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無垢な幼なじみに焼き芋を差し出されながら、少女がジャ◯アンとス◯夫に秘密の快楽を刻み込まれてゆく梅雨【パロティ】

学生/いけない 全5章 約75分で読了(37,111字) 2026年9月23日

あらすじ

彼女はもう、彼に「ありがとう」と笑いかけるとき、唇の内側で別の少年の味を思い出す。のび太のくれる焼き芋の甘さより、スネ夫の差し出す媚薬の甘さに舌先が湿る。幼い日常は壊れない。ただ、見えない場所で熱を帯びるだけ。秘密は、いつも夕暮れの浴槽とカメラの赤いランプの向こう側で、音もなく彼女の身体を書き換えていく。

第1章 湯気の向こうで揺れる黒い前髪

第1章のシーン

# 第1章: 湯気の向こうで揺れる黒い前髪

六月の土曜日、午後四時を少し回った頃。空は梅雨の名残をとどめた鉛色の雲に覆われ、空気は湿り、肌にまとわりつくような重さを持っていた。私は野比家の前の路地に立っている。ブロック塀の継ぎ目から顔をのぞかせる青苔の匂いが、むっと蒸れた吐息のように鼻腔へ届く。手には、のび太さんから手渡されたばかりの焼き芋の包み。紙袋のそこから立ちのぼる湯気は、甘く、柔らかく、私の前髪の先端をほんの少しだけ湿らせていた。

「これ、焼き芋だよ。商店街の石焼き芋屋さんで買ってきたんだ。しずかちゃん、焼き芋、好きだよね?」

のび太さんの声は、湿った空気に吸われて少し遠くから聞こえるようだった。彼は眼鏡の奥の茶色い瞳を、期待で丸く見開きながら、私の顔をのぞき込む。ぼさぼさの黒い髪の一本一本が汗で額に張りつき、黄色い半袖シャツの襟元には、かすかな土ぼこりの匂いが染みついている。青い半ズボンの膝小僧には、転んだときの擦り傷にかさぶたができかかっていて、それが不器用な優しさの証のようにも見えた。

「ありがとう、のび太さん。熱いのに、わざわざ持ってきてくれたのね」

私は笑顔を作る。のび太さんが安心するように、口角を柔らかく持ち上げ、首をほんの少し傾けてみせる。それは、かつての私なら何の曇りもなくできた笑みのはずだった。けれど今、私の舌の裏側には、昨夜スネ夫の家で味わった媚薬の残り香がこびりついている。蜂蜜を煮詰めたような、腐りかけた果実を思わせる甘さ。喉の奥が、それを思い出すたびに微かに痙攣する。唾液が、ちゅるり、と舌の下で泡立つのを感じた。

「ううん、平気だよ。それより、しずかちゃん、元気なかったみたいだから……ちょっと心配になって」

のび太さんは、もじもじと指先を擦り合わせながら、照れ臭そうに視線を落とす。その無垢な瞳に映っている私は、きっと、ただの幼なじみの女の子なのだろう。白い丸襟のブラウスに淡いピンクのプリーツスカート。下着は母が選んでくれた、控えめなクリーム色の小さなシャツとペチコート。どこからどう見ても、ごく普通の、おとなしい小学生。そう、彼にはそう見えているはずだ。

でも、のび太さんは知らない。私のスカートの下で、太ももの内側が、昨夜の記憶だけでじわりと熱を持ち始めていることを。布地が肌に吸い付くたび、あの潤みを帯びた粘膜の感触が、下腹部の奥からむくむくと頭をもたげてくるのを。私はそれを悟られないように、静かに息を吐き、紙袋を胸の前で両手で抱え直した。

「心配してくれたの? ふふ、のび太さんは優しいのね。でも、私は大丈夫よ。ちょっと寝不足だっただけだから」

嘘。昨夜は一睡もしていない。スネ夫の家のベッドの上で、ジャイアンの太い腕に抱きすくめられたまま、朝が来るまで身体を開かされ続けていた。未来の道具で取り寄せたという、どろりとした蜂蜜色の液体。あれを垂らされた場所が、いまもまだ、しっとりと熱を帯びている。胃の裏がむず痒くなるような感覚。軽い吐き気。それなのに、私の身体は、あの熱を思い出して小さく疼いている。

「よかったあ。じゃあ、これ、一緒に食べようよ。まだ温かいよ。僕、半分に割ってあげるから!」

のび太さんの顔がぱあっと明るくなった。純粋な、濁りのない輝き。私はその眩しさに、一瞬、目を細める。胸の奥が、ぎゅっと絞られるように苦しかった。この子は、私の笑顔を見るために、わざわざ石焼き芋を買って駆けつけてくれた。何も知らない。私が彼の知らない場所で、どんなふうに啼かされ、どんなふうに身体を溶かされているか、何ひとつ知らない。

「……そうね。でも、今はまだ、ちょっとお腹が空いてないの。悪いけど、持って帰っていい? お部屋で大切にいただくわ」

「そ、そう? うん、いいよ。しずかちゃんがそうしたいなら」

のび太さんは少し残念そうに眉を下げたが、それでも素直にうなずいた。彼の足元では、湿ったアスファルトのくぼみに溜まった水たまりが、どこかで落ちた雨粒を受けて小さな波紋を描いている。空は、今にも泣き出しそうな顔をしていた。

「じゃあね、のび太さん。本当にありがとう」

「うん……! また、学校で会おうね」

私は彼に背を向け、家の玄関へと向かう。背後でのび太さんが、手を振っている気配がする。振り返らない。振り返ったら、何かが崩れてしまいそうな気がした。門をくぐり、玄関の引き戸を開ける。家の中は薄暗く、母の入れた蚊取り線香の甘苦い匂いが、廊下の奥からゆるやかに流れてきていた。

玄関に腰を下ろし、靴を脱ぐ。白いソックスを脱ぐと、足の裏に張りついていた感触がふっと解放される。紙袋を手に持ち、二階への階段を上がる。自分の部屋のドアを開け、そっと中へ入る。机の上に、そっと焼き芋の包みを置いた。紙袋の口から、細い湯気が一本、天井のほうへ立ちのぼっていく。その甘い香りは、昨夜、スネ夫の家の離れの洋間に充満していた媚薬の匂いに、どこか似ていた。鼻の奥をくすぐる、ねっとりとした粘度のある甘さ。

しばらくの間、私はその場に立ちつくしていた。のび太さんの親切を、素直に喜べない自分がいる。あの湯気の向こうに、ジャイアンの太い肉の感触が重なる。腕に浮き上がる青い血管。私の腹の奥をこじ開ける、あのうねるような質量。ぜんまいのように身体の奥が巻き取られていく感覚。喉の奥が、かっと熱くなった。私は首を振り、その残像を追い払うように、部屋の窓へ歩み寄る。カーテンをほんの少し開けると、どんよりした空が、部屋の中まで鉛色の光を落としていた。

「……お風呂、入ろう」

誰に言うでもなく、そう呟いた。のび太さんに触れられたわけでもない。ただ、あの無垢な視線に晒されただけで、私の身体は知らず、汗ばんでいた。ブラウスの襟元をはだけさせ、腋の下を流れる汗の感触を確かめる。冷房の効いていない部屋の空気は、肌の上をなぞるたびにしっとりと絡みついた。

私は一階へ降り、浴室へ向かう。古いタイル張りの壁、白い浴槽、銀色のシャワーヘッド。小さな窓の桟に積もった埃が、夕暮れ前の曇り空から差す光を浴びて、ぼんやりと浮かんでいた。服を脱ぐ。ブラウスのボタンを外し、プリーツスカートを床に落とす。ペチコートとシャツを脱ぎ捨てると、湿った布が肌から剥がれる瞬間、ひたり、と微かな音がした。

裸になった私は、浴室の鏡に映る自分の身体を見る。白く華奢な肩、まだ膨らみ切らない胸の頂きで、淡い桜色の乳首がつんと立ち始めている。昨日、あの二人に弄ばれた跡は、外見にはほとんど残っていない。ただ、太ももの内側の、柔らかな肉のつけ根のあたり。そこに、鏡越しではわからないほど薄い、爪の跡のような赤みが残っている。私は指先で、そっとそこをなぞる。ぴり、と痛むような、痒いような。それとは別の、もっと深いところから込み上げる疼きが、指先にじんわりと広がっていった。

「……ん」

私は小さく呟き、鏡から目を逸らす。浴槽に湯を張り、浅い水位のまま蛇口をひねる。白い湯が、ごくゆったりと器の底を満たしていく。湯気が立ちこめ、鏡を曇らせる。衣服を脱いだ体へ、熱い空気が触れるたび、全身の毛穴が開いていくようだった。

湯船に片足を入れ、ゆっくりと身を沈めていく。ふくらはぎ、膝、太もも、下腹部。白い肌が熱い湯に浸かり、かすかに赤らんでいく。その温度が、下腹の奥に溜まった熱と重なって、旨が窓の外から覗き込んでいるような、奇妙な感覚に襲われていた。

「……あ」

そのとき、浴室の壁ぎわに、何かが立った。空気が一瞬、ぱりんと割れるような、硬質な音を立てる。ピンク色の、どこでもドア。のび太さんとドラえもんがよく使っている、あの。それが、いきなり私の浴室の壁際に現れた。私は息を呑み、浴槽の縁に両手をかけたまま、身を固めた。心臓が、のど元で跳ねる。ドアが、ぎい、と小さく開く。間を置かずに、一人の少年が転げるようにしてこちらへつんのめってきた。

「わあっ……! と、とと、え……し、しずか、ちゃん?」

のび太さんだった。彼は手に紙パックのジュースを持ち、シャツの裾をはだけさせた状態で、目を見開いて、私の裸を凝視している。飲みかけのオレンジジュースが、傾いたパックの口からたらりと太ももにこぼれていた。黄色いシャツの胸元が、水色の半ズボンの端が、彼の動揺をまとめて代弁するかのように、小刻みに震えている。

「え、あ、その……! ご、ごめ……! どこでもドアの行き先、まちがえたんだ! 絶対にわざとじゃない、ほんとうなんだ!」

のび太さんは、しどろもどろに言い訳しながらも、私から視線を外せないでいる。眼鏡の奥の瞳が、湯に浸かった私の肩、剥き出しの胸元、水面の淡い揺らめきの間を、迷子のように泳いでいる。私は、とっさに左腕で胸を隠した。けれど、私の細い腕では、すべてを覆い隠すことなどできなかった。わきの下からこぼれる白い肌の艶が、浴室の湯気の中でしっとりと浮かび上がっている。のび太の視線が、まるで指先のように私の肌の上を這っていく。心臓の音が、耳の中で反響した。湯の揺らぎひとつひとつが、私の恥ずかしい場所の輪郭を、水面越しにのび太の目に差し出してしまっているようで。

「……見たの、のび太さん」

口にした声が、思ったより低くて、甘く濡れていた。のび太の頬が、たちまち真っ赤に染まる。

「ち、ちが……! 見てない、見てないけど……でも、その……」

「誤魔化さなくていいのよ。のび太さんが、そういう男の子だってわかってるから」

私の口から零れた言葉は、半分は本心で、半分は、どこか自分を嘲笑うような響きを帯びていた。のび太さんが私の裸を覗いた。その純粋な興奮が、私の肌を這い、太ももの内側をさらに湿らせていく。けれど、それと同時に私の耳は、浴室の外、洗面台の物陰から聞こえてくる、かすかな録音音を捉えていた。シューッという、空気が押し出されるような微音。赤いランプ。未来のカメラ。スネ夫だ。彼が、この瞬間を撮っている。のび太さんが私の入浴シーンを覗く、その一部始終を。

それを確信した瞬間、私の下腹が、きゅっ、と切なく収縮する。恥ずかしさとは別の種類の熱が、子宮の奥からじわじわと染み出してくる。撮られている。あの小さなレンズの向こうで、スネ夫が、私の裸を、のび太さんの視線を、ふたりの間を流れる熱い空気を、永久保存しようとしている。胸の奥が、むず痒い。唇が、勝手に開いていく。のび太さんに見られていることと、スネ夫に撮られていること。ふたつのまなざしが、私の裸身の上で重なり合い、皮膚のすぐ下を流れる血の巡りをきつく、ぬるく歪ませていく。

「し、しずかちゃん、ほんとにごめん! 僕、もう、帰るから……! これ、焼き芋の……おわびに、今度、もっと大きいの買うから!」

のび太さんは、しゃがれた叫び声を残し、どこでもドアの向こうへ逃げ込んだ。バタン、と閉まる音。空気がまた、かちりと凝る。静寂。湯が揺れる。私は、しばらく身じろぎできなかった。瞳を閉じると、瞼の裏に、のび太さんの慌てふためいた顔が浮かぶ。あの子の目に、私はいったいどんなふうに映っていたのだろう。恥ずかしかった。胸が苦しかった。あの眼鏡の奥の瞳は、私の肌を、自由のないまま、けれど痛むほど真っ直ぐに射抜いていた。

