ゴルフボールより熱い、女社長が射止めたい60歳の亀頭
あらすじ
退職と同時に妻に去られ、実家で侘びしい日々を送る森下浩一郎。唯一の楽しみは月に一度のゴルフコンペだった。いつもの仲間たちと回る中、倉重が連れてきたのは、鋭い美貌の女社長・栗崎亜美。森下はなぜかその日に限って好調でベストグロスを獲得する。冷やかしの中、旧友の鈴木が「こいつの亀頭はゴルフボール並みだ」と昔話を披露。一同は大笑いするが、栗崎の目は一瞬、森下の股間を捉え、内側で何かが蠢く。軽いノリの会話の裏で、彼女の脳裏には、あの大きさが自分の膣と、すでに快楽を知ったアナルを穿つ想像が焼き付く。経営者として男たちを翻弄してきた栗崎は、この目立たない初老の男の「武器」に、純粋な肉的興味と共に、何かを支配したい欲求を覚えるのだった。
第1章 退職後のフェアウェイ

第1章: 退職後のフェアウェイ
空は高い秋晴れだった。
刈り込まれた芝の緑が朝露にきらめき、遠くの林の木々がほんのり紅葉の兆しを見せている。フェアウェイを隔てる白い杭が整然と並び、その向こうには人工池が静かな水鏡を張っていた。午前九時を回ったばかりのゴルフ場には、すでに数組のプレーヤーが散らばり、時折、クラブがボールを打つ乾いた音と、小さく響く歓声が風に乗って流れてくる。
森下浩一郎は、バッグを肩から下ろしながら、深く息を吸い込んだ。
芝生の匂い。土の湿った香り。朝の冷気が肺の奥に染み渡る。彼は六十歳になって、ようやくこうした単純な感覚に、かすかな安らぎを見いだせるようになった。退職から三ヶ月。三十年勤めた会社を去り、それとほぼ同時に妻に去られ、今は亡き両親が暮らしていた郊外の一軒家で、ただひとり日々を過ごしている。
――まるで人生の掃き溜めだな。
ふと、そんな自嘲が頭をよぎる。が、すぐに彼は首を振った。今日は月に一度の楽しみだ。学生時代からの友人たちと回るゴルフコンペの日。これだけは、何があっても休まないと決めていた。
「おーい、森下! 遅いぞ遅いぞ!」
陽気な声がして、クラブハウスの玄関から小柄で小太りの男が手を振ってきた。七三分けの黒髪がきちんと整えられ、高級そうなゴルフシャツに身を包んでいる。倉重だ。同年代ながら、中小企業を経営する羽振りのいい男は、いつもこうして周囲を明るくする。
「すまん、電車の関係で」
森下は苦笑しながら近づいた。
「ははは、まあいいさ。今日はね、ちょっとしたお客さんを連れてきたんだ」
倉重がにやりと笑い、振り返った。その背後から、ひとりの女性がゆっくりと歩み出てきた。
森下は一瞬、息をのんだ。
彼女はおそらく四十代半ばだろう。艶やかな栗色のロングヘアは、後ろで一つにまとめられ、幾筋かがほほを撫でている。切れ長の目は黒く鋭く、しっかりとした眉が知性的な印象を与える。ゴルフウェアは、白を基調にしたブランド物のセットで、それが鍛えられたくびれと、ふくよかでありながら締まった胸や腰のラインを、一切の無駄なく強調していた。身長は森下より少し低い程度だが、その佇まいはまるでプロゴルファーのようだ。
「こちら、栗崎亜美さん。うちと取引のある広告代理店の社長さんだよ。ゴルフはまだまだってことで、今日はお仲間に混ぜてもらおうと思ってね」
倉重が紹介する。
栗崎はほんのりと微笑み、軽く会釈した。
「初めまして、栗崎と申します。今日はお邪魔させていただきます。よろしくお願いいたします」
声は低く、滑らかで、ビジネスの場で磨き上げられた丁寧な響きだった。しかし、その瞳の奥には、何かを測っているような鋭さがちらりと光る。
「あ、はい……森下です。よろしく」
森下はつい、かしこまった返事をしてしまった。彼女の存在感に、少し圧倒されていた。これまで会ったことのない種類の女性だ。美しいだけでなく、どこか隙のない、計算された空気をまとっている。
「さてさて、もう一人は……お、来た来た!」
倉重が指さす方を見ると、日焼けした肌にスポーツ刈りの白髪が印象的な、がっしりとした体格の男が、ややくたびれたゴルフバッグを引きずりながら近づいてきた。鈴木だ。森下の学生時代からの友人で、無骨でざっくばらんな性格が身上の男である。
「おう、遅くなった! 今朝、孫がぐずりやがってな!」
鈴木は豪快に笑い、森下の肩をポンと叩いた。
「お前、相変わらず元気だな。こっちは栗崎さん。今日のゲストだ」
倉重がもう一度紹介すると、鈴木は栗崎を一瞥し、大きくうなずいた。
「おう、よろしくな! ん? でももしかして、あの『クリサキ・プランニング』の?」
「はい、そうです」
栗崎の微笑みが、ほんの少し深くなる。
「へえ! そっちの社長さんか! よく名前は聞いてたぜ。でっかい看板、駅前に立ってるよな!」
「お恥ずかしい限りです」
そう言いながらも、栗崎の表情には、自社の認知度を確認した満足のような色が浮かんでいた。森下はそれを一瞬で見逃さなかった。彼女は確かに、ビジネスの場で勝ち上がってきた女性なのだろう。
四人で受付を済ませ、スタート時間まで少しラウンジで待つことになった。森下はコーヒーを啜りながら、窓の外のコースを見つめていた。心のどこかで、今日はなぜか調子がいいような気がしていた。寝不足気味だし、体も少し重いのに、クラブを握りたくなる不思議な感覚がある。
「森下さん、普段はどちらでプレーされることが多いんですか?」
ふと、隣から声がかかった。栗崎が、優雅に紅茶のカップを傾けながら、彼を見ている。
「え? あ、ここがメインですね。会員権を持っていますので」
「そうなんですか。いいコースですよね。私も何度か招待で回ったことはあるんですが、なかなかスコアが伸びなくて」
栗崎の口調は軽やかだが、目はしっかりと森下の顔を捉えている。まるで、何かを評価するように。
「いえ、私も大したことありませんよ。今日こそ、皆さんの足を引っ張らないように」
「とんでもない。倉重さんからは、森下さんはとてもお上手だと伺いましたよ」
倉重が、にやにやと笑っている。
「そうそう、森下はね、ショットはともかく、パターがすごくうまいんだ。今日はベスグロ狙えるんじゃないか?」
