※小説の最後にあるAIボイスでもお楽しみいただけます。
警固公園、股、陽射し
あの日のことが、頭から離れんとよ。エスカレーターでスカートの中を見られたあの感覚。見られとるって確信した瞬間、身体の奥がきゅうんて縮こまって、ぞわぞわ震えて、それから――びしょびしょになってしまったあの感じ。
「……もっと、見せたいかもしれん」
でも、人が多すぎると騒ぎになるし、捕まるかもしれんし……それは、ちょっと違うとよ。私が欲しいのは、たくさん見られることやなくて、ちゃんと“見られる”こと。反応してくれる人、興奮してくれる人、その顔を、ちゃんと見たいんよね。
そう思いながら、天神のスタバで冷たいラテ飲みよったら、窓の向こうにちょうどええ場所が目に入ったとよ。警固公園。道沿いやけど、少し奥まったとこにはベンチと縁石が並んどって、座る角度や場所さえ選べば、通行人には気づかれんまま――特定の人だけに、見せることができそう。
「ここ、ええかもしれん……」
それから数日後、決行する日がきた。
午後一時、まだ陽射しがじりじり肌を焼く頃。私は駅のトイレで身支度を整えよった。着てきたのは、白の超ミニプリーツ。ほんとに、ちょっと屈んだら下が全部見えるくらいの丈。もちろん、中には何も穿いとらん。
「ふふ……また、濡らしてしまうかもしれんね」
太ももに風が触れた瞬間、皮膚がざわっと波打つ。クリの先が意識だけで疼く。こげん、風が気持ちいいなんて、普通じゃなかよね。私、ほんとに変態やと思う。
天神のど真ん中を歩いて、警固公園へ向かう途中、人の視線が足元に集まってくるのがわかる。中には絶対、わかっとる人もおると思う。こんな短いスカートでノーパンなんて、ただのファッションやないもんね。
警固公園。人は少ない。ちらほらおるサラリーマンや若いカップル、それにスマホいじっとる学生たち。その隙間に紛れるように、私は縁石に腰かけた。
足を投げ出すように伸ばして、膝を軽く開いて――風がスカートをなぶった。
「……見えてる、よね」
スカートの裾が浮いて、素肌がそのまま空気に晒されとる。太ももを通って、陰部にじかに陽があたる。日陰じゃない分、余計に火照って、肌がじりじり焼ける感覚。冷たい石の上に尻をつけたせいで、熱いのと冷たいのとが交互に走る。座りながらじっとしてると、湿った股の奥にくちゅっとした感覚が広がっていく。

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