に染まっていた部屋も、今はすっかり暗くなり、小さな豆電球だけが枕元で呼吸している。和奏は孝蔵が敷いた布団の片側へ転がり込み、浴衣のように彼のワイシャツを一枚だけ借りて羽織った。
「おじいちゃんのシャツ、大きくて、肩が落ちちゃう」
和奏は笑いながら、その白い布地に包まれた肩をすくめた。ワイシャツは彼女の太腿半ばまでを隠し、胸元は深く開いて汗ばんだ谷間を覗かせている。彼女の無防備な姿は、祖父の目には昼の誘惑よりなお艶めかしく映った。
「お前が身につけると、ただのシャツが別の物に見えるな」
孝蔵が布団に座って呟くと、和奏は首をかしげて彼を見た。
「それ、褒めてるの?」
「好きに取れ」
孝蔵は立ち上がり、窓際へ歩いてカーテンを数センチ開けた。外の街明かりが細い線になって部屋へ差し込む。二人の影が壁の低い位置に並び、夜のマンションに閉じ込められた二つの輪郭だけが生々しく揺れた。
和奏が布団から起き上がり、孝蔵の背中へ抱きついた。ワイシャツの下は何も身につけていない。柔らかな下腹が彼の腰に押し当てられ、腕は腹の前で組まれる。
「外、見てるおじいちゃんの顔、寂しそう。ねえ、何を考えてる?」
孝蔵はゆっくりとカーテンを閉め、彼女の両手を上から包んだ。
「俺が生きてきた年数をな。お前の年齢と並べると、四十八年もの空白がある。その差を埋めるように抱いていながら、結局何も分かっちゃいない。そんなことを思っていた」
和奏は彼の背中に額を押し付け、小さく息を吸い込んだ。
「私も、おじいちゃんの全部は分からない。でも、分からない同士で、肌を合わせるのは寂しいことじゃないよ。むしろ、その分からない場所を少しずつ触っていくのが、私にとってはすごく甘い時間。……そういうふうに思っちゃ、いけない?」
孝蔵は彼女の腕を解き、向き直って額に口づけた。返事の代わりに、そのまま彼女を抱き上げて布団の上へ横たえる。和奏のワイシャツがまくれ上がり、秘部の上にちいさな影を落とした。
「今日は、もう終わりにするつもりだったが……逆効果だったな」
孝蔵が彼女の足首を掴み、ゆっくりと開く。和奏は息を呑み、潤んだ瞳で孝蔵を見上げた。
「私、終わるつもりなんて、最初からなかったよ」
彼女の手が、孝蔵のシャツの上から胸をまさぐる。下がったままの肉の楔は、まだ彼女の眼差しだけで命を呼び起こされる。和奏は身を起こし、孝蔵の膝の上に座った。
「ねえ、おじいちゃん。私、今日は……自分から、口でしてあげたい。ちゅうって吸って、舐めて、また硬くして……おじいちゃんが気持ちよくなるの、全部味わいたいの」
和奏の手が、赤く充血した彼の一物を握った。湯上がりの肌で湿った掌が、幾本もの血管をなぞりながら、根元から先端へと上下する。孝蔵は低く息を漏らし、彼女の髪を掴んだ。
「好きにしてみろ。じっくりと、お前のやりたいように」
和奏は布団の上に移動して、孝蔵の股間に顔を埋めた。先端を紅い唇が啄み、舌が鈴口をわりとる。ねっとり広がる唾液の温かさが、彼の腰を貫いた。
「れる……ちゅっ、んふ……おじいちゃんの、苦くてしょっぱい……あむ……ちゅぱっ」
彼女は小ぶりな口をいっぱいに開いて、肉の楔を唇で挟んだ。吸い込むたび、頬が凹み、口腔の内側が幹に吸いつく。濡れた音が寝室の静寂を埋め、灯りを反射する糸が彼女の口元から幾本も垂れる。
「うまくしゃべれない……れろ、んっ、あむん……おじいちゃんの脈、口の中で、すごく跳ねてる……」