その一方で、浴室の外から聞こえる息詰まった沈黙は、スネ夫がまだ、あそこに潜んでいることを濃厚に示していた。彼の手の中のカメラ。私の肩、背中、浴槽に沈んだ白い腹。どこまで映されたのか。いまこの場所から立ち上がり、湯から上がる姿もきっと、録画され続ける。

指先が、勝手に太ももの内側へ向かう。ぬるり。湯ではない滑りが、私の人さし指に絡みつく。どくん。どくん。からだの奥が熱い。これは、湯の熱のせい。のび太さんに覗かれた動揺のせい。そう自分に言い聞かせてみても、溢れてとまらない粘つきが、私の膣口が、もう何かを待ち始めている心地を隠しきれない。

私は浴槽の縁に背を預け、天井を仰いだ。揺れる湯面が、曇った蛍光灯のあかりを金色のうろこのように照り返している。今夜、スネ夫の家へ行く時間まで、あと何時間? 指を折って数える自分がいた。のび太さんの焼き芋は、紙袋の中で、まだ静かに冷めていく。甘い湯気は消え失せ、それでも、わたしの舌の奥には、もっと別のあまい蜜の味が、こびりついたまま離れない。

指先で乳首に触れる。まだ火照る突起が、浴室の湯気を吸って、ひくり、とふるえる。バスタオルを手繰り寄せ、白い胸に押し当てた。柔らかな布目に擦りつけた先端が、切なく尖る。

「……ジャイアン」

たらいに背を預け、わたしは、その名前を胸の内でだけ唱えた。唇は動かさない。動かしたくなかった。だけど身体は、もう、彼のあの太い質量を思い出すたび、空洞になった内側から、ひとりでに潤みをあふれさせていく。のび太さんの無垢なまなざしを浴びたあとのこの炙り立つ身体も、羞恥の火照りも、いつか彼の知るところになるのだろうか。天井の水玉のあかりが、まだらに歪んで、私の前髪を伝う雫が、白い頬をすべり落ちた。

——今夜、スネ夫の家で、また、あの蜜の甘さに溺れる。身体の芯までずたずたになるまで、あのふたりに開かれる。その予感に、私は、けしていやではない自分を、もう、隠さなくなっている。湯気の向こうで揺れる黒い前髪の奥に、たしかに灯る欲望が、静かに、けれど確かに、私の瞳を濡らしていた。

第2章 蜂蜜色の媚薬が背筋を溶かしてから

第2章のシーン

# 第2章: 蜂蜜色の媚薬が背筋を溶かしてから

スネ夫の家の離れへ続く石畳を、裸足のまま歩いている。ざらついた敷石の凹凸が、土踏まずの柔らかな窪みをくすぐるたび、足首の奥から小さな痺れが込み上がってくる。空はもうとっくに藍色へ沈み、生垣の向こうの街灯が、湿った空気を橙色に滲ませていた。白いワンピースの裾が、太ももにまとわりつく。六月下旬の夜風は甘やかに生ぬるく、汗ばんだ襟足をゆるゆると撫でていく。

スネ夫の家の門扉をくぐった瞬間、鼻の奥を、あの匂いが貫いた。蜂蜜を焦がしたような、熟れすぎた果実が腐りかけているような、甘ったるい麝香の気配。肺の底まで吸い込むと、背骨のひとつひとつがほどけていく心地がした。今朝からずっと待ち焦がれていた匂い。身体の内側から、私の粘膜が勝手に唾液を編み始める。下着の中が、ぴったりと肌に吸いついている。

離れの扉は、半開きになっていた。私は呼び鈴も押さずに、するりと中へ入る。廊下の突き当たり、スネ夫の自室として与えられた洋間から、いっそう濃密な香りが流れてくる。襖を開けると、むっとした暖気が頬を包んだ。部屋の中央には、孔雀の羽根を散らしたような緑青じみた光が揺らめいている。スネ夫が「雰囲気づくりさ」と言って設置した、未来製の間接照明。壁一面に、ホログラムの薄絹が波打っていた。

紺色のワンピースは、入るなりスネ夫の指先に脱がされた。背中のファスナーを下ろされる。襟ぐりがはだけ、白い肩が夜気に触れる。布はするすると私の身体から剥かれ、床に輪を描いて落ちた。残されたのは、母が選んだレースのついていない、生成りのシャツとペチコートだけ。私はいつのまにか、部屋の真ん中へ座らされている。たたんだ膝の上に両手を置き、背筋を伸ばして。まるでお人形のように。

「今日もずいぶん、ええ眺めやな。しずかちゃん、こっち向いてくれる」

スネ夫が、部屋の隅に据えた三脚の後ろからひょいと顔を出す。切れ長の茶色い目が、笑っているようで笑っていない。額の真ん中でとがった髪が、青緑の照明をちょっぴり弾いて光った。彼の手にした黒い未来カメラのレンズが、吸い込まれそうなほど深く、私を見つめ返している。

「また、撮ってるの?」

「当たり前さ。きのうの入浴シーン、すごく良く撮れてたね。のび太のばかが飛び込んできたところ、しずかちゃんの背中の毛穴まで記録できてる。あとでモニターに流すから、一緒に見ようよ」

私は首を振った。いや、といいたいのではなく、首を振る自分を彼に見せたかったのかもしれない。羞恥のしぐさが、この部屋ではもう、媚態と同じ重さを持ってカメラに収まっていく。けれど私の頬は、さっきからずっと火照っている。媚薬の甘い空気が、吸うたびに肺の奥で燐光を放ち、血管のすみずみまで運ばれていくのがわかる。手足の先から、じりじりと融かされていくような、あの感覚。太ももの内側が、ペチコート越しにしっとりと汗ばみ、布の目が肌に食い込むたび、ちいさな快惑が尾を引く。

「……あれ、のび太さんは、見ないの?」

「のび太には、まだ見せないさ。あいつはいつか、全部まとめて見ることになるんだ。その日まで、僕のコレクションはもっと凄いものになってる。きみの放尿も脱糞も、もっといい画で何度も撮らせてもらうからね」

スネ夫の声は、蜜のように甘く低い。ひそめた喉から、べろりと舐めるような含み笑いが溢れる。私は唇の内側の薄皮を、上下の歯でかるく噛んだ。息が鼻から短く漏れる。唇がひとりでに開いていく。私はそれを、もう閉じる気になれなかった。

不意に、廊下の空気が揺らいだ。重い足音が近づいてくる。靴を脱ぐ音。素足が床に触れる、むん、とした湿った気配。ジャイアンだった。大柄な肩が、扉いっぱいに影を落とす。短い黒髪から流れる汗が、額の生え際を濡らし、オレンジ色のシャツの首まわりをぐっしょりと濃く染めていた。黒い短パンから覗く太い脚は、昼間のソフトボールの泥がうっすら残っていて、土と汗と、その奥から立ちのぼる男の子の匂いが、部屋の空気をぐっと重たくする。

彼は無言だった。ただ、汗の匂いを背負ったまま、私の背後に回り込む。両の掌が、私の肩へ置かれた。分厚い指の腹が、鎖骨の窪みをつかむように触れる。そのまま片手が、するりと背中へ下りていく。私のワンピースの下で、パチリ、とシャツの前ホックが外される。あっと思う間もなく、胸当てごと剥ぎ取られた。ペチコートのウエストに指をかける。腰を浮かせろと、その手つきが無言のうちに命じていた。私は、素直だからではない。立てた膝を左右に割り、小さく腰を持ち上げた。薄布が太ももをすべり落ちる。パンツはもう、股ぐらに細い水糸を引いて、透けるところまで湿っていた。ジャイアンの大きな手が、その布きれをこそげ取るように脱がせ、私の足首から抜き去った。

裸になった私の肌を、どろりとした空気が舐めまわす。太ももの内側を、とろりとした蜜が伝っていた。媚薬を、部屋に満ちる蒸気ごと肌から吸い込んでいたせい。その滴は、鼠蹊部をすべり、会陰をくすぐり、後ろの窄まりの縁まで行き着いて粘る。自分のものとは思えないほど、ぬかるみが深い。

「しずかちゃん、べつに抵抗しないね。きのうの夜、家に帰ってからずっと想像してたんだろ。この時間を」

畳の上に下りてきたスネ夫が、カメラを構えたまま、私の間近へにじり寄る。赤い録画ランプが、何度もまばたきを繰り返していた。私は答えない。答えるかわりに、顎を引き、濡れた瞳でレンズを見上げる。視界の隅に、汗ばんだジャイアンの太い腕が映る。シャツの袖に浮いた青い血管が、脈打つのが見えた。

ジャイアンの指が、私の背骨の上を、ひとつひとつ確かめるように下りていく。尾てい骨の窪みで止まり、会陰へ回り、熱い掌が、ぬかるんだ股の割れ目を下から包み込んだ。私の身体が、びくん、と跳ねる。彼は私の小さな膣口に、中略めいた力で、ゆるりと二本の指を這わせた。くちゅ、という粘液の音が、部屋の静けさに響く。

「もう、こんなに濡れてんのか。楽でいいぜ。なあ静香、ほしいか」

耳元に、ジャイアンの低い声が降ってくる。汗と、土と、チーズのような雄の匂い。彼の吐息が首筋をなぶるたび、私の肩が、こまかく震えた。

「……さ、触らないで、いや……見てる……」

「見てるのは、お前のいやらしいとこだ。ほら、ここも見せてやる」

ジャイアンが指を引くと、その先端に、透きとおった蜜の橋がかかった。ぷつん、と切れて、糸は空気にゆれて私の太ももへ落ちる。子宮の入口が、きゅう、と疼いた。頭の芯で、何かが音を立ててほどけそうになる。

「ああ……そんな、だめなの……」

零れた声が、自分でも聞き取れないほど、甘く濁っていた。全身が熱い。蜜を吸うたびに、脊髄の芯を、だれかが舌先でなぞっているような痺れが走る。私の膣口は、もうひくひくと口を開き、薄い陰唇のふたつが、呼吸に合わせて柔らかにひらめいていた。

スネ夫が、カメラのレンズを私とジャイアンの間に割り込ませる。

「おいおい、静香のここ、とんでもなく光ってるじゃないか。昨日よりすごいぞ。媚薬の濃度、昨日の倍にしたからな。今度は直接垂らしてやる。お前のオマンコと、その窄まりんとこ、両方な」

スネ夫の掌から、小瓶がひかりを反射する。蜂蜜色の液体が、とぷり、と私の秘裂へこぼれた。ひやり、とした一瞬の後、そこから蕾がほどけるような熱が、溶けるように広がっていく。とろ、とろろ、と名状しがたい甘さが、襞の一枚一枚を舐め開いて、奥へ、奥へと流れこむ。もうひと滴、後ろへ。肛門の縁に触れた瞬間、ひくん、と窄まりが鳴き、私の背が弓なりに反った。

「あ、ああ……んんっ、や、やぁ……そこ、ちが、ふぁ……っ」

「違わねえだろ。お前のケツも、もう昨日と同じ穴だ。ながしこんでやるから、いまのうちに力抜いとけ」

ジャイアンの指が、蜜で濡れた肛門を、くちくちと擦り開いていく。つめたさと熱さが、溶けては澄み、澄んではとろけた。私の尻穴は、ぐずる子供のように痙攣し、指の第一関節をきゅう、と咥えこんだ。のび太さんの顔が、ちぎれ雲のように、まぶたの裏を横切る。入浴中に覗かれた、あの眼鏡の奥の、無垢でまあるい瞳。いま、わたしは、その子の知らないところで、彼の知らない穴を、ふたりの男の子に開かれようとしている。

「……のび太さん……ごめ、なさ……あっ、あ、やぁぁ」

「今ごろ、のび太の名前か。いいぜ、その顔で啼いてろ。カメラの前で、もっとのび太って言ってみろよ」

ジャイアンの声が、酷薄さを増して熱を帯びる。彼の短パンの前立てが、ひどく硬く盛り上がっていた。布越しに、太い肉の形がはっきりと浮き出している。腹の下で脈打つ、あの凶器。私は、それを目の当たりにしただけで、膣の奥が、ぎゅっ、と空しく収縮する。火照った粘膜が、記憶の形をなぞろうとして、ぬらぬらと蜜を溢れさせる。

「もう入れ、ジャイアン。しずかちゃん、自分から足、開いたよ。カメラ、ちゃんと回ってるから、好きな格好にしていいぜ」

スネ夫が、壁際の照明を一段落とした。部屋が、いっそう緑青じみた闇に沈む。録画ランプだけが、規則正しく赤い瞬きを落としていた。私の裸身が、熱をふくんだ闇のなかで、青白く浮かんでいる。

