第1章: 夜更けの匂いと疼く母胎(続き 3/3)
都合の良い解釈が、罪悪感の上に、ぬらぬらと膜を張っていく。私は悪くない、あの子を思ってのことだ、と。歪んだ母性が、欲望を正当化する衣を纏い始める。
香里はゆっくりと身を起こし、濡れた下着とパジャマパンツを拾い上げた。洗面所にでも持っていって、さっと流そう。そして明日――。
彼女は窓の外の闇を見つめながら、唇をほんのりと緩めた。
明日の午後は、息子とゆっくり過ごす時間を作ろう。夫のいない週末、母と子だけで。何か、楽しいことを。
その「楽しいこと」の具体的な中身が、まだ曖昧なままでも、香りの体の奥では、もう次の疼きが、ゆっくりと目覚め始めているのだった。
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