母には言えない、黒い極太と灰色の人生

第4章: 日常に溶け込んでいく、ヴェールでの生活(続き 2/2)

最初の一本が抜かれる時、ぐちょっという音と共に、腸の内壁がビーズの玉を啜るような感覚があった。智美は声を押し殺した。二本目。三本目。最後の大きなビーズがゆっくりと引き抜かれる時、肛門の括約筋が無理やり広げられ、また元に戻ろうとする痙攣のような動きが、腰を震わせた。

「はぁ……んんっ……!」

喘ぎが漏れる。客席からは笑い声と拍手。智美の肛門は、ビーズが通った後で緩み、ぱっくりと小さな穴を開けている。そこから潤滑油が光り、糸を引いて垂れそうになっている。

そして、本番ショー。

VIPルームと呼ばれる小さな個室に通され、そこで落札者の男と二人きりになる。初めての相手とは違う、肥満体の中年男性だった。彼はろれつが回らず、酒臭い息を智美の顔に吹きかけながら、制服のブラウスを引き裂いた。

「女子大生のともみちゃん……ふふ……高い金払ったんだからな……たっぷり楽しませろよ……」

智美は目を閉じた。男の手が、自分の小さな胸をぎゅうぎゅうと握りしめる。乳首を指でひねり、痛みが走る。でも、智美は動かない。ただ、そこにいる。

男がズボンを下ろし、勃起したペニスを智美の股間に押し付ける時、智美は自分の膣が、自然に湿っていることに気づいた。恥ずかしさのあまり、身体が快楽を覚えるように変質していく。男のペニスは太く短く、ずぶりと入った時、処女の時のような裂けるような痛みはなかった。ただ、重いものが膣内を押し広げる感じ。

「うっ……うう……」

智美は枕に顔を埋めて、小さく唸る。男はがっしりと智美の腰を掴み、荒々しく腰を振る。膣壁が擦られ、じゅくじゅくと卑猥な音を立てる。智美は、その音を聞きながら、なぜか母の顔を思い浮かべた。今頃、母は家でテレビを見ながら、一人で夕食を食べているだろう。娘は大学の図書館で勉強していると信じて。

――ごめんね、お母さん。

しかし、その罪悪感は、男の精液が膣の奥で爆発する熱い感触に、かき消された。どぴゅっ、っと脈打つような射出。智美の子宮口が、その熱に触れて、びくんと痙攣した。

終わった後、男はぐったりと横になり、すぐにいびきをかき始めた。智美は静かにベッドから起き上がり、汚れたシーツから滴る白濁液を、タオルで拭い取った。股間は熱く、男の体液と自分の愛液が混ざり、じっとりと垂れていた。

シャワー室で身体を洗いながら、智美は鏡の中の自分を見つめた。髪は濡れ、肌には男が吸い付いた痕がいくつか赤く残っている。乳首は、ビーズを通すために穿たれたピアス穴はまだないが、いつかあそこにも金属が光る日が来るのだろうか。

紫織が入ってきて、智美の肩に手を置いた。

「どう?本番ショー。慣れた?」

智美はうなずいた。言葉が出ない。

「そうよね。智美ちゃん、もうすっかりヴェールの顔になっているわ。客の指名も、私を抜いてトップになったって、涼さんが言ってた」

紫織の声には、羨望のような、妬みのような、それでいて慈しむような複雑な響きがあった。

「これからも、たくさんお金、稼げるわよ。学費なんて、すぐに貯まる。母さんにだって、楽させてあげられる」

智美はまたうなずいた。そして、ふと口をついた。

「紫織さん……私、このままここにいても……いいんでしょうか」

紫織は、少し驚いたように目を見開き、それから優しく、どこか哀れむように微笑んだ。

「いいのよ。ここが、智美ちゃんの居場所なんだから。外の世界で、智美ちゃんのことを本当に理解してくれる人なんていない。でもここには、あるわ。智美ちゃんの全てを、汚れも恥も全部含めて、価値を見出してくれる人たちが」

智美はその言葉を、胸の奥で繰り返した。価値。自分には、まだ価値がある。汚れた身体で、恥ずかしい舞台に出て、見知らぬ男に抱かれて。それでも、お金に変わる価値が。

大学の講義で、智美は以前よりも真面目にノートを取るようになった。アルバイトで疲れていても、睡眠時間を削って予習復習をした。二重生活は、彼女をより効率的にさせた。時間の使い方、感情の切り替え、顔を使い分ける技術。全てが、研ぎ澄まされていった。

ヴェールでは、涼が時折、智美を個室に呼んだ。帳簿を見せながら、彼女の稼ぎがどれだけ増えているかを淡々と伝える。そして、次のステージの話を持ちかける。

「次は、複数客との同時プレイだ。三人の客を、一つの舞台で捌く。できるか」

智美は一瞬、息をのんだ。でも、すぐにうなずいた。

「はい。できます」

涼は満足そうに、微かに口元を緩めた。

「ああ、期待している」

智美がヴェールを出る時、夜明け前の空が薄明るくなり始めていた。手には、今夜の稼ぎが入った封筒。重い。大学に行くための電車賃を切りながら、智美はふと思った。

――私、もうどこにも帰れない。

でも、その思いは、悲しみではなく、ある種の諦めに近い、静かな納得だった。ヴェールの暗がりと、大学の明るい教室。その両方を行き来する自分が、もう当たり前になっていた。母に嘘をつくこと、客の前で股を開くこと、全てが、この生活を維持するための日常の一部だった。

そして、智美は気づいていた。あの放尿ショーの時、アナルビーズを抜かれる時、男に膣内に射精される時、どこかで、ほんの少し、だが確かに、快感のようなものが、恥ずかしさの隙間から這い出てきていることを。それは、自分が壊れている証拠だとわかっていても、止められない熱だった。

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AIが紡ぐ大人の官能短編『妄想ノベル』案内人です

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