ゴルフボールより熱い、女社長が射止めたい60歳の亀頭

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第2章: 女社長のアプローチショット

第2章のシーン

第2章:女社長のアプローチショット

コンペから三日後の午後、森下の携帯が静かに震えた。

画面には、登録もしていないのに何故か覚えている数字列が表示されている。彼は一瞬、深呼吸をしてから受話ボタンに指を滑らせた。呼び出し音が一度鳴り切る前に、耳に馴染みのある、しかし少し高めに調整された女性の声が流れてきた。

「もしもし、森下さん? お忙しいところ申し訳ありません、栗崎です」

声の端に、ほんの少しだけ含まれた笑みが、電波を伝ってこちらの鼓膜をくすぐった。

森下は思わず背筋を伸ばし、無人のリビングで一人うなずいた。

「あ、栗崎さん……いえ、大丈夫ですよ。何かご用でしょうか?」

「実はあの後、ずっと気になっていまして。森下さんのあのショット、本当に見事でしたわ。私もあんな風に打てるようになりたくて」

彼女の声は、仕事で使うときより幾分柔らかく、それでいて核心を外さない。森下は曖昧に相槌を打った。

「いやあ……あれは本当にたまたまでしたから。栗崎さんも十分お上手じゃないですか」

「そんなことありませんよ。だって、あの日、森下さんと同パーティだった倉重さんが、『森下は本当に上手くなった』って褒めてましたもの。その秘訣、私にも少しだけ分けてもらえませんか?」

言葉の流れは滑らかで、しかも男の自尊心をくすぐるように巧妙に設計されている。森下は、長年サラリーマンをやってきた身として、この手の会話の術にはある程度免疫があるつもりだった。だが、相手が女性であり、しかもあの美貌の栗崎亜美であるとなると、話は別だった。

「秘訣なんて大げさな……ただ、練習場でちょっとしたコツをつかんだだけですよ」

「でしたら、その『ちょっとしたコツ』を、直接教えていただけませんか? 近くの打ちっぱなしで、一時間だけでも」

押しの強さは、しかし嫌味ではなく、むしろ「あなたに教えてほしい」という敬意に包まれていた。森下は断る理由を探したが、退職後の空白の時間が、彼の背中を押した。

「ええ……もしよろしければ。私で役に立つかどうか」

「ありがとうございます! じゃあ、今度の日曜の午後はいかがでしょう? 場所は……そうね、森下さんがよく行かれるところで構いません」

約束はあっという間に固まった。電話を切った後、森下はしばらく携帯を握りしめたまま、窓の外の雲を見つめていた。胸の奥で、小さくて曖昧な期待が、まるで泡のように浮かんでは消えた。

――何を期待しているんだ。ただのゴルフのレッスンだ。

彼は自分に言い聞かせた。だが、脳裏をよぎるのは、あの日のクラブハウスで、鈴木が放ったあの言葉だった。そして、栗崎が「ほんとなら拝んでみたいわね」と言った時の、あの切れ長の目が一瞬光った瞬間が。

***

日曜日の午後、約束の練習場は週末らしい賑わいに包まれていた。

森下はいつものように地味なポロシャツにチノパンという出で立ちで、指定された打席の前で待っていた。時計の針が約束の時間を指した瞬間、彼の視界に入ってきた姿に、息をのまずにはいられなかった。

栗崎亜美は、確かにゴルフウェアを纏っていた。しかしそれは、森下が想像していたような上品なものではなかった。

全身を覆うのは、まるで第二の皮膚のようにピッタリとした白を基調としたウェアだ。素材は薄く伸縮性に富み、彼女の鍛えられたくびれ、ふくよかでありながら締まった胸の膨らみ、そして腰から尻にかけての豊かな曲線を、一切の無駄も残さずに浮き彫りにしている。ズボンの裾は足首でぴしっと絞られ、動くたびに太ももの筋肉の動きが布越しにくっきりと伝わってくる。

髪は高い位置でポニーテールにまとめ、首筋がすっかり露出している。そのうえに被ったキャップのつばが、彼女の鋭い目元に影を落とし、どこか挑発的な印象を与えていた。

「お待たせしました、森下さん」

彼女はにっこり笑いながら近づいてきた。その歩み方にも無駄がなく、腰の揺れが自然に視線を集める。森下は咄嗟に目をそらし、自分のクラブバッグをいじり始めた。

「いえ、私も着いたばかりです。その……そのウェア、よく動きそうですね」

「ええ、韓国の女子プロがよく着ているブランドなんです。機能性は抜群だって聞いて、思い切って購入しちゃいました。どうですか、私に合ってますか?」

彼女はくるりと一回転してみせた。その動作で、ウェアの背中部分がわずかに伸び、背骨のラインが浮かび上がるのが見えた。森下の喉がカラカラと鳴った。

「あ、はい……とても、お似合いだと思います」

「ありがとうございます。じゃあ、早速お願いしますね。最近、どうもドライバーの当たりが安定しなくて」

レッスンは始まった。森下はこれまでにも何人かにゴルフを教えた経験があったが、これほどまでに緊張するのは初めてだった。

「まずはグリップから確認しましょうか」

「はい」

彼女が素直に両手を差し出した。森下はためらいながらも、自分の手を重ねた。彼女の手は予想以上に小さく、しかし握力はしっかりと感じられる。皮膚は滑らかで、少し冷たい。

「親指と人差し指で作るこのV字が、右肩を指すように……」

「こうですか?」

彼女がグリップを握り直す。その時、彼女の背中が、完全に森下の胸に触れた。薄いウェアの向こうから、彼女の体温と、ほのかな香水の香りが漂ってくる。森下は一瞬、身を引こうとしたが、彼女は動かない。

「もうちょっと……こうですか?」

彼女はわずかに体をよじり、振り返って森下を見上げた。その距離、あまりに近い。森下は彼女のまつ毛の一本一本が見えるほどの近さで、彼女の黒瞳が自分を映しているのを感じた。

「あ、はい……それで良いと思います」

彼は慌てて離れ、咳払いをした。心臓がばくばくと騒ぎ、耳の奥で血の流れる音が聞こえるようだった。

レッスンは続く。アイアンのショット、バンカーショットのコツ。その度に栗崎はわざとらしいほどに接近し、森下の腕に触れ、背中に手を当てて「ここ、こう動かすんですよね?」と吐息混じりの声で確認する。

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AIが紡ぐ大人の官能短編『妄想ノベル』案内人です

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