第3章: 父親の代わりじゃない、と囁かれて

第3章: 父親の代わりじゃない、と囁かれて
あの夜以来、松本公夫の体は異常だった。
まるで見えない何かが棲みついたかのように、水沢真美という名の女を求めて、執拗に疼き続けている。
居酒屋の薄暗い個室で味わった、若く柔らかな唇による濃厚な奉仕。
その記憶は脳の最深部に焼き付き、無意識のうちに何度もリプレイされ、公夫の股間を不意に熱く燃え上がらせた。
妻・陽子との何十年にもわたる、慣習のような沈黙の夜。
あれはまるで、消毒剤の匂いする無菌室での眠り。
全く次元の違う、生々しく、卑しく、そしてあまりにも快楽な世界の片鱗を味わってしまったことで、公夫はもう灰色した日常には戻れないことを、その身全体で悟っていた。
そんなある日の午後。
パチンコ店の喧騒の中、公夫の携帯が静かに振動した。
画面には、真美からの短いメッセージ。
「今すぐ、来れる? 一人じゃ、寂しすぎる…」
その文字列を見た瞬間、公夫の心臓が喉までせり上がってくるような衝撃が走った。
理由など、必要ない。
行くべき場所は、ただ一つしかなかった。
彼はパチンコ台の玉を中途半端に買い切り、足早に店を飛び出した。
家に帰り、陽子に「少し散歩してくる」とだけ告げ、風呂にも入らずに真美のマンションへと向かう。
--こんな嘘、すぐにバレるだろう。
だが、もうどうでもよかった。
その足は、疑いもなく、彼女の元へと進んでいく。
真美の住む賃貸マンションのドアをノックすると、すぐに中からガチャリと鍵が外れる音がした。
ドアが開き、現れた真美はいつものあの薄手の白Tシャツに、極短のホットパンツ姿。
だが、その目元はいつもより艶めいて、唇は少し赤く腫れているようにも見えた。
さっきまで、何をしていたのだろう。
「もう、おそいなあ。ずっと待ってたんじゃないけど」
真美はそう言って、公夫の腕をぐいと掴み、部屋の中に引きずり込んだ。
ドアが勢いよく閉まり、外の世界の音が完全に遮断される。
部屋の中は、公夫が想像していた以上に散らかっていた。
床には脱ぎ捨てられた服や雑誌が山積みになり、空気には甘ったるい香水の匂いと、何かを食べた後の油の匂い。
そして何より、この部屋の主である女の生々しい体臭が、濃厚に混じり合っていた。
それは、公夫の自宅の無機質な匂いとは正反対の、生命の匂いだった。
「早よ、公夫…待ってたんやで」
真美はそう囁くと、公夫の首に自分の腕を巻きつけ、激しく抱きしめてきた。
柔らかくて豊満な乳房が、胸を強く圧迫する。
Tシャツの薄い生地を通して伝わる熱と、肌のなまめかしい柔らかさ。
公夫は、その感触にただ立ち尽くすことしかできなかった。
真美は彼の首筋に顔を埋め、深く息を吸い込む。
その温かい息が、公夫の背筋をぞくぞくとさせた。
「ん…公夫の匂い、好きや」
彼女はそう言うと、まるで飢えた肉食獣のように、公夫の唇を奪った。
舌が、ねっとりと口の中に侵入してくる。
その舌は、大胆に、そして執拗に、公夫の口内の隅々までなめ回した。
公夫は、この若い女の唾液の味を、そのまま受け入れた。
少し甘く、そして生々しい味。
キスを終えると、真美は一気に自分のTシャツを頭から脱ぎ捨てた。
すると、何もつけていない乳房が、ぷるんと弾力よく揺れながら現れた。
張りのある白い肌に、ピンク色で少し硬くなった乳首が、まるで熟した果実のように公夫を誘っていた。
「見てんの?さっさと服も脱ぎなさいよ」
真美は乱暴に言いながら、自分のホットパンツも脱ぎ捨て、薄いレースのパンティ一枚になった。
その小さな身体には、公夫の知らない世界のすべてが詰まっているように思えた。
公夫は、彼女の命令に従うように、自分のポロシャツとズボンを脱いだ。
年と共にたるんでいった自分の醜い体を、真美の前で曝すことに、強い羞恥を感じた。
