第2章: 湯気の中の小さな誘惑

第2章: 湯気の中の小さな誘惑
松下家に迎えられて、一週間が過ぎた。
夕食のカレーの匂いが台所にまだほんのり残る、水曜日の夜だった。
雅子が食器を洗う音がキッチンから聞こえ、リビングではテレビのニュースが小声で流れている。
孝雄は、一日の疲れを湯船で癒やそうと、夕食を終えるとすぐに風呂場に向かった。
湯気が立つ浴室。
孝雄は深く湯船に浸かり、首までお湯に沈めて目を閉じた。
六十歳の身体は、仕事での腰の痛みを覚え、湯の温かみが染み渡る。
――この年で里親か。
思いがけず広がった家族の輪に、心地よい責任感と、どこかもどかしい緊張が入り混じっていた。
その時、浴室の引き戸が、きゅっ、と小さな音を立てて開いた。
「おじさん」
甘ったれるような、幼い声。
湯気の向こうから、小さな影が揺らめく。
孝雄は目を見開いた。
湯船の縁に、何も着ていない優菜が立っている。
肩まで届く茶髪は少し濡れ、湯気でくっついた毛先が鎖骨にへばりついている。
幼い胸の、ほんのり膨らみ始めた乳首が、湯気の中でうっすらとピンクに見える。
その下は、まだ産毛ひとつない、なだらかな三角地帯。
「優、優菜……!」
孝雄は慌てて湯船の中で身体を縮め、視線をそらそうとした。
「な、なんで入ってきたんだ。お風呂は後で……雅子が……」
「だって、おじさんの背中、流してあげようと思って」
優菜はいたずらっぽく笑った。
湯気が彼女の小さな身体を包み、ゆらゆらと輪郭をぼかす。
無垢な顔つきとは裏腹に、彼女の黒瞳は、湯船に浸かる孝雄の身体をくまなく舐めるように見下ろしていた。
「恥ずかしいの? 優菜、まだ小さいから、平気だよ。お義父さんも、いつも一緒に入ってたし」
「そ、それは……」
孝雄の言葉が詰まった。
股間のあたりが、湯の温かさとは別の熱で、じわりと疼き始める。
長年忘れていた、あの感覚。
男としての機能が、衰えなどしていなかったことを、この幼い裸体が思い出させた。
優菜は浴室の床に置いてあったスポンジを手に取り、湯船の縁にしゃがみ込んだ。
湯気が立ち込める中、彼女の細い腕が伸びて、孝雄の背中にスポンジを当てた。
「ほら、優菜が洗ってあげるね」
ぬるっとした泡の感触が、孝雄の背中の皮膚を伝う。
優菜の手つきは、意外にも慣れたものだった。
優しい力加減で、肩から腰へ、ゆっくりとスポンジを動かす。
「おじさん、背中、広いね」
彼女の声が、すぐ耳元から聞こえる。
湯気の向こうに、優菜の顔が近づいている気がした。
吐息の温もりが、孝雄の首筋にかすかに触れる。
「あ……うん」
孝雄は声を絞り出した。
背中を流される感触に、なぜか緊張が走る。
老夫婦となった雅子との入浴ですら、ここ数年はなかった。
他人の手――それも十歳の少女の手で身体を洗われることに、胸の奥がざわついた。
スポンジが、背骨のくぼみをゆっくりと下りる。
その先端が、腰のあたりで、ほんの少し力を強めた。
「ん……」
思わず漏れた孝雄の声。
優菜の指が、スポンジ越しに、腰骨のあたりをくすぐるように動いた。
「ここ、硬くなってるね、おじさん」
優菜の声には、無邪気な好奇心がにじむ。
「疲れてるのかな?」
「い、いや……そうでも……」
孝雄は湯船の底に沈みこむようにして、なるべく動かないようにした。
しかし、優菜の手は止まらない。
スポンジが脇腹をなぞり、あばら骨の下をくすぐり、また背中へと戻っていく。
湯気が濃くなっていく。
浴室全体が、白い靄に包まれる。
その中で、優菜の小さな裸体が、よりいっそうぼやけて、危うい輪郭を浮かび上がらせる。
「きれいになったかな」
優菜がつぶやいた。
スポンジを離す音がする。
孝雄はほっと息をついた。
これで終わりか、と思ったその瞬間。
「あ、でも、まだ石けんがついてる」
優菜の細い指が、孝雄の背中に直接触れた。
湯で温まった、柔らかく湿った皮膚。
十歳の少女の指先が、背中の中央を、ゆっくりと下りていく。
「えっと……ここ」
その指先が、腰のさらに下へ。
湯船の縁に寄りかかっている孝雄の、臀部のすぐ上あたりで止まった。
「お、優菜……」
孝雄の声が震えた。
「もういい、自分で……」
「だめだよ。きれいにしないと」
優菜の指が、ほんの少し力を込めた。
孝雄の身体が、思わずびくっと跳ねる。
湯がはねて、優菜の胸元にかかる。
「あ」
優菜が小さく声を上げた。
湯が、彼女の幼い乳首の先端を伝い、下腹へと流れ落ちる。
その光景を、孝雄は目を背けられずに見つめてしまった。
ピンク色の、小さな蕾。
湯の粒が、その先端に留まり、ゆらりと光る。
「おじさん、見てる」
優菜の声が、甘く響いた。
孝雄は慌てて顔を上げると、彼女がいたずらっぽく笑っているのに気づいた。
「優菜、恥ずかしいな」
そう言いながら、優菜は全く隠そうとしない。
むしろ、胸を少し前に突き出し、湯気の中であえて見せるようにしている。
「で、でも……おじさんがじーって見るから、優菜も……」
優菜の手が、今度は孝雄の肩に触れた。
湯船の縁から、彼女がさらに身を乗り出している。
「おじさん、こっち向いて」
その声に導かれるように、孝雄はゆっくりと湯船の中で身体を回した。
湯の抵抗で動きは鈍く、それでもやがて、彼は優菜と真正面に向き合うことになった。
湯気の向こう。
無毛の三角地帯が、孝雄の目の高さにあった。
湯のゆらぎで、ほんのりと赤みを帯びた陰唇の形が、ちらちらと見え隠れする。
孝雄の喉が、ごくりと鳴った。
股間の疼きが、今や無視できない熱に変わっている。
湯の中で、自分の男根が、ゆっくりとだが確実に硬くなり、立ち上がっていくのを感じた。
「おじさん」
優菜の声が、一段と甘く、細く響く。
「おなかも、洗ってあげようか?」
彼女の手が、孝雄の胸元に伸びる。
スポンジではなく、今度は直接、掌で。
優菜の小さな手が、孝雄の胸のあたりを、ゆっくりと撫でる。
「おじさん、ここ……すごく温かい」
彼女の指が、乳首のあたりをかすめた。
六十歳の男性の、色の濃くなったその小さな突起に、優菜の指先が触れる。
「っ……」
孝雄は息を呑んだ。
雅子にも、ここ数年触れられた記憶がない。
ましてや、こんなに丁寧に、ゆっくりと。
「気持ちいい?」
優菜が上目遣いで尋ねる。
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