ジャイアンが、短パンを引き下げた。太い陰茎が、反り返りながら跳ね出てくる。根元まで網の目に浮いた血管が、ぬらぬらと濡れた表皮の下で、のたうっていた。先端から垂れる透明な汁が、立ちこめる香気のなかで、すこし甘い匂いに変じているようだった。ふたつの肉袋が、ゆっくりと持ち上がり、重そうに揺れている。

私は両の太ももを、自分の手で抱えるように割り開かされた。ジャイアンは、片膝を立てて私の間へ進み、蜜でてらてらと濡れた陰茎の先端を、開かせた小さな膣口にあてがう。

つぷり。

熱いくさびが、粘膜の縁を、音を立てて押し下げる。私の背骨を、一気に電流が駆け上がった。喉の奥から締めつけるような呼気が漏れる。あつい。太い。うねりながら埋まってくる。彼の亀頭が、私の肉の口を、内からこじ開けていく。ぬくぬくと、質量ごと沈んできた。

「あ…っ、んんんっ、ふぅ……ぁあ……おく、あたって……」

「どうした、今日は素直だな。ゆうべは、指、二本も入らねぇって泣いたくせによ」

ジャイアンの腰が、ぐぬり、と奥を押し上げる。肉襞が、もみ消されるように拡がっては、きつく茎を取り巻く。私の腹の薄いへそ下が、太い侵入者のかたちに盛り上がる。カメラがそこを、舐めるように寄っていく。私は、恥ずかしさのあまり目を閉じかけるが、閉じたところで逃げ場はない。

ゆっくり引かれ、また押し込まれる。ぐちゅ、ぐぬり、ぬちゃ、という粘液の音が、全身を内側から打ち震わす。のび太さんが見た、あの私。湯船のなかで、のどかな湯気に囲まれていた私の身体は、いま、こうして男の子の太い肉を二本の穴で待っている。あの子の無邪気な眼鏡の奥の光が、私の背中を静かに責めた。

「あっ、あぁ……ひ、いいっ……ジャイアン……おねがい、そんな、はげし……」

「はげしく、なんだよ。ちゃんと言え。お前の口だって、昨日おぼえたんだろ」

ジャイアンの腰の動きが、さらに深さを増す。痺れが子宮の裏へ突きぬけて、尾てい骨からもしゃもしゃと上ってくる。私は枕に頭をぐりぐりと押しつけながら、唾液をたらし、言葉を切れ切れに吐いた。

「……たけしさんの、ぶっとおいちんぽ……ちょうだい……」

「ああ、くれるよ。お前のまんこ、俺の形によく馴染んできたからな」

ぐぬり、ぐぬり。下品な水音が畳の上にまで散っていく。私の膣が、彼の太さを、奥へ奥へと導くように締まり、ねじくれ、甘く痺れた。頭の芯がぐらぐら揺れる。視界の端で、赤い録画ランプが点滅するたび、括約筋が、きゅっ、と悦んだ。

突然、ジャイアンが身体を引いた。ずるりと肉が抜け、私の入口から蜜が、泡立つように溢れて畳を汚す。私の太ももが、がくがくと収縮し、膝がうまく閉じられない。息が、たどたどしい。

「まだ腰が足りねぇ。次はこっちだ。スネ夫、その場所、ちゃんと映せよ」

ジャイアンが、私の腰を、ひっくり返すように横向きにさせた。足を持ち上げ、前から私の左足を肩へ回させる。無防備に剥き出しになった赤い肉裂を、冷たい空気がやさしく撫でた。すぐさま、あの太い先端が、びっしょりと濡れた後ろの窄まりへ押し当てられる。

「ここ、昨日は指だったが、今日は本物を初めて入れてやる。力抜けよ。蜜は十分、垂れてるからよ」

「……や、あ、おし、そこ、は……」

「おしり、ちゃんと言え。自分の命令、まだ覚えてるだろ」

私は、たった今差し出したばかりの唇で、その言葉を反芻する。この焼き芋よりも太い肉を、膣とアナルへ、なんども出し入れして、悦ぶ身体。もう、あの子の知る私はそこにはいない。

「……しずかの、おしりに……いれて」

言い終えるが早いか、亀頭が、窄まりをぬぷん、と貫いた。途端、腹の底から何かがせり上がり、視界が白く弾けかける。呼吸がとまる。肛門が、太い肉に押し拡げられ、耳鳴りのような甘い空白。じわじわと、彼の形を、くわえこんでいく痛みと、内側から湧く快楽が、別々の水脈になって混ざり合った。

「……っ、ぁ、あぁぁぁ……! ふと、い……おなか、はちきれ……」

「これでお前の二つとも、俺の形だ。ずっと、そのままにしてやるよ」

ジャイアンの腰が、私の肛門を、ゆっくり、しかし容赦なくこしらえ始める。ぐぬり、ずちゅ、ちゅぷ、と、それは膣のときとは違う重たい音だった。私の身体は、仰向けから横ざまに、やがて彼の手で四つん這いに返された。スネ夫のカメラが、私の窄まりと肉茎とがむき出しで饗宴している様を、前から、後ろから、下から、なめるように撮っていく。

視界の端に、青白いホログラムのモニターが浮かんだ。昨日の私が映っている。浴室の湯気の中、のび太さんに覗かれ、胸を腕で隠しながら、それでもカメラを見返している映像。その顔と、今ここで尻を振り、後ろの穴から巨根を出し入れされる自分とが、静かに重なる。

ふ、と口元がゆるんだ。なみだが、一筋、頬をこぼれていく。

「……スネ夫さん……みて、しずかのいやらしい肛門、もうこんなにひくひく……っ、おちんぽ、くわえてる……の」

四つん這いのまま、私は自ら腰を突き出す。膝が笑い、腕が震える。それでも、後ろを犯されるたび、私の中の雌の深い場所が、くちを開け、だらしなく蜜を床へしたたらせた。のび太さんのあの焼き芋の湯気は、もう思い出せなかった。ただ、この肉のあつさと、カメラのまなざしと、汗と蜜の匂いだけが、私のすべて。

どれほど続いたのか。時計の針が、気の遠くなるような遅さで、夜を削っていった。ジャイアンは何度も私の二つの穴を往復し、膣で果て、窄まりで果て、そのたびに私の腹の奥へ、熱い痼りを擦りつけた。そのあいだ、スネ夫は一度もカメラを下ろさなかった。

深夜が近い。私は、畳の上へ敷かれた薄い白いシーツの上で、正座をしていた。前に置かれた浅い皿。そのなかに、ついさっき私が放った尿が、まだ温い光沢を保って溜まっている。排泄を促され、赦しを求めたあの声も、透明な放物線が水音を立てた瞬間も、すべてカメラに飲まれた。脚の裏に、冷たい滴がひとすじ伝う。鼻の奥には、まだ蜜の燃えかすが、ぐずぐずと燻っていた。

「……また、撮って」

立ち上る甘い残り香に、私は舌の先で息を転がす。録画ランプが、こっくり、と頷くように赤く瞬いた。

第3章 カメラだけが見ている私の二つの穴

第3章のシーン

# 第3章: カメラだけが見ている私の二つの穴

「……また、撮って」

私の唇から零れ落ちたその言葉は、まるで自分のものではないみたいに部屋の空気へ溶けていった。録画ランプがこっくりと頷くように赤く瞬く。スネ夫はカメラを下ろさないまま、薄い唇の右端だけをくいと持ち上げた。あの笑い方。私の心臓が、胸の内側でまたひとつ、どくんと跳ねる。夜の帳が下りた部屋の中、青白いホログラムの光が、汗ばんだ私の太ももをぬらぬらと照らしていた。

あの夜から、四日。七月上旬の土曜日。外は朝から不機嫌な太陽が照りつけている。私は午前中のうちにスネ夫の家へ来ていた。家を出るとき、母は「またお友達のお家? 夕飯までには帰ってきなさいよ」と、玄関先で私の襟元を直しながら言った。白い丸襟のブラウス。淡い水色のプリーツスカート。胸の奥が、細い針でつつかれるように痛んだ。友達の家。そう、スネ夫の家は、もうとっくに友達の家なんかじゃないのに。それでも私は「うん、わかってる」と笑って、靴のかかとを揃えて外へ出た。鼻先に、生ぬるい夏の空気がまとわりつく。

スネ夫の家の門を抜け、母屋の脇をまわって離れへ向かう。先日までの洋間ではなく、今日は書斎を改装したという「撮影部屋」に通された。重い扉を開けた瞬間、ひんやりとした人工的な空気が、汗ばんだ私の首筋を撫でる。部屋の中は、薄暗い。南向きの大きな窓には白いレースのカーテンが垂れていて、昼の光が細かな網目を通り、床の上でゆらゆらと揺れていた。壁際には黒い三脚。その上に据えられた未来カメラ。小型のモニターが二台、それから湿度計。どれもが黙ったまま、部屋の主を待っているみたいに静かだった。

「よく来たね、しずかちゃん。今日は二人っきりだ。ジャイアンは野球の練習で来られないってよ。寂しいかい?」

スネ夫が、撮影部屋の奥からひょこりと顔を出す。黄緑色のポロシャツに白いハーフパンツ。首に小型のマイクを提げていて、片手には薄い銀色のリモコンが握られていた。彼の額のとがった髪が、レース越しの光を弾いて、かすかに金いろに縁取られて見える。

「べつに……寂しくなんかないわ」

「そうか。まあ、今日はどっちにしろ、きみのもうひとつの穴をじっくり撮らせてもらうからさ。ジャイアンがいない方が、力が抜けていい画が撮れるんだよ」

スネ夫は、壁際のモニターに手を伸ばし、なにかのスイッチを入れた。低い駆動音がして、画面が青白く明滅を始める。私の胸の音が、少しずつ大きくなる。彼はカメラの前に置かれた白い紙袋を拾い上げ、私のほうへ差し出した。

「これ、今日の衣装。着替えが楽なように、未来デパートで特注したんだ。開けてごらん」

紙袋を受け取る。指先がかすかに震えた。袋の口を開けると、薄い白い絹のような布が、ほのかな花の香りとともにおさまっていた。ベビードール、というらしい。肩ひもは細く、腰のあたりでふわりと広がる形。それから、白い小さな下着。絹ではなく、化学繊維のつるりとした光沢がある。私は唇をかみしめた。こんなもの、母は絶対に買ってくれない。スネ夫は私の手の震えを、薄い笑みで見ている。

「着替えは、ここで。カメラはもう回してあるからさ。一枚ずつ、ゆっくり脱ぐんだよ。今日のテーマは、脱がされることへの自覚。わかるね?」

スネ夫の声は、まるで先生のように優しい。けれど、その言葉の裏には、逃げ道という言葉が最初から存在しない。私はうなずくしかなかった。いや、うなずいたのではなく、うなずかされた。自分の首が、勝手に動いたようにさえ思えた。

ブラウスのボタンを外す。ぷち、ぷち、と小さな音が、部屋の静けさの中で信じられないほど大きく響く。高性能マイクが、私の指先の音を拾っている。ボタンを外した胸元から、白い肌が見えた。薄い汗が浮いている。プリーツスカートのファスナーを下ろすと、布はするりと音もなく足元へ崩れ落ちた。私は一度、目を閉じそうになって、やめた。カメラが、レンズが、私の落ちた服を、そのしわまで記録している。きっとスネ夫は、あとでこの映像を、私を横に座らせて一緒に見るつもりでいる。そう思うと、耳の奥が熱くなった。

下着姿になった。白いシャツと、小さなペチコート。おへその下あたりに、ぴったりと吸い付く布。それを、ゆっくりと下ろしていく。太もものつけ根が、ひやりと空気に触れた。私は今、生まれたままの姿で、この部屋の真ん中に立っている。けれどスネ夫は、私の裸を急かしはしなかった。

「じゃあ、これを着てくれるね。それから、ここに座って。脚は、ちょっとだけ開いて」

彼は小さな丸椅子をすすめ、私に白いベビードールを差し出した。私はそれを受け取り、身にまとう。ひやりとした滑らかな布が、汗ばんだ肌の上をすり抜ける。肩ひもが細く、胸元が大きく開いている。私は示されるままに椅子に座り、太ももをわずかに割った。カメラが、私を真正面からとらえている。レンズの奥の暗がりが、私の瞳を見ている。私は、もう一度あの赤いランプを確かめた。点いてる。撮られている。その事実が、下腹の奥を、ゆっくりと熱くしていく。

「いいね。じゃあ、そのまま片方の手を、下着の中へ入れてみようか。肩ひもを落とすんじゃなくて、下から、そう、手をすべり込ませて」

スネ夫は私の少し左側にまわり込み、低く指示を出した。私の指は、自分の意志とは別の生き物みたいに、薄い下着のゴムをくぐっていく。指先が、産毛の生えたつけ根をなぞり、さらに下りていく。ぬるり。濡れてる。さっきまでなんの刺激も受けていなかったのに、もう、そこはしっとりと熱く、指を受け入れようとしている。

