第4章: 壊れる膜、堕ちる心

第4章: 壊れる膜、堕ちる心
ドアが閉まる音は、あまりに小さく、それでいて朋美の鼓膜には雷のように響いた。部屋の外の世界が遮断され、ここには街灯の薄明かりだけが差し込む密閉された空間が出来上がった。パジャマのパンツは膝までずり下がったまま、下半身は完全に裸で、父の指がまだ膣の入口に触れているという事実が、すべてを現実として突き付ける。
健一はしゃがみ込んだ姿勢から、ゆっくりと立ち上がった。彼の影が、床に仰向けに倒れたまま動けない朋美を覆う。そして、彼は彼女の脇に腰を下ろし、片腕を彼女の背中に回した。
「こっちにおいで」
その声は、低くて柔らかく、しかしそれ以上に逃げ場のない命令を含んでいた。朋美は抵抗する力も意思も失っていた。体が持ち上がられ、あの大きくて硬い膝の上に、子供のように抱き上げられる。彼女の背中は父の胸に密着し、彼の腕が彼女の小さな胴体をぐっと抱き締めた。足はだらりと開いたまま、パジャマの上衣だけがかろうじて胸を隠している。
「ぱ、ぱぁ……」
言葉にならない。父親の体の温もりが、背中から全身に伝わってくる。それは今まで感じたことのない、大人の男の熱だった。汗の匂いと、どこか微かに漂う剃刀用ローションの香りが混ざり、朋美の鼻腔をくすぐる。彼の呼吸が、彼女の耳の上で荒く、深く響いている。
健一の左手は、朋美の太ももを撫でながら、再びその股間に近づいた。指先が、まだ濡れて光る小さな陰唇に触れる。
「ほら……みてごらん」
彼は囁くように言いながら、自分の指を彼女の眼前に掲げた。人差し指は相変わらずぬるっと輝き、朋美自身の愛液が糸を引いている。
「これだけ出てるんだ。お前の体は、もう覚えちゃってるんだよ」
「ち、違う……そんなの……」
朋美は首を振った。涙がまた溢れ、頬を伝う。でも、体は正直だった。父の指が再び股間に触れた瞬間、お腹の底がぐらりと揺らぎ、膣の奥がじんわりと疼くのを感じずにはいられなかった。
健一は彼女の否定を無視するように、その濡れた指で、そっと彼女の陰唇を広げ始めた。親指と人差し指で、薄いピンクの襞を左右に押し開く。まだ毛の生えていないつるんとした皮膚が伸ばされ、中央の縦筋がくっきりと露出する。その入口は、彼の指の侵入ですでにほんのり赤く腫れ、ぱっくりと小さな穴が開いている。透明な愛液が、じわじわと滲み出て、光沢を帯びている。
「恥ずかしいって?」
健一の声が、耳元でさらに深く響いた。
「でもな、ともみ。パパにはわかるんだ。お前がどんな顔して、あのキャップで自分をこすってたか。あの声で、誰かの名前を呼んでたか」
朋美の息が止まった。鏡の中の妄想のこと? それとも、もっと前から? ドアの隙間からのぞかれていたかもしれないという可能性が、頭をよぎり、全身が火照る。
「あの……昂汰ってやつよりさ」
健一の言葉に、朋美の体がぎくっと震えた。
「パパの方が、お前のことをよく知ってる。お前の体が、何を欲しがってるかもわかってる」
そう言うと、彼は自分の腰をわずかに動かした。朋美は、自分が座っているその膝の上で、何か大きくて硬いものが、スウェットパンツの生地の下で脈打っているのを感じた。それは、彼の太ももの筋肉とは明らかに異なる、熱くて重い膨らみだった。
「これがな」
健一は左手を離し、自分の股間をそっと撫でた。
「お前が知りたいものだ。キャップなんかじゃ、絶対に味わえないもの」
彼はゆっくりと、スウェットパンツのゴムバンドに手をかけ、それをずり下げ始めた。生地がこすれる音が、緊張した空気の中でひときわ大きく響く。朋美は目をそらそうとしたが、できなかった。好奇心と恐怖が入り混じり、瞳孔が開いて、その光景を捉えようとする。
まず見えたのは、濃い灰色のトランクスの縁だった。そしてその下から、太くて暗い色をした肉の塊が、ゆっくりと出現した。それは朋美がこれまで想像したこともないほどの大きさだった。子供の腕のように太く、根元ではさらに膨らんで、血管が浮き出て青黒く脈打っている。先端は大きくふくらみ、赤黒い色をして、光沢を帯びている。そこからは、透明な粘液がにじみ出て、糸を引いている。
「で、でっかい……」
思わず漏れた声は、恐怖に震えていた。でも、同時に、どこかで見てみたかったものだという認めがたい衝動が、胸の奥を掻きむしった。あの冷たいプラスチックとは比べものにならない、生々しい生命力。それは確かに生きていて、呼吸し、こちらの反応を待っているように見えた。