「まさか……」
森下は照れくさそうに首を振った。が、内心では、倉重の言葉が妙に嬉しかった。退職してから、誰からも評価されることなどなかった。たとえそれが社交辞令だとしても、久しぶりに聞く褒め言葉は、乾いた土に染み込む水滴のように感じられた。
スタートの時間が来た。
四人は第一ホールのティーグラウンドに立ち、順番を決めた。秋の陽射しは柔らかく、風もほとんどない。絶好のゴルフ日和だ。
森下が最初のティーショットに立った。ドライバーを握り、ゆっくりと素振りをする。背中に、三組の視線が感じられる。特に、栗崎の視線が熱い。彼女は少し離れた位置に立ち、腕を組んでじっと見つめている。
――なぜだろう。
不思議な高揚感が胸をよぎる。彼は深く息を吸い、ボールを見据え、スイングを始めた。
クラブヘッドが風を切り、乾いた音とともにボールが飛び出した。白い球は美しい弾道を描き、フェアウェイの中央に、見事に落ちていった。
「おおっ! ナイスショット!」
鈴木が大声をあげ、倉重も拍手した。
栗崎は、軽く頷いた。
「さすがです」
その言葉に、森下の胸がまた少し温かくなった。
その日、森下は確かに調子がよかった。普段はミスショットも多いのに、今日に限ってはショットもパットも冴え、スコアカードには彼にとっては珍しいほどの良い数字が並んでいった。仲間たちの冷やかしや賞賛を浴びながら、彼は久しぶりに、何かに夢中になっている自分を思い出していた。
ラウンドが終わり、クラブハウスに戻ったのは午後三時を回っていた。四人は少し汗ばみ、達成感と疲労が心地よく混ざり合っていた。
「いやー、森下、今日はすごかったな! ベストグロス確実だぞ!」
シャワー室に向かう廊下で、鈴木が大きな声で言った。倉重も同意するようにうなずく。
「ほんと、あのパーフェクトに近いバーディランの流れは見事だったよ」
森下は、ただ恥ずかしそうに笑うしかなかった。
「いや、たまたまですよ。今日は風もなかったし……」
「謙遜すんなって! あんだけ打てれば、もっと若い頃から本気出してればプロにもなれてたかもな!」
鈴木は調子に乗ると、つい昔話をし始める癖があった。
「そういえば、森下ってやつ、学生の頃から妙に女にもてたんだよな。あの飄々とした感じが、かえってモテたのか?」
「はあ……」
森下は苦笑した。実際、若い頃はそこそこ女性との交際もあったが、今となっては遠い昔の話だ。
「でもな、あいつが本当にすごかったのは、別のとこだぜ」
鈴木が、突然含みのある笑みを浮かべた。倉重が興味深そうに顔を寄せる。
「ん? どういうことだい?」
「こいつのアソコ、すげえんだよ。ほら、ゴルフボールくらいあるって、みんなで言ってたじゃねえか」
瞬間、空気が一瞬止まった。
森下は顔が火照るのを感じた。
「おい、鈴木……」
「ああ、そういえばそんな噂あったな!」
倉重も思い出したように笑い出した。
廊下に立つ四人の中、ただ一人、栗崎だけが沈黙していた。彼女は森下の方を一瞥し、それからゆっくりと口を開いた。
「えっ……ゴルフボールって、ほんとですか?」
その声は、驚きと、どこか興味を引かれたような、軽い調子だった。しかし、彼女の視線は、森下の顔から、ほんの一瞬だけ、ズボンの股間のあたりを掠めていった。
森下は慌てて笑ってごまかそうとした。
「は、はは……そんな大げさな。昔の話ですよ」
「大げさじゃねえ! 俺、実際に見たことあるからな! こいつ、むかしから、アソコはプロ並みなんだよなぁ!」
鈴木はますます調子に乗り、大きな手で森下の背中を叩いた。
栗崎は、小さく「うふっ」と笑った。
「ほんとなら、拝んでみたいわね」
それは、明らかにその場を合わせた軽口だった。倉重も笑い、鈴木も満足そうにうなずく。何の変哲もない、中年男女の下ネタ交じりの会話。ゴルフの後の疲れた身体を、ほんのりと温めるだけの、ありふれた一幕。
――そう、ただの冗談だ。
森下もそう思おうとした。
しかし。
栗崎亜美は、その笑顔を崩さずに、心の内側で、全く別のイメージを膨らませていた。
ゴルフボール。
彼女は、打ちっぱなし練習場で、何度も握ったことのある、あの小さくて硬い球を思い浮かべた。直径約四十二ミリ。手のひらに乗せれば、ずっしりとした重みがある。あの大きさが、男の亀頭だというのか。
――信じられない。
まず、そう思った。しかし、鈴木の言葉は、あまりにも具体的だ。しかも、彼は森下の旧友だ。何か根拠があるのかもしれない。
そして、想像が勝手に動き始める。
あの大きさが、自分の膣を出入りする光景。ぎっしりと詰まり、擦り上げられる感覚。彼女は、経営者としてのし上がる過程で、女であることも一つの武器としてきた。取引先の社長や重役を、色気で釣ることも珍しくなかった。セックス自体は嫌いではない。むしろ、時折訪れる強烈な快楽は、ストレス解消にもなった。
彼女の身体は、もうとっくに様々な快楽を知っている。膣だけではない。アナルも、とある権力者との関係で「開発」済みだった。最初は痛みと羞恥でしかなかったが、次第に、あの狭くて熱い穴が、巨大なものを欲しがるようになった。
ゴルフボールのような亀頭が、あのアナルを出入りする時、どれほどの快感が訪れるだろう。
ふと、股間の奥が、じんわりと熱を持った。
彼女は無意識に、腿を少しだけ擦り合わせた。スラックスの生地が、敏感な部分に触れる。まだ湿り気はないが、内側がほんのりと疼き始めているのを感じた。
――だめだ。
理性が、ぷつりと糸を引く。
相手は六十歳の、退職したただの男だ。外見も、白髪交じりの銀髪に、くすんだ瞳、やや痩せ型で、どこにでもいそうな初老の男性に過ぎない。服装も地味で、人生に疲れたような飄々とした雰囲気をまとっている。ビジネスの世界で渡り合ってきた彼女にとって、こんな男に興味を持つ理由など、本来どこにもない。
しかし。
彼女の目は、森下の後ろ姿を追っていた。シャワー室に向かって歩いていく、何の変哲もない背中。
――あの男が、あんなものを持っている?