「あ……ん、っ……」

私は目を伏せ、唇を噛んだ。指先に、どろりとした粘液がからむ。恥ずかしい。それなのに、指は止まらない。小さな花びらを、指の腹でそっと押し広げ、奥の、もっとも敏感な突起へ。くちゅ、と濡れた音が、自分の耳まで届いて、首のうしろがぞくりと震えた。

「ほんとに、きみは、病みつきになる子だね。顔を上げて、カメラにちゃんと見せて」

スネ夫の声は、すでに絞めるように低くなっている。私は首をもたげ、レンズを見た。私の指は、まだ下着の中で、自分の一番弱い場所をやわやわと圧している。白いベビードールの裾が、太ももの上でくしゃくしゃになっていた。

「スネ夫さん……見てる? 私のいやらしいところ……」

「見てるさ。世界でいちばん、近くでね」

シャッター音はしない。未来カメラは、記録音さえたてずに、私の声と衣擦れと粘液の音を吸い取っていく。赤いランプだけが、私の滑稽な姿を映し続ける。

その後も撮影は続いた。下着を脱ぎ、ベビードールを肩から落とし、四つん這いで尻をカメラに突きつけるように静止する。膝を開き、腰を反らし、太ももにたらりと垂れた粘液が、命のない絹の上へ細い橋を架けていた。スネ夫は「動かないで」と命じて、三脚の角度を変え、レンズを私の後方へまわした。

床に敷かれた薄いクッションの上で、私は額を擦りつけるような恰好になっていた。尻を高く突き上げ、流れ出した愛液が、花びらと太もものあいだで糸を引いている。目の前のフローリングに鼻が触れそうで、息を吸うたびに自分の淫香が肺の中へなだれこんだ。

「スネ夫さん……みて、しずかのいやらしいおまんこ、もうこんなにひくひくしてる……」

口から出た言葉は、自分のものなのに、まるでぞっとするほど甘く、溶けきっていた。私は腰を、ふるふると小さく揺すって、後方の空気へ向かってあえいだ。

「いいね、お利口だよ」

兜の緒を緩めるように低く、スネ夫が返す。部屋の空気が、しんと熱を帯びた。私は、この時間が、もう単なる撮影じゃないことを知っている。スネ夫のカメラが、私の身体の中に溜まり続ける淫らな熱を、ひとつずつ容器に閉じ込めていく。見られるたび、私は、その容器の内壁を舐めるように感じてしまう。

「ここから先へ進むよ。きみも、わかってるね?」

スネ夫が、床の上に薄い透明のシートを広げた。ぺらりと音を立てて、フローリングの上で白く透ける。私は膝をついたまま、それを見た。腹の奥が、ずん、と重たい。今日のために、スネ夫は私に、朝から「飲む整腸ゼリー」とやらを渡していた。未来のもので、数時間後に便意をもよおすらしい。私のお腹の中は、あたたかく、鈍い生き物がとぐろを巻いている。

「四つん這いのまま、ゆっくり息を吐いて。踏ん張るんじゃないよ、ただ、下へ、下へ力を抜いていくんだ。全部、私が見ててあげるから」

スネ夫の声が、ひどくやさしい。それが、かえって私の目の奥を熱くした。私は言われるまま、シートの上へ移動し、前傾して頬を床に寄せた。カメラが、私の背後に、じっと息を殺して立っている。あのレンズは、私の一番汚い秘密さえ、しかも一番きれいに、切り取ってしまうのだ。いや。汚いからこそ、きれいに切り取ってしまうのかもしれない。

腹の奥が、ぐぽ、と蠢いた。重たい。世界で一番、深い場所から何かが降りてくる。私は息を吸った。肛門が、怯えるように窄まる。力んではいけない。吸って、吐いて、吸って、吐いて。吐くときに、ほんの少し、下へ向かって開く。意識しすぎて、内臓の形が、全部わかってしまいそうなくらい苦しい。

「……でちゃう……しずかの、きたないうんち……撮られてるぅ……」

泣き声で訴えた。涙で前が見えない。でも、後ろのカメラははっきりと、私の肛門が、うっすら開きかけるところを捕まえている。

「撮ってるよ。大丈夫、大丈夫。きみのペースで、ゆっくりでいい。さあ、もう一度、長く息を吐いてごらん」

スネ夫の声を、頭のてっぺんから注がれる。私は顎を床に押しつけ、腰を突き上げた。息が、唇からびゅっと漏れる。と同時に、肛門の縁に、腹の底から湧き上がる熱い塊が触れた。

づるり……。

初めは、細い琥珀色の先端。つきり。肛門の縁が、逆らうように、そして引き寄せるように動いた。熱い。私の内側の熱。それは、空気に触れた瞬間、むあっと甘臭い匂いを部屋に漂わせる。自分でも信じられない。こんなものが、私の身体から出てきている。しかも、カメラの前で。それ以上考えまいとすればするほど、肛門は正直に、もっと太い部分を押し出していく。

「あ……あぅ……、や、止まんない……ひ、っ……」

ずる、ずるる。透明なシートの上へ、こんもりとした山が崩れ落ちる。重みの逃げた後、私の身体は、ぶるる、と細かく震えた。汗が背中を流れ、膝が笑っている。自分の目の前ではない後ろから、じわりと広がる排泄物の熱。その匂いが鼻の奥を突き、胃の裏がむかむかした。なのに。なのに、私の女のところは、ぐちゅぐちゅと音を立てて濡れていた。二つの穴が、別々の生き物になって、私を笑っている。

「見事だよ、しずかちゃん。ほら、モニターでも確認しよう。ここの色、すごく繊細で……あ、これならコレクターも喜ぶかなあ。わかるかい、きみの肛門のひだ、排泄のとき、こんなふうに花が咲くみたいに開くんだ。永久保存にふさわしいよ」

スネ夫はカメラを止めない。私の排泄の一部始終を、三百六十度の角度から記録し終えただろう。彼はそのあと、冷たいおしぼりと、消毒液を含んだ脱脂綿で、私の尻をゆっくりと拭った。肛門に触れるたび、私の背筋が、ひくん、と跳ねる。彼はさらに、青いキャップのついた細いチューブを取り、ぬるりとした透明のジェルを、私の窄まりの縁へ丁寧に塗り込めた。ただでさえ敏感なそこが、冷たいジェルの感触に、みずからを慰めるみたいにひくひくと蠢く。

「今日はこれでおしまいにしない。もう少し、この穴を撮らせてもらうよ。もちろん、中まで」

スネ夫が、私の耳もとでそう言う。彼の小さな指が、まだひくつく排泄の余韻を残した肛門の縁を、数回なぞった。私の息は、しゃくりあげるように乱れていた。涙のあとが、くすぐったい。膝をばたばたさせて、逃げたかった。それでも、私の両脚はカメラの前から離れようとしない。

「……おね、がい……やさしく、し、て……」

「もちろん。きみが望むなら、いくらでも、やさしくするさ」

うつ伏せになった私の背を、スネ夫の体温がすぐ後ろに感じる。彼は、ジェルで濡れた人さし指を、私の後孔へ、ゆっくりと沈めていく。ぬちゅ……ぐぶっ……ぬちゃり。排泄の直後の、傷つきやすい粘膜に、指が届いた。

「ひぁ……あ、あうぅ……!」

「痛いかい? でも、すぐきもちくなってくるから」

スネ夫の指が笑う。彼は排泄のときとは違って、指を抜き差ししはじめ、私の括約筋が、彼の指に絡みつくのを、モニター越しに確認しながら作業を続けた。撮られてる。私の肛門が、排泄を終えて、今度は男の子の指に犯されている。その一部始終が。あの赤いランプが。

泣き笑いの声が、とめどなく唇から漏れる。私はシートの上で、もう自分がなにを望んでいるのかわからないまま、されるがままに脚を開き、うつ伏せの背中を震わせた。昼の光は、レースのカーテンにゆらめいて、ベビードールの裾から覗く私の尻を、神様だけが見てるみたいに白く照らしている。けれど神様じゃない。見てるのは、未来カメラの黒いレンズと、それを持つスネ夫の笑みだ。

やがて彼の指が、ぬるりと抜かれた。私は、ほんの一瞬、自分の後ろが、喪失を確かめるように収縮するのを感じた。ああ、また。私の二つの穴は、すでに「見られること」という餌を待っている。浅ましい。どれほど汚してもらっても、この疼きはおさまらない。私はシートの上、うつ伏せのまま、静かに、泣き笑いを続けた。顔だけを振り向かせる。赤いランプと、スネ夫の切れ長の目が、こちらを見下ろしていた。

「この娘のヒクヒクする尻、永久保存だ」

柔らかすぎる声。私は、何かを言おうとして、唇を噛みしめた。そして、小さくうなずいた。よく濡れた目が、昼下がりの白い光のなか、ほんの少しだけ、とろんと光っていた。

第4章 のび太の焼き芋と、私がほんとうに欲しいもの

第4章のシーン

# 第4章 のび太の焼き芋と、私がほんとうに欲しいもの

七月第一週の水曜日。梅雨の雲が空を覆い、夕方五時に近いというのに、太陽はとっくに厚い鼠色の帷の奥へ隠れていた。湿気を含んだ空気は、肌にまとわりつくように重く、呼吸をするたび、肺の奥まで生温い水を飲み込んでいるような気配がした。私は学校の正門をくぐり、校舎の影を抜けて、帰り道の路地を歩いている。右手に持った鞄の取っ手が、汗ばんだ掌のなかでぬめり、指のあいだに食い込む。昨日、スネ夫の家で受けた恥ずかしい撮影の余韻が、まだ太ももの内側に沈殿していて、歩くたびに下着の布が、むずがゆいほどしっとりと肌へ吸いつくのを感じる。あの感触は、まるで自分の身体の奥底に、まだ誰かの舌が這いまわっているような、湿った記憶の残響だった。

路地の向こう、ブロック塀の切れ目から、誰かがこちらへ手を振っているのが見えた。ぼさぼさの丸い頭。眼鏡の縁が、曇天の下でもかすかに光る。のび太さんだ。彼は私の家の前あたりに立っていて、手にもった白い紙袋の口を、丁寧に折りたたむようにして両手でまるめていた。その指先は、心なしか白く、細く、紙袋の重みを確かめるように、かすかに震えている。さわ、と生温い風が吹き抜け、袋の底から、あの甘い香りがふわりと漂ってくる。焼き芋の、蜜を焦がしたような、濃厚でやわらかな匂い。それが湿った夕暮れの空気を裂くようにして、私の鼻の奥へ、甘く、ねっとりと忍び込んでくる。

「しずかちゃん、おかえり!」

のび太さんが、はずんだ声で呼びかける。彼の足元は、学校帰りの白い上履きではなく、紺色のスニーカーに履き替えられ、黄色い半袖シャツの襟元には、うっすらと汗が滲んでいた。ぼさぼさの黒色くせ毛が、湿気を含んで、いつもより少しだけ丸く膨らみ、まるで雨を含んだ雲みたいだった。眼鏡の奥の茶色い瞳は、まっすぐに私だけを見つめていて、その純真さが、曇り空の下で、小さな灯りのように感じられた。けれど、その「まっすぐさ」が、いまの私には、少し痛い。彼があまりにも純粋な目で見つめるからこそ、私の内側に澱むものが、いっそう濃く、暗く、熱を持ってしまう。

私は、彼の前まで歩いていき、口もとを彼の方へ向けて、やさしくほほえんでみせる。頬の筋肉が、昨日からずっと張りつめたままの糸のように、かすかに引きつった。

「のび太さん、どうしたの。こんなところで待っててくれたのね」

「えへへ、まあね。あのさ、今日は商店街のお芋屋さんが学校の近くまで来てたんだよ。すっごくいい匂いがしたから、しずかちゃんに持ってきちゃった。まだ、ほかほかだと思うんだ」

そう言って、のび太は紙袋を両手で差し出した。彼の細い指のあいだで、袋の口が小さく潰れ、くしゃりと乾いた音を立てる。その紙袋の奥から立ちのぼる湯気は、まるでのび太の体温そのものみたいで、私の胸を、くすぐるように撫でた。私はその包みを受け取ろうとして、一瞬、指さきが止まった。甘い湯気。あの、焼き芋の、砂糖を焦がしたような柔らかな匂い。それが、鼻の奥へ入りこんだ瞬間、私の舌の裏が、じゅわりと別の味を思い出した。あの、どろりと苦い、しょっぱい、雄の味。ジャイアンの、精液。昨日、スネ夫の家で、間近くで咥え、溢れて、頬の内側や唇の端まで生ぬるく汚染された、あの味。甘い芋の香りに包まれながら、私は、自分の中の粘膜が、焼き芋の湯気よりも、もっと別の熱を欲しがっていることに気づいてしまう。舌のつけ根が、じん、と痺れるように疼いて、太もものつけ根が、かすかに、無意識のうちに擦り合わさっていた。布越しに、女のそこが、きゅう、と小さく萎えるような、それでいて、ひらきたがるような、矛盾した疼きを訴える。