健一は彼女の反応をじっと観察していた。そして、彼の右手が朋美の顎に触れ、ゆっくりと彼女の顔をその肉棒の方へ向けさせた。
「怖いか?」
「……う、うん……」
「でも、お前のそこは、もうこんなに受け入れる準備できてるんだぞ」
彼の左手が再び朋美の股間に下り、指でそっと膣の入口を広げた。くちゅっと音がして、愛液がさらに溢れ出る。
「ほら、見てみろ。お前の穴は、パパを待ってるんだ」
朋美は下を向いた。自分の股間で、父の指が小さな穴をこじ開け、その奥がじくじくと濡れて光っている。そして、すぐそばには、あの巨大な肉棒がそびえ立っている。その先端が、彼女の愛液でぬらぬらと光る自分の入口まで、ほんの数センチの距離だ。
「いや……だめ……あれが……入るなんて……」
彼女の声は泣きじゃくっていた。腰を引こうとするが、健一の腕がしっかりと抱き締めていて、微動だにできない。
「入るよ。お前の体は、もうパパのものだ」
健一の声は、優しさを完全に捨てていた。それは深く、暗く、欲望に塗りつぶされた確信に満ちていた。彼は腰をわずかに浮かせ、左手で自分の肉棒を握り、その先端をゆっくりと朋美の膣の入口に押し当てた。
「っ!」
熱い。プラスチックの冷たさとは真逆の、生身の熱さが、彼女の最も敏感な部分に直接触れた。それは火傷するような刺激で、朋美の体は跳ね上がろうとした。でも、健一の腕がそれを許さない。彼はぐっと彼女を抱き締め、そのまま肉棒の先端で、ぬるっと開いた小さな穴を押し広げ始める。
「痛い……お願い……やめて……痛いから……」
朋美は必死に哀願した。でも、健一の動きは止まらない。彼はゆっくりと、しかし容赦なく、腰を前に押し出した。
ぐりっ。
鈍い抵抗が感じられた。それは今までの指やキャップとは次元の違う、厚くて強靭な壁だった。処女膜だ。まだ十歳の体が持つ、最後の防壁。
「あ……あああっ!」
鋭い痛みが、腰の中心を引き裂いた。朋美の目が見開かれ、声にならない叫びが喉を締め上げる。それは今まで感じたことのない、体が真っ二つにされるような激痛だった。涙が滝のように溢れ、視界がぼやける。
健一は一瞬動きを止めた。彼の息遣いも荒くなり、額に汗が浮かんでいる。しかし、その目は朋美の苦痛をじっと見つめ、さらに深く入り込む決意を固めているようだった。
「我慢しろ、ともみ。すぐ終わるから」
そう言うと、彼は腰にさらに力を込めた。
ぐちゅっ。
鈍く、湿った音が部屋に響いた。痛みの波がさらに増し、朋美はもう叫ぶ声さえ出せず、口を大きく開けて喘ぐだけだった。体の中心で、何かが破れ、引き裂かれる感覚。熱い肉の塊が、無理やりに狭い通路をこじ開け、奥へ奥へと入り込んでいく。膣の内壁がぎゅうぎゅうに押し広げられ、今まで存在しなかった空間が、暴力によってこじあけられる。
完全に根元まで埋め尽くされた時、健一は深く唸りを上げた。
「くっ……お前の中……ちっさすぎる……けど……すげえ締まりだ……」
彼の声は喜びに震えていた。朋美の体は、あまりの痛みと衝撃で硬直し、痙攣している。膣の中は火照り、裂けたような痛みが持続的に響く。でも、その痛みの隙間から、じわじわと違う感覚が這い上がってくるのに気づいた。
埋め尽くされている感覚。体の中心が、父の肉で完全に塞がれ、支配されているという事実。それは恐怖でありながら、どこか奇妙な安心感でもあった。もう逃げられない。すべてを任せてしまえばいい。そんな考えが、痛みにまぎれて頭をもたげる。
健一はゆっくりと腰を引いた。肉棒がぬるっと引き抜かれる感覚が、朋美にまた嗚咽を上げさせた。でも、その時、彼女は気づいた。引き抜かれる時の摩擦が、痛みだけではなく、くすぐったいような、じんわりとした熱を帯びた刺激を生み出していることを。
「あ……ん……」
思わず漏れた声は、もはや痛みの呻きだけではなかった。
健一はその変化を敏感に感じ取った。彼は再び腰を前に押し出し、ゆっくりと膣の中を進ませる。
「どうだ? まだ痛いか?」
朋美は首を振った。痛い。でも、それだけじゃない。入ってくる時の、ぎゅうぎゅうと押し広げられる感覚。出ていく時の、ぬるぬると擦り抜ける感覚。すべてが混ざり合い、お腹の底でぐちゃぐちゃに渦巻いていた。
彼の動きは次第に速くなり、深くなった。くちゅっ、ぐちゅっ、ずぶっ。下品な水音が、彼の唸り声と朋美の喘ぎ声に合わせてリズムを刻む。部屋の中は、汗と愛液と男の体臭の混じった生臭い匂いで満たされていった。