疑念と、興味と、どこか滾るような欲望が、心の底で絡み合う。
倉重が何か話しかけてきた。彼女はすぐに笑顔を戻し、適当な相槌を打った。ビジネスパートナーとして、倉重は大切なコネクションだ。彼を通じて、森下の情報をもっと聞き出せるかもしれない。
「倉重さん、あの森下さんて、ご家族はおありなんですか?」
彼女は、さりげなく尋ねた。
「ああ、森下か? うーん、確か最近離婚したって聞いたよ。退職直後にさ。今は一人暮らしなんじゃないかな」
「そうなんですか……」
栗崎は、紅茶のカップの縁に指を当てながら、思考を巡らせた。
独り身。六十歳。退職して時間はある。地味で目立たない。しかし、あの大きさが本当なら――
彼女の唇が、思わず緩んだ。
面白い獲物を見つけたかもしれない。
森下浩一郎。彼の唯一無二の「武器」を、彼女はこの手で確かめてみたくなった。ビジネスのように、冷静に、かつ貪欲に。
クラブハウスの窓から差し込む夕日が、廊下をオレンジ色に染めていた。四人の影が長く伸び、やがてそれぞれのシャワー室のドアに消えていく。
栗崎亜美は、最後にもう一度だけ、森下が入ったドアを見つめた。
そして、心の中で、そっと囁いた。
――あたしが、いただくわ。
遠くで、誰かの笑い声が響いた。日常は、いつも通りに流れ続けている。
しかし、その穏やかな水面の下で、ある欲望の糸が、静かに絡み始めていた。
第2章 女社長のアプローチショット

第2章:女社長のアプローチショット
コンペから三日後の午後、森下の携帯が静かに震えた。
画面には、登録もしていないのに何故か覚えている数字列が表示されている。彼は一瞬、深呼吸をしてから受話ボタンに指を滑らせた。呼び出し音が一度鳴り切る前に、耳に馴染みのある、しかし少し高めに調整された女性の声が流れてきた。
「もしもし、森下さん? お忙しいところ申し訳ありません、栗崎です」
声の端に、ほんの少しだけ含まれた笑みが、電波を伝ってこちらの鼓膜をくすぐった。
森下は思わず背筋を伸ばし、無人のリビングで一人うなずいた。
「あ、栗崎さん……いえ、大丈夫ですよ。何かご用でしょうか?」
「実はあの後、ずっと気になっていまして。森下さんのあのショット、本当に見事でしたわ。私もあんな風に打てるようになりたくて」
彼女の声は、仕事で使うときより幾分柔らかく、それでいて核心を外さない。森下は曖昧に相槌を打った。
「いやあ……あれは本当にたまたまでしたから。栗崎さんも十分お上手じゃないですか」
「そんなことありませんよ。だって、あの日、森下さんと同パーティだった倉重さんが、『森下は本当に上手くなった』って褒めてましたもの。その秘訣、私にも少しだけ分けてもらえませんか?」
言葉の流れは滑らかで、しかも男の自尊心をくすぐるように巧妙に設計されている。森下は、長年サラリーマンをやってきた身として、この手の会話の術にはある程度免疫があるつもりだった。だが、相手が女性であり、しかもあの美貌の栗崎亜美であるとなると、話は別だった。
「秘訣なんて大げさな……ただ、練習場でちょっとしたコツをつかんだだけですよ」
「でしたら、その『ちょっとしたコツ』を、直接教えていただけませんか? 近くの打ちっぱなしで、一時間だけでも」
押しの強さは、しかし嫌味ではなく、むしろ「あなたに教えてほしい」という敬意に包まれていた。森下は断る理由を探したが、退職後の空白の時間が、彼の背中を押した。
「ええ……もしよろしければ。私で役に立つかどうか」
「ありがとうございます! じゃあ、今度の日曜の午後はいかがでしょう? 場所は……そうね、森下さんがよく行かれるところで構いません」
約束はあっという間に固まった。電話を切った後、森下はしばらく携帯を握りしめたまま、窓の外の雲を見つめていた。胸の奥で、小さくて曖昧な期待が、まるで泡のように浮かんでは消えた。
――何を期待しているんだ。ただのゴルフのレッスンだ。
彼は自分に言い聞かせた。だが、脳裏をよぎるのは、あの日のクラブハウスで、鈴木が放ったあの言葉だった。そして、栗崎が「ほんとなら拝んでみたいわね」と言った時の、あの切れ長の目が一瞬光った瞬間が。
***
日曜日の午後、約束の練習場は週末らしい賑わいに包まれていた。
森下はいつものように地味なポロシャツにチノパンという出で立ちで、指定された打席の前で待っていた。時計の針が約束の時間を指した瞬間、彼の視界に入ってきた姿に、息をのまずにはいられなかった。
栗崎亜美は、確かにゴルフウェアを纏っていた。しかしそれは、森下が想像していたような上品なものではなかった。
全身を覆うのは、まるで第二の皮膚のようにピッタリとした白を基調としたウェアだ。素材は薄く伸縮性に富み、彼女の鍛えられたくびれ、ふくよかでありながら締まった胸の膨らみ、そして腰から尻にかけての豊かな曲線を、一切の無駄も残さずに浮き彫りにしている。ズボンの裾は足首でぴしっと絞られ、動くたびに太ももの筋肉の動きが布越しにくっきりと伝わってくる。
髪は高い位置でポニーテールにまとめ、首筋がすっかり露出している。そのうえに被ったキャップのつばが、彼女の鋭い目元に影を落とし、どこか挑発的な印象を与えていた。
「お待たせしました、森下さん」
彼女はにっこり笑いながら近づいてきた。その歩み方にも無駄がなく、腰の揺れが自然に視線を集める。森下は咄嗟に目をそらし、自分のクラブバッグをいじり始めた。
「いえ、私も着いたばかりです。その……そのウェア、よく動きそうですね」
「ええ、韓国の女子プロがよく着ているブランドなんです。機能性は抜群だって聞いて、思い切って購入しちゃいました。どうですか、私に合ってますか?」
彼女はくるりと一回転してみせた。その動作で、ウェアの背中部分がわずかに伸び、背骨のラインが浮かび上がるのが見えた。森下の喉がカラカラと鳴った。
「あ、はい……とても、お似合いだと思います」
「ありがとうございます。じゃあ、早速お願いしますね。最近、どうもドライバーの当たりが安定しなくて」
レッスンは始まった。森下はこれまでにも何人かにゴルフを教えた経験があったが、これほどまでに緊張するのは初めてだった。
「まずはグリップから確認しましょうか」
「はい」
彼女が素直に両手を差し出した。森下はためらいながらも、自分の手を重ねた。彼女の手は予想以上に小さく、しかし握力はしっかりと感じられる。皮膚は滑らかで、少し冷たい。
