ゴルフボールより熱い、女社長が射止めたい60歳の亀頭

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第3章: エスコートはホテルへ

第3章のシーン

第3章: エスコートはホテルへ

ビアガーデンの木陰から二人が立ち上がった時、既に言葉を交わす必要などなかった。

栗崎がスマートフォンで呼んだタクシーが、ほんの数分で舗道の脇に滑り込んだ。彼女は森下の腕を軽く取り、まるで迷子にならないように導くかのように後部座席へと誘い込んだ。ドアが閉まり、車内に密閉された空気が漂う。エンジン音だけが、急速に高鳴っていく鼓動をわずかに覆い隠してくれた。

「○○ホテルまで、お願いします」

彼女の声は、運転席に向けられながらも、どこか甘く濁っていた。車が動き出す。

ほんの数秒の沈黙の後、彼女の手がまた動いた。

テーブルの下で行われていたことの、当然の続きだった。彼女の右手が、森下の左太ももの上に、自然な流れで置かれた。最初はただ触れているだけだった。しかし、タクシーが最初の曲がり角を旋回したその瞬間、彼女の指が動き、軽く握りしめるように肉を掴んだ。

「……っ」

森下は息を詰まらせた。狭い車内では、運転手の存在が背中に張り付いているように感じられる。窓の外を流れる街灯の光が、彼女の横顔を一瞬、妖しく浮かび上がらせては消える。

彼女は森下の顔を見ない。窓の外を見つめているふりをしながら、ただひたすらに、手のひらでその膨らみを探り、確認する。チノパンの薄い生地の上から、あの巨大な固さの輪郭をなぞる。先端から根元まで、ゆっくりと、確かめるように。

「森下さん……」

彼女の声が、車内の暗がりに溶けるように漏れた。それは、先ほどまでの誘惑的な囁きとは少し違い、純粋な渇望に震えているようだった。

「早く……早く見せて。触らせて」

言葉とともに、彼女の手がより強く、より貪欲になった。指がズボンのチャックの上で震え、布越しに伝わる熱に、彼女自身が咽ているかのようだった。もう、揉むというより、むしり取ろうとするような力強さで、男性器の形を握りしめ、上下に擦る。

森下は座席の背もたれに深く沈み込んだ。目を閉じた。初老の体の中を、忘れていたような激しい衝動が駆け巡る。妻との間にさえ、ここまで切羽詰まった欲望を感じたことはなかった。恥ずかしさと、背徳感と、それらを凌駕する肉体的な快楽が、理性を脆く溶かしていく。

彼女の指が、ついにチャックの金具に触れた。音を立ててそれを下ろそうとする気配に、森下は思わず股を少し閉じた。

「ダメ……」

「どうして?」

彼女は初めて森下の方を見た。暗闇の中で、その瞳だけが濡れた獣のように光っている。

「運転手さんに、見られるかもしれないから? じゃあ、音を立てないように……ゆっくり開けるね」

その言葉の恐ろしさ。彼女は本気だ。この密室で、実際にそれを取り出そうとしている。森下の頭が真っ白になった。しかし、体は逆に、より一層熱を帯び、彼女の手にすり寄っていくように感じられた。

「栗崎……さん……」

「大丈夫。このスカートで、隠してあげるから」

彼女はそう言うと、自分のスカートの裾を、さっと森下の腿の上に広げた。薄い生地が、彼の下半身を覆う。その下で、彼女の手が再び動き始めた。今度は、より直接的に、チャックを一気に下ろす音が、小さくしかし確実に響いた。

――やばい、本当に……

森下の脳裏を、断片的な警告が駆け抜ける。しかし、彼女の指が、開いたチャックの隙間から入り込み、下着のゴムの上を這う感触に、すべての思考が吹き飛んだ。

タクシーがホテルの玄関前に滑り込んだ時、森下はもう、呼吸を整えるのが精一杯だった。股間は彼女のスカートに覆われているが、明らかに不自然な盛り上がりを作っている。幸い、運転手は何も気づかぬ素振りで、領収書を渡すだけだった。

「ありがとうございます」

栗崎は涼しい顔で運転手に礼を言い、さっさと車を降りた。彼女が降りた後、森下は少しの間、動けなかった。腰を浮かせることが、恥ずかしさと共に困難に感じられた。

「森下さん」

ドアの外から、彼女が顔を覗き込んだ。その表情は、もう完全に「女」だった。計算や余裕はそこにはなく、ただ欲しいものを見つめた子供のような、しかし濃密な性欲に歪んだ表情。

「早く。もう待てないの」

彼女の手が差し伸べられた。森下はその手を取り、ようやく車外に出た。脚が少し震えていた。

彼女は森下の手を離さず、まるで迷う隙を与えまいとするように、ホテルの自動ドアをくぐり、エレベーターへと一直線に進んだ。フロントで手続きをする間も、彼女は森下の横にぴったりと寄り添い、時折、わざとらしく胸を彼の腕に押し付けた。彼女の身体から、香水の香りよりも強い、女の興奮の甘い匂いが漂ってきているように森下には感じられた。

エレベーターの中は、タクシー以上に密閉された空間だった。鏡張りの壁に、自分たちの姿が映る。白いゴルフウェアを纏った妖艶な女と、地味な服を着て、うつむき加減の初老の男。その組み合わせの不自然さが、かえって背徳の彩りを濃くする。

栗崎は森下の横に立ち、鏡の中の彼を見つめた。そして、ゆっくりと手を伸ばし、彼の股間を、今度は正面から包み込んだ。

「ここ……ずっと、ずっと硬いままだね」

「……っ」

「嬉しいよ。私のために、こんなに興奮してくれてるんだから」

エレベーターが目的の階で静かに止まり、ドアが開いた。廊下はしんと静まり返っている。栗崎は鍵カードを手に、部屋番号を探しながら歩いたが、その手は一度も森下の股間から離れない。もはや愛撫というより、所有を確かめるような、執拗な握りっぱなしだった。

ドアの前に立ち、カードキーをかざす。小さな電子音が響く。

彼女はドアノブを回し、森下をわずかに中へと押し込むようにして、自らも部屋に入った。そして、背後でドアが閉まる音とほぼ同時に、彼女の様子が一変した。

「はあ……!」

溜め息のような吐息が漏れると、彼女は森下の胸に突っ伏すように抱きつき、そのまま押し倒すようにしてベッドへと導いた。森下はよろめきながらベッドの端に腰を下ろす。彼女はその前に跪いた。

玄関灯だけがついた薄暗い部屋の中で、彼女の顔が下から仰ぎ見られる。その目は、もう完全に狂おしいまでの欲情に曇っていた。

「見せる。今すぐに見せて」

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AIが紡ぐ大人の官能短編『妄想ノベル』案内人です

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