第2章: 初めての密室と、触れ合う体温(続き 2/4)
「……ええ。どうぞ」
佐田はそう答えるのがやっとだった。
彼女の指先が、トランクスの端を掴み、ゆっくりと引き下ろした。
まずは陰毛が現れ、その下から、くすんだ肌色をした陰茎が、ゆっくりと顔を出した。
まだ完全には勃起しておらず、だらりとたれ下がっている。
先端の亀頭は包皮に半分覆われ、わずかに湿った光を帯びていた。
「……ふうん」
美和は、画家がモデルを観察する時のように、首をかしげて眺めた。
「思ってたより……柔らかそうですね」
彼女はそう呟くと、恐る恐る手を伸ばし、人差し指の腹で、陰茎の根元をそっと触れた。
「……温かい」
彼女の指が、ゆっくりと幹を這い上がる。
包皮の皺をなぞり、先端へ。
そして、ついに亀頭の先に触れた時、佐田は思わず息を詰めた。
「……ちょっと、濡れてますね」
美和がそう言うと、その触れた指先を、自分の目の前にかざした。
彼女は少し躊躇い、それから、その指をそっと舌先で舐めた。
一瞬、目を細めた。
「……ちょっと、不思議な味がします」
彼女は率直に感想を口にした。
「塩気というか……ちょっと、鉄っぽいというか。でも、嫌な味じゃないです」
その純真な分析に、佐田は逆に激しい恥ずかしさが襲った。
そして同時に、彼の陰茎が、彼女の視線と口にされた感想に反応して、ぐっと脈打つのを感じた。
肉が固くなり、徐々に立ち上がっていく。
「……あ」
美和が小さく声を上げた。
「大きくなって……きました」
彼女は興味深そうに、その変化を見つめていた。
そして、再び手を伸ばし、今度はしっかりと握り込んだ。
「……硬い」
彼女は握った手の中で、陰茎がさらに膨らんでいくのを感じているようだった。
「こんなに熱を持って……生きてるみたいです」
彼女はそう呟くと、前屈みになり、顔を近づけた。
彼女の息が、亀頭の先端に直接かかる。
温かく、湿った吐息。
「……舐めても……いいですか?」
彼女が尋ねた。
声は震えていたが、そこには逃げる気配はなかった。
「……お願いします」
佐田は、自分でも驚くほど自然に、そう答えた。
美和はうなずくと、舌をちょっとだけ出した。
桃色の小さな舌先が、亀頭のてっぺんを、つん、と軽く突いた。
「……ん」
彼女は何かを確かめるように、また舐めた。
今度は少し広めに、先端全体を覆うように。
「くちゅっ」
小さな音がした。
彼女は目を閉じて、味わっているようだった。
そして、もう一度、今度は唇で包み込むように咥えた。
完全に口に入れたわけではない。
ただ、先端をくわえ、舌で弄んでいるだけだった。
「ちゅっ……んっ……ちょっと……すっぱいような……」
彼女が囁くように言うたびに、その息が彼の敏感な部分に直接触れた。
佐田は、自分の股間で十九歳の少女の口が動いているという現実に、めまいを覚えそうになった。
「……美和さん」
彼は思わず、彼女の名を呼んだ。
美和は口を離し、上を見上げた。
彼女の唇が、唾液でわずかに光っている。
「……私も、何か……しないと、いけませんか?」
彼女は真剣な顔で尋ねた。
「だって、これだけじゃ……私ばっかり、させてもらってるみたいで」
その律儀な発想に、佐田は胸が熱くなった。
「……美和さんも、脱いで……いただけますか?」
彼はそう頼んだ。
声がかすれていた。
美和は一瞬、目を見開いたが、すぐにゆっくりとうなずいた。
「……はい。そうですね。私も、脱がないと……不公平ですよね」
彼女は立ち上がり、自分のブラウスのボタンを外し始めた。
彼女の手つきは、佐田の服を脱がせた時よりもさらにぎこちなく、時間がかかった。
白いブラウスが開かれ、下から現れたのは、真っ白な綿のブラだった。
それは彼女の年齢にふさわしく、飾り気のない、機能的なものだった。
彼女は躊躇いながらも、ブラのフロントホックを外した。
かすかなパチン、という音。
ブラが緩み、それからゆっくりとずり落ちた。
現れた胸は、確かに未発達で、控えめな膨らみだった。
乳首は薄い桃色で、小さく、緊張で少し硬くなっているように見えた。
「……自分では、裸婦のモデルはやったことなくて」
美和が恥ずかしそうに言った。
彼女は腕で胸を隠そうともせず、ただじっと立っていた。
「いつも描く側ですから……モデルになるのは、なんか……違う感じがします」
「……綺麗ですよ」
佐田は本心からそう言った。
美術的な美しさというよりも、彼女の無防備な裸体そのものが、切なくなるほど純粋に見えた。
彼女の肌は透き通るように白く、鎖骨がはっきりと浮かび上がり、肋骨のわずかな凹凸が、光と影を生み出していた。
「……本当ですか?」
美和が、うつむき加減で尋ねた。
「ええ。本当に」
彼女はほんの少し、頬を緩めたように見えた。
それから、彼女はスカートのホックを外し、プリーツスカートをずり落とした。
下は、これまた飾り気のない白い綿のショーツだった。
彼女は一度深く息を吸い込むと、ショーツも脱いだ。
すらりと伸びた脚。
腿の内側は、驚くほど白く、血管が青く透けて見えるほどだった。
そして、その腿の付け根に、こんもりと盛り上がった陰毛が現れた。
毛は黒く、まだ量は多くない。
その下に、ぷっくりと膨らんだ小さな陰唇の襞が、ほんのりと桃色に色づいて覗いていた。
「……私の、あそこ……見られてる」
美和が、声を震わせて呟いた。
彼女の手が無意識に股間を覆おうとしたが、途中で止まった。
「……汚くないですか? お風呂にも入ってないし……」
「私だってそうです。だから……気にしないでください」
佐田はそう言うと、彼女の前にひざまずいた。
彼の目線は、ちょうど彼女の股間の高さになる。
「……美和さんの、ここ……舐めさせてもらえませんか?」
彼は恥ずかしさで顔が火照るのを感じながら、頼んだ。
美和は一瞬、固まった。
彼女の腿が微かに震えている。
「……だって……そんなこと、私が気持ちよくなるだけじゃないですか……」
「それでいいんです」
佐田はそう答えた。
「美和さんが気持ちよくなるのを見て……私も、嬉しいから」
それは嘘ではなかった。
彼はもう、自分が興奮していることよりも、この少女に可能な限りの快楽を与えたいと、強く思っていた。
美和は長いため息をつくと、ゆっくりと脚を開いた。
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