「親指と人差し指で作るこのV字が、右肩を指すように……」
「こうですか?」
彼女がグリップを握り直す。その時、彼女の背中が、完全に森下の胸に触れた。薄いウェアの向こうから、彼女の体温と、ほのかな香水の香りが漂ってくる。森下は一瞬、身を引こうとしたが、彼女は動かない。
「もうちょっと……こうですか?」
彼女はわずかに体をよじり、振り返って森下を見上げた。その距離、あまりに近い。森下は彼女のまつ毛の一本一本が見えるほどの近さで、彼女の黒瞳が自分を映しているのを感じた。
「あ、はい……それで良いと思います」
彼は慌てて離れ、咳払いをした。心臓がばくばくと騒ぎ、耳の奥で血の流れる音が聞こえるようだった。
レッスンは続く。アイアンのショット、バンカーショットのコツ。その度に栗崎はわざとらしいほどに接近し、森下の腕に触れ、背中に手を当てて「ここ、こう動かすんですよね?」と吐息混じりの声で確認する。
彼女の胸が、たびたび森下の腕に押し付けられる。柔らかく、しかし確固たる弾力。そのたびに、森下の股間がじわりと熱を持ち、ズボンの上からでもわかるほどに反応していくのを、彼は必死で隠そうとした。
「森下さん、汗かいていますよ」
突然、彼女がタオルを手に取り、森下の額にそっと当てた。その手の動きはあまりに自然で、拒む余地がなかった。
「あ、すみません、自分で……」
「いいんですよ。だって私のせいで、ずっと立ちっぱなしですもの」
彼女の指が、タオル越しに森下のこめかみを軽くなでた。その一瞬の接触が、森下の全身に電流を走らせた。
一時間のレッスンが終わる頃には、森下の方はまるで試合を三ラウンド戦ってきたかのようにぐったりしていた。精神的に、である。
「本当にありがとうございました、森下さん。すごく勉強になりました」
栗崎は満足そうに笑い、ペットボトルの水を一口飲んだ。その時、首を仰ぐ彼女の喉元が、汗で光る肌が、森下の目を釘付けにした。
「いえ……お役に立てたなら。栗崎さん、元から動きが良いですから、すぐにコツはつかめると思いますよ」
「褒め上手ですね。でも、まだまだ全然ダメです。あ、そうだ」
彼女は時計をチラリと見て、いたずらっぽい笑みを浮かべた。
「せっかくですから、このまま軽く一杯いきませんか? お礼も兼ねて。この近くに、オープンテラスのあるビアガーデンができたんですって。暑いですし、冷たいビールが飲みたくなりまして」
誘いの言葉はさらりとしているが、その目は森下を逃がすまいとしっかり捉えていた。断る口実を探している森下の脳裏を、彼女は先回りするように言った。
「倉重さんたちも、たまにあそこで飲んでるって言ってましたよ。今日は日曜だし、混んでないかもしれませんね」
結局、森下はうなずくしかなかった。
***
ビアガーデンは、彼女の言う通り比較的空いており、木陰のあるテーブルを選ぶことができた。
黄昏が始まりかけている時間帯で、オレンジ色の光がテーブルの上にゆらゆらと揺れていた。栗崎はジョッキを注文し、森下にも同じものを勧めた。
「今日は本当にありがとうございました。乾杯しましょう」
「いえ、こちらこそ……乾杯」
グラスが触れ合う音は、何故か森下の耳には大きく響いた。冷たいビールの苦味が喉を通り抜け、少しだけ熱せられた体を冷やしてくれる。しかし、それと同時に、アルコールがほぐし始める緊張が、新たな種類の緊張へと変わっていくのを感じた。
会話は、ゴルフのこと、仕事のこと、ゆるやかに流れていく。栗崎は巧みに話題を導き、森下の退職前の話や、今の生活についてさりげなく聞き出した。彼女は聞き手としても卓越しており、相槌や質問のタイミングが絶妙で、森下は知らないうちにいつもより多くを語っていた。
二杯目のジョッキが半分ほど空いた頃、空気が変わった。
ほのかに陽が落ち、周囲にランタンが灯り始める。その柔らかな照明が、栗崎の顔の輪郭をより艶やかに浮かび上がらせた。彼女はテーブルに肘をつき、ほんの少しだけ前のめりになった。
「森下さんって、本当に穏やかですね。倉重さんたちも、『森下はいいやつだ』って言ってましたよ」
「はあ……それは、どうも」
彼女の視線が、森下の目から、口元へ、そして首筋へとゆっくりと下りていく。その視線の動き自体が、愛撫のように感じられた。
そして、テーブルの下で、何かが起こった。
最初は偶然の接触かと思った。栗崎の膝が、そっと森下の膝に触れただけだった。しかし、彼女はそれを離さない。むしろ、ほんのりと圧力を加えてきた。
森下は固まった。動けなかった。彼の太ももに、彼女の膝の温もりが、薄いチノパンの布地を透過して確かに伝わってくる。
「あの……栗崎さん?」
「ん?」
彼女は無邪気に、いや、あまりにも無邪気すぎる表情で首をかしげた。しかし、テーブル下での接触は続いている。
そして、その接触が、動き始めた。
彼女の膝が、ゆっくりと、森下の太ももの内側を這うようにして上へ、上へと移動していく。その動きはあまりに遅く、あまりに確信に満ちていた。森下の呼吸が乱れ始めた。股間が、レッスン中以上に激しく反応し、ズボンの中で怒張し始めている。隠しようがない。
「森下さん」
彼女の声が、一瞬低く、曇った。
「この間、鈴木さんがおっしゃってたこと……本当なんですよね?」
その言葉と同時に、彼女の手がテーブルの下から滑り込んできた。膝ではなかった。彼女の細くて整った指が、直接、森下の太ももの上に置かれたのだ。
「え……」
森下は声にならない声を漏らした。彼女の手のひらが、ゆっくりと、しかし迷いなく、彼の腿を撫で始める。上へ、上へ。その動きは、もはや何の誤解の余地もない。
「私、ずっと気になってたんです。あのゴルフボールって」
彼女の指先が、ついに、ズボンの上からでも明らかに膨らんだ森下の股間の頂点に触れた。ほんの一瞬、軽くこするように。
その瞬間、森下の全身に火花が散った。彼は思わず腰を浮かせそうになり、テーブルを揺らした。ジョッキの中のビールが揺れた。
栗崎は、それを見て、ゆっくりと微笑んだ。それは、獲物を確実に視界に収めた狩人の笑みだった。彼女の黒瞳が、ランタンの灯りを反射して、欲望そのもののように煌めいている。
「……ほんと、だ」
彼女の呟きは、吐息のように熱かった。指が、もう一度、形を確かめるように、そっと圧をかけた。布越しに、その大きさ、硬さ、脈打つような熱を、彼女は貪るように感じ取っている。