「……あ。うん。ありがとう、のび太さん」

私は、笑顔を崩さないように細心の注意をはらいながら、包みを受け取った。紙袋の重みが、昨日とはちがっていた。パンパンに、丸々と詰まっている。皮の焦げた匂いが、指のつけ根の汗を吸い込んで、あの日の放課後みたいに、すべてを曖昧な夕暮れへ連れ戻そうとする。甘くて、ほこりっぽくて、どこか切ない香り。それが、私の胸の奥の、まだ名づけられない空洞を、そっと撫でた。のび太が、私を見つめている。彼の前で、私は「しずかちゃん」でいなければならない。白くて、無垢で、小さな善意に心から喜ぶ、そんな女の子で。それなのに、私の指先は、紙袋のしわをなぞりながら、昨日、あのカメラの前で広げられた自分の秘裂を、はっきりと思い出していた。

「それでね、しずかちゃん。もし時間があったら……その、二人で、半分こして食べない? 今日、おばあちゃんがお家にいるけど、騒がしくないしいいかなって」

「……ふふ。のび太さんのおばあちゃん、優しそうで好きよ。でも、私、少しお家に帰らないと。母が晩ごはんの支度を手伝ってほしいって言ってたから」

「そっかあ。じゃあ、また今度だね」

のび太は、残念というほどでもなく、それでも少し瞳の光を弱めて、肩を落とす。彼の肩が、湿った空気の重みをそのまま着ているみたいに、かすかに沈んだ。私と彼の間に、生温かい風がもう一度吹き、彼の前髪が揺れた。あの子の眼鏡の奥のまあるい茶色の瞳が、私の顔を、ただ純粋に見つめている。その無垢な視線に晒された瞬間、私の下腹の奥が、きゅう、と無言の疼きを起こした。それは、昨日のカメラの前で感じた、あの、背徳の熱に似ていた。なのに、のび太は、そんな私の内側を、何ひとつ知らない。知らないから、こんなにも、まっすぐに、私を「きれい」だと言うのだ。その無知が、いまの私には、ガラス片のようにちくちくと刺さる。

「……じゃあ、のび太さん。本当にありがとう。今度こそ、一緒に食べようね」

「うん。あのさ、しずかちゃん。今日、元気? なんか、いつもより……きれいだなって」

のび太の声が、語尾すれすれで擦り切れた。私の胸の奥は、細い針でとん、と刺されたみたいに痛んだ。それなのに、顔は笑っている。彼に「きれい」と言われた瞬間、太ももの内側が、とくん、と熱くなった。昨夜のカメラの前で、自分の肛門を指で開かされ、泣き笑いながら感じていた身体の芯が、この時間と、のび太の賛嘆に、心から応えてしまっている。下着の布が、また、じわりと湿り気を増して、秘めたる場所が、私の意志とは無関係に、ひくひくと小さく蠢いていた。その蠢きは、まるで咲きたがる花のようで、私は自分の内側に飼ってしまった生き物の存在を、はっきりと自覚した。

「……のび太さんったら、何言ってるの。私、普段と変わらないわよ」

「そ、そうなの? でも、学校の帰り道に見かけたら、なんか……お花みたいきれいだったから」

のび太が、耳の先を赤くしながら、紙袋へ二、三度、視線を落とす。お花みたい。ああ、のび太は、私をそんなふうに見ている。白くて、清らかで、触れたら壊れそうだと。そうだ。私は彼の前では、いつでも、そういう源しずかでいる。それが、こんなにも、胸を締めつける。お花みたい、と言われた瞬間、私は逆説的に、自分の花弁が、昨日の雨に濡れ、誰かの指にこじ開けられたことを、全身で思い出してしまう。

ふと、記憶が、昨日の入浴シーンを、不意に引き寄せる。湯気に曇った浴室の鏡。カメラのレンズ越しに、私の裸身を舐めるように映し出した、あの冷たい光。スネ夫が、鼻息を荒くしながら、私の胸のふくらみや、湯に沈んだ秘部を、角度を変えては執拗に狙っていた。そして、その映像を、のび太は、何も知らずに、ただの入浴シーンだと思って見ているかもしれない。あの子の純粋な眼差しと、あの無遠慮なカメラの眼差しが、私の内側で、ぐちゃぐちゃに混ざり合って、吐き気がするほど、甘く疼いた。私は、自分の身体の内側が、たしかに、あの二人によって書き換えられてしまったことを、ここに来て、あらためて知る。

ガサリ、と、足音が二つ。路地の角から、聞き慣れた気配が近づいてくる。私は、はっとして顔を上げた。ブロック塀の向こうから、オレンジ色のTシャツと、黄緑色のポロシャツが、並んで姿を現す。

「よう、のび太。何、しずかの家の前でうろうろしてんだよ。また、へんな物でもくれる気か?」

ジャイアンが、太い腕を組んだまま、口の端をつり上げる。短く刈られた黒髪には、野球帽の跡がついていて、首すじに汗の光が筋を作っていた。彼が腕を組むたび、日焼けした前腕に、青黒い血管が、湿った空気の中で、うごめく蛇のように浮き上がる。その太い血管の一本一本が、昨日、私の身体の内側を暴いた、あの指先の力強さを、否応なく思い出させた。ずんぐりとした腰つき、分厚い胸板が、オレンジ色のシャツの下で、存在そのものの圧力のように迫ってくる。その圧力は、私の骨の芯を、みしりと軋ませる。

その後ろから、スネ夫が、薄い笑みを浮かべて歩み出る。額のとがった髪が、曇り空の下で、妙に白っぽく浮いている。切れ長の茶色い目が、私の顔から、手元の紙袋、そして、太もものあたりまで、ゆっくりと、値踏みでもするかのように滑り降りた。その視線が、服の上から、昨日の傷跡を、ぴりぴりと疼かせる。彼の目は、笑みの形をしていながら、奥の光は、氷のように醒めている。それが、余計に、私の肌の感度を上げていく。

「もう、のび太は相変わらずだね。焼き芋か。ほんと、君らしいや」

スネ夫の声は、涼しげで、それでいて、どこか私の腰の裏をなぞるような、ねとついた低さを含んでいた。その声を聞くだけで、耳の裏が、かっと熱くなる。

「な、なんだよ、悪いかよ。僕はしずかちゃんに、焼き芋を渡そうと思っただけだ」

のび太は、肩をすくめながら、私の手の中の紙袋を守るように、半歩、前に出た。その、昔から変わらない、ひ弱なくせに意地だけは張る姿が、私の目の奥を、また刺す。頼りなくて、でも、優しくて。その優しさが、いま、この場では、ただ私の胸を、ちいさく、鳴らすだけのものになっていた。のび太は、私を守ろうとしている。けれど、その細い腕は、私の内側に巣くった獣から、私自身を守ることはできない。

「おばあちゃんちの帰りか? お前、今日は塾もねえのか。暇なんだな」

ジャイアンが、のび太の頭のてっぺんを、軽く二回、掌でぽんぽんと叩いた。それから彼は、私のほうへ歩み寄り、のび太の目の前で、無造作に、私の制服の背中へ手を置いた。分厚い、あつい掌。汗と、日向の匂いが、服の上から染み込んできて、私は背中じゅうの毛穴が、一斉に開くのを感じた。まるで、彼の掌の下で、私の肌が、ひらひらと、開いていくみたいだった。その熱は、昨日撮られた裸身の残像を、容赦なく呼び覚ます。

「しずか、今日も学校、暑かったんじゃねえか。お前の制服、汗くさいぞ」

「……ち、ちがうわ。汗なんてかいてないもの」

私の声が、思ったより上擦っていた。はずかしい。けれど、もっと、くやしいくらい、からだが喜んでいる。ジャイアンの手のひらは、私の肩甲骨のあいだを、わざとなのか無意識なのか、ゆっくりと下へ動いていく。背中をまさぐられるたび、私の乳のつぶの先が、自覚できるほど、ぷつりと尖っていく。ああ、のび太が見ているのに。見られているからこそ、全身の神経が、ジャイアンの掌の熱を、いつもの何倍も深く、深く、受け止めてしまう。のび太の視線が、まるで、もう一人の観客のように、私の感じている姿を照らし出す。

「スネ夫くん、ちょっと。ジャイアン、のび太さんの前で、そんなことしないで」

「何が、そんなことだ。俺は、しずかの背中の汗を気にしてやってるだけだぜ。なあ、スネ夫」

「そこがジャイアンの優しさなんだって、のび太もわかってるだろ。ねえ、しずかちゃん」

スネ夫も、私の反対側から、すっと手を伸ばしてきた。その、白くて細い指が、私の制服の胸元へ、触れるか触れないかの高さで一瞬、浮く。のび太の前なのに。この二人は、私の身体の上で、のび太に見せつけるように、所有のしるしを這わせていく。人差し指の、ほんの先が、リボンの結び目を、そっと、確かめるみたいに撫でた。その指先の冷たさが、私の鎖骨のあたりを、かすめて、沈んでいく。

「わ、わかったよ。怖い顔しないでよ。僕、もう帰るから」

のび太が、急に、しょぼくれた声で言った。続けて、彼は私の手元の紙袋をちらりと見る。その瞳は、私ではなく、焼き芋の包みを、まるで置き去りにしなければならない何かみたいに、しげしげと見つめていた。彼の茶色い瞳が、一瞬、濡れたように光って、それから、眼鏡の奥で、小さく翳った。その翳りが、私の胸に、風のない夜の湖のような、深い寂しさを落とす。

「……あのさ、しずかちゃん」

のび太が、立ち去りかけた足を、ふと止めて、私を振り返る。彼は、眼鏡の位置を中指で押し上げながら、まるで、ずっと前から抱えていたものを見せるみたいに、私を見た。唇が、一度、開きかけて、閉じる。湿った空気が、彼の前髪を、そっと持ち上げた。

「あの、気のせいかもしれないんだけど……最近、なんだか、しずかちゃん、少しへんっていうか。前と、なんか、目が、ちがうっていうか」

その言葉は、私の胸のいちばん深い場所に、細い釘を打つように響いた。のび太は、自分が何を言っているのか、たぶん、よくわかっていない。無知のまま、けれど、その無垢な感覚だけは、私の異変を、ちゃんと嗅ぎつけている。私は、呼んでもいないのに、ほほえみを引き出して、首を傾けてみせた。

「……へん? 私、どこかおかしい?」

「おかしいんじゃなくて……その、前より、すごく、きれいだって思うこともあって。でも、ときどき、すごく遠い目をするというか。今も、なんか、僕のこと、透かしてるみたいだなって」

のび太の声は、最後のほうで、ふわふわと頼りなく揺れた。彼は、それ以上は追わず、ただ、自分のスニーカーの先を、しばらく見つめていた。私は、何も言えなかった。言えることなど、何もない。彼のいう「透かしてる」というのは、きっと正しくて、私の内側では、彼の見ている「しずかちゃん」と、昨日の「私」とが、薄い膜の向こう側で、静かに、見えない戦いを続けている。のび太は、その膜を見つめている。見つめているだけで、指一本、触れられない。

「ごめん、のび太さん。せっかく持ってきてくれたのに。明日、学校で、焼き芋の感想いうね」

「うん……じゃあね。ジャイアン、スネ夫も、あんまりしずかちゃんを困らせないでよ」

のび太は、そう言い置くと、背を丸めて、家の角を曲がっていった。その小さな背中が、曇天の灰色に、すうっと溶けていくのを、私は、焼き芋の紙袋を胸の前で抱えたまま、黙って見送っていた。彼の背中が、街路樹の影の奥へ消えるまで、私は動けなかった。私の手には、まだ焼き芋の入った紙袋が残っている。彼の背中が見えなくなると、ジャイアンの手が、私の腰のくびれを、がっちりと掴み上げた。その指が、私の肉の輪郭を確かめるように、きゅう、と絞る。

「んだよ、しずか。今朝もスネ夫ンちに来てたんだと? 俺がいねえからって、二人で何してた。ケツの穴、撮らせてたんだってな」

「……わ、私、そんな、自分から見せたんじゃ……」

「見せてなくても、お前は撮らせてただろ。それで、のび太の焼き芋なんか受け取って、あいつの前で良い子ぶって。この雌犬が」

ジャイアンの、獣のような低い声が、耳のすぐ横で、湿った空気を震わせる。彼の大きな手が、私のスカートの裾を、後ろからすぅ、と持ち上げようとする。その動きを、スネ夫の細い指が、意外なほど素早く押さえた。彼の指先は、私の腰骨の上を、定規で合わせるように、ぴたりと静止する。

