母には言えない、黒い極太と灰色の人生

第3章: 処女の標本、貫通の儀式(続き 2/2)

男は智美の股間に手を伸ばし、下着の端をゆっくりとずらした。陰毛の薄い恥丘が、大勢の視線に晒される。智美は目を閉じた。が、まぶたの裏にまで、客たちの熱い視線が焼き付くようだった。

「リラックスしてください」

冷たい金属が、外陰部に触れた。智美は思わず体を跳ねさせた。

「じっとして」

男の声には、もはや優しさはなかった。彼は片手で智美の小陰唇を広げ、もう片方の手に持った細長い器具を、ゆっくりと膣口へと近づけた。

「んっ……!」

異物が入ってくる。それは太くはないが、冷たく、硬い。智美のまだ誰にも開かれたことのない膣が、ぎゅっと締まり、拒絶しようとする。

「ごく浅く挿入し、処女膜の状態を確認します」

男は淡々と報告する。器具が、ほんの数センチだけ中へと進む。

「うあ……っ」

鋭い疼きが走った。それは痛みというより、自分の最も秘めた部分が物理的に侵害される、絶対的な違和感だった。智美は拳を握りしめ、爪が掌に食い込むのを感じた。

男は器具をゆっくりと抜き取り、先端を客席の方へ向けた。そこに、ごくわずかだが鮮やかな赤い染みが付着している。

「出血を確認。処女膜は完全です」

客席から、沸き上がるような歓声が起こった。拍手と野次が、智美の耳に飛び込んでくる。

「純潔証明書にサインを」

男が書類を差し出し、智美は震える手で名前を書いた。それが、自分自身を商品として認証する行為だと理解しながら。

首にナンバープレートが下げられた。「07」という数字が、冷たく胸元で揺れる。

オークションが始まった。

「さあ、純潔の証、目黒さとみの初夜権、スタート価格百万円から!」

「百二十万!」

「百五十万!」

「二百万!」

数字が跳ね上がっていく。智美はベッドの上に座ったまま、首のプレートを見下ろしていた。自分という人間が、数字に還元されていく。涙が頬を伝うが、なぜ泣いているのか自分でもわからない。

「五百八十万円!」

ついに落札の槌が鳴った。

落札者は、初老の紳士風の男だった。銀髪をきちんと整え、上質なスーツを着こなし、優雅な笑みを浮かべて智美に近づいてくる。

「お嬢さん、ご安心を。丁寧にいたしますから」

彼の手が智美の頬に触れた。その指は冷たく、しかし握りしめられた智美の手を、優しく包み込んだ。

別室へと連れていかれる廊下で、智美は紫織とすれ違った。紫織は一言も発せず、ただ深くうなずいた。その表情には、憐れみでも共感でもない、ある種の祝福のようなものさえ浮かんでいた。

部屋は、ヴェールの中にあるが、これまで智美が入ったことのない特別室だった。ベッドは広く、シーツは真っ白で、まるでホテルの一室のようだ。

紳士は智美をベッドの端に座らせ、ゆっくりと彼女のワンピースのファスナーを下ろしていった。

「お嬢さんは、とても美しい」

布がずり落ち、智美の裸体が露わになっていく。彼は智美の胸を、掌でそっと包んだ。小ぶりで形の良い乳房が、冷たい空気に震える。

「怖がらなくていい」

彼は智美をベッドに横たえ、自分の衣服を脱いでいく。年齢の割に鍛えられた体が現れたが、智美にはその細部は目に入らなかった。

彼が智美の腿の間に跪いた時、智美は目をしっかりと閉じた。

「では、いきますよ」

先端が、濡れていない膣口に押し当てられる。智美は息を止めた。

ゆっくりと、しかし確実に、肉棒が貫いていく。処女膜が破れる瞬間、鋭い痛みが走った。智美は声にならない声を上げ、拳をぎゅっと握りしめた。

「うっ……!」

「大丈夫、すぐに痛みは引きますから」

彼は優しく囁きながら、腰をゆっくりと動かし始めた。ずぶずぶと、智美の奥深くへと進んでいく肉棒。痛みの中に、確かに異物で満たされる感覚が混じり始めていた。

智美は天井を見つめた。涙が止まらない。これが、自分が五百八十万円で売った初体験だ。ロマンチックなものなど何もなく、ただの取引だ。

紳士の呼吸が荒くなる。彼の動きが速くなり、深くなる。

「はあ……はあ……お嬢さん、あなたは素晴らしい……」

彼が絶頂を迎えた時、智美の奥深くに熱い液体が迸った。子宮の入口を打つような、鈍い衝撃。智美はただ、流れ込んでくる他人の精液の熱を感じていた。

終わった後、紳士は智美の額に軽くキスをした。

「ありがとう。とても良かったよ」

彼は服を着て、去っていった。智美はベッドの上で丸くなったまま、股間からだらだらと流れ出る液体を感じていた。

しばらくしてドアが開き、涼が現れた。彼は何も言わず、分厚い封筒をベッドの横に置いた。

「残金だ。よくやった」

涼が出ていき、智美はゆっくりと起き上がり、封筒を手に取った。先に受け取った分と合わせると、途方もない厚さだった。

彼女はその現金の束を抱きしめた。紙幣の匂いが鼻をつく。インクと、微かな人の手の脂の匂い。

涙が、今度は止めどなく溢れた。しかしそれは、悲しみの涙ではなかった。全てを手放した代わりに、これだけの重みを手にした――そのあまりにも歪な充足感に、体が震えていた。

ドアの外から、客たちの祝福の拍手が聞こえてくる。智美は現金の束を抱えたまま、ゆっくりと床に崩れ落ちた。

もう、戻れない。

普通の娘には、絶対に戻れない。

そう悟った瞬間、智美の口から、泣き笑いのような声が漏れた。

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AIが紡ぐ大人の官能短編『妄想ノベル』案内人です

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