森下は、もう何も言えなかった。理性が、アルコールとこの女性の魔術的な手によって、溶解し始めていた。ただ、彼女の指の動きと、自分の中に渦巻く渇望だけが、世界のすべてのように感じられた。
栗崎は、森下の顔をじっと見つめながら、唇をわずかに湿らせた。
「森下さん……」
その声は、もう囁きに近い。
「このまま、ここにはいられないわ。私……我慢できなくなっちゃいそう」
彼女の指が、最後に一度、強く、しかし短く握りしめるような動きをした。それだけで、森下は思わず息を詰まらせた。
「近くに、いいホテルがあるの、知ってる?」
栗崎は、ゆっくりと手を引いた。しかし、その視線は森下から一瞬も離れない。誘惑と確信と、少しの焦燥が入り混じった、濃密な眼差しだった。
「あなたの……あの『ゴルフボール』を、私のホールに収めさせて。ね?」
風が少し強くなり、木々の葉がざわめいた。その音さえも、森下の耳には、彼女の誘いの余韻のように響いた。
第3章 エスコートはホテルへ

第3章: エスコートはホテルへ
ビアガーデンの木陰から二人が立ち上がった時、既に言葉を交わす必要などなかった。
栗崎がスマートフォンで呼んだタクシーが、ほんの数分で舗道の脇に滑り込んだ。彼女は森下の腕を軽く取り、まるで迷子にならないように導くかのように後部座席へと誘い込んだ。ドアが閉まり、車内に密閉された空気が漂う。エンジン音だけが、急速に高鳴っていく鼓動をわずかに覆い隠してくれた。
「○○ホテルまで、お願いします」
彼女の声は、運転席に向けられながらも、どこか甘く濁っていた。車が動き出す。
ほんの数秒の沈黙の後、彼女の手がまた動いた。
テーブルの下で行われていたことの、当然の続きだった。彼女の右手が、森下の左太ももの上に、自然な流れで置かれた。最初はただ触れているだけだった。しかし、タクシーが最初の曲がり角を旋回したその瞬間、彼女の指が動き、軽く握りしめるように肉を掴んだ。
「……っ」
森下は息を詰まらせた。狭い車内では、運転手の存在が背中に張り付いているように感じられる。窓の外を流れる街灯の光が、彼女の横顔を一瞬、妖しく浮かび上がらせては消える。
彼女は森下の顔を見ない。窓の外を見つめているふりをしながら、ただひたすらに、手のひらでその膨らみを探り、確認する。チノパンの薄い生地の上から、あの巨大な固さの輪郭をなぞる。先端から根元まで、ゆっくりと、確かめるように。
「森下さん……」
彼女の声が、車内の暗がりに溶けるように漏れた。それは、先ほどまでの誘惑的な囁きとは少し違い、純粋な渇望に震えているようだった。
「早く……早く見せて。触らせて」
言葉とともに、彼女の手がより強く、より貪欲になった。指がズボンのチャックの上で震え、布越しに伝わる熱に、彼女自身が咽ているかのようだった。もう、揉むというより、むしり取ろうとするような力強さで、男性器の形を握りしめ、上下に擦る。
森下は座席の背もたれに深く沈み込んだ。目を閉じた。初老の体の中を、忘れていたような激しい衝動が駆け巡る。妻との間にさえ、ここまで切羽詰まった欲望を感じたことはなかった。恥ずかしさと、背徳感と、それらを凌駕する肉体的な快楽が、理性を脆く溶かしていく。
彼女の指が、ついにチャックの金具に触れた。音を立ててそれを下ろそうとする気配に、森下は思わず股を少し閉じた。
「ダメ……」
「どうして?」
彼女は初めて森下の方を見た。暗闇の中で、その瞳だけが濡れた獣のように光っている。
「運転手さんに、見られるかもしれないから? じゃあ、音を立てないように……ゆっくり開けるね」
その言葉の恐ろしさ。彼女は本気だ。この密室で、実際にそれを取り出そうとしている。森下の頭が真っ白になった。しかし、体は逆に、より一層熱を帯び、彼女の手にすり寄っていくように感じられた。
「栗崎……さん……」
「大丈夫。このスカートで、隠してあげるから」
彼女はそう言うと、自分のスカートの裾を、さっと森下の腿の上に広げた。薄い生地が、彼の下半身を覆う。その下で、彼女の手が再び動き始めた。今度は、より直接的に、チャックを一気に下ろす音が、小さくしかし確実に響いた。
――やばい、本当に……
森下の脳裏を、断片的な警告が駆け抜ける。しかし、彼女の指が、開いたチャックの隙間から入り込み、下着のゴムの上を這う感触に、すべての思考が吹き飛んだ。
タクシーがホテルの玄関前に滑り込んだ時、森下はもう、呼吸を整えるのが精一杯だった。股間は彼女のスカートに覆われているが、明らかに不自然な盛り上がりを作っている。幸い、運転手は何も気づかぬ素振りで、領収書を渡すだけだった。
「ありがとうございます」
栗崎は涼しい顔で運転手に礼を言い、さっさと車を降りた。彼女が降りた後、森下は少しの間、動けなかった。腰を浮かせることが、恥ずかしさと共に困難に感じられた。
「森下さん」
ドアの外から、彼女が顔を覗き込んだ。その表情は、もう完全に「女」だった。計算や余裕はそこにはなく、ただ欲しいものを見つめた子供のような、しかし濃密な性欲に歪んだ表情。
「早く。もう待てないの」
彼女の手が差し伸べられた。森下はその手を取り、ようやく車外に出た。脚が少し震えていた。
彼女は森下の手を離さず、まるで迷う隙を与えまいとするように、ホテルの自動ドアをくぐり、エレベーターへと一直線に進んだ。フロントで手続きをする間も、彼女は森下の横にぴったりと寄り添い、時折、わざとらしく胸を彼の腕に押し付けた。彼女の身体から、香水の香りよりも強い、女の興奮の甘い匂いが漂ってきているように森下には感じられた。
エレベーターの中は、タクシー以上に密閉された空間だった。鏡張りの壁に、自分たちの姿が映る。白いゴルフウェアを纏った妖艶な女と、地味な服を着て、うつむき加減の初老の男。その組み合わせの不自然さが、かえって背徳の彩りを濃くする。
栗崎は森下の横に立ち、鏡の中の彼を見つめた。そして、ゆっくりと手を伸ばし、彼の股間を、今度は正面から包み込んだ。
「ここ……ずっと、ずっと硬いままだね」
「……っ」
「嬉しいよ。私のために、こんなに興奮してくれてるんだから」
エレベーターが目的の階で静かに止まり、ドアが開いた。廊下はしんと静まり返っている。栗崎は鍵カードを手に、部屋番号を探しながら歩いたが、その手は一度も森下の股間から離れない。もはや愛撫というより、所有を確かめるような、執拗な握りっぱなしだった。