だが同時に、この女に自分のすべてを見せたいという、屈折した願望も湧き上がってきた。
ベッドに押し倒されると、真美はすぐに公夫の上に跨った。
パンティの布越しに、彼女の熱く濡れた秘部が、公夫の腹に押し付けられる。
その熱と湿り気だけで、公夫の陰茎は、すでに限界まで硬く膨れ上がっていた。
「あん…公夫、もうこんなに硬いんや」
真美は、その硬いものを自分の股間で擦り付けるように、腰をゆっくりと動かした。
その度に、パンティの布が濡れていく感触が伝わってくる。
公夫は、もう我慢できなかった。
彼は真美の身体を引き寄せ、その柔らかい乳房を貪るように舐めた。
乳首を舌で弄び、歯で軽く噛むと、真美は甘い声を上げて身体を震わせた。
「ひゃっ…!そんな、んっ…ダメぇ…」
彼女の声は、明らかに喜びに満ちていた。
公夫は、その反応がさらに彼を昂ぶらせた。
彼は真美のパンティの端に指をかけ、そっと引き下ろした。
すると、そこには、愛液で濡れ光った、美しい女性器が現れた。
薄い陰毛に覆われた割れ目からは、とろりとした液体が溢れ出し、部屋の中に甘酸っぱい匂いを漂わせていた。
公夫は、その匂いに酔いしれるように、顔を埋めた。
舌で、そのぬるぬるとした秘部をなぞると、真美の身体がビクンと跳ねた。
「ああっ!んっ…!公夫、そこ…!」
彼女の声が、公夫の脳を直撃する。
公夫は、舌をさらに奥へと押し入れ、膣内をねっとりと舐め回した。
ぐちゅっ、ぐちゅっ…。
生々しい音が、静かな部屋に響き渡る。
真美の腰が、自らの意思で激しく動き始めた。
公夫は、その腰を押さえつけながら、自分の硬くなった陰茎を、彼女の濡れ開いた入り口に合わせた。
「入るからな…」
「うん…入れて…公夫の、入れて…」
公夫は、ゆっくりと、しかし確実に、自分のものを彼女の体の中へと沈めていった。
ずぶずぶ、と。
熱く、濡れて、締め付けられる膣壁が、彼の陰茎を優しく、しかし強く受け入れる。
三十年ぶりに感じる、若い女の膣の感触。
それは、妻とのものとは比べ物にならないほど、生々しく、そして快楽だった。
「ああ…!はぁん…!」
腰が、自らの意志とは無関係に、激しく動き始める。
ずっぽん、ずっぽん。
腰がぶつかる音が、部屋中に響き渡る。
真美は、公夫の首を両腕で抱きしめ、彼の耳元で喘ぎながら囁いた。
「あん…公夫、んっ、お父さんみたい…やで…」
その言葉に、公夫の意識が、一瞬、空白になった。
父親の代わりなのか。
自分は、この女にとって、ただのファザコンの慰めものなのか。
その複雑な思いが、頭をよぎった。
しかし、その疑問も、真美の膣がさらに強く締め付けた、とてつもない快感によって、すぐに掻き消されてしまった。
もう何も考えられない。
ただ、この女の中で、自分を解放することだけが、彼の全てだった。
「あ、ああ…!真美…!ッ!」
公夫は、自らの限界を迎えていた。
彼は、真美の体の中に、熱い濃密なものを何度も放った。
真美も、それに合わせて、激しく身体を痙攣させながら、絶頂の叫びを上げた。
すべてが終わった後、二人は、ただベッドの上で、重い息を切らしていた。
部屋の中には、汗と愛液の匂いが濃厚に充満していた。
帰宅後、公夫は誰にも気づかれぬように、静かに風呂場へと向かった。
湯船に浸かり、その日の出来事を思い返していた。
その時、彼は自分の指に、まだ真美の愛液の匂いが残っていることに気づいた。
彼は、その指を恐る恐る自分の鼻に近づけた。
甘酸っぱい、少し生臭い、あの女の匂い。
その匂いを嗅いだ瞬間、公夫は、深い罪悪感と、抑えきれない昂奮に、からだ全体で震えた。
彼は、もう、この女から逃れられないのだと悟った。
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