孝蔵は彼女の後頭部を支えながら、深くなる口淫に息を乱した。和奏が顔を動かすたび、布団の上に唾液が滴り、生暖かい匂いが立ち昇る。彼女は一度だけ視線を上げて、焦点の溶けた目で孝蔵を見た。目だけで「これで合ってる?」と尋ねるような甘い眼差しだった。
「ああ……お前の唇は、どこまでも温い。そのまま、もっと深く……」
孝蔵が彼女の髪を掴む手に力を込めると、和奏は喉を開いて先端を咥え込んだ。口腔の奥で舌が絡み、垂れた唾液が幹を伝って陰嚢まで濡らしていく。じゅぽ、じゅぷ、という湿った音が、夜の部屋にすら明瞭に響いた。
しばらくして、和奏は一度口を離し、口元を濡らしたまままぶしそうに彼を見上げた。
「おじいちゃんの、すごく硬くて、熱い。私、自分の中がきゅうって音を立てたのが分かったの。いっぱい舐めたから、口の中がこくこくしてお腹が空いたみたい」
孝蔵は彼女を抱き寄せ、その唇から広がる精の味を確かめるようにキスをした。和奏の舌がお互いの唾液と苦味を混ぜ合わせ、艶かしい粘りを擦り合わせる。
「次は、お前がここで感じる番だ。後ろを向け、腰を上げるんだ」
孝蔵が低く命じると、和奏は布団の上に頬を押し付け、両肘と膝で体を支えた。白いワイシャツが背中へずり上がり、腰から尻にかけての曲線がむき出しになる。肉感的な尻が暗がりの中で月のように白く、尻の割れ目の奥に濡れた割れ目が覗いていた。
孝蔵は彼女の尻を背後から眺めた。汗ばんだ粘膜が、ほの暗い灯りの中で開閉している。肉の楔をそのまま押し当てると、和奏の背中が波打った。
「ひぁ……もう、そんなにぬれてないのに、先っぽがくっつく……おじいちゃんの切っ先が、私の縫い目をこじ開けようとして……あ、うそ、入り口を叩く音が、自分の中にまで響いて……」
孝蔵は彼女の腰を掴み、亀頭で閉じた襞を割って、ゆっくりと侵入した。ぬぷう、と重い音がし、和奏の背筋が反り返る。結合の瞬間、彼女の喉から悲鳴にも似た長い吐息が溢れた。
「お……奥まで、一気に来る……ああっ、おじいちゃんのが、朝と違う……さっきとは、別の場所を擦ってる……そんな、あぐぅ……」
孝蔵は彼女の尻に腹を打ち付けながら、体重をかけて深く貫いた。密着するたび、湿った粘膜がぐちゅ、ぐちゅと肉を含み、抜き差しのたびに糸を引いた。和奏の手が布団を掴み、爪が白く食い込む。
「聞こえるぞ。お前のここが、俺を啜って離さん。この窪み、こっちへ来いと言っている」
孝蔵の指が、和奏の背骨の終わりをゆっくりと撫でる。和奏は身を震わせ、尻をわずかに後ろへ突き出した。彼女のうなじからは甘やかな汗が吹き出し、少し酸っぱい匂いが立ち昇る。
「あ……腰が、自分から押し付けちゃう……奥の、こう、くぼんだところに、先がくるたび、私の体が透けるみたい……おじいちゃんの声が、体の内側から、した……」
孝蔵は片手を和奏の胸元へ回し、彼女の乳房を乱暴に握りながら、さらに腰を打ち付けた。ぐちゅぶ、ぐぷぶ、と奥に吸い込まれるような音が休みなく続く。和奏の息は半泣きに変わり、やがて甲高く歌うように乱れた。
「だめぇ……おじいちゃん、おなかの裏側、とんとん叩いて……あっ、それ、私、おかしくなりそう……おしっこ、じゃない、なんか熱いものが挟まって……」
「お前の体が、射精を欲しがっている。いつもより浅くなっているのに、奥だけ必死で肉を絡めているぞ」
孝蔵の指が和奏の最も敏感な襞に触れ、ぬめったそこを何度も擦り上げた。和奏の体ががくん、と大きく仰け反る。彼女の中は決壊したように熱を溢れさせ、内壁が不規則にうねって幹を締めつける。やがて、低い場所から追い立てるような律動が彼の腰を駆け抜けた。
