第2章: 雨の日の招待(続き 2/2)
徹はその動きに目を奪われた。
朋美の太腿は、まだ子供らしい丸みを帯びていた。でも、その肌は白く滑らかで、雨の日の湿った空気の中でほんのりと汗ばんで光っていた。
――触れてみたい。
その衝動が、突然胸を突き上げた。
指先を伸ばせば、すぐに届く距離だ。朋美の温もりを確かめられる。あの柔らかそうな肌の感触を、掌で感じられる。
でも、手は動かなかった。
恥ずかしさと、何か別の恐れが、体を縛り付けていた。
映像はクライマックスに向かっていた。
男性の動きが激しくなり、女性の喘ぎ声もより甲高くなっていく。結合部からはくちゅくちゅという淫らな音が絶え間なく響き、部屋の中に生臭いような甘いような空気が充満していく。
朋美がまた小さく息を漏らした。
「ああ……もう……すごい……」
彼女の声は、まるで自分がその場にいるかのような熱を帯びていた。片手が無意識に自分の股間を押さえ、ショートパンツの布地を軽く擦っている。
徹はその様子を見て、喉がからからに渇いた。
唾を飲み込む音が、自分には大きく聞こえた。
胸の奥で、むずむずとしたかゆみのような感覚が広がっていた。それは今まで感じたことのないもので、どうしていいかわからない不安と、どこか甘い期待が混ざり合っていた。
雨はまだ降り続け、窓を打つ音が二人の背徳の時間を包み込んでいた。
テレビの画面は白く濁り、やがてノイズに戻っていった。
映像が終わっても、しばらく二人は動けなかった。
リビングには、激しい雨音と、荒い二人の呼吸だけが響いている。
――あれは、何だったんだろう。
徹は頭の中がぐちゃぐちゃだった。理解できない光景、でも目を離せなかった光景。そして、横にいた朋美の温もりと息づかい。
朋美がゆっくりと顔を向けた。
彼女の頬はまだ紅潮し、黒目が潤んで光っていた。
「……どうだった?」
声はかすれていた。
徹はうまく言葉が出ず、ただうなずくだけだった。
朋美はにっこりと笑った。その笑顔は、いつもの無邪気さを装いながら、どこか大人びた妖しさを帯びているように見えた。
「また今度、こっそり見ようね。他にもテープがあるんだ」
そう言うと、彼女はちゃぶ台から立ち上がり、ビデオテープを元の場所に戻しに行った。
徹は彼女の後ろ姿を見つめた。
ショートパンツから伸びた細い脚、柔らかそうな腰の曲線。さっきまでテレビに映っていた女性の裸体と、なぜか重なって見えた。
胸の奥のむず痒さは、ますます強くなっていくばかりだった。
――僕、どうしちゃったんだろう。
窓の外では、雨がいつまでもやまずに降り続けていた。
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