第3章: 昼下がりの獣たち

第3章: 昼下がりの獣たち
皺の重なる唇が離れた瞬間、空気は凍りつくように静まり返り、そして一瞬の後に、粘稠な熱に満たされてゆっくりと動き出した。由香の唇からは、孝三の唾液が糸を引いて、彼女の顎の柔らかな肌を伝い、ぬるりと滴り落ちる。その一筋の光景が、由香の中で何かの蓋を、もう二度と閉まることのないほど勢いよく吹き飛ばしてしまった。彼女の濡れた瞳は、羞恥の薄い膜を破り、その下に潜む純粋な欲望の炎をさらけ出していた。孝三の息遣いは、まるで長い冬眠から覚めた獣のように、荒く、そして熱を帯びていた。彼の目に映る由香は、もはや息子の嫁などという肩書きをまとった人形ではなかった。それは、彼の老いた体を蘇らせるためだけに存在する、生々しく、蜜の滴る、一頭の雌獣だった。
「…ああ…」
由香の咽び声は、もはや言葉ではなかった。それは、渇ききった喉から絞り出される、ただの本能の声だった。彼女は震える指先で、孝三が着ている紺色の作務衣の胸元にある紐に触れる。その紐は、長年彼の体を知っているかのように、しなやかに結ばれている。由香はその結び目を、まるで神聖な儀式を執り行うように、慎重に、そして執拗に解いていく。指先が布に触れるたびに、じんわりと伝わってくる孝三の体温が、由香の神経を逆なでするように快感を走らせる。ささっ、と紐が解ける音が、静かな部屋に不協和音のように響く。その音を合図に、由香の中の理性は完全に溶け出し、ただ一つの渇望だけが残った。
作務衣の胸が開き、そこに広がるのは、衰えながらも男の証をとどめた、白くて痩せた胸だった。皮膚は薄く、その下に浮かび上がる肋骨の影が、由香の心をかきむしる。そして、その胸の中央から、まばらに生えた白い胸毛が、まるで時の流れそのもののように見えていた。由香はためらいもなく、そのまま顔をうずめた。鼻先に突き刺さるのは、孝三の加齢臭だった。それは、若い男のそれとは全く異なる、古い本や、乾いた土、そして少しの汗が混ざり合ったような、深く、そして濃密な匂い。普通なら鼻を覆いたくなるようなその匂いが、由香にとってはこの世で最も甘く、最も intoxicating な毒となり、脳の奥底までじわじわと侵食していく。彼女は深く、深くその匂いを吸い込んだ。ああ、いい匂い。お義父さんの匂い。全部、好き。
「んっ…はぁ…」
由香の熱い吐息が、孝三の胸に直接当たり、彼の肌を微かに震えさせる。その反応が、由香の膣内に直接電流が走ったかのような激しい疼きを引き起こした。パンティーの中は、もうとっくにぐしょ濡れになり、愛液がじゅくじゅくと音を立てて、太ももの内側を伝って流れ落ちていた。孝三ももはや、ただ受け身の老人ではいられなかった。由香の献身的なまでの行為に、彼の内に眠っていた雄としての本能が、目覚めのときを迎えていた。彼の節くれだった、大きな手が、おずおずと、しかし確かに由香の背中に降りてくる。その手は、由香の薄いニットの上を、飢えた獣が獲物をなめるように、ゆっくりと撫でていく。指の腹が、ブラジャーのホックの感触を確かめ、そのまま腰のくびれに沿って滑り落ちていく。
「由香…お前は…」
孝三の声は、かすれていた。それは、何十年も忘れていた言葉を、ようやく思い出した老人の声だった。由香は顔を上げず、ただ首を横に振り、彼の胸にさらに強く顔を押し付けた。言葉はもういらない。この体と、この肌と、この匂いで、すべてを伝えたい。由香は自らの意志で、孝三の体を布団の上にそっと押し倒す。足が悪い孝三は、まるで抵抗する術もなく、彼女の導くままに横たわる。そして由香は、彼の上にまたがるように覆い被さった。ニットのワンピースの裾がめくれ上げられ、由香の白くてしなやかな太ももが、昼下がりの光の中にあらわになる。
孝三の目が、その光景に釘付けになった。彼の視線が焼き付く感触が、由香の肌を直接刺激する。彼女は自らの手で、ワンピースの肩紐をずらし、胸元から豊満な乳房を解放する。ブラジャーも面倒だと、そのまま下にずらし、ぷっくりと立ったピンク色の乳首を、孝三の目の前に突きつける。乳首は、すでに興奮のあまりにカチカチに硬くなり、ぱっくりと開いて、彼を誘っているかのようだった。
「…見てください。お義父さん…これが、由香です…」
それは、もはや嫁の言葉ではなかった。一頭の雌が、雄に自身のすべてを捧げるときの、原始的な叫びだった。孝三の喉が、ごくり、と音を立てた。彼はもう我慢の限界だった。彼の痩せた手が、よろよろと伸び、由香の柔らかく、重みのある乳房を掴んだ。その感触に、由香は「あっ!」と声を上げる。老いた手の力加減は、若い男のそれとは違い、少し粗く、そして所有欲に満ちていた。指の腹で乳首を強くつまみ、こね回す。その刺激が、背筋をぞくぞくとさせ、膣内をきゅうっと締め付けさせる。
「ああん!いい…!もっと、強く…!」
由香は自ら腰をくねらせ、孝三の股間に自分の濡れた陰部を擦り付ける。作務衣の上からでも、彼女の熱と濡れが伝わるのだろう。孝三の股間に、明らかな隆起が宿った。その硬さを感じ取った瞬間、由香は獣のように彼の作務衣の紐を引っ張り、剥ぎ取ろうとし始めた。二人の間で、衣服が無様に引き裂かれるような音がする。布地が肌を離れ、空気に触れる感触が、二人の興奮にさらに油を注ぐ。やがて、歳の離れた二人の裸が、古い布団の上で、醜くも、そして美しく重なり合った。
由香は孝三の体を、舌でなめるように舐め始めた。首筋、鎖骨、そして皺だらけの胸。彼の皮膚の味は、少し塩辛く、そして独特の男の味がした。由香はその味を堪能するように、ねっとりと舌を這わせる。孝三もまた、由香の若々しい肌を貪るように、彼の口を押し付けた。彼の舌は、不器用ながらも、執拗に由香の体を舐め回した。脇の下、背中、そしてへそ。二人はもはや、互いの匂いを嗅ぎ、唾液を交換し、汗を舐め合う、ただの獣と化していた。部屋には、汗と愛液、そして混じり合った唾液の、生々しく、下品な匂いが充満していた。由香の膣穴は、もう我慢の限界に達し、ぬくぬくと熱を帯びて、何かを求めてひくつき続けていた。孝三の硬くて、太い、年老いた性器が、由香の太ももに当たり、その熱さと硬さが、彼女の最後の理性を断ち切った。
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