「くっ……和奏、力が抜けると、射精が止められん。逃げるな、腰を離すな」
「やぁ……いっしょに、いきたい……おじいちゃんのを、奥であの……じかに、私の腹の裡で感じたい……んっ、壊してもいいから、ずっと……!」
和奏の懇願が、波打つ吐息に紛れてほどけた。孝蔵は彼女の尻をきつく掴み、最奥へと腰を打ち込んだ。肉の楔が脈打つたび、びゅるる、という勢いで精が溢れ、それが彼女の内壁を叩いた。和奏は低く、長い声を上げ、深い場所で幾度も痙攣した。
どくり、どくり、と射精は長く尾を引いた。互いの骨盤が重なったまま、二人の影は壁の上で黒く溶け合った。夜の静寂の底で、呼吸がようやく一つに重なるまで、誰も動かなかった。
「……おじいちゃん、また中に出た……あつい……」
和奏が顔を布団に埋めたまま、掠れた声を零す。孝蔵は彼女の背に覆い被さり、汗だくの首筋へ歯を立てるように口づけた。抜けずに、彼女の胎内の余韻を受け止めたまま、二つの体はしっかりと繋がれていた。
「ああ。もう、引き返す道はない。それでも、お前の体は俺を知っていく。俺の体も、お前だけを待つようになった」
孝蔵がようやく体を離すと、結合部から白濁した精がこぼれ、夜風のように静かな匂いが辺りへ広がった。和奏は仰向けに転がり、へその下を掌で押さえた。
「おじいちゃんの精があったかい。まだ、いっぱい流れてくる……私、女になってよかった……おじいちゃんの孫に生まれてよかった……」
天井を見つめる彼女の瞳は、汗と涙で膜を張っていた。孝蔵はタオルで二人の体を拭きながら、時折、窓の外が藍色から漆黒に変わる気配を感じていた。マンションの外には街の生活音が遠く、その一つ一つが別の世界の出来事のように思える。密室のなかでは、時間が二人の呼吸に合わせて流れていく。
「窓を少し開けよう。臭気が篭っている」
孝蔵がカーテンの向こうへ手を伸ばすと、ほんの数センチ、窓が動いた。夜の空気は湿り、それでいて清潔な重さを持って部屋へ流れ込む。和奏はワイシャツの胸元をかき合わせ、冷えた空気に肩を竦めた。
「寒いわけじゃないの。急に、体の表面だけ、ぴりぴりする。おじいちゃんの匂いと夜気が混ざって、変な気分」
孝蔵は和奏の隣に横たわり、彼女を肩に引き寄せた。まだ乾ききらない肌同士が重なると、若い体のぬくもりが彼の老いた腕を芯まで緩ませる。
「夜明けまで、こうしていいか。お前の肌は、俺の体には少し熱すぎるが、今さら手放すのが惜しい」
和奏は身をよじって孝蔵の胸に顔を埋めた。
「うん。おじいちゃんの腕の形、私の肩にぴったり。……ねえ、私が眠るまで、髪を撫でてて」
孝蔵は黙って彼女の髪を梳いた。指先が肩へ触れるたび、和奏はくすぐったそうに笑う。やがて、その呼吸が静かに長くなり、瞳が閉じられていった。
夜更けのマンションの中では、糸が切れたような静けさが立ちこめた。孝蔵は眠る和奏の寝顔をじっと見つめながら、自分の中で何かが静かに剥がれ、別の何かが根を張っていくのを感じていた。危うさと、不思議な安らぎが、同じ場所にぴったり寄り添っていた。
明け方になって、窓の外の空気は白んでいった。ブラインド越しの光が二人の体の上を薄く流れ、汗に濡れた肌を白い帯のように区切る。和奏は目を覚ましていない。孝蔵は彼女の髪にまた指を通し、その額に唇を寄せた。
「今日は大学、行きたくない」
和奏が眠りの底から、突然そう呟いた。孝蔵が顔を覗くと、彼女は薄く目を開けて笑っていた。
