第5章: 夜の蜜、朝の嘘

第5章: 夜の蜜、朝の嘘
夜明けの光が、カーテンの隙間から細い、冷たい刃となって部屋を切り裂いた。
静子は、ぐったりと疲れ果てた体を引きずるようにして、まぶたを重く上げた。
隣で眠る和夫の穏やかな寝息は、一晩中続いた激しい疼きと裏腹に、何事もなかったかのような日常の音だった。
しかし、静子の身体はもはや昨日のものではなかった。
膣の奥が、まだ宏大の激しい突き上げの余韻で、甘い痛みを伴ってひくついている。
太ももの内側には、彼の熱い精液が乾いた跡がベタつき、微かな、生々しい匂いを放っている。
それは若い男の体液と、自分自身が疼いて流れた愛液が混ざり合った、濃密な夜の香り。
そっと布団から抜け出し、鏡の前に立つ。
そこに映るのは、少し顔が腫れ、目元に淫らな色を浮かべた、見たこともいない自分だった。
この頬の紅潮、この艶のある唇、すべてはあの若い男の硬いペニスによって刻み込まれた女の証。
罪悪感という名の霧は、夜の蜜に濡れてすっかり薄れ、むしろその事実が甘美な秘密として胸の内で温められていた。
「お母さん、起きたの?もう朝だよ」
娘、明那の元気な声が扉の向こうで響き、静子ははっとした。
慌てて普段の顔に戻そうと、自分の頬をひっぱたいた。
朝食の準備をしながら、彼女の思考は昨日の夜に何度も引き戻される。
宏大の熱い息、彼の巨大な手が自分の体を支配していた感触、そしてあの濃密な液体が膣内に注ぎ込まれた時の、あの陶酔。
フライパンを握る指先が、ふと熱くなる。
ああ、また、あの男のことを考えてしまう。
どうしようもなく、体が彼を求めている。
食卓は、いつもの穏やかな光景に戻っていた。
和夫は新聞に夢中で、明那はスマホを操作しながら朝ごはんを頬張っている。
静子は、昨日の激しい行為でまだ疼く下半身を気遣いながら、そっと腰掛けた。
その時、リビングから宏大が現れた。
彼はすでに清潔なシャツにスラックスという出勤準備万端の姿で、昨夜の獣のような貌はどこにもなかった。
そのギャップに、静子の心臓が不意に高鳴った。
「おはようございます。お義母さん、お義父さん」
宏大の爽やかな声に、明那が笑顔で振り返る。
「おはよ、宏大!今日も早いね!」
「ああ、朝早い案件があってな」
宏大は静子の隣に席につく。
その瞬間、テーブルの下で、彼の足が静子の足にそっと触れた。
わざとらしく、しかし確実に。
息を飲み、持っていたお箸をカチリと鳴らしてしまった。
和夫も明那も気づかない。
ただ、テーブルの下という密室で、義母と娘婿が交わす禁断の接触だけが、静子の感覚を鋭く研ぎ澄ませていく。
その足の先から伝わる体温だけで、膣内がぬるりと濡れ始めるのを、彼女は自分で感じて愕然とした。
「お義母さん、お味噌汁、おいしいです」
宏大は何気なくそう言いながら、味噌汁のお椀を手に取った。
その時、彼の指が、お椀を渡す際に静子の指先にふれた。
一瞬の接触。
だが、その指先には、昨夜、自分の体のあらゆる場所を弄んだ、あの熱い感触がそのまま残っているかのようだった。
静子は顔を赤らめ、俯いてしまう。
「そ、そうかしら…」
かろうじて絞り出した声。
明那が何も疑わずに話しかける。
「ねえ、お母さん。この前話してた、温泉旅行、今度の連休に行かない?宏大さんも休み取れるって言ってたし」
「え、ああ、そうね…」
静子は適当に相槌を打つが、頭の中は宏大のことでいっぱいだった。
温泉旅行?宏大と一緒に?
そんなことをしたら、一日中、何度も犯されてしまうだろう。
湯船の中で、ベッドの上で、あの若い巨根で何度も何度も…。
考えただけで、膝の裏が熱くなる。
「僕は、義母さんと二人で行きたいですね」
宏大は、にやりと笑いながら、静子の目をまっすぐに見つめて言った。
その言葉は、明那には夫からの冗談に聞こえただろうが、静子には、甘く危険な誘いの響きしかなかった。
彼の瞳の奥には、昨夜と変わらぬ、自分を貪りたいという濃厚な欲望が渦巻いていた。
「もう、宏大ったら、からかわないで」
静子は、そう言って顔をそむけた。
その頬が、恥じらいと興奮で火照っているのを、彼は見逃さなかった。
朝食が終わり、二人が出準備を始めた。
玄関で、和夫が「いってらっしゃい」と声をかける。
明那が先に車に向かった。
宏大だけが、わざと後れて静子のそばに立った。
そして、何も言わない。
ただ、静子の目をじっと見つめる。
その視線が、まるで彼女の服を一枚一枚剥がし、中の熟れた肉体をなめ回すかのようだった。
そして、彼は口の尖を、わずかに突き出して、ゆっくりと舐めるように動かした。
その仕草は、明確なメッセージだった。「また、お義母さんを犯します」。
その眼差しに、静子の最後の理性が、静かに音を立てて崩れ落ちた。
彼女は、抗うことのできない女として、次の犯される夜を待つことを、全身で受け入れた。
玄関のドアが閉まる。
静子は、一人残されたリビングで、よろめくようにソファに腰を下ろした。
朝の嘘は終わり、夜の蜜が、再び彼女を待っている。
彼女は無意識に、自分の下腹部をそっと撫でた。
そこは、まだ宏大の熱を宿していた。
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