第3章: 最終審査と未開の穴

第3章: 最終審査と未開の穴
翌日の塾の空気は、昨日までとは明らかに違う密度をまとっていた。
蛍光灯の明かりが、いつもより白く、冷たく、教室の隅の埃まで照らし出しているようで、架純はその一つ一つが自分の心の曇りを映しているような気がしてならなかった。
ドアが閉まるカチャリという重い音。
今日は、まるで断頭台のロープが切れる音のように聞こえ、胸の奥で小さな鳥がバタバタと暴れ始めた。
栗崎は昨日と同じジャージ姿だったが、その目には、獲物を完全に仕留めた者だけが持つ、静かで揺るぎない自信が満ちていた。
「よく来たな、架純さん。その顔、もう覚悟は決まっているようだな」
彼はにやりと口の端を上げ、テーブルを指で叩いた。
その乾いた音が、架純の鼓動と不気味に重なる。
「今日は、君の夢を最終的に形にするための、最後の関門だ。これを乗り越えれば、君はもう、ただの中学生なんかじゃない。輝く『素質』を持った、一人の女として、ステージに立てる」
「最後の…関門…ですか…?」
架純の声は震え、か細かった。
彼が言う「深い場所」が、具体的にどこを指すのか。
昨日のレッスンの後、一人で布団に包まれて、その意味を何時間も考えていた。
考えるほどに、想像は恐ろしい形に膨らみ、体中が冷たくなった。
でも、その恐怖の裏で、もう一度あの指に弄ばれた時の、体が芯から熱くなるような感覚を、ほんの少しだけ思い出してしまった自分に、更なる自己嫌悪が襲いかかる。
--恥ずかしい…どうして、そんなことを…。
「そうだ。今まで君は、口で、胸で、男を喜ばせる方法を学んできた。だが、それだけではまだ不十分。本当のプロ、最高のアイドルは、男が最も原始的に欲する、最も奥深い場所で、彼らを虜にする術を知らなければならない」
栗崎は立ち上がり、ゆっくりと架純に近づいてきた。
その大きな影が、架純の細い体を完全に飲み込む。
「君のその綺麗なお尻。まだ、誰にも触れさせていない、真新しい穴だ。そこを開くこと。それが、今日のレッスンであり、君の最終審査なのだ」
「やめて…! そ、そこは…お尻は、そんな、汚いこと…!」
ついに、口から出てしまったのは拒絶の言葉だった。
理性が最後の力を振り絞って、悲鳴を上げている。
アイドルの夢? そんなものより、今、自分が失おうとしているものの方が、ずっと大切なんだ。
その最後の尊厳を守りたいと、心の底から願った。
「汚い? 違うよ、架純さん。それは、君が持つ最後の、最も純粋な『宝物』だ。その純粋さを、僕が壊してあげる。壊されるからこそ、男は狂うように欲情するんだよ」
その時、教室の後ろのドアが開き、相原優衣が入ってきた。
彼女は今日も、塾の規則を無視したタイトなミニスカートに、へそを出したトップスという姿だ。
部屋の緊張した空気を感じ取ったのか、彼女は少し眉をひそめた。
「…まだ始まってないの? 面倒くさい」
優衣はそう言うと、教室の隅に置かれていた、汚れたマットを引きずり出して、ドシンと床に置いた。
その動作は、まるで手術台を準備する看護師のようだった。
その光景を見た瞬間、架純の最後の抵抗の糸が、ぷつりと音を立てて切れた。
「その通りだ、優衣ちゃん。架純さんは、まだ少し迷っているみたいだからな」
栗崎は優衣に向かって言うと、再び架純に視線を向けた。
その目は、もう優しさなど微塵もなく、ただ黒々とした欲望だけが渦巻いている。
「さあ、服を脱ぎなさい。全部だ。その真っ白な下着まで、僕の手で汚してあげるから」
指先が震え、ボタンがうまく外せない。
ブラウスのボタンが、指先の汗で滑って何度も外れる。
ようやく脱げたブラウスとスカートが、床にくしゃりと音を立てて積み重なる。
残されたのは、真っ白な綿のブラと、同じく真っ白で、少し丈の短いショーツ。
まだ、子供の体つきをしている自分の、恥ずかしい体を覆うだけの、無防備な一枚。
栗崎の視線が、その白い布の上をなぞるように動き、熱を感じる。
「いい体つきになってきたな。その乳首、ブラ越しに立っているのが見えるぞ」
彼はそう言って、架純のブラの背中のホックを、ぐいっと外した。
胸の解放感と同時に、羞恥で顔が火照る。
そして、最後の砦であるショーツのゴムを、彼の太い指が引っ掛ける。
ぐいっと、下へ。
抵抗するようにへばりつく布が、太ももから膝へ、そして足首を通過していく。
完全に裸になった自分の姿が、窓ガラスに薄く映り込み、目を背けた。
「マットの上に、四つん這いになりなさい」
命令は冷たく、容赦ない。
よろめく足でマットに近づき、冷たい感触が膝と手の平に伝わる。
背中を丸め、顔を床にこすりつけるようにすればするほど、一番見せたくない部分が、栗崎の目の前に無防備に突き出される。
お尻の割れ目、その奥にある、小さなひだの重なった穴。
そこに、教室の冷たい空気が当たり、ぞくぞくと震える。
こんな姿、誰にも見せたことない。
お父さんとお母さんにも、絶対に。
「ほら、見てごらん。この綺麗なピンク色の穴。まだ、誰のものにもなっていない、君の『未開の地』だ」
栗崎はその後ろにしゃがみ込み、熱い息が肛門に当たるのに、架純はびくりと跳ねた。