朋美はもう泣くのをやめていた。代わりに、彼女の口からは、意味のない甘ったるい吐息が次々と零れていった。体は父の腕にだらりと預けられ、腰だけが無意識に彼の動きに合わせて微かに動いている。膣の奥では、最初の激痛が引いた後、むしろその傷口を擦られるような、鋭くて深い快感が生まれ始めていた。
「あ……そこ……あたし……おかしく……なっちゃう……」
彼女は自分でも理解できない言葉を発していた。頭の中は真っ白で、ただ体の中心で蠢く熱だけがすべてを支配する。父の肉棒が、幼い膣壁をこすり上げるたびに、火花のような快感が背骨を駆け上がる。それは罪深く、汚らわしく、でもたまらなく気持ちいい。
健一は彼女の耳元に唇を寄せ、熱い息を吹きかけた。
「いいんだ……気持ちよくなれ……お前の体は、もうパパのものなんだから……」
彼の言葉が、朋美の残っていたわずかな理性を最後に引きちぎった。彼女は首を後ろにそらせ、健一の肩に額を押し付ける。体が熱に包まれ、膣の奥で何かがどんどんふくらんでいくのを感じた。それは今までキャップで感じた小さな絶頂とは比べものにならない、巨大なうず潮のようなものだった。
「あ……ああ……おかし……い……お腹……ぐちゃぐちゃ……になっちゃう……」
朋美の声は泣き声に変わっていた。でも、それは悲しみではなく、快楽に溺れる者しか出せない、切なさと渇望の混じった叫びだった。彼女の手足がぴんと伸び、足の指がぎゅっと丸まる。膣が痙攣し、健一の肉棒をぎゅうぎゅうに締め付け始めた。
「くっ……お前……もう行くか……?」
健一の声も乱れている。彼の動きがさらに荒くなり、深く突き刺さるたびに、彼女の体を揺さぶる。朋美はもう何も見えず、何も聞こえず、ただ体の中心で爆発する熱だけを感じていた。
そして、ついに──
「いぐ……っ! あ……あああっ!」
朋美の体が弓なりに反り返り、けたたましい悲鳴にも喜びの叫びにも聞こえない声を上げた。視界が真っ白に輝き、体のすべてが一瞬で溶けていくような感覚。膣の奥で、じわじわと温かい液体が溢れ出る。それは彼女自身の愛液なのか、それとも何か別のものなのか、もはや判別できない。ただ、激しい痙攣が彼女の小さな体を何度も震わせ、すべてを空っぽにしていった。
その瞬間、健一も深く唸りを上げ、彼女の体の奥深くで大きく震えた。朋美は感じた。膣の一番奥で、何か熱くて濃い液体が噴き出すのを。それが彼女の子宮の入口を打ち付け、体中に染み渡っていくような錯覚。彼はぐっと彼女を抱き締め、そのまま動きを止めた。
長い時間、二人はそのままの姿勢でいた。ただ、荒い呼吸だけが部屋に響く。朋美の体はだらりと父の腕に預けられ、すべての力が抜けていた。膣の中は、彼の肉棒がまだ埋めたまま、熱くて重く、どくどくと脈打っている。そこからは、温かい液体がじわじわと溢れ出て、彼女の太ももを伝って滴り落ちている。
やがて、健一がゆっくりと腰を引いた。ずぶりっという音と共に、肉棒がぬるっと抜け出る。朋美はその空虚さに、思わず「あ……」と小さく声を漏らした。膣の入口がぱっくりと開き、彼の精液と彼女の愛液が混ざった白っぽい液体が、とろりと溢れ出てくる。
健一は彼女をベッドの上に横たえ、自分の体を彼女の脇に倒した。彼は息を整えながら、朋美の顔をじっと見つめていた。彼女の目はうつろに天井を見つめ、頬には涙の跡が光っている。口は半開きで、まだ熱い吐息を漏らしている。
「……ともみ」
彼の声は、欲望が去った後のかすれた優しさを取り戻していた。
朋美はゆっくりと目を動かし、父の顔を見た。何も感じられない。頭も体も空っぽで、ただひどく疲れているだけだった。でも、股の間の熱くてじっとりとした感触だけが、今起こったことが現実だったことを告げている。
彼は手を伸ばし、彼女の額をそっとなでた。
「もう大丈夫だ」
その言葉に、朋美は突然、すべての感情が押し寄せてくるのを感じた。恥ずかしさ、罪悪感、恐怖、そしてなぜか、寂しさ。彼女は目をぎゅっと閉じ、また涙が溢れ出た。
健一は何も言わず、彼女を抱き寄せた。彼の腕の中で、朋美は小さく震えながら泣き続けた。外では、夜が更けていく。街灯の光が窓から差し込み、ベッドの上に横たわる二人の体をほのかに照らしている。
そして彼女は知った。もう二度と、あの体育館倉庫の妄想だけでは満足できなくなることを。体の奥に刻まれたこの感触、この熱、この堕ちていく感覚を、ずっと求めてしまうことを。
すべてが終わったのに、何かが始まってしまったような、重くて甘い虚無が、十歳の少女の心をゆっくりと包み込んでいった。
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