ドアの前に立ち、カードキーをかざす。小さな電子音が響く。
彼女はドアノブを回し、森下をわずかに中へと押し込むようにして、自らも部屋に入った。そして、背後でドアが閉まる音とほぼ同時に、彼女の様子が一変した。
「はあ……!」
溜め息のような吐息が漏れると、彼女は森下の胸に突っ伏すように抱きつき、そのまま押し倒すようにしてベッドへと導いた。森下はよろめきながらベッドの端に腰を下ろす。彼女はその前に跪いた。
玄関灯だけがついた薄暗い部屋の中で、彼女の顔が下から仰ぎ見られる。その目は、もう完全に狂おしいまでの欲情に曇っていた。
「見せる。今すぐに見せて」
彼女の両手が、森下のベルトに飛んだ。慣れた手つきでバックルを外し、チャックを一気に下ろす。これ以上はないというほどに焦り、しかし指先は震えていた。彼女自身が、自分の欲望の激しさに驚いているようだった。
ズボンが腿まで下りる。そして下着が。
「あ……!」
栗崎の息が完全に止まった。
薄暗がりの中でも、それは異様な存在感を放っていた。森下のやや痩せた腹部から、まるで別の生物のように力強く屹立するペニス。年齢を感じさせないほどに充血し、血管が浮き出て、先端から透明な愛液がにじんで光っている。
そして、その先端。
栗崎の瞳が、見開かれた。
鈴木の言葉は誇張でも何でもなかった。いや、むしろ彼女の目には、それ以上に巨大に映った。まさに小さなゴルフボール。いや、それより少し大きいかも知れない。張り詰めた肌は赤紫色に輝き、中央の裂け目からは、先ほどよりも多量の甘露が滲み出て、ゆっくりと亀頭の丸みを伝って滴ろうとしている。
「すご……い……」
彼女の呟きは、感嘆と畏敬に近いものだった。彼女は顔を近づけ、その異形の輝きを間近で見つめた。熱気がむわっと立ち上り、男の濃厚な匂いが彼女の鼻腔を満たす。
「本当に……ゴルフボールみたい……」
彼女は恐る恐る、指を一本伸ばした。そして、滴りかけた先端の愛液に、そっと触れた。ぬるっとした感触。彼女はその指を引き抜き、じっと見つめてから、ゆっくりと自分の唇へと運んだ。
舌先で舐めた。塩味と、ほのかな甘み、そして強烈な男の匂いが、口の中に広がった。
その瞬間、彼女の中の何かが決壊した。
「ん……ちゅ……!」
ためらいも羞恥もなく、彼女は顔を押し付け、大きく開けた口で亀頭を包み込んだ。無理やりに、と言っていいほどの勢いだった。大きすぎて、口の端が引き裂かれそうになる。しかし彼女は気にしない。むしろ、その張り裂けるような感覚に興奮しているようだった。
「んむ……ちゅぱ……ちゅる……!」
淫らな音が、静かな客室に響く。彼女は舐め、啜り、唾液をたっぷりと絡ませながら、喉の奥までそれを押し込もうとする。片手は竿を握り、ぎゅっぎゅっと搾り取るように動かし、もう一方の手は自分の腿の間を激しく揉みしだいていた。もはや、ビジネスでも計算でもない。これは純粋な、肉への飢餓だった。
森下は仰向けに倒れんばかりに首を後ろへ反らせた。目の前が白く閃く。こんな激しい快感は、もう何年も、いや、生まれてこの方味わったことがないかもしれない。美しく聡明な女社長が、自分の股間に這いつくばり、溺れているようにしゃぶりついている。現実感が失われ、ただ快楽の渦に巻き込まれていく。
「あ……ああ……栗崎……さん……」
「んっ……! もっと……もっと出して……この味、やめられない……!」
彼女は顔を上げた。口の周りは唾液と彼の愛液でびしょびしょだ。目はとろんとして、完全に悦楽に酔いしれている。
しかし、彼女はそこで終わらなかった。むしろ、目がより鋭く光った。
彼女はベッドの上に立ち、自分のスカートのチャックを一気に下ろした。ストッキングと共に下着をずらし、脚を広げた。まずは、潤いに光る女性器を露わにしたが、すぐにその手は後ろへと回った。
「こっち……も……」
彼女は息を切らせながら言った。そして、うつ伏せに近い体勢でベッドに崩れ落ち、腰を高く突き出した。片手で片方の尻肉を押し広げる。その中心に、まだ乾き気味の、小さく縮んだピンク色の穴が見える。
「ここ……にお願い……あなたの、あの大きなボールを……ここに入れて欲しいの……」
彼女は振り返り、熱にうかされたような目で森下を見た。
「この狭いとこ……あなたので、いっぱいに広げて……壊してほしい……」
背徳の言葉が、最後の理性を木っ端みじんに打ち砕いた。
森下の視界が、真っ赤に染まった。
***
第4章 愛の巣という名の飼育

第4章: 愛の巣という名の飼育
あのホテルの部屋で、栗崎亜美は自分が壊されることを覚悟した。
しかし、実際に彼女の身体を貫いたのは、痛みだけではなかった。
森下の──あのゴルフボールのような巨大な亀頭が、彼女のまだ乾いていたアナルを押し広げた瞬間、裂けるような鋭い痛みが脊髄を駆け上がった。彼女は声にならない悲鳴を咽喉で潰し、爪がシーツを引き裂いた。けれど、その痛みのすぐ裏側から、腸の奥深くを抉られるような、今までに知らなかった充実感が沸き上がってくるのを感じた。
「あ……ぐ……っ!」
彼女の額に汗が噴き出た。涙が頬を伝った。それでも彼女は腰を引かなかった。むしろ、尻を突き出すようにして、もっと深く、もっと根元までを求めていた。
「入っ……てる……ああ……!」
森下は、彼女の背中に覆いかぶさるようにして、ゆっくりと腰を動かし始めた。最初は恐る恐るだった。初老の男の慎み深さが、まだ彼の動きに表れていた。だが、栗崎が彼の腕を掴み、引き寄せながら「もっと……強く……!」と泣き声に近い声でせがんだ時、彼のなかで何かが弾けた。
ぐちっ、ずぶっ、と下品な音が部屋に響く。
ゴルフボール大の亀頭が、彼女の腸壁を擦り上げるたびに、栗崎は脳天を揺さぶられるような快楽に襲われた。痛みはもう快感に溶け、彼女の思考は真っ白に溶解していく。膣のほうは自然に愛液が溢れ、彼の動きに合わせてぐちゅぐちゅと淫らな音を立てていた。彼女は前と後ろ、同時に違う感覚で埋め尽くされている──前は滑らかな摩擦、後ろはぎりぎりに広げられる充実。その両方から、彼女は次々と絶頂に突き上げられていった。
「いや……んああっ! だめ……また……イク……っ!」
