第3章: 自宅という檻と、開発されゆく肉体(続き 2/4)
「……おいしい。香りがいいですね」
その何気ない光景が、清彦の胸をぎゅっと掴んだ。彼女が自分の淹れたコーヒーを飲み、満足そうな顔をしている。こんな日常的な瞬間が、なぜかラブホテルでの激しい行為よりも、深く彼の心に突き刺さった。
コーヒーを飲み終えると、美和はそっとカップをテーブルに置き、立ち上がった。
「……そろそろ、いいですか?」
彼女の声は、少し震えていたが、逃げる気配は微塵もなかった。
清彦はただ、うなずくしかなかった。
美和は彼の前に立ち、そっと膝をついた。ラブホテルの時と同じ姿勢だ。彼女の手が、清彦のカーディガンの前をそっと押さえた。
「今日は……わたしから、したいんです」
彼女がそう囁くと、彼女の指がカーディガンのボタンを外し始めた。一つ、また一つ。その動きは前回よりも確かで、迷いが少なかった。
カーディガンが脱がされ、次はシャツのボタンだ。美和は真剣な表情で、一つ一つのボタンと向き合っていた。彼女の息が、時折、清彦の肌に触れる。温かく、湿り気を帯びている。
「……前回、覚えてます」
美和がぽつりと言った。
「佐田さんの味。あれから、時々思い出しちゃって……どんな味だったか、また確かめたくなりました」
彼女の告白に、清彦は息を詰めた。彼女が、あの行為を「思い出す」ことがあるという事実が、彼の股間を一気に熱くした。
シャツが開かれ、彼の瘦せた胸が露わになる。美和は少し間を置き、その胸板をじっと見つめた。彼女の視線が、乳首のあたりで止まる。
「……ここ、触っても?」
彼女が上目遣いで尋ねた。
「ああ……どうぞ」
美和の指が、左の乳首に触れた。そっと、くるりと円を描くように。清彦は、思わず背筋を伸ばした。その感覚は、あまりに直接的で、どこか恥ずかしかった。
「……硬くなりましたね」
美和が小さく笑った。
「男の人も、感じるんですね。わたし、勉強不足でした」
彼女はそう言うと、今度は顔を近づけ、その小さく硬くなった突起に、そっと唇を寄せた。
「んっ……ちゅ……」
彼女の舌先が、乳首をくすぐるように舐めた。清彦は、はっとして息を漏らした。こんなこと、今までされた覚えがなかった。彼の手が、無意識に美和の頭に触れ、彼女の黒く滑らかな髪を撫でた。
美和はしばらく舐め続け、それからゆっくりと顔を上げた。彼女の唇が、微かに湿って光っていた。
「……美味しいです。佐田さんの匂いがする」
彼女がそう呟き、今度はズボンのベルトに手を伸ばした。バックルを外す音。ジッパーが下りる音。全てが、前回よりもスムーズに、しかし確実に進んでいく。
トランクスが下ろされた時、清彦の陰茎はすでに完全に勃起し、先端からは透明な先走り液がにじんでいた。美和はそれをじっと見つめ、満足そうに頷いた。
「……待っててくれたんですね」
彼女はそう言うと、手を伸ばし、しっかりと幹を握った。その握りは、前回のたどたどしさとは違い、ある程度の自信を含んでいた。
「前より……大きい気がします。熱い」
美和はそう呟き、顔を近づけた。彼女は今度は、いきなり口に含むのではなく、まずは頬にその先端をこすりつけた。ヌメりと熱い感触が、彼女の頬の皮膚に伝わる。
「……こういうのも、してみたかったんです。映像で見て」
彼女が恥じらうように言いながら、顔を上下に動かした。勃起した陰茎が、彼女の頬、顎、時には鼻先に擦られ、先走り液で彼女の肌が薄く光る。
やがて彼女は口を開き、先端を咥えた。舌で亀頭を包み込むようにし、くちゅっ、と小さな音を立てて吸い付いた。
「んっ……ちゅぱ……この味……前より、少し濃いかも……」
美和は口の中で呟くように言い、それからより深く咥え込んだ。半分ほどを口に収め、舌で幹を舐め上げる。その動きは、明らかに前回よりも積極的で、貪欲だった。
清彦はソファの背もたれに寄りかかり、目を閉じた。彼女の口の中の温もり、柔らかい舌の動き、時折聞こえるくちゅくちゅという湿った音。全てが、彼を快楽の渦へと引きずり込んでいく。
「美和……さん……」
彼は喘ぎながら彼女の名を呼んだ。
美和は口を離し、糸を引く唾液を断ち切ると、上を見上げた。彼女の唇は淫らに腫れ、頬は紅潮していた。
「次は……わたしの番ですよね」
彼女がそう言うと、ゆっくりと立ち上がった。そして、自分自身のオーバーオールの胸元のボタンを外し始めた。
一つ、また一つ。デニムの生地が開き、その下から白いブラウスが見える。彼女はブラウスを脱ぎ、次はオーバーオールの肩紐を外した。全体がずり落ち、彼女の脚が現れる。今日は白い綿のショーツだけだった。ブラはつけていないようだ。
彼女は清彦の前に立ち、そっと脚を開いた。
「……見てください。わたしも……ずっと考えてましたから」
美和の声は、震えと熱気を含んでいた。
清彦は彼女の股間に視線を落とした。ショーツの中央は、すでにほんのりと湿ったシミができている。愛液が滲み出し、薄い布を透かして、陰唇の膨らみを浮かび上がらせていた。
「脱いで……もらっていい?」
清彦が声を嗄らせて尋ねた。
美和はうなずき、自分でショーツの端をつまみ、ゆっくりと引き下ろした。黒い陰毛、その下にぷっくりと膨らんだ小さな陰唇が現れる。大陰唇は薄いピンク色で、中央の割れ目からは、小陰唇の先端がほんのりと覗いている。全体が湿り気を帯び、艶やかに光っていた。
「……すごく、濡れてる」
清彦が呟いた。
「ええ……佐田さんのこと考えてたら、自然に……なっちゃって」
美和は恥ずかしそうに顔を背けながらも、脚を大きく開くことをやめなかった。
清彦は彼女の前にひざまずき、顔を近づけた。彼女の特有の甘酸っぱい匂いが、そっと鼻をくすぐった。彼は舌を出し、まずは外側の大陰唇をそっとなぞった。
「あっ……!」
美和の腿が跳ねた。
清彦はさらに舌先を割れ目に沿わせ、ゆっくりと上下する。愛液がじんわりと滲み出し、彼の舌を濡らす。その味は、ほのかな塩気と、独特の甘み。前回よりも濃厚に感じた。
「んっ……ちゅ……美和さん……すごく、美味しいよ……」
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