次の瞬間、何か冷たくてぬるぬるした液体が、指先から肛門の周りに塗り広げられる。
ローションだ。
その匂いが、人工的で、なんだか催促するような匂いがして、吐き気がする。
「んっ…!」
指が、ゆっくりと肛門のひだをなぞる。
その感触が、あまりに異質で、体がこわばる。
栗崎は、その抵抗する締まりを楽しんでいるように、指先でぐりぐりと穴の入り口を押し広げようとする。
「リラックスしなさい、架純さん。僕の指を受け入れなさい。さもないと、もっと痛いことになるだけだ」
そう言って、彼は中指の先を、ぐっと押し込んできた。
「ひゃっ!いっ…!いやああっ!」
裂けるような痛みが、尾骶骨まで突き抜ける。
体中の血が、一瞬で引いていくような感覚。
これは、お尻の穴だ。
糞が出るだけの、汚い場所。
そこに、誰かの指が入ってくる。
その事実が、頭の中で何度も反響し、意識が遠のきそうになる。
「くちゅっ…」
指が、粘液を引きながら、ゆっくりと中へと沈んでいく。
腸壁が、異物の侵入に抵抗しながらも、じわじわと押し広げられていく感触が、内臓にまで響く。
痛みはまだあるが、その奥で、なんだか知れない鈍い熱が、じわりと広がり始めている。
--なんで…なんで…こんなに…。
涙がぽろぽろと床に落ちる。
痛いはずなのに、なぜか体の奥がじんわりと熱い。
その指が、腸内をゆっくりと掻き回すように動くたびに、恥ずかしい音が鳴り、未知の快感が、背筋をくすぐっていく。
「ほら、体が慣れてきたじゃないか。君のこの穴、僕の指を覚え始めている。もっと、深くまで来たくなったんだろう?」
栗崎は悪魔のようにささやき、二本目の指を、無理やりねじ込んだ。
「ああっ!無理っ!ぬけてっ!お願いっ…!」
今度は、明らかな苦痛。
肛門の輪が、限界まで引き裂かれる感覚。
でも、栗崎は止めない。
二本の指を、バッコンバッコンと、リズミカルに動かし始める。
ぐちゅっ、ぐちゅっ、という下品な音が、教室に響き渡る。
その音に、架純の顔はカッと赤に染まる。
でも、その苦痛と羞恥の波間で、体の芯からこみ上げてくる、甘くて濃い蜜のような快感を否定できない。
自分の体が、自分の意思とは関係なく、この陵辱を求め始めている。
肛門は、指に吸い付くように、ぬめりを増し、熱を帯びてきている。
「いい子だ、その顔。痛いのか、気持ちいいのか、自分でも分からなくなってきた顔だ。最高に萌えるよ」
栗崎は指を抜いた。
ぬるっ、という音と共に、突然の喪失感に、架純は思わず肛門をびくんと痙攣させた。
空っぽになった穴が、何かを求めているように、ぱくぱくと開いたり閉じたりする。
その無様な姿に、自己嫌悪で涙が溢れる。
そして、架純は感じた。
何か、指よりもずっと太く、熱く、そして生々しいものが、自分の濡れた肛門の裂け目に、押し付けられているのを。
栗崎の、あの肉棒だ。
「受け入れなさい、架純。これで、君は本当の『アイドル』になる」
彼はそう言うと、腰をゆっくりと、しかし確実に、沈めていった。
「ひゃああああっ!あああああっ!ぬけてっ!死ぬっ!裂けるぅっ!」
世界が白く染まる。
肛門が、今まで経験したことのない圧力と熱で、強引に引き裂かれる。
腸壁が、内側からえぐり返されるような激痛。
意識が飛びそうになる。
でも、栗崎の腰は止まらない。
ずぶっ、という、肉が裂けるような音と共に、彼の肉棒の、太い頭が、ついに架純の未開の肛門を、完全に貫いた。
「んぐっ…!」
その瞬間、架純の中で、何かがぱちり、と音を立てて壊れた。
純粋さという名の、薄い硝子の器。
夢という名の、儚い綿飴。
全部が、この一撃で、粉々に砕け散った。
痛みはまだあるが、それ以上に、自分の体の奥深く、誰にも触れられたことのない場所を、完全に占領され、支配されているという、背徳的な満足感が、脳髄にまで達する。
栗崎の肉棒は、架純の腸内の熱とぬめりを浴びて、さらに奥へと、ゆっくりと押し進んでいく。
内臓が、その形に変えられていくような感覚。
息ができない。
でも、これ以上は、もう何も考えられない。
ただ、この熱い、硬い、生々しいものに、自分の体が貫かれている事実だけが、すべてだった。
「いいかい、架純。これからが、本当の最終審査だ。僕のすべてを受け止めて、見せなさい」
栗崎は、完全に根元まで沈めると、ゆっくりと腰を動かし始めた。
ぬるぬるとした腸壁が、肉棒に吸い付いては離れを繰り返す。
じゅるるっ、じゅぽっ、という、もっと下品で、もっと淫靡な音が、架純自身の体から響き渡る。
痛みは、いつしか熱に変わり、その熱は、全身を巡る快楽の奔流となっていた。
「あっ…んんっ…はぁん…もっと…」
自分の口から、そんな言葉が出ていることに、架純は気づいていなかった。
抵抗は、とうの昔に消え去っていた。
ただ、この背徳の快楽に、身を委ねることだけが、自分に許された最後の行為なのだと、体が悟っていた。
純粋な少女槇村架純は、この瞬間、確実に死んだ。
そして、その場所から生まれたのは、穴としての快楽だけを求める、一つの獣だった。
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