第4章: 甘く生臭い衝撃
第4章: 甘く生臭い衝撃
朋美の小さな口が、ティッシュで拭われたばかりの亀頭に近づいた。
息が、先端にかかる。熱っぽくて、少し湿っている。徹は背筋をぴんと伸ばし、思わず目をぎゅっと閉じた。でも、すぐにまた開けた。見ていなければ、現実から逃げてしまうような気がしたからだ。
「……大丈夫、汚くないよ。さっき拭いたから」
朋美の声は、いつもより少し低く、落ち着いている。その口調に、徹はなぜか安心させられるような、でも同時にもっと緊張するような気持ちになった。
そして次の瞬間、柔らかい感触が包み込んだ。
「……っ」
喉の奥で息が詰まった。熱い。それに、とにかく柔らかい。唇の内側の粘膜が、亀頭全体を優しく包み込む。あたたかくて、湿り気があって、今までに感じたことのない感触だった。
朋美の目は、真正面から徹を見上げていた。まつ毛が長く、瞳は潤んで光っている。頬が少し膨らんで、口の中に何かを含んでいる形がはっきりわかる。
「んむ……」
口を動かすたびに、ぐちゅりと小さな音がした。舌が、先端の割れ目のあたりをそっとなぞる。その動きは、ビデオの中の白人女性とはまるで違う。ゆっくりで、ためらいがちで、まるで初めての食べ物を味わっているみたいだった。
徹の膝ががくがくと震え始めた。股間から背中にかけて、じんわりと熱い波が広がっていく。太腿の内側がぴくぴくと痙攣し、立てていた足が崩れそうになる。
「……朋、朋美……」
声が裏返る。思わず彼女の肩に手を置いた。指先が震えていて、しっかり支えられない。
朋美は少し口を離し、糸を引く唾液を切りながら上目遣いで見た。
「……痛い?」
その問いかけは、純粋な心配に聞こえた。でも瞳の奥には、何か別の興味がきらきらと光っている。
「ち、違う……そんなんじゃなくて……」
何が「そんなん」なのか、徹自身もわからなかった。ただ、このままではどうにかなってしまいそうな気がした。腰の奥に、みぞおちのあたりに、何かがどんどん蓄積されていく。重たくて熱くて、いっぱいになりすぎている感じ。
朋美はまた口を寄せた。今度は少し深く含み、頬をへこませて吸うような動きをした。
「くちゅ……」
音がはっきり聞こえた。濡れた音。自分の中から出ているわけではないのに、なぜか恥ずかしくなるような響き。
徹の背中が、びくんと跳ねた。腰が勝手に前に押し出される。朋美の口の中へ、もっと深く入りたくなってしまう。
「あっ……」
自分の声が、変なふうに高い。ビデオの中で女の人があげていた声に、少し似ている気がした。そのことにまた恥ずかしさがこみ上げて、顔が火照る。
朋美は両手で徹の太腿を支え、口を上下に動かし始めた。ゆっくりとしたリズムで、時々舌を絡ませながら。唾液がたまって、唇の端から白く光る糸が垂れた。
「ん……ちゅぱ……ん……」
吸う音、舌がこする音、唾液の音。それらが全部混ざり合って、耳の奥に直接響いてくる。雨の音も、テレビの音声も、もうどこか遠くにあるようだった。
徹の呼吸が荒くなった。胸が痛いほど鼓動し、喉が乾く。手のひらに汗がにじんで、朋美の肩の布地を少し濡らしている。
――やばい。なにこれ。
頭の中で言葉が渦巻く。快感というものがあれば、きっとこれなんだろう。でも、あまりにも強すぎて、怖くなってきた。このまま爆発してしまいそうで、どうしていいかわからない。
下腹部がきゅうっと締まる。急に強い収縮が走り、思わず腰を引いた。
「……だめ……もう……」
声が震えている。逃げたい。でも、朋美の口から離れたくない。矛盾した気持ちが渦を巻き、頭の中が真っ白になっていく。
朋美は口を離さなかった。むしろ、もっとしっかりと咥え込み、喉の奥まで受け止めるような動きをした。
その瞬間、全てが弾けた。
「うああっ……!」
叫び声が部屋に響いた。腰が勝手に跳ね、熱いものが勢いよく放出される。何度も、何度も、止まらない。まるで体の中の全てを搾り取られているようだった。
朋美の目がぱちりと見開かれた。でも、驚きだけではない。何かを理解したような、納得したような表情。口の中に白濁の液体が充満し、頬が膨らむ。
徹は腰を震わせながら、まだ続く放出に身をよじった。膝の力が完全に抜け、その場にしゃがみこみそうになる。
「はっ……はあっ……あ……」
息が続かない。涙がにじんで、視界がぼやける。朋美の顔が、光の輪の中でゆらゆら揺れている。
彼女は少し苦しそうに眉をひそめると、ごくん、と喉を鳴らした。そしてもう一度、ごくん。口の中が空になるまで飲み込む動きを繰り返した。
最後に口を離した時、唇の端から白い糸が伸びた。それが切れて、徹の太腿に落ちた。まだ温かかった。
朋美は手の甲で口元を拭いながら、ゆっくりと息を吐いた。
「……ふう」
その吐息の中に、ちょっとした生臭さが混じっている。徹自身の匂いだ。それに気づいて、また恥ずかしさがこみ上げた。
「……ごめん、汚くなっちゃって……」
声がかすれている。のどが痛い。
朋美は首を横に振った。頬はまだ赤く、目は潤んだまま。
「だいじょうぶ。ちょっと塩っぱい味がしたけど……そんなに嫌じゃない」
そう言って、にっこり笑った。その笑顔は、さっきまでの好奇心に満ちた表情とは少し違う。何かを成し遂げたような、満足げな輝きを帯びていた。
徹は崩れるように床に座り込んだ。足に力が入らない。股間はまだぴくぴくと痙攣していて、先端から最後の一滴がにじみ出ている。
朋美もその横にしゃがみ、顔を近づけた。
「これが射精なんだね。ビデオで見た通りだ」
彼女の指が、徹のまだ濡れ光る先端に触れた。そっとなでるように。
「へえ……出たばかりなのに、また少し硬いよ?」
その言葉に、徹は自分の体の反応を改めて意識した。確かに、射精したばかりなのに、また少しずつ血が集まっている気がする。恥ずかしさで、また顔が熱くなる。
「わ、わかんない……」
本当にわからなかった。体が、自分の意思とは関係なく動いている。快感の余韻がまだ体中を駆け巡っていて、思考がまとまらない。
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