第4章: 愛の巣という名の飼育

第4章: 愛の巣という名の飼育
あのホテルの部屋で、栗崎亜美は自分が壊されることを覚悟した。
しかし、実際に彼女の身体を貫いたのは、痛みだけではなかった。
森下の──あのゴルフボールのような巨大な亀頭が、彼女のまだ乾いていたアナルを押し広げた瞬間、裂けるような鋭い痛みが脊髄を駆け上がった。彼女は声にならない悲鳴を咽喉で潰し、爪がシーツを引き裂いた。けれど、その痛みのすぐ裏側から、腸の奥深くを抉られるような、今までに知らなかった充実感が沸き上がってくるのを感じた。
「あ……ぐ……っ!」
彼女の額に汗が噴き出た。涙が頬を伝った。それでも彼女は腰を引かなかった。むしろ、尻を突き出すようにして、もっと深く、もっと根元までを求めていた。
「入っ……てる……ああ……!」
森下は、彼女の背中に覆いかぶさるようにして、ゆっくりと腰を動かし始めた。最初は恐る恐るだった。初老の男の慎み深さが、まだ彼の動きに表れていた。だが、栗崎が彼の腕を掴み、引き寄せながら「もっと……強く……!」と泣き声に近い声でせがんだ時、彼のなかで何かが弾けた。
ぐちっ、ずぶっ、と下品な音が部屋に響く。
ゴルフボール大の亀頭が、彼女の腸壁を擦り上げるたびに、栗崎は脳天を揺さぶられるような快楽に襲われた。痛みはもう快感に溶け、彼女の思考は真っ白に溶解していく。膣のほうは自然に愛液が溢れ、彼の動きに合わせてぐちゅぐちゅと淫らな音を立てていた。彼女は前と後ろ、同時に違う感覚で埋め尽くされている──前は滑らかな摩擦、後ろはぎりぎりに広げられる充実。その両方から、彼女は次々と絶頂に突き上げられていった。
「いや……んああっ! だめ……また……イク……っ!」
彼女の身体が痙攣し、腸が締まり、膣が激しく脈打った。その収縮が森下をさらに興奮させ、彼は今度は本気で腰を振り始めた。もう技巧も余裕もない、ただの突き刺し。その原始的な動きが、栗崎をさらに深い渦へと引きずり込んだ。
森下自身も、この体験が現実とは思えなかった。
自分の体から、こんなに激しい欲望が湧き上がってくること。この美しく聡明な女が、自分のために喘ぎ、泣き、狂ったように腰をくねらせていること。退職後、ずっと空虚だった胸の奥に、熱い何かが充満していくのを感じた。彼は彼女の背中に唇を押し付け、汗の塩味を舐めながら、これまでにない力強さで彼女を貫き続けた。
やがて、彼も限界に達した。
「栗崎……さん……俺……もう……」
「だめ……中に出さないで……でも……お願い……中に出して……ああっ!」
矛盾した言葉が彼女の唇から零れる。彼女はもう、理性などどこにもなかった。森下はその言葉の最後に引っ掛かり、深く突き刺したまま、熱いものを放出した。
彼女の腸の奥で、どくっ、どくっと脈打つ感覚。その熱さが、彼女を最後の絶頂へと突き落とした。
「ひゃああああん──っ!」
彼女の悲鳴のような叫びが部屋を満たし、そしてすべてが静かになった。
***
それから、二人の関係は加速度的に変化していった。
ホテルを出た翌日、栗崎はオフィスで書類を眺めながら、ふと股間に疼きを覚えた。椅子に深く腰掛けると、昨日あれだけ酷使されたアナルが、じんわりと熱を帯びている。痛みというより、物足りなさに近い感覚。彼女は机の下でそっと腿を擦り合わせ、ため息をついた。
──また、欲しい。
その欲望は、単なる性的な渇望ではなかった。あの巨大なものが自分の奥深くまで届く充実感。彼が彼女の中で解放される瞬間の、あの熱い脈動。彼女は、自分がそれを「必要としている」ことを認めざるを得なかった。
午後、彼女は森下にメッセージを送った。
「森下さん、昨日はありがとうございました。体、大丈夫ですか?」
しばらくして返信が来た。
「はい、栗崎さんのほうこそ……無理をさせてしまって、申し訳ありませんでした」
彼女は唇を噛みしめ、指先を滑らせた。
「私、全然平気ですよ。むしろ……また会いたいな、なんて思ってます」
この直接的な言葉に、彼は少し間を置いた。
「……私で、よければ」
その控えめな返信が、彼女の胸をくすぐった。彼女はすぐに次の約束を取りつけた。二日後、彼女の会社の近くで食事をすることに。
その食事の席で、彼女はテーブルの下で彼の腿に足を絡め、終始にやにやと笑っていた。そしてデザートが運ばれてきた頃、彼女は小声でささやいた。
「ねえ……このあと、私のオフィスに寄っていかない? みんなもう帰っちゃってるから、誰もいないよ」
森下の目が少し見開かれた。公の場であるオフィスで、という非日常性が、彼にも背徳的な興奮を呼び起こしたようだ。
彼女のオフィスは、夜景の見える高層階にあった。ドアを閉め、鍵をかけた瞬間、彼女は森下をソファーに押し倒し、自ら跨った。
「今日は……私が主導権ね」
彼女はワンピースの裾をまくり、下着をずらした。パンティーストッキングの切れ目から、まだ少し腫れ気味の彼女の部位が現れる。彼女は彼のズボンのチャックを下ろし、すでに覚醒している巨根を取り出すと、そのまま腰を落とした。
「ん……っ!」
ゆっくりと呑み込まれていく感覚。彼女は天井を見上げ、ゆっくりと腰を動かし始めた。窓の外には都会の灯りがきらめき、その非現実的な光景の中で、彼女はただ己の快楽に溺れた。
「あ……森下さんの中……私の中ですごく熱くなって……ああ、また大きくなる……?」
彼女は貪るように上下運動を繰り返し、時折、ぐりぐりと腰を捻って、彼の亀頭が子宮口をこするような角度を探した。森下はソファーに沈み、彼女の躍動する腰肢と、窓に映る彼女の後ろ姿を見つめるしかなかった。
その後も、二人の密会は続いた。
車の中では、彼女が助手席から身を乗り出し、運転中の彼の股間を弄びながら、耳元で甘い声を囁いた。
「このままだと事故っちゃうよ……路肩に止めて?」
路肩に停めた車中では、彼女がコンソールに腰掛け、脚を大きく開いて彼を迎え入れた。車体が揺れ、窓が曇っていく。彼女は外を通り過ぎる車のヘッドライトを気にしながら、それでも止められない欲望に身を任せた。
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