「おじいちゃんといると、一日がすぐに終わっちゃう。服を探す時間さえ惜しいの」
朝の光の中で、和奏の素肌は昨夜の汗を薄く残して、清楚なまでに白かった。ワイシャツは乱れ、小ぶりな乳房が半分だけ朝日を浴びている。彼女の無防備な笑顔が、密室の空気をいっそう甘く湿らせた。
「それなら、今日はこのままでいるか。誰にも会わん。ただ、腹が減ったら起きろ。お前の好きなものなら、俺が作ってやる」
和奏は目を細めて、小さく首を振った。
「おにぎりがいい。でも、もうちょっとだけこうしてる。おじいちゃんの鼓動を、太腿で感じてたい」
彼女は孝蔵の腹へ手を置き、指先でくすぐりながら、そのまま彼に身を寄せた。窓の光は強まり、二人分の影は壁に映って、まだ時々触れ合う足先と指先の動きをそのまま辿った。外の世界が音を立て始めても、玄関の鍵はかかったままだった。二人の朝はまだ沈黙の底で、緩慢に、しかし確かに、次の日々へ溶けていこうとしていた。
登場人物
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坂口孝蔵 さかぐち こうぞう男性 ・ 66
外見: 白髪交じりの短髪、眼鏡の奥の焦げ茶色の瞳、中肉中背で背筋の伸びた初老の体。服装: 仕事では紺系のスーツ、帰宅後は落ち着いた色のカーディガンにチノパン。顔立ちは温和で、欲を孕むと眼光に力が宿る。妻由美江を亡くしてから枯れたように暮らしていたが、20cmの巨根という若々しい肉体を持て余している。
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坂口和奏 さかぐち わかな女性 ・ 18
外見: 肩で跳ねる焦げ茶色の髪を高い位置で結んだポニーテール、大きな茶色の瞳、小ぶりだが上向きの乳房、ぷりっと張ったやや大きめの尻とチアで鍛えた引き締まった脚、白く汗に艶めく肌。服装: 部屋ではオーバーサイズのTシャツにホットパンツ、時々下着だけに近い格好。大学ではチアの練習着や短めのスカート。祖父を全く男として意識していない無防備さがある。
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坂口悟 さかぐち さとし男性 ・ 43
外見: 電話越しの声のみの印象で、柔らかく押し出しの強い話し方。服装: 言及なし。地方で家庭を持つ中年男性で、父を慕いながらも現実的な軽さを持つ。性格は親しみやすくやや強引で、娘の下宿代を浮かせようという図々しさを明るい口調で隠さない。
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坂口由美江(さかぐち ゆみえ)(女性、故人)
外見: 孝蔵の記憶に残る、柔らかな黒髪を肩でまとめた穏やかな面差しの妻。服装: 淡い色の割烹着や和服など、家庭的な装い。故に貞淑で控えめなイメージを持つ故人であり、孝蔵の背徳を責める内的な声、あるいは遠い愛撫の記憶として登場する。
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女性先輩めぐみ先輩)(女性 ・ 21
外見: 海で焼けた肌と長い黒髪をひとつに束ねた快活な体躯で、大きめの手に指輪をいくつか光らせている。服装: 大学構内ではノースリーブのトップスにフレアパンツ。和奏を助けマンションまで送り届ける、姉御肌の人物。和奏に性的な興味を持つ男たちから守る側だが、無邪気な欲望に気づかぬ鈍感さも持つ。





