※小説の最後にあるAIボイスでもお楽しみいただけます。
天神でノーパンの芽郁
私、芽郁(めい)って言うと。二十歳、短大通っとって、バイトもしてるし、見た目もたぶん普通。派手じゃないし、周りからは「真面目そう」って言われることが多いっちゃん。でもね、ほんとは誰にも言えん秘密があるとよ。
――私、露出が好きっちゃ。
たとえば、中学の頃、制服の下に下着をつけんまま登校したことがあると。スリルっていうか、「見られるかもしれん」ていう感覚が、ゾクゾクしてたまらんのよね。
今日もまた、そのムズムズが止まらんくなって、昼過ぎには決めとった。
「……ノーパンで、天神、行こっかな」
鏡の前で小さく呟いて、Tシャツにミニスカ。ほんとにギリギリの丈。もちろん、下にはなにも穿いとらん。風が吹いたらすぐめくれそう。けど、それがたまらんのよね。
駅に着くと、もう人でいっぱい。蒸し暑い空気に肌が張りついて、スカートの中にも風が通るたび、変な声出そうになるっちゃ。
「うわ……やばい、もう、ちょっと濡れとうかも」
足早に改札を通って、西鉄福岡駅のあの長いエスカレーターへ。大名口からコンコースへ続く、あの一直線の昇り。今日の舞台は、ここ。
エスカレーターに乗った瞬間、すぐ後ろに中年のおじさん。スーツ着とって、スマホ見よるふりしとるけど、絶対……見とる。
私は、そっと足を肩幅くらいに開いて、スカートの裾を意識的にゆらしてみる。ゆっくり昇る段差。角度的に、下からやったら……絶対見えとう。
「ふふ……見られとるんかな。やば、ドキドキするっちゃん」
太ももに風が触れて、汗ばんだ肌がひやっとして、その瞬間、クリのあたりがキュンって疼いた。背中がじんわり汗ばんで、足が勝手に震える。
後ろの視線が、どんどん濃くなる。空気が変わるっちゃん。わかるもん、欲の匂いって。
「はぁ……っ、やばい、これ……クセになりそう」
そのまま何事もなかったようにエスカレーターを降りて、私は駅の地下街へ。足取りがふわふわしとって、頭の中はぐるぐる回っとる。

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