彼女の身体が痙攣し、腸が締まり、膣が激しく脈打った。その収縮が森下をさらに興奮させ、彼は今度は本気で腰を振り始めた。もう技巧も余裕もない、ただの突き刺し。その原始的な動きが、栗崎をさらに深い渦へと引きずり込んだ。
森下自身も、この体験が現実とは思えなかった。
自分の体から、こんなに激しい欲望が湧き上がってくること。この美しく聡明な女が、自分のために喘ぎ、泣き、狂ったように腰をくねらせていること。退職後、ずっと空虚だった胸の奥に、熱い何かが充満していくのを感じた。彼は彼女の背中に唇を押し付け、汗の塩味を舐めながら、これまでにない力強さで彼女を貫き続けた。
やがて、彼も限界に達した。
「栗崎……さん……俺……もう……」
「だめ……中に出さないで……でも……お願い……中に出して……ああっ!」
矛盾した言葉が彼女の唇から零れる。彼女はもう、理性などどこにもなかった。森下はその言葉の最後に引っ掛かり、深く突き刺したまま、熱いものを放出した。
彼女の腸の奥で、どくっ、どくっと脈打つ感覚。その熱さが、彼女を最後の絶頂へと突き落とした。
「ひゃああああん──っ!」
彼女の悲鳴のような叫びが部屋を満たし、そしてすべてが静かになった。
***
それから、二人の関係は加速度的に変化していった。
ホテルを出た翌日、栗崎はオフィスで書類を眺めながら、ふと股間に疼きを覚えた。椅子に深く腰掛けると、昨日あれだけ酷使されたアナルが、じんわりと熱を帯びている。痛みというより、物足りなさに近い感覚。彼女は机の下でそっと腿を擦り合わせ、ため息をついた。
──また、欲しい。
その欲望は、単なる性的な渇望ではなかった。あの巨大なものが自分の奥深くまで届く充実感。彼が彼女の中で解放される瞬間の、あの熱い脈動。彼女は、自分がそれを「必要としている」ことを認めざるを得なかった。
午後、彼女は森下にメッセージを送った。
「森下さん、昨日はありがとうございました。体、大丈夫ですか?」
しばらくして返信が来た。
「はい、栗崎さんのほうこそ……無理をさせてしまって、申し訳ありませんでした」
彼女は唇を噛みしめ、指先を滑らせた。
「私、全然平気ですよ。むしろ……また会いたいな、なんて思ってます」
この直接的な言葉に、彼は少し間を置いた。
「……私で、よければ」
その控えめな返信が、彼女の胸をくすぐった。彼女はすぐに次の約束を取りつけた。二日後、彼女の会社の近くで食事をすることに。
その食事の席で、彼女はテーブルの下で彼の腿に足を絡め、終始にやにやと笑っていた。そしてデザートが運ばれてきた頃、彼女は小声でささやいた。
「ねえ……このあと、私のオフィスに寄っていかない? みんなもう帰っちゃってるから、誰もいないよ」
森下の目が少し見開かれた。公の場であるオフィスで、という非日常性が、彼にも背徳的な興奮を呼び起こしたようだ。
彼女のオフィスは、夜景の見える高層階にあった。ドアを閉め、鍵をかけた瞬間、彼女は森下をソファーに押し倒し、自ら跨った。
「今日は……私が主導権ね」
彼女はワンピースの裾をまくり、下着をずらした。パンティーストッキングの切れ目から、まだ少し腫れ気味の彼女の部位が現れる。彼女は彼のズボンのチャックを下ろし、すでに覚醒している巨根を取り出すと、そのまま腰を落とした。
「ん……っ!」
ゆっくりと呑み込まれていく感覚。彼女は天井を見上げ、ゆっくりと腰を動かし始めた。窓の外には都会の灯りがきらめき、その非現実的な光景の中で、彼女はただ己の快楽に溺れた。
「あ……森下さんの中……私の中ですごく熱くなって……ああ、また大きくなる……?」
彼女は貪るように上下運動を繰り返し、時折、ぐりぐりと腰を捻って、彼の亀頭が子宮口をこするような角度を探した。森下はソファーに沈み、彼女の躍動する腰肢と、窓に映る彼女の後ろ姿を見つめるしかなかった。
その後も、二人の密会は続いた。
車の中では、彼女が助手席から身を乗り出し、運転中の彼の股間を弄びながら、耳元で甘い声を囁いた。
「このままだと事故っちゃうよ……路肩に止めて?」
路肩に停めた車中では、彼女がコンソールに腰掛け、脚を大きく開いて彼を迎え入れた。車体が揺れ、窓が曇っていく。彼女は外を通り過ぎる車のヘッドライトを気にしながら、それでも止められない欲望に身を任せた。
ゴルフコンペの後、仲間たちがまだクラブハウスで飲み騒いでいるさなか、彼女は森下をシャワー室に誘い込んだ。流れるお湯の音を遮断に、彼女は彼を壁に押し付け、跪いて口で彼をしごいた。他の仲間の笑い声が遠くで聞こえるのが、かえって興奮を煽った。
「んちゅ……ちゅぱ……ねえ、鈴木さんたちが、今こんなことしてるって知ったら……どう思うかな?」
彼女は上目遣いで彼を見ながら、舌先で亀頭の割れ目をしつこく舐めた。森下は唇を噛みしめ、必死に声を押し殺した。
毎回、彼女は違う場所で、違う姿勢で、彼の巨根を味わった。そして毎回、彼女は確信を深めていった。
──このペニスは、ただの性器ではない。
彼女のビジネスが、信じられないほど好調になった。難しいと思われていた取引が次々とまとまり、新しい案件が舞い込んできた。彼女はかつて、身体を使って男たちを翻弄し、利益を引き出してきた。しかし、森下の場合は違った。彼と関係を持った後、彼女自身の「運」そのものが上向いているように感じられた。
ある夜、彼女は一人でワインを飲みながら考えた。
これまで、彼女は多くの男と関係を持ってきた。便利な男、金を持つ男、権力のある男。彼らは彼女にとって「道具」だった。しかし森下は……違う。
彼の巨根が、彼女を変えている。
彼女は、他の男たちとの関係をすべて整理し始めた。面倒な割にメリットの少ない男たちから、順に縁を切っていった。電話は出ない、メールは返さない。かつての彼女なら、リスクを分散させるためにも複数の男を繋ぎ留めただろう。だが今は、そうする気になれなかった。
──森下だけで、十分だ。
その思いが、ある決断へと彼女を導いた。
彼女は高級住宅街の新築マンションを購入した。最上階の角部屋、夜景が一望できる物件だ。内装は彼女好みのモダンなデザインにこだわった。だが、本当の目的はそこではなかった。
ある晩、森下をそのマンションに招いた。
「どう? 気に入ってくれるかな」
広々としたリビングで、彼女はくるりと回って見せた。森下はきょろきょろと周りを見渡し、感嘆の息をついた。
「すごい部屋ですね……栗崎さん、ここにお引っ越しされるんですか?」
「ううん」
彼女はいたずらっぽく笑い、鍵を一本、彼の前に差し出した。
「ここは、森下さんのための部屋なの」
森下は一瞬、理解できずに彼女の顔を見つめた。
「え……? どういうことですか?」
「あなた、ずっと実家に住んでるんでしょ? あそこ、駅から遠いし、何より暗いじゃない。ここなら、私の会社にも近いし、何より……」
彼女は彼に近づき、胸を彼の腕に押し付けた。
「私が会いたいときに、すぐに会いに来られるでしょ」
彼女の目は、もう完全に所有欲に輝いていた。
「ここが、私たちの“愛の巣”。あなたは、ここに住んでくれればいいの。もちろん、家賃も光熱費も全部私が持つよ。あなたはただ……ここにいて、私が欲しいときに、私を満たしてくれればいい」
森下は言葉を失った。彼の脳裏を、複雑な感情が駆け巡った。退職後の侘しい実家での生活。妻に去られた喪失感。そこに現れた、この妖しいまでの女性との関係。そして今、彼女から差し出される、豪華な「鳥籠」。
それは、明らかな飼育の提案だった。
「でも……そんな……」
「だめ?」
彼女は彼の胸に手を置き、上目遣いで見上げた。その瞳は、一瞬で曇った。
「私、森下さんに会えないと……落ち着かなくて。仕事も手につかなくなるの。あなたのあれが、頭から離れなくて……」
彼女の手が、彼の股間をそっと包んだ。彼はもう、そこで反応せずにはいられなかった。
「ほら……あなたも、私を欲しがってる」
彼女はゆっくりと跪き、彼のズボンの前で顔を上げた。
「お願い。ここにいて。私だけのものでいて」
その言葉に、森下の抵抗は崩れ去った。
彼はうつむき、小さくうなずいた。
「……わかりました」
その返事が、彼女の笑顔を咲かせた。
翌週、森下は実家から最小限の荷物だけを持ち込み、そのマンションに移り住んだ。鍵は彼女が管理し、彼には彼女が渡した一枚だけが手元にある。彼女は頻繁に訪れ、時には泊まり、時には短い時間だけ身体を重ねて去っていった。
森下の生活は一変した。
朝、彼女が仕事に出た後、彼は広いリビングで新聞を読む。かつてのサラリーマン時代のような焦りはない。午後は買い物に出かけ、彼女の好みのワインや食材を揃える。夕方、彼女が「今から行く」というメッセージが来れば、彼は食事の準備を始める。
そして夜──彼女が帰ってくれば、必ず性交があった。
ソファーで、キッチンカウンターで、広いバスタブで、もちろんベッドで。彼女は彼の巨根を、毎日のように貪り、味わい、自分の中に満たすことを求めた。
「ああ……今日も、いっぱい感じる……森下さんの中、すごく熱い……んっ!」
彼女が彼の上で狂ったように腰を振る。彼は彼女の柔らかな肉体を受け止め、時折、彼女の膨らんだ乳房に唇を寄せる。彼女の喘ぎ声が、高級マンションの防音設備をもってしても、隣に漏れやしないかと心配になるほどだった。
ある日、彼女は彼のペニスを両手で抱えながら、恍惚とした表情で呟いた。
「私、これに飼われてるんだよね……森下さんじゃなくて、この子に」
彼女は、亀頭に頬を擦り付けた。
「この子がいないと、もう生きていけないみたい……」
森下は彼女の言葉を聞きながら、複雑な感慨に囚われた。
退職後、彼は必要とされることから遠ざかっていた。妻からも、社会からも。だが今、この美女から、しかもこのような形で──必要とされている。彼の巨大な性器という、ただ一点だけで。
それは屈辱だったろうか? それとも、歪んだ肯定だったろうか?
彼にはもう、区別がつかなかった。
彼の世界は、このマンションのドアの内側で完結しつつあった。外では相変わらず、かつての仲間たちが月に一度のゴルフコンペを楽しみ、倉重や鈴木が彼の近況を気にかけているかもしれない。しかし彼の中では、もうあの生活は遠い過去のものになっていた。
今、彼の存在意義は、栗崎亜美という女を、この巨根で満たし続けることだけだ。
窓の外には、きらめく都会の夜景が広がっている。その美しい光の海のなかで、この一室だけが、濃密な欲望と飼育の時間に包まれていた。
彼女がまた、彼の上に跨り、腰を動かし始める。
「ん……ちゅ……ねえ、今日は……奥まで、全部あげて……」
彼女の吐息が、彼の耳元で熱く湿る。
森下は目を閉じ、彼女の腰の動きに身を任せた。
もう、このままでいい──そんな思いが、ゆっくりと彼の心を満たしていくのを感じながら。
登場人物
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森下 浩一郎 もりした こういちろう男性 ・ 60外見: 白髪交じりの短い銀髪(刈り上げ)、くすんだ茶色の瞳、やや瘦せ型だが長年のゴルフで肩と腕に筋肉の名残り、身長170cm。服装: 地味なポロシャツにチノパン、ゴルフ時は中古の高級ブランドのゴルフウェア。穏やかで目立たない、人生に疲れたような飄々とした雰囲気。退職と離職で自信を喪失しているが、根は優しい。
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栗崎 亜美 くりさき あみ女性 ・ 45外見: 艶やかな栗色のロングヘア(仕事時はまとめる)、切れ長の鋭い黒瞳、鍛えられたくびれとふくよかだが締まった胸と尻、身長165cm。服装: 普段はシックなパンツスーツやシースルーブラウス、ゴルフ時は体のラインを強調するピッタリした高級ゴルフウェア。聡明で切り込み鋭い女社長。計算高く、欲しいものは手段を選ばず手に入れるタイプ。性に対しても貪欲で、快楽をビジネスのように「経営」する。
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倉重 くらしげ男性 ・ 52
外見: 整った七三分けの黒髪(若干薄毛)、小柄で小太り、常ににこやか、身長162cm。服装: 高級感のあるカジュアル服やゴルフウェア。羽振りの良い中小企業経営者。人脈を広げるのが好きで、ややお調子者。
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鈴木 すずき男性 ・ 61
外見: 日焼けした肌、スポーツ刈りの白髪、がっしりとした労働者の体格、身長168cm。服装: ややくたびれたゴルフウェアや作業服じみた服。森下の学生時代からの友人。無骨でざっくばらん、下ネタが好きな陽気な性格。