「ジャイアン、外だよ。騒ぐのは部屋に戻ってからにしよう。のび太が角で見てるかもしれない。カメラの位置もあるしさ」

スネ夫の目は、笑っていない。その切れ長の瞼が、通りの向かいにある電柱の影を、無意味なくらい鋭く射抜いていた。私は、彼が隠し持っている未来カメラの存在を、悟った。あの赤いランプが、今日は、どこか、路地の奥の植木のあいだから、私のスカートの乱れを、しっかりと狙っている。彼の目は、いつのまにか、もう二人の少年ではなく、演出家の目になっている。私の羞恥を、いちばんきれいに切り取れる角度を、探している。

「……のび太さん、見てるの?」

私の唇が、勝手に、そっと呟く。その声は、私自身の耳にも、少し甘く、少し熱っぽく響いた。見られたい、というわけではない。けれど、のび太という純粋な視線が、いまの私の堕落を、なおさらに際立たせる。私が想像するだけで、内ももが、虫が這うみたいに、もぞもぞと蠢く。

「そんなことより、部屋に行こう。それで、お前の二つの穴が、だれを待ってたのか、はっきりさせてやるからよ」

ジャイアンが、私の腕をつかむ。その太い指が、華奢な二の腕に、五本の痕を残すように食い込む。痛みが、痺れに変わり、痺れが、鈍い快楽に溶けていく。私は、その強い力に引かれるまま、自分の家の門をくぐった。玄関を開け、階段を上がる。母は、一階の台所にいて、テレビの音がかすかに聞こえている。だし汁の匂いが、家じゅうに、夕餉のしたくの気配を満たしていた。母の鼻歌が、薄い壁越しに、のんびりと揺れている。その無防備な生活の音が、これから自分がすることを、一層、現実から遠ざけていく。私の部屋に入ると、ジャイアンは、私をベッドの縁へ押し倒した。黒いランドセルが、床に倒れて、教科書がばさりと音を立てる。

「……あ、や、私の部屋、散らからさないで」

「お前が、さっさとやることをすれば、散らからないんだよ。ほら、のび太の芋、置け。そんな紙袋、抱えたままかよ」

私は、手の中の焼き芋の包みを、机の上に置いた。白い紙袋の口から、まだ細い湯気が、あいまいな甘さを漂わせている。夕暮れ前の曇天が、窓の外を、灰色と薄い橙色の格子縞に染めていた。その光が、焼き芋の湯気を、まるで私の目の奥の涙みたいに、ほんのひとすじ、揺らめかせる。ああ、あの湯気だけが、いま、この部屋のなかで、のび太の無罪を証明し続けている。

「……ジャイアン。私、のび太さんと、なにもしてない、から」

「なにしてようが、今からぜんぶ、上書きしてやるんだよ。スネ夫、カメラ、回っていんのか」

「回ってる。窓の外の定点カメラも、この部屋の中の新作も、ばっちり映ってるさ。のび太がどこからか見てても、面白いね」

スネ夫が、部屋の隅で、黒い未来カメラを構える。私の視界のすみで、赤い録画ランプが、また淡く瞬く。あの光を目にしただけで、私の身体はもう、昨日のあの感覚をぜんぶ思い出して、下着の奥の襞を、うすく、うすく、ひらいていく。膣の入り口が、きゅう、と切なく収縮して、昨日の指を、舌を、肉の重みを、無意識のうちに求めている。身体は、もう、昨日の続きを知っている。心だけが、まだ、追いつけずにいる。

「……や、やぁ……なんで、いつも、こんな……私、また、おかしくなる……っ」

「てめえのほうから、おかしくなりに来てんだろ。昼間、スネ夫にケツを開かせた女が、どんな顔するか、のび太の前で見せてやろうか」

ジャイアンの太い指が、私のブラウスのボタンに、かかった。ぷつり、ぷつり、と弾ける音が、肌のすぐ上で聞こえる。その音のひとつひとつが、私の理性を、衣擦れみたいに剥がしていく。私は、逃げていない。逃げようとしても、腰が、のろく、うごかない。彼の指先が、開いた襟から素肌の上をすべり、小ぶりな胸を抑える。まだ、あのカメラが見てる。窓の外の空気が、私の肌を、ひやりと舐めた。それなのに、ジャイアンの掌の下から、胸の奥へ、熱が、じわじわと、這い広がっていく。私の体は、寒さと熱さの境界で、びくりと震えた。

「……ああ、たけしさんのぶっといちんぽ………」

私の口が、からっぽのまま、麻痺した舌先で、その言葉を落とす。自分の声とは思えないほど、その響きは淫らに、部屋の空気へ溶けていく。焼き芋は机の上で、胸の鼓動に合わせて紙袋を、かさり、と震わせていた。私の頬に、のび太の残した神聖な眼差しが、まだ、うっすらと貼りついている。それが、いまからはじまる肉の時間の、いちばん甘い毒になる。

「今からやる。その焼き芋ごと、てめえの頭を、おかしくしてやるからよ」

彼の声が、私の首すじに、熱い霧となって降る。スネ夫のカメラが、部屋の中の湿った空気と、狭くなる私の呼吸を、永久に閉じ込めようと、赤いランプを、ゆっくり、またたかせた。私は、首すじの薄い皮の上で、ジャイアンの吐息が、汗の粒を弾いていくのを、鮮明に感じていた。それは、のび太の焼き芋の湯気とは、まったくちがう温度の、もうひとつの生温かさだった。

私は、のび太の背中を思い出した。帰り道の角を曲がる、あの小さな背中。彼の手には、紙袋はなかった。あの紙袋は、いま、私の机の上にある。のび太のくれたものは、私の部屋にある。それなのに、私はそれから顔をそむけて、ジャイアンの太い腕に、腕を、自分から、すり寄せていた。自分の意志で、触れにいっている。その事実が、私の胸を、刃物とはちがう、もっと鈍いもので、じわじわと、切り開いていく。

「……ごめんなさい、のび太さん」

声に出さない、けれど唇だけが、確かに、そう動いた。その動きを、スネ夫のカメラが、逃さない。彼のレンズは、私の唇が形づくる謝罪までも、作品として凍結させる。

それから先は、布が破れる音と、私の短い悲鳴と、下品な水音が、部屋の薄暗い空気を満たした。ジャイアンは、私の下着をひざまでずらし、ぬれそぼつ肉の口を、二本の指でくわん、と開いた。ぐちゅり、と恥ずかしい音が、机の上の紙袋まで届いた気がした。私自身の愛液が、閉じ込められていた下着から解放されて、太ももの内側を、細く、温かい線を描きながら伝っていく。その感触が、たまらなく、いとおしいような、それでいて、底知れず恥ずかしいような、奇妙な安らぎを連れてきた。ぬめる雫は、ひざの裏で二筋に分かれ、靴下の白へ、じんわりと染みていく。

「しずかの、ここ、もう、ダラダラだな。のび太に芋もらっただけで、こんなにしてたのか」

「ちが……あ、ちがう……けど……ひぅっ……!」

ぬぷ、と、熱い、太い、彼の指が、私の膣のなかを、ゆっくり沈んでいく。私は首を反らし、自分の身体が、あの肉の記憶を、いやおうなく呼び戻していくのを感じた。ああ、これ。これが、わたしの、ほんとうに欲しいもの。のび太の優しさよりも、焼き芋の甘さよりも、もっと、ずっと、深い場所で渇いていたもの。その渇きは、私の内壁を、指のしわごと、懸命に締めつけている。身体が、正直すぎる。

「スネ夫、しっかり撮ってくれ。のび太の焼き芋が、あとで、これと並んで見られるようにな」

ジャイアンが笑う。カメラが、私の汗ばんだ内ももと、指に犯された小さな花びらを、眼前で舐めるように回っている。私の顔のすぐ横で、紙袋の口元が、甘い湯気を、もう一本、うっすらと吐き出した。その熱が、まるでのび太の指さきのように、私の頬をかすめて、それから、消えた。私は、目を閉じなかった。開いたまま、湿ったまつ毛のあいだから、二重になった赤いランプを見つめていた。目の奥が、灰色の空と同じ色に、ぼやけていく。あの子のいない部屋で、あの子のくれたぬくもりが、机の上で冷めていく。それでも、私は、冷めていく温かさを横目に、もっと熱いものの中へ、身体を差し出しているのだ。

「……んんっ、あ、たり……おく、指……ちが、もっと……本物……」

「本物だあ? 素直になってきたじゃねえか。今日は、ちゃんと、スネ夫ンちに行くんだろ。二人で、たっぷりしてやるから、観念しろよ」

ジャイアンの声が、いやに低く、腹の底へ響く。私は、半開きのくちびるから、涎をたらした。自分の、淫らになりきった顔を、スネ夫のカメラが、天使でも拾うように、うつしている。ああ、私、跨いでいる。のび太の純情の、やわらかい焼き芋の上を。その背徳が、下腹を、また、きゅう、と熱く煮込んでいく。

時間が、どれほど経ったのか、わからなかった。部屋の空気は、汗と、女のにおいと、床に落ちた下着の生温かさで、いっぱいだった。窓の外の光は、いつのまにか、もっと深い灰色へ沈んでいて、部屋の隅には、薄青い翳がたまっていた。私は、乱れたブラウスの胸元を手でかき合わせながら、机の上の紙袋を、一瞬、ふりかえった。白い紙袋は、少しだけ潰れて、それでも、あの甘い香りを、まだ、かすかに吐き続けていた。その香りは、私のなかで、のび太の無垢な眼差しと、いましがた自分の身体から溢れた淫らな匂いとを、結びつけようとしていた。

「……のび太さん、行ってくるわ。焼き芋、ありがとう。でも、私、ほんとうにほしいのは……」

その先の言葉を、私は、ひとりごとのまま飲み込んだ。窓の外は、もう、しんと翳っている。雲の切れ間から、わずかな茜色が、私の部屋の壁いっぱいに滲んで、部屋の隅のカメラのレンズを、じゅっと熱した。あの赤い光は、まるで、私の言えなかった本音を、代わりに録り続けているみたいだった。

スネ夫の家の前の路地は、すっかり夕闇のなかに沈んでいた。生温い風が、汗の冷えた私の首すじを、ねっとりと撫でていく。私は、ジャイアンの後ろを、半歩ずれて歩いている。スネ夫が、左手に提げた小型の機材バッグを、ときどき、わざと私の腰に触るように揺らす。鉄の門の向こう、二階の窓に、あの赤いランプが、ぽつりと灯った。空気には、もう、夜の匂いが混じりはじめている。湿った土と、遠くの台所から流れてくる夕餉の匂い。私の唇が、自然にひらく。のび太に、言えなかった本音が、べつのことばの形をとって、こぼれ落ちる。

「……ただいま」

小さな、あまい声だった。それは、のび太の前で言う「おかえりなさい」への返事ではなく、この、カメラと二人の少年が待つ家へ、帰ってきた私の、ではじめての言葉だった。

第5章 濡れそぼつ二つの輪に、のび太の顔が降ってくる

第5章のシーン

第5章:濡れそぼつ二つの輪に、のび太の顔が降ってくる

鉄の門をくぐり生垣のあいだを抜けると、石畳のひんやりした感触が裸足の土踏まずを刺した。私は、はだしのままだった。靴は、いつのまにかスネ夫の家の玄関に脱ぎ散らかしてきたらしい。爪先が薄暗い庭石に触れるたび、ひた、ひた、と湿った音が耳の奥で小さく反響する。見上げた二階の窓は厚いカーテンに閉ざされ、その継ぎ目から、あの赤い光が、ゆっくりと、しかし確かな呼吸を刻むように漏れていた。

離れの扉を押す。鍵はかかっていない。廊下の空気は昼間の熱をぜんぶ飲み込んで、むっと甘やかに澱んでいた。撮影部屋の重い木の扉の前で、私は一瞬だけ立ち止まる。胸の奥が、きゅう、と鳴った。帰りたい、という思いと、早く、という思いが同じ場所で溶けた鉛のように交ざり合う。

扉を開けると、部屋の中央に、ジャイアンが立っていた。

オレンジ色のTシャツも黒い短パンも脱ぎ捨てて、彼は野球の練習から帰ってきたままの汗ばんだ裸身を青白いホログラムの薄明かりに晒していた。短い黒髪の生え際から太い首筋を、いくつもの汗の筋が光る蟲のように這い落ちていく。彼の腕。あの丸太のように太い二の腕に青い血管が、息をするたび、びくり、びくりと浮き上がっては沈んでいた。胸板の厚み。腹筋の割れ目。そして、その下。黒い恥毛の茂みの根元から、見慣れた、あの凶器が、すでに、ゆっくりと頭をもたげていた。それは、まるで私の心音を聞きつけた獣のように怒張し、先端から、とろりと無色の汁を一筋、垂らしている。

「よく戻ってきたな」

ジャイアンの声は部屋の静けさを腹の底から震わせた。低く、けれど、どこか満足げな響き。私は、その声を浴びただけで、膝が、ふるり、と笑った。

「……来ちゃった。私、また」

自分の声がかすれて、まるで他人事みたいに零れる。私の手は制服のブラウスの襟元を両方の指で、きつく握りしめていた。のび太の焼き芋。あの白い紙袋。私の部屋の机の上。瞼の裏に、それが、まだ、ちいさな湯気さえ残して置き去りになっている。あの子が、どんな思いで包みの口をまるめたか。私の笑顔を見るために、どれだけあの路地で待っていたか。それを思うたび、胸の内側の薄い膜が、ぴりぴりと破れていく。なのに私の足は、もう、この部屋の熱い空気の外へ出ようとしない。

ジャイアンが、大きく二歩、近づいてきた。彼が動くたび床の上に、汗の匂いと土くれの匂いと男の子の肌から立ちのぼる、むっとした体臭が波のように打ち寄せる。私は、その匂いを肺の奥まで吸い込んでしまった。鼻の奥が甘く、しびれる。彼は私の真後ろに音もなく回り込んだ。

「わざわざ家から出てきやがって。えらいぞ静香」

彼の分厚い掌が、私のブラウスの上から鳩尾のあたりを、ゆっくりと、まるで確かめるように抱え込む。背中に、彼の熱い胸板がぴたりと押し当てられた。あつい。心臓の音が背骨を伝わって子宮の奥まで、どくん、どくん、と響いてくる。彼の指がブラウスのボタンを上から順に、ぷち、ぷち、と外していく。ボタンの穴から、ひんやりした夜気が汗ばんだ肌にするりと入り込んだ。

「……撮ってるんでしょ。スネ夫さん。三台もカメラ回して」

私は、うわごとのように呟いた。部屋の隅。天井近くの棚の影。それからレースのカーテンの向こう。赤い、赤い、三つのまばたき。そう、あれは三つ。正面の三脚の上。私の横顔を狙う小型の黒い筒。それから天井の四隅のうち南側の角に音もなく首をめぐらす真珠色の球体。そして私の足元、床に据えられた、ちいさい、底光りのする箱。そのすべてが私の呼吸ひとつ、毛穴の開きひとつ、零れる唾液の糸ひとつを逃さず記録している。スネ夫自身はどこか別の場所からモニター越しにこの部屋を覗いているのかもしれない。それでも、あの三台のまなざしは、まちがいなく彼の切り裂くような視線そのものだった。

「ああ。お前の可愛い悲鳴も全部拾ってる。聞いてるかスネ夫。今からこの雌犬がどうなっていくか、とっくり撮っておけよ」

ジャイアンが私の耳たぶに熱い唇をかるく吸いつけた。びくり、と肩が跳ねる。ブラウスが、するりと肩から落ち、床へ白い花びらのように萎びていく。プリーツスカートのファスナーが下ろされる。布が太ももを滑り、足首で、しばらく輪を作っていた。ペチコートもシャツも、汗と恥辱で湿ったそれらをジャイアンの手がまとめて剥ぎ取っていく。残ったのは生成りの、小さな腰布だけ。その中心は、すでに私の痺れるような蜜を吸って半ば透き通った地図を描いていた。

「……や、あ、もう、ぬるぬる……下着、脱がさないで、このままで……」

「何言ってんだ。今さら恥ずかしがるような体か。ほら、見せてみろ」

ジャイアンの右手が、私の下着の上から割れ目の中央を、ぐっ、と掌全体でわしづかむ。くちゅり。布越しに、私のあふれ出した汁が卑猥な音を立てて泡立つ。彼の太い中指が、布の上から私のひらいた花弁のいちばん敏感な突起を、くるり、と押し潰すように撫で上げた。

「ひぅ……ッ! あ、あう……!」

腰が、がくん、と折れそうになる。私の膝は、もう自分の重さを支えられずに、がくがくと笑い続けていた。ジャイアンは、そんな私の腰を左腕で、ぐい、と持ち上げる。下着は彼の指先に、ぐちゃぐちゃに丸められ、ずり落ちて太ももの片方に、みじめな輪を作った。

「媚薬はいらねえな。見ろ、このとろとろの具合。俺の形がもう入る前からわかってやがる。こうやってな」

ジャイアンの右手の指が、私のぬめりきった肉の口を二本、ぬぷり、と奥まで沈めてくる。ぐちゅ。ぬちゅ。彼の指は私の胎内を、まるでそこが彼の所有地であるかのように、ゆっくり執拗に掻きまわした。私の頭の中で、のび太の笑顔が雨に濡れた墨絵のように、ぼんやり滲む。ああ、ごめん。こんなことになるなら、あの焼き芋をもっとちゃんと受け取ればよかった。そう一瞬、後悔が胸を刺す。けれど、それと同時に私の女の場所はジャイアンの指をもっと奥へ、奥へと、みずから食い込み締めつけねだっていた。

「自分から探ってんのか。俺の指咥えて動いてる。いいぜ、ちょうどいい。ケツの方もやるから力を抜いてろ」

ジャイアンのもう片方の掌が私の尻を二つに割り広げる。彼の、長い、節くれだった中指が後ろの窄まりの、ひくひくと収縮を繰り返す縁に、ぐい、と第一関節までねじ込まれてきた。

「……あ、あぁぁ……! そんな、いきなり……ケツ、あなが……!」

「いきなりじゃわかんねえだろ。ほら、ここの締まり。昨日の脱糞の成れの果てがまだ濡れてる。柔らかい。俺のチンポと同じくらい熱いな」

彼の指は私の肛門の、さっきまで恥ずかしいものを出していた、その薄い肉の輪を、ぐちゅ、ぐちゅ、と音を立てて押し広げていく。外からは、くちゅくちゅ、と水っぽい、いやらしい音が聞こえる。自分の身体の二つの穴が別々の男の指によって、いっぺんに音を立てて犯されている。腹の奥が痺れる。甘美な、甘美な、酩酊感。涙が視界の縁を、じわり、と滲ませた。

「……スネ夫、ちゃんと映ってるか。こいつの二つの輪が今から同時に開いていくところ。永久保存版だ。撮り逃がすなよ」

ジャイアンが低く笑う。彼の声は私の、ぶるぶると震える背中に熱い霧となって降りかかった。

「……ああ……、のび太さん……、ごめ……あっ!」

言い終わるか、終わらないうちにジャイアンの指が前と後ろから、いっぺんに、ぐ、と奥まで突き入れられた。私は首をのけぞらせ、小さな顎を天井へ向けて、ひくっ、ひくっ、と身体を痙攣させた。足の指が床の上で、ぎゅう、と丸まる。立っていられない。ジャイアンの腕に後ろから抱えられていなければ、私はいまごろ床に、みっともなく四つん這いで崩れ落ちていたにちがいない。

「立て。立ったままするんだよ。カメラが正面からお前のぐちゃぐちゃの顔を撮ってる」

ジャイアンが私の耳たぶにかるく歯をたてた。私は彼の腕の中で、どうにか両足を、ぷるぷる振るわせながら踏みとどまる。滲む視界の先に三脚の上のカメラの黒いレンズがある。あの吸い込まれそうな暗がりの奥で赤い光が、私の痴態を無慈悲に、ひとコマ、ひとコマ、焼き付けている。私は、ゆっくりとカメラに向かって舌を、ほんの少し出してみた。自分の顔が、どんなに、いやらしく、とろけているか、自分でも、はっきりわかる。この、みずから映して、と舌先で乞うているような顔。のび太の知らない、もうひとりの私。それは、この部屋の空気と汗と媚薬の燃えかすに、すっかり飼い慣らされてしまった雌の貌だった。

ジャイアンの、あの焼けつくような肉の先端が、私の後ろから、ぐちゅり、とぬかるみきった膣口の浅い場所に押し当てられる。

浅い。彼は、わざと亀頭の先だけを私の入口にくわえさせている。ずるり、と入りそうで入らない。私の肉の口は、あつい、あつい、彼の先端を、もっと中へ、と、みっともなく、くちくち、と吸いつく。けれど彼は私の焦れるのを楽しむように、また少し腰を引いた。

「欲しいか静香。のび太の芋と、どっちが欲しい?」

「……く、ふ……た、たけしさんの……っ、おちんぽ……」

「そうか。じゃあ、おねだりしろ。どの穴へどうしてほしい、ちゃんと言えよ。スネ夫のお高いマイクが全部拾ってくれてるぞ」

ジャイアンの先端が、また私の、とろりと開いた入口を、すぎ、ぐり、とこするだけ。私は涙でぐしょぐしょの顔のまま喉をひらいて声を絞り出した。

「……しずかの、しずかの……濡れた、まんこ……たけしさんの……ふといので、貫いて……」

「上出来だ」

その声と同時に彼の腰が後ろから、どん、と突き上げられた。

ずぶ、ずぶ、と私の中を、熱い、あまりにも熱い、太い肉の柱が一気に最奥まで押し広げていく。ああ。ああ……。始まる。私の女の場所が、あの野蛮な、ねじくれた男の器官を喜んで丸ごと呑み込んでいった。腹の内側からこみ上げてくる、あのめまいのような痺れ。頭のてっぺんからつま先まで、私の身体じゅうが快楽という、ぬるい毒に、じんじんと冒されていく。

「……んぐっ……! ふ、と……い……、た、けし……さ、の……!」

「締まる。俺の形覚えてたろうが。もっと、ぎゅうぎゅう絞ってこい。腰振れよ。自分から奥へおしつけてこい」

言われるままに、私はくねらせる。涙と汗と口の端から垂れる涎と。私の顔は、もう三台のカメラにとって最高の見世物でしかなかった。彼の腰が、いったん引き抜かれ、また、どちゅん、と突き込まれる。そのたび私の視界が白く瞬く。腹の奥の薄い皮一枚の向こうで、のび太の眼鏡の奥の、まあるい瞳が、じっと、こちらを見ている。あの瞳が私の、この、よがり狂う貌を、どんなふうに見るだろう。あの子の純粋な心は、私の、この淫らな花弁を、どんな色だと言うだろう。

「……見て……みて、のび太さん……私、こんななの。あなたのくれ、た……おいも、より……熱いの……あぁっ!」

私の口から、のび太の名があえぎと涙と唾液と一緒に、ぽたぽた、とこぼれ落ちていった。ジャイアンは、その言葉を聞きとがめて笑った。彼の腰の動きは、ますます速く深く、私のいちばん弱い場所をえぐるように突き上げる。

「言え静香。のび太の芋と、俺のと、どっちがお前を気持ちよくさせてる。ちゃんとカメラの前で言ってやれ」

「……た、たけしさんの……ぶっとくて……おなかの、中、燃えてる……おいもなんか、おいもなんか……っ、あ、あ、あぁぁぁ……!」

言葉にならない。舌が唇が、ぜんぶ彼の快楽におぼれている。私は立ったまま、後ろから、何度も、何度も突き上げられた。結合部から、ぐちゅぐちゅ、とみだらな水音が、まるで私の二つの輪が音楽を奏でているみたいに部屋中へ響きわたる。その音を、近接用のカメラの高性能マイクが、涎のしたたりひとつ、粘液の糸が切れる音ひとつまで余すところなく拾い上げている。

やがてジャイアンは、私の身体をつまみ上げるようにして床の上に落とした。私の両膝は、ぺたり、と冷たいフローリングの上に折り畳まれる。彼は私の尻を後ろから、ぐい、と高く持ち上げさせた。目の前に白い陶器の便器が置かれている。それは、この部屋で私が何度も放尿を、脱糞を、カメラに晒してきた、あの、いやらしい器。小便用の浅い白い便器。その、つるりとした内側の斜面が薄闇のなかで、ほの青く、妖しい光を帯びている。

「小便漏れるまで突いてやる。だからお前は、その器へちゃんと掛けろ。途中で違う場所にこぼしたら許さねえぞ」

ジャイアンの声が後ろから降ってくる。耳の奥で彼の声が奇妙にこだました。私は四つん這いのまま白い便器の縁に両手をかける。ひんやり、つるり、とした陶器の感触。その冷たさが汗ばんだ手のひらに心地よい。私は、おでこを、しんと冷えたフローリングにこすりつけた。尻を突き上げ、膝を笑わせたまま、後ろの男の、その重い腰を待つ。

ずぶん。

一息に、あの熱いものが私の真ん中の穴に埋め込まれる。奥まで。子宮の口をこじあけるように。私の痙攣する内壁が彼を、きゅうきゅう、と絞り上げた。

「ぁあっ、あ、あ、あ……んんんっ……! し、しずかの、まんこ……奥、奥、突かないで……、こわれる……!」

「こわれたら、なんだ。お前はとっくにこわれてる。俺とスネ夫がいないと生きていけねえ雌だよ。のび太に戻るか? 戻れもしねえ体にされてるくせによ」

彼の腰が私の尻にぶつかるたび、私の前世からの、臆病な少女の心が粉々に砕け散っていく。それをカメラが三台、ぜんぶ見ている。ねえ、のび太さん。あなたの、私を知っている気持ちは、もうどこにもつながっていないの。私はここで男の子に二つの穴を、じゅるじゅるに溶かされて、それであなたの顔を思い出して、泣きながら腰を振ってる。

「……ふぁ、あ、お、おしっこ……で、ちゃ、……ぅ!」

下腹の奥に、小便の、いやな、あつい塊が、ごろり、とまわった。ジャイアンの、私の子宮を突き上げる律動が膀胱を下から、ぐい、ぐい、と圧し開いていく。私は白い便器のくぼみに、温泉を掛けるように、ちろちろ、と放尿を始めた。透明な熱い飛沫が陶器の内側で、しゅん、しゅん、と鳴る。

「ほら、お前の、いやらしい水音。スネ夫、録れてるか。これがしずかの失禁の音だ。のび太に聞かせてやりたい音だぜ」

「……いや、いやぁ……あた、ま、見ないで……のび太さん、これ、しずかの、おしっこじゃ、ない……あぁ……あ、あ、あぁぁぁぁ……!」

私は泣きながら失禁した。それが、やがて本当の、絶望的な放尿に変わり、白い便器の底に浅く熱い水たまりが光りながら広がっていく。その、恥ずかしい音楽が部屋に、そして三台のカメラに吸い取られていく。そして、また私は突かれる。失禁のあと、かえって鋭くなった感覚が、私の、ひらききった前の穴を、ぎゅうぎゅうに締めつける。

やがてジャイアンが突然腰を抜いた。私の濡れそぼった膣から、彼の真っ赤に怒った肉茎が、ずるり、と音をたてて引き出された。その先端から先走りの汁が糸を引き、私のまだ震える太ももに、ぽたり、と垂れた。私は便器に手をついたまま肩で、はあ、はあ、と荒い息を繰り返す。息を吸うと、青白いホログラムの光と、自分の失禁の甘い膿のような匂いを、いやというほど吸い込む。

「次はケツの番だ。こっちも奥までちゃんと咥えろよ。お前の二つ目の輪も俺専用に、じゅるじゅるにしてやるからな」

ジャイアンが私の、うつ伏せの腰をさらに高く持ち上げた。彼の、あの、ぬらぬらと光る肉の先端が、私の、今朝から何度も彼のために、うすく開いてきた後ろの窄まりに押し当てられた。

私は自分の肛門から感じた。あの蜜の、あの排泄のあとの、いやらしい、しめり。昨日のスネ夫の指。あのジェルの、つめたい、ぬるつき。ぜんぶ、まだ私の肉の記憶の上に、うすい膜を張っている。彼の先端は、私の、ひくつく菊座の中心に、ゆっくり、ゆっくりとのめりこんでいった。それは、まるで熱いゴム毬のような、私の肛門の縁を内から押し広げていく。

「く、ぅ……ひ、ぃ……、あ、あつい……おしりの穴、ひろがって……、あっ、は、入ってくるっ……!」

「入ってくるじゃねえ。お前のほうから呑み込んでるんだよ。ほら、もっと力を抜け。昨日のウンコのときみたいに全部下へ逃がすんだ」

ジャイアンの、ぐちゅり、という粘着質な水音とともに、彼の亀頭が私の肛門の、せまい肉の輪を、ぐぶり、とくぐり抜けた。途端に私のお腹のあたりが内臓ごと、ひっくり返るような、いや、そんな生やさしいものではなかった。私の意識が一瞬、ぐらり、と揺れる。天井の真珠色のカメラが私の目を見下ろしている。ああ。私は、いま、ふたつの穴を男の子に交互に、この、いやらしい、だらしない肉の管にされてしまっている。のび太さん。あなたがお花みたいだと言ってくれた、この身体。その、いちばん、きたない、はずの場所。そこを、いま、べつの男の子が、彼の、いちばん、あつくて、かたいもので、優しく蹂躙している。ああ。涙が出る。どんどん、どんどんあふれて、フローリングが、しょっぱくなる。でも私は逃げなかった。逃げなかった。私のいちばん深い場所が、それを快美だと思って、もっと、と飢えていた。ちがう。飢えているんじゃない。私は、ずっと飢えていたから、この体に落ちてきたんだ。この男の、この肉に、このカメラの、このまなざしに。

「……いっ、ぁ、あ、ああっ……! し、しずかの……しずかの、おしり……後ろからも……壊さないで……ゆっ、くり……あぁ、だめ……あついの、奥、あたって……るぅ……」

「ゆっくり、ね。のび太みてえに、えらそうに言うんじゃねえ。お前のスピードは俺が決める。ケツの、いちばん奥、こうやって抉ってやる」

彼の腰が私の、肛門の、ひだひだと内壁を擦り潰すように前後し始めた。ぬちゅ、ぬちゅ、と水音が、私の尻の割れ目の奥から水気をおびてあふれ出す。それは、多分、私の膣から流れた愛液が後ろまで、だらしなく伝い落ちて、彼の抜き差しの潤滑油になっているのだった。白い便器の水面が、私の四つん這いの尻の動きに合わせて、ちゃぷん、ちゃぷん、と揺れた。それは、まるで、ふたつの生き物が私の中で、いんぎんに交わっている音の伴奏みたいだった。

私は泣きながら枕に顔を埋めて腰を振っていた。もう前の穴も後ろの穴も、彼の太い肉の形に馴染まされて、熱く、やわらかく、ぐずぐずに溶かされていく。

「……スネ夫……さん……みて……しずかの……汚い、肛門エッチのあと……ひくひく……してる……」

誰に言うでもなく、私はあえぎながら呟いた。右ほほの下の涙で濡れた床が、つめたい。その、つめたさも、今は私を刺す痺れた針のようで気持ちがよかった。三台のカメラが、私の排泄の、性交の、失禁の、そのすべての生ぐさい汁と声と熱を、未来のデータとして封じ込めていく。

どれくらい、そうしていたのか。ジャイアンは私の膣と肛門を交互に出し入れしていた。前へ、びゅ、びゅ、と。後ろへ、どぷ、どぷ、と。もう避妊なんて、だれも考えていない。彼の、熱い射精の、びゅるッ、と弾ける音が、私の腹の奥と内臓のすぐ裏側に幾度となく響いた。そのたび、私は死んだ魚のように目を白くして身体を痙攣させた。背中が仰け反る。爪でフローリングを、ぎりぎり、と引っかいた。

スネ夫は最後まで姿を現さなかった。けれど部屋の空気の隅々に、彼の、あの薄い笑いがカメラの赤いランプとともに息づいていた。時折、私の耳の奥で、この部屋を、この、いやらしい記憶を、いつかのび太に見せる日を楽しみに思っている、彼の喉の奥の、ぐふふ、という含み笑いが幻のように聞こえた気がした。

夜が深く沈んでいく。時計の針が十一時を、とっくにまわったころ。私は床に転がされたまま仰向けに、うつろな目を天井へ向けていた。下腹部が、どろどろに溶かされた私たちの生きた海で火照っていた。白い太ももは愛液と精液と汗と、ほんの少しの失禁のしずくで、てらてらと銀色に光っている。あの白い便器は部屋の隅へ移動されていた。その、くぼみには、私の水とジャイアンの濁った汁が混ざり合って、くさい池を作っていた。

部屋には赤いランプだけが三つ、呼吸するように点滅していた。ジャイアンの姿は、もうない。彼は射精を済ませると、すぐにどこかへ行ってしまった。スネ夫の気配も、いつのまにか遠くなっていた。部屋の中は、私の荒い、ひきつるような呼吸音と、尿と精液と汗の匂いが、むっと煮詰まった、この部屋特有の甘ったるい空気だけが充満している。

私は起き上がれなかった。肩を小刻みに震わせたまま唇を戦慄かせて、天井の、あの赤い光を見つめていた。のび太のくれた焼き芋。あれは、いまごろ私の部屋の机の上で、すっかり冷えて固くなって紙袋の底で真っ暗になっている。それから、のび太は家で私の笑顔を思い出している。何も知らないで。私が、こんな、みだらな濁流の底でおぼれ死んでいることを夢にも思わないで。

ねえ、のび太さん。ほんとうはあなたの、その、おいしそうだ、という顔がだいすきだった。だから、だから、あなたと、いっしょに、あの甘いおいもの皮をむいて食べたかった。でも、もう無理。私、帰れない。帰れないの。帰り道にコンビニへ寄って、焼き芋を買い直そう。明日、あなたに、おはよう、って笑うために。あの、あなたの記憶のなかの私の笑顔が、せめて、あの紙袋のなかの冷めたお芋と、いっしょに、あなたのおうちへ帰れますように。目の奥から熱いものが、とめどなくあふれて、生ぬるい、臭い床の上へ落ちていった。

どれだけ、そうしていたろう。私は、ようやく身を起こした。手足が木偶みたいに、ぎしぎしと痛い。それでも私は乱れた制服の、その、はだけたままのボタンを、ひとつずつとめていく。汚れた太ももを、脱ぎ捨てられていた下着で、ぞんざいに拭った。精液の生臭い白い膜が肌の上で、ちいさく白く、すじになる。からだの奥のほうでは、あの二つの輪が、まだ熱を帯びてふるえている。

私は、よろよろと立ち上がった。出口の扉に手をかけた。振り返らなかった。ただ背中に、三つの赤いランプを、みっつ、じっと感じながら。

「……おやすみなさい、スネ夫さん。おやすみなさい、ジャイアン。おやすみなさい……のび太さん」

声はかすれて、床の上にひっそりと消えた。深夜の生ぬるい風が私の、濡れた前髪を舐め上げていく。私は家とは、ちがうほうへ、コンビニの灯りを探しながら、はだしのまま夜の路地を歩きはじめた。明日、あなたに笑顔で、おはよう、と言うために。

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読み終えたあとの余韻に。

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登場人物
  • 源静香
    源静香 みなもと しずか
    女性 ・ 10

    外見: 黒髪を左右の高い位置で結んだ通学用の輪ゴムのままの髪、大きな黒い瞳、小柄で肉付きの薄い体。肩越しに漏れるあまい泥のような資源は浴衣の襟からかすかに薫る。服装: 白い丸襟のブラウスに淡いピンクのプリーツスカート、下着は母が選んだ緑色の小さな割烹着。性格・特徴: 外面は可憐で無垢な優等生。のび太の前では笑顔を崩さない。一方、スネ夫とジャイアンの調教により、羞恥心と快感が分かたれない肉体を持つ。自覚の奥で、見世物にされることに安らぎを覚え始めている。

  • 野比のび太 のび のびた
    男性 ・ 10

    外見: ぼさぼさの黒色くせ毛、眼鏡の奥からのぞく円らな茶色の瞳、骨ばって薄い肩幅、前歯が少し出た幼い口元。服装: 黄色の半袖シャツに青い半ズボン、肘のあたりに小さなしわの寄った白い下着。性格・特徴: 泣き虫で不器用。しずかに一途な恋心を抱き、無邪気な親切を繰り返す。性への知識は薄く、しずかの水着姿や入浴シーンに心を乱すのみ。彼の善意はしずかの焦燥を深くする。

  • 剛田武 ごうだ たけし
    男性 ・ 11

    外見: 太い首に短く刈り上げた黒髪、ぎらついた茶色い瞳、分厚い胸板とずんぐりした腰つき、すね毛の濃い逞しい脚。肌は日に焼けて赤茶けた野性の色。服装: オレンジ色の半袖Tシャツに、運動着代わりの黒い短パン。下着は履き古したグレーのトランクス。性格・特徴: 普段は自己中心的で乱暴。未来の介入で得た巨根は、彼にとって唯一の自慢。しずかを後ろから見る時だけ、優越感と情欲が声を低くする。

  • 骨川スネ夫 ほねかわ すねお
    男性 ・ 10

    外見: ひたいの中央でとがった独特の黒髪、切れ長の茶色い目、白魚のようになめらかな小柄な体。唇が薄く、笑うと右端だけ先に上がる。肌は浅黒く、喉仏のあたりに汗をかきやすい。服装: 黄緑色のポロシャツに白いハーフパンツ、ブランドもののベルト。靴下は清潔感のある白。性格・特徴: 狡猾で観察好き。自慢話より先に、他人の恥ずかしい部分を手に収めたがる。狡猾ゆえに口調は丁寧だが、目だけは笑わない。

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