第4章: 甦る欲望―絶頂の夜と未来の話

第4章: 甦る欲望―絶頂の夜と未来の話
唇が触れ合った瞬間、賢一の頭の中が真っ白になった。
柔らかく、ほんのりとアルコールの香りがする聡子の唇が、彼のそれに重なる。最初はためらいがちに、ただ触れているだけだった。しかし、次の瞬間、聡子の手が賢一の頬に触れ、指が耳の後ろに滑り込んだ。
――ああ。
その触れ方に、賢一の体が震えた。長い間、誰にもこうして触れられていない。愛おしむように、確かめるように撫でられる肌の感覚が、忘れていた何かを呼び覚ます。
聡子の唇がほんの少し動いた。
「んっ……」
吐息が漏れる。温かい息が賢一の唇の間に染み込むように入り込んでくる。彼は目を閉じ、そっと応えた。唇を重ねる角度を変え、少しずつ圧力を強めていく。
聡子のもう一方の手が、賢一の胸に触れた。トレーニングシャツの上から、鍛えられて厚みを増した胸板を、ゆっくりと撫でる。その動きが、まるで確認しているようで、愛でているようで。
「……司城さん……の、体……しっかりしてる……」
唇を離しながら、聡子が囁く。彼女の頬はもう真っ赤で、目は潤み、焦点が少しぼやけている。賢一はその顔を両手で包み、額をそっと触れさせた。
「聡子さん……綺麗だ」
「そんな……もう、三十半ばですよ」
「関係ない。本当に……美しい」
賢一の言葉に、聡子の目に涙が浮かんだ。彼女はぱっと目を伏せ、賢一のシャツの襟をぎゅっと握りしめる。
「私……ずっと、触れたかったんです。司城さんの、この……がっしりした腕とか、広い背中とか……指導してるとき、すごく、気になって」
「僕もだ。聡子さんの……この柔らかさが」
賢一の手が、聡子の背中を下り、腰のくびれに触れた。ショートパンツの上からでも、その締まりと柔らかさが伝わってくる。彼女が鍛えた体は、固すぎず、しなやかな弾力に満ちていた。
「はぁ……ん……」
聡子の体が、小さく震えた。賢一の手が腰に触れた瞬間、彼女の股間が熱く疼くのを感じた。久しぶりの他人の触覚が、体の芯から欲望を搔き立てる。
「中で……続けましょうか」
賢一が耳元で囁く。その低い声に、聡子はうなずき、彼に導かれるようにリビングの方へ歩き出した。
ソファの脇で立ち止まった時、賢一はもう一度聡子の唇を奪った。今度は深く、舌先が恥ずかしそうに、それでも確実に彼女の唇の間へ入り込んでいく。聡子の喉の奥から、甘ったるい吐息が漏れる。
「ちゅ……んっ……ちゅる……」
口づけの音が、静かな部屋に淫らに響く。賢一の手は聡子のタンクトップの裾に滑り込み、鍛え上げられた腹筋の硬い感触を確かめるように撫で上げた。
「あ……だめ……司城さん、そんなところ……」
「なぜだめなんだ?」
「私……汗かいてて……くさいかもしれない……」
「気にならない。むしろ……聡子さんの匂いが好きだ」
賢一は正直に言った。ジムでいつも漂う彼女の汗の匂い――それは清潔で、少し甘く、女性らしい芳香が混じっていた。その匂いが今、間近で濃厚に立ち込め、彼の欲望をさらにかき立てる。
タンクトップが上に捲り上げられた。下にはスポーツブラがついていたが、その上からでも、聡子の胸の膨らみがはっきりと形づくられている。賢一はその盛り上がりを手のひらで包み、ゆっくりと揉みしだいた。
「あん……!」
聡子の体が跳ねる。彼女の目が大きく見開かれ、口が半開きになる。賢一の親指が、ブラの上から乳首の位置を探り、そっと押し当てる。
「ここ……感じてる?」
「う、うん……感じる……すごく……」
その言葉が、賢一の理性の最後の糸を切った。
彼は聡子をソファに押し倒し、自分もその上に覆いかぶさるように覆った。スポーツブラのフックを外す指が震えているのに気づいたが、もう止められない。
ブラが外れ、聡子の胸が露わになった。
鍛えられた体にふさわしい、程よい大きさの胸。先端は淡いピンク色で、もう敏感に硬く膨らんでいる。賢一は息をのんだ。
「綺麗……」
「恥ずかしい……もう、若くないし……」
「そんなことない」
賢一はうつ伏せになり、片方の乳首を口に含んだ。
「ひゃあっ!?」
聡子の体が大きく反り返る。賢一の舌が、その小さな突起を舐め、啜り、軽く噛む。長い間忘れていた感触――女性の肌の柔らかさ、体温、そして甘酸っぱい匂いが、彼の全てを満たしていく。
「んっ……ちゅ……ちゅる……聡子さん……」
「あ……あん……だめ……そんなに舐められると……私、変になっちゃう……」
聡子の手が、賢一の髪の中に絡みつく。彼女は目をしっかり閉じ、唇を噛みしめながら、その快感に身を任せている。もう一方の手が、自分のもう片方の胸を揉みしだき、指で乳首を弄び始めた。
その様子を見て、賢一の股間が疼いた。トレーニングパンツの下で、完全に勃起した陰茎が布地を押し上げ、締め付けられるような痛みを伴う快感に震えている。
賢一は聡子の短パンのボタンを外し、ジッパーを下ろした。その下には、スポーツ用のシンプルなショーツがあった。しかし、布地は既に湿り気を帯び、透けて暗い色に染まっている部分が見える。
「わ……やだ……見ないで……」
聡子が恥ずかしそうに股を閉じようとするが、賢一は優しくその太ももを開いた。
「いや、見せてほしい。聡子さんが……僕のために濡れているところを」
ショーツの脇に指をかけ、ゆっくりと下ろしていく。濃い栗色の毛がほどけ、その中心が現れた。女性の秘部は、光沢のある愛液で滑らかに濡れ、ぷっくりと膨らんでいた。
賢一は息を詰まらせた。
長い間、妻のそんなところを見ることさえ許されなかった。拒絶され、蔑まれ、男として否定され続けた日々が、この眼前の光景によって一瞬で霧散する。
「触っていい?」
「……うん……お願い」
かすかな声で聡子が許す。賢一の人差し指が、そっとその割れ目に触れた。熱い。びっくりするほど熱く、そしてぬめっとした感触が指先に伝わる。
「くちゅっ……」
音がした。指が滑り、ゆっくりと入り込んでいく。聡子の体がまた震え、喉の奥から甘い嗚咽が漏れる。
「あ……んん……!」
「緊い……